『夜空を駆ける』 その2
_______________________________
911 :試作な俺[]:2010/12/10(金) 20:04:02.21 ID:346GvVdlO
前半の粗筋
バルクホルンの特訓受けてるよ!
能力の説明したりした
俺「協力して戦えるようにしないとなー」
坂本「アイツ戦闘中に性格変わり過ぎじゃね?」
前半はここまでだよ!
912 :-Prototype-試作品-10話->>910ありがとう![]:2010/12/10(金) 20:06:55.79 ID:346GvVdlO
<次の日!>
バルクホルン「よし、基礎訓練はここまでだ」
俺「りょーかい・・・」 ハア、ハア
バルクホルン「以前よりは、へばらなくなったな」
俺「・・・そりゃこんだけ毎日やってればな。嫌でも体力付くっての」
バルクホルン(ふふっ、段々と成長しているな・・・)
バルクホルン「だが、まだまだだぞ?おまえは出発点が人より後ろなんだ。もっと鍛えなくてはな」
俺「そりゃ、どーも・・・」
宮藤「お昼持って来ましたよー!」
俺「お、来たコレ!」
バルクホルン「ちょうどいい、食事にしよう」
俺「ありがとうな宮藤、リーネ―――――って、今日はリーネはいないのか」
宮藤「リーネちゃんは、今日はミーナ中佐の手伝いをしているから来れないって」
俺「そうなのか」
宮藤「だから今回は4人分しか―――――って、あれ?ハルトマンさんは?」 キョロキョロ
913 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 20:12:38.36 ID:as7rztAOO
支援
914 :-Prototype-試作品-10話-なんというミス…>>909ありがとう![]:2010/12/10(金) 20:13:01.35 ID:346GvVdlO
バルクホルン「今日はハルトマンはいない。部屋で寝るそうだ、全く!」 プンスカ
宮藤「じゃあ、1人分余っちゃった・・・」
俺「あー、俺が食うよ。腹減ってるし、もったいないし」
俺「何より、宮藤の料理はすげー美味しいしなっ」 ニコッ
宮藤「そ、そう・・・?///」
宮藤「じゃあ、いっぱい食べてね・・・」 スゥッ…
宮藤「キノコ♪」 ババァーーン!
俺「」
俺「」
俺「」
俺「」
俺「Σ はっ!」
俺「あまりの光景に…止まっちまったぞ・・・」
宮藤「色々たくさんあるよ。炊き込みキノコご飯のおにぎりに、焼きキノコに、蒸しキノコに、スーパーキノコに―――」
俺「キノコばっかじゃねぇか!髭生やした配管工も逃げ出すレベルだぞコレ」
宮藤「俺さんに、好き嫌いを治して貰おうと思って///」
バルクホルン「いい機会だ、しっかり治せよ」
俺「冗談じゃねぇ、仲間キノコなんか食べられね―――――」
宮藤「い、嫌なの・・・?せっかく俺さんの為に作ったのに・・・」 ウルウル
俺「な!?」 (泣いてる!?)
俺「く・・・・・」
バルクホルン「覚悟を決めるんだな。言ったからには、ハルトマンの分までおまえが食べるんだぞ」
宮藤「俺さん・・・」 ウルウル
俺(宮藤・・・)
俺(何やってんだ俺は。この前泣かせちまったばっかじゃねぇか。それなのに、まだこいつにこんな顔させるってのかよ)
俺(こんなんだからバルクホルンに軟弱だとか言われちまうんだろーが・・・・・・よし!) グッ
俺「スゥー・・・ハァー・・・」 (ここは……男を見せる・・・!)
スッ
俺「見てろよ。宮藤、バルクホルン」 プルプル
宮藤「俺さん・・・」
俺(・・・・・) プルプル
バルクホルン(まったく、キノコくらいで何をしている・・・) パクパク
俺(どれほどのキノコだろうと・・・、今日の俺は―――――)
俺「阿修羅すら凌駕する存在だ!」
俺「うおぉっーー!」 ガツガツ
俺「Σ ぐっ・・・」 ピタッ
俺「・・・・・」 サアアアァ…
バルクホルン(顔が真っ青に・・・)
宮藤「食べて……くれないの・・・?」 ウルウル
俺(う・・・・・)
俺「うおおおおおおっ!!」 パクパクモグモグ
宮藤「・・・・・♪」
――――――――――――――――――――
俺「ごちそう・・・さま・・・」 ガクリ
宮藤「どういたしまして♪」 ニコニコ
俺「良かった。泣き止んでくれて・・・」
宮藤「え?何のこと?」
俺「へっ?だってさっき涙目に・・・」
宮藤「えへへ、ちょっと目にゴミが入っちゃってね」 ニコニコ
俺(あれ?ひょっとして俺、謀られた?)
宮藤「でも、ちゃんと全部食べてくれて嬉しいなぁ///」
バルクホルン「いい加減に好き嫌いくらい治せ、この基地に来てからだいぶ経つだろ?」
俺「とは言ってもな。今までまともな物を食べる事が出来ていたとしても、この味と食感は好きになれなかったと思うぜ・・・」
バルクホルン「おっ、おい!」
宮藤「えっ?それってどういう・・・」
俺(あ、やっべ)
俺「いや、なんでもない。気にすんなって」
宮藤「でも今―――」
俺「ホント何でもないって!気にするなよ」
俺「さ、さぁバルクホルン。飛行訓練に移ろうぜ」 ササッ
バルクホルン「あ、ああ。そうだな、行こ―――」
宮藤「待って!」
ピタッ
場を立ち去ろうとした俺とバルクホルンを、背後から宮藤が呼び止めた
俺「な、何だよ宮藤。どうした?そんな大声だして」
宮藤「どうして誤魔化すの?なんで話してくれないの?」
俺「いや、だから何でも―――」
宮藤「はぐらかさないで!」
俺「は、ははは、はぐらかしてなんかねぇよ!」
宮藤「ふーん。じゃあ俺さん・・・」
宮藤「記憶喪失って本当なの?」
920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 20:32:40.25 ID:xZ0meCKA0
支援
921 :-Prototype-試作品-10話 >>920支援感謝です[]:2010/12/10(金) 20:37:23.30 ID:346GvVdlO
俺「!?」
バルクホルン(・・・!)
俺「おい・・・、何でおまえがそれを知っている?」
宮藤「・・・バルクホルンさんが助手さんと話しているのが、偶然聞こえちゃったの」
バルクホルン(! あの時か(※8話))
俺「助手が・・・?一体何を話して―――――・・・いや、もういいや」
俺「そうか、知られちったか・・・」
宮藤「ごめんね?あの時『話せるようになったら話して。』とか言っておいて、こんな風に聞き出して・・・」
宮藤「でも、私もバルクホルンさんと同じくらい俺さんの事が心配なの」
宮藤「だから・・・せめて、バルクホルンさんが知っている事くらいまでは話して欲しいの!」
俺「・・・・・」
バルクホルン「ここまで言っているんだ。話してやったらどうだ?」
俺「はぁー・・・・・」
俺(こういう風に、気を使わせたくなかったから、だってのに・・・)
俺(隠してこれじゃあ、本末転倒じゃねーかよ・・・)
宮藤「俺さん、お願い・・・」
俺「ったく。わかった、話すよ」
俺「別に絶対に話せないって話でもないけど、もちろん楽しい話でもない。それでもいいか?」
宮藤「うん」 コクッ
俺は宮藤に、バルクホルンにローマで話した事を話した
自分に五年以上前の記憶が無いこと
だから両親、家、故郷、友達の事を全く覚えて無いこと
気がついたら自分が施設のベットで寝ていたこと
ネウロイに両親を殺されて、それが原因で記憶喪失になったと聞いたことを
宮藤「ごめんなさい・・・。こんな事、不躾に聞いて・・・」
俺「そんな風になるだろ?あーあ、だから言いたくなかったんだよ。こんなこと話しても、誰も得しねぇってーの」
俺「おまえが気にすることなんてねーよ。感づかれるような事言った俺が悪いんだし」
宮藤「・・・・・」
宮藤「ネウロイに・・・」
俺「ん?」
923 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 20:46:52.73 ID:as7rztAOO
支援ぬ
924 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける[]:2010/12/10(金) 20:47:20.38 ID:346GvVdlO
宮藤「ネウロイに・・・復讐したいとかは、思わないの?」
宮藤「その・・・両親の事で」
俺「いや?全然」
宮藤「そう・・・なの?」
俺「なんで顔も名前も覚えていないような連中の為に、戦わなくちゃいけないんだよ。しかも、俺を残して死んじまったんだぜ?そいつら」
宮藤「・・・・・!」
俺「そんな奴らの為に戦う義理なんてありゃしな―――」
宮藤「駄目だよ!!」
俺「は?」
バルクホルン「・・・・・」
宮藤「覚えて無いからって、自分の親の事をそんな言い方しちゃ駄目だよ・・・」
宮藤「今こうして俺さんが生きているのは、お父さんとお母さんが、命懸けで守ってくれたからかもしれないんだよ?」
俺「・・・そんなん、ただの推測じゃねーか」
宮藤「そうだとしても、この世にたった2人しか居ない、お父さんとお母さんなんだよ?」
俺(親、か・・・・・)
925 :-Prototype-試作品-10話->>923感謝![]:2010/12/10(金) 21:00:15.74 ID:346GvVdlO
宮藤「お願いだから・・・そんな言い方はしないで」
俺「・・・わかった。宮藤がそう言うならそうする」
宮藤「俺さん・・・」
俺「両親なんざ、いないのが当たり前だったけど・・・、軽視するような言い方はもうやめるよ」
宮藤「ありがとう、俺さん・・・」
バルクホルン「・・・・・」
バルクホルン「なぁ、俺。本当に……何も覚えてないのか?両親の事を・・・」
俺「? 本当だけど」
バルクホルン「じゃあ、最近両親の夢を見た事は?」
俺「両親の夢?うーん・・・・・」
俺「無いな。夢なんて滅多に見ないし、どんな内容かも覚えてない。それに最近は、一回も夢なんて見ていないぞ」
バルクホルン「覚えて、ないのか・・・?」
俺「は?」
バルクホルン「ローマでおまえが倒れた時(※6話)、おまえは魘されながらもこう言っていたぞ」
バルクホルン「『母さん』と・・・」
926 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける[]:2010/12/10(金) 21:05:53.12 ID:346GvVdlO
俺「母さん・・・?」
俺(全く覚えがないな)
宮藤「あ、私も聞きました!医務室に居る時に俺さんが、『かあさん、に―――――!』
宮藤「あ・・・・・」
バルクホルン「? どうした?」
宮藤「・・・いえ、同じように、『母さん』と、魘されていました」(※8話)
俺「また?全然そんな覚えないんだけどなぁ」
宮藤「・・・・・」
宮藤「俺さんは、人から両親が殺されたと聞いただけで、本当は何も覚えてないんだよね?」
俺「そーだけど」
宮藤「だったら、諦めるにはまだ早いよ。ひょっとしたら人違いで、本当の両親は生きているかもしれないよ」
俺「そんなん有り得るかぁ・・・?」
宮藤「可能性はあるよ!」
バルクホルン「・・・・・」
俺「ふーん・・・。まぁ、生きていたらラッキーくらいには思っておくよ。とりあえず、な」
927 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 21:07:29.20 ID:5KPSMFv5O
支援は任せろー!!
928 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける>>927マジ感謝[]:2010/12/10(金) 21:11:20.76 ID:346GvVdlO
俺(両親、か・・・。しばらく考えた事なんて無かったなぁ)
俺(どんな人達だったんだ?やっぱり2人共、魔法が使えたりしたのかな・・・)
俺(「命懸けで助けてくれたかもしれない」か・・・)
俺(もし両親が生きていて普通に暮らせていたら、俺は今、何をやっていたんだろう・・・?)
俺(父さんが居て、母さんが居て、夜は3人で食卓を囲んで、俺は学校のことを楽しそうに話して・・・)
俺(・・・・・・・)
俺(・・・馬鹿馬鹿しい)
俺(なんてくっだらねぇ妄想しているんだ。俺は・・・)
俺(そんな「もし」なんて、ありえねーじゃねーか。ちゃんと現実を見ろよ。何も変わってない)
俺(やべっ、なんか虚しくなってきた・・・)
俺「・・・・・・・」
宮藤(また、あの目をしてる・・・)
バルクホルン「・・・・・」
宮藤「そ、そうだ俺さん!さっきの「まともな物を食べれなかった」って、どういう事なの?」
俺「ん?ああ…。記憶を失ってからの事だよ」
俺「そうだな。この際だから、この前話さなかった事も少し話しておくよ。『色々』の部分な。バルクホルンも聞いてくれ」
バルクホルン「・・・ああ」
宮藤「・・・」 コクリ
俺(さて、何から話したものかな・・・)
俺「記憶を失って俺が保護された施設ってのは、軍関係の研究施設だったんだよ」
俺「そこで俺は、魔法の使い方、コントロール、ストライカーでの飛び方など、ウィッチとして基本的な事を教え込まれた」
俺「その後は成すがまま……、こうしてウィッチとなった俺は、今テストウィッチやってるってわけだ」
俺「施設に入ってからは料理なんてモンは食べられず、食事って行動自体がまずなかった」
俺「全ては注射点滴によるただの『栄養補給』だったな。……あ、偶に出るカ○リーメイトは別だけどさ」
宮藤「なんで、まともに食事もさせて貰えなかったの・・・?」
俺「それは・・・」
俺「さぁ?何でだろうな・・・」
俺「だからここの基地に来て、
初めて宮藤達の料理食べた時は本当に感動したよ。こんなに美味い物があるのかってね」
宮藤「だからあの時泣いてたんだ……」
俺「こんな所かな。悪いな、胸糞悪くなるような話ばっかして」
宮藤「そんな事ないよ。ほんの少しかもしれないけど・・・、俺さんの事が知れて良かった」
俺「は・・・?」
宮藤「話してくれて、ありがとう」 ニコッ
俺(!?) ドキッ
俺(あれ、なんだこれ。何この変な感じ)
俺(胸の奥がモヤモヤする・・・。あの時のバルクホルンと同じように)
宮藤「それに、今まで食べれなかったのなら、これから沢山の物を食べればいいんだよ」
宮藤「私が俺さんに、いーっぱい!美味しいお料理作ってあげるからね」 ニコニコ
俺「あ、ありがとう、宮藤」
俺「嬉しいよ。宮藤の料理、大好きだからさ」
宮藤「えへへ、ありがとっ♪」 ニコニコ
バルクホルン「・・・・・」
俺「宮藤の料理ってさ、おいしくて懐かしい感じがするというかなんというか、これがオフクロの味って奴なのかな?」
宮藤「もう~、お世辞言っても何もでないよぉ?」
俺「いや、美味しいんだよ本当。これからもずっと食べていたいよな」
宮藤「へっ?///」
バルクホルン「・・・・・」 ムスッ
宮藤「・・・・・///」
宮藤「じゃあ、これからもずっと、私が俺さんに・・・///」
ガサッ
俺「!? 誰だ!」 ブンッ
不意に背後の草むらから物音がする。とっさに小石を拾い、気配目掛けてぶん投げる。すると―――
?「ア゙ダッ!」
?「ひゃあっ!」
聞き慣れた声が2つ
宮藤「今のは……」
932 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 21:29:09.47 ID:xZ0meCKA0
支援
933 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける[]:2010/12/10(金) 21:30:59.93 ID:346GvVdlO
宮藤「え?リーネちゃん?」
バルクホルン「ハルトマンか?」
ガサッ
エーリカ「にゃははー、バレちゃったか」
リーネ「ご、ごめんなさい・・・」
2人が草むらから姿を現した
バルクホルン「おまえ達、いつからそこに・・・?」
バルクホルン(まさか、全部聞かれていた・・・!?)
エーリカ「うーん、俺がミヤフジを口説いて、それでトゥルーデが嫉妬し始めたあたりかな?」
バルクホルン「し、嫉妬?」
エーリカ「ありゃ、違った?かなり複雑そうな顔していたよ?」
バルクホルン「な、何を言っているんだ。私が嫉妬なんてするものか!」 ガシッ
エーリカ「さっきのトゥルーデの表情から察するに、
『俺が宮藤とも仲良くなってくれたのは嬉しいけど、俺を独り占め出来なくなっちゃった・・・(ションボリ)』って感じでしょ?」 ニヤニヤ
バルクホルン「適当な事を言うな!」
エーリカ「トゥルーデ。そんなに動揺してちゃ図星突かれました、って言ってるようなものじゃん」
バルクホルン「ど、動揺なんてしていない。私はいつだって冷静だ!」
エーリカ「ねぇねぇ、トゥルーデったらね。ミヤフジに嫉―――」
バルクホルン「コラー、ハルトマン!」
エーリカ「へっへー、こっちだよ~だ」 タッタッタッタッ
バルクホルン「待てー!」 タッタッタッタッ
俺「何やってるんだアイツらは・・・」
宮藤「ねぇリーネちゃん。ひょっとして・・・さっきの話聞いてた?」
リーネ「ううん。私もハルトマンさんも来たばかりだよ」
宮藤「そうなんだ」
(良かったぁ・・・)
リーネ「・・・・・」
バルクホルン(私は嫉妬なんてしていない。ただ俺が自覚も無しにああいう事を言うのが気に食わなかっただけだ。
だいたいアイツは女心と言うものがまるでわかっていない。)
バルクホルン(って、何を考えているんだ私は。女心だのなんだの、柄でもない。それでもカールスラント軍人か・・・!
いや、しかし私も・・って違うだろ!あ、でもやはり…………いやいやそこは・・・)
エーリカ(トゥルーデったら、1人で楽しそう)
935 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける こっから本題[]:2010/12/10(金) 21:41:21.21 ID:346GvVdlO
――――――――――――――――――――
<2日後・ロマーニャ近海>
サーニャ「ラン…♪ラー・・・ララー♪ラランー…♪」 ブゥーン…
夜。誰もいない空。穏やかな空
1人の少女の歌声が、静寂の空に静かに響く
サーニャの歌だ。夜間哨戒中のサーニャは、一面雲だらけの空の上を飛び続ける
その姿はまるで、白い海を泳ぐ、1人の妖精のようにも見える
月明かりに照らされた少女の体は、透き通るような色白の肌をますます輝かせ、幻想的な雰囲気を醸し出している
白い海は広がり続ける。どこまでも、どこまでも―――――
この白い海のステージに於いて、他に役者は誰もいない。サーニャの1人舞台だ
だが静寂の彼女の海には、1人の乱入者により大きな波紋が生じる事となる
キュィーーン・・・
サーニャ「!」
魔導針が、遠くの空に『何か』を捕捉した
936 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 21:45:18.33 ID:as7rztAOO
支援
937 :-Prototype-試作品-10話-夜空を駆ける[]:2010/12/10(金) 21:46:45.89 ID:346GvVdlO
その直後―――――
ビシュゥゥゥゥン!!
サーニャ「っ!」
遙か遠くの空より、紅いビームが飛来する
サーニャは辛うじてそれを回避し、索敵する
サーニャ「目標、ネウロイ1。シリウスの方角、距離・・・・・15000!?」
サーニャ「こんな超長距離から攻撃を―――――っ!」
ビシュゥゥゥゥン!!
またもやビームが来る。サーニャはそれを回避しつつ、基地に通信する
サーニャ「こちらサーニャです。現在ネウロイと交戦中。場所は―――」
ザザー、ザーーーーーー!!
しかし応答は無い。聞こえてくるのは耳障りなノイズだけだ。
サーニャ(通信出来ない・・・?ネウロイのせい―――っ!)
ビシュゥゥゥゥン!!
ビシュゥゥゥゥン!!
ビシュゥゥゥゥン!!
938 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 21:47:52.82 ID:qSDKAMW6O
支援ザム
939 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 21:52:45.68 ID:4odL0ByJ0
くす
940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 21:53:26.34 ID:vt7OszHC0
しえーん
941 :-Prototype-試作品-10話-支援感謝する![]:2010/12/10(金) 22:00:05.48 ID:346GvVdlO
サーニャ「くっ……」
ネウロイは姿を見せる事なく、超長距離からサーニャを狙い撃ちにしてくる。
辛うじてかわし続けるが、このままではいい的だ
サーニャ(応戦しなくちゃ・・・!)
この長距離では、フリーガーハマーといえど射程圏外だ。接近して距離を詰めようとする
時々飛来するビームを避けつつ、飛び続ける。だが、いつまで経っても距離が詰まらない。
サーニャ(接近してこない・・・。こちらが進んだ分だけ、向こうも下がっている・・・?)
接近を止め、魔導針で確認する。
サーニャ(速くて追いつけない・・・。距離は15000のまま)
サーニャ(近づいた分だけ逃げ、逃げた分だけ近づいてくる)
サーニャ(こんな敵は・・・っ!)
ビシュゥゥゥゥン!!
サーニャ(このままじゃ、そのうちやられ―――!?)
突如、ビームが止む。再び空は、穏やかさを取り戻した
サーニャ(ネウロイの反応、消失……。逃げた?)
サーニャ(今のネウロイは、一体・・・)
<翌日・ブリーフィングルーム>
宮藤「ええっ!?ネウロイに襲われたって・・・サーニャちゃん大丈夫だったの?」
サーニャ「見ての通り大丈夫。芳佳ちゃん」
エイラ「サーニャに手を出すなんて。そのネウロイ、只では済まさない・・・!」
ミーナ「まだ話の途中よ。サーニャさん、続きを」
サーニャ「はい」
サーニャは昨晩の状況と、襲ってきたネウロイの特徴を話した
俺「そりゃまた災難だったな」
バルクホルン「接近して来ずに一定距離を保ち、超遠距離でのみ攻撃してくるネウロイ、か・・・」
坂本「接近しようにも、向こうも素早く距離を取る。しかも高速でな。」
リーネ「また恥ずかしがり屋のネウロイ・・・なのかな?」
シャーリー「恥ずかしがり屋って言うよりも臆病者だろー。近づいても来ないなんて」
エーリカ「遠くからチマチマと攻撃ー!なんて質が悪いねー、そのネウロイ」
ペリーヌ「とにかく無事で何よりでしたわ」
坂本「一度討ち損じたネウロイが再度出現する可能性は、極めて高い」
ミーナ「夜間戦闘を想定した、シフトを敷く必要があるわね。ちょうどあの時みたいに」
坂本「だが問題は、どうやってネウロイを仕留めるかだ。距離を詰めようにも逃げられる。15000も距離を取られては、こちらに攻撃の手段は―――」
?「ありますよ」
突如ブリーフィングルームに響く、重厚な声。
部屋に居た誰もが、声の方を見る。そこには―――
ミーナ「ダム・ダ・ダルシム大佐」
エーリカ(久しぶりに見たなー、このおじさん)
坂本「攻撃の手段があるのですか?」
シャーリー「そっかぁテウルギスト!あれならネウロイが逃げても、すぐに追いついて叩けるもんな」
ダルシム「テウルギストは調整中。現在使用は不可能です」
坂本「では、一体どうやって」
ダルシム「バスターライフルを使い、俺中尉にネウロイを狙撃させます」
ミーナ「バスターライフル、で・・・?」
俺「・・・・・」
945 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 22:15:48.00 ID:GA7NY4wCO
支援ダナ
946 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 22:16:09.84 ID:E0U9fdvO0
支援!
947 :-Prototype-試作品-10話-[]:2010/12/10(金) 22:17:20.12 ID:346GvVdlO
坂本「確かにあのライフルは強力無比ですが、狙撃には向かないのでは?しかも15km先もの目標を狙撃するなんて到底―――」
ダルシム「それが出来るから言っているのですよ。あなた達には出来なくとも、中尉には出来る」
シャーリー(む・・・・・) ムカッ
ダルシム「それに、彼には出撃義務があります。ネウロイが来るというのなら、彼が行くのは絶対です」
宮藤(出撃義務・・・。俺さんはネウロイが来た場合、可能な限りは必ず出撃しなければならない)
宮藤(テストウィッチだからって、少しは休ませてあげれば良いのに・・・)
ダルシム「ロールアウトしたばかりの狙撃用の追加装備を、バスターライフルに装着します。
こちらも試作品ですが、まぁ実戦テストには丁度良い機会でしょう」
ミーナ「試作品・・・。大丈夫なのですか?」
ダルシム「問題ありませんよ。十分可能です」
ミーナ「・・・わかりました。俺中尉を夜間哨戒専従班に任命します」
俺「りょーかい」
ミーナ「それとサーニャさんは、そのまま夜間哨戒班として、俺中尉と共に出撃して下さい」
エイラ(なっ)
サーニャ「わかりました」
948 :-Prototype-試作品-10話-支援ありがとう![]:2010/12/10(金) 22:22:34.97 ID:346GvVdlO
ダルシム「まぁ、確かにレーダー役は必要でしょうね。戦闘は中尉1人居れば十分かと思いますが」
シャーリー(いちいち引っ掛かる事言うよなこのおっさん・・・)
エイラ「はいはいはいはい!私もやるー!」
ミーナ「ふふっ、そうね。じゃあエイラさんもあの時と同様にお願いします」
宮藤「あっ、じゃあ私も!」
坂本「駄目だ。夜間哨戒班に、4人も戦力を割けん」
宮藤「そ、そんなぁー…」 ガックシ
リーネ(芳佳ちゃん、俺さんと飛びたかったのかな・・・)
ダルシム「決まりのようですね。なら……」 カツカツ
エイラ(うわっ、こっちに来た)
ダルシム「ユーティライネン中尉、リトヴャク中尉。俺中尉の足を引っ張らないように」
エイラ「っ!!」
俺(ちっ、またかよ・・・・・)
ダルシム(「ダイヤのエース」だか何だか知らないが、所詮はただの人間)
ダルシム(私の強化ウィッチの比ではない・・・!)
ダルシム「では、失礼します」 カツカツ
ガチャッ、キィッ…、ガチャン
エイラ「何だよアイツー!」 べェー!
サーニャ「怖い人・・・」
エイラ「サーニャ、心配いらないゾ。こんな奴が居なくても、サーニャは私が守るからナ!」
サーニャ「エイラ。そんな言い方したら駄目よ」
俺(あの野郎……しゃしゃり出て来るんじゃねぇよ・・・)←こんな奴
俺「ごめんな」
エイラ「へっ?」
俺「アイツがあんな事言って、不快な思いさせちまって、ごめん」
エイラ「い、イヤイヤ!おまえが謝る事無いって!なんか、こっちこそごめんな?」 (な、何でこいつ、いつもよりこんなに萎らしくなってんだよ・・・)
サーニャ「言ったのはあの人。あなたが気にする事じゃないよ・・・」
俺「2人とも・・・」
俺「ははっ、ありがとうな」 ニコッ
950 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 22:31:19.74 ID:qSDKAMW6O
支援支援
951 :-Prototype-試作品-10話->>950支援多謝![]:2010/12/10(金) 22:34:33.34 ID:346GvVdlO
ミーナ「では解散。3人には、早速今晩から哨戒任務に就いて貰うわ」
坂本「とりあえずおまえ達は、夜に備えて早く寝ろ」
俺「は?さっき起きたばっかりなんですけど・・・」
坂本「夜は哨戒任務で徹夜だ。今のうちに体を休めておけ」
俺「え゙っ、じゃあ特訓は?」
バルクホルン「任務が最優先だ。とりあえず、そのネウロイをなんとかするまでは訓練は無しだ」
俺「ええー…、無いのかよ」
バルクホルン「なんだ。訓練好きにでもなったのか?」
俺「もう習慣だったしな。編隊飛行訓練も早くやりたいし」
バルクホルン「……ふむ。良い心懸けだ」
(俺がこんなにも、積極的に訓練を望むようになってくれていたとは・・・) ジーン…
俺「それに、あんたにも会えなくなるしな」
バルクホルン「今何か言ったか?」
俺「いいや、何も」 (あれ?何言ってんだよ俺)
バルクホルン「ふっ、安心しろ。夜間専従班から外れたら、出来なかった分までしっかり鍛えてやるからな!」
俺「そりゃ、楽しみにしているよ」
<エイラ・サーニャの部屋、兼臨時夜間専従員詰め所>
俺「こんな朝っぱらから眠れるかよー・・・」 グデー…
エイラ「あまり喋るなよ。サーニャが起きる」
サーニャ「スー・・・スー・・・」
俺「あ、すまん。いつもはこの時間、バルクホルンの特訓受けてるからさ。体が慣れちまってるんだよ」
エイラ「特訓なぁ・・・。おまえ、絶対努力だとか嫌いなタイプだと思ってたぞ」
俺「好きじゃあないな。嫌いでもないけどさ」
エイラ「何だヨ、それ」
俺「やると決めた事は真面目にやるタイプなんだよ。俺は」
エイラ「ふーん」
俺「だから夜間哨戒も、やれって言われたからには真面目にやるさ」
エイラ「気乗りしないのか?」
俺「夜の空に、あまりいい思い出は無いんでな・・・」
エイラ「思い出?」
俺「・・・何でもない。寝るわ。オヤスミー」 ゴロン
エイラ「……変なヤツ」
953 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 22:42:29.96 ID:oZ73QWZwO
支援
954 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/10(金) 22:44:06.73 ID:WDPBSzoYQ
支援支援
エイラはやっぱ可愛い
955 :-Prototype-試作品-10話->>953>>954支援多謝![]:2010/12/10(金) 22:46:26.37 ID:346GvVdlO
――――――――――――――――――――
ルッキーニ<夕方だぞー!起っきろー!
エイラ「ん・・・」 パチッ
エイラ「もうこんな時間カ・・・」
エイラ「あれ?サーニャ?」 キョロキョロ
サーニャ「エイラ。こっちよ」
エイラ「サーニャ・・・何しているんダ?」
サーニャ「寝顔を、見ているの」
俺「(-.-)zzZ」スー・・・スー・・・
エイラ(何が眠れるかだよ、大爆睡じゃないカ・・・)
サーニャ「エイラ。やっぱり1人だけソファーは可哀想よ」
エイラ「何言っているんだサーニャ。こいつは男なんだぞ?よくわかんない奴だし、もし襲われたりしたら・・・」
サーニャ「そんな事をする人じゃないわ。この人は」
エイラ「・・・何でそんな事がわかるんダ?」
サーニャ「わかるの。この人だって私達と同じ。仲間を大切にして、傷つける事なんて絶対にしない」
エイラ「でもこいつ、この前宮藤を泣かせたって・・・」
サーニャ「それは誤解だったし、宮藤さんとも仲直りしてたじゃない」
サーニャ「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ、エイラ」
エイラ「サーニャがそう言うなら・・・」 チラッ
俺「(-.-)zzZ」
エイラ(こいつー、幸せそうな顔して寝やがって・・・)
エイラ「オイ起きろ俺!もう夕方だゾ」
俺「うーん」 ムニャムニャ
俺「あなたの為に歌う事が、こんなにもつらい事だなんて・・・」 ムニャムニャ
エイラ「一体どんな夢を見ているんダ・・・。俺、起きろ!」
俺「うん・・・?んー……」パチッ
俺「んー・・・・・」 ボー……
俺「夜中過ぎて甘いものを与えるからみんな怪物になっちゃったじゃないか!」
エイラ「何の夢を見てるんだ!」
957 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 22:54:40.03 ID:GA7NY4wCO
やっぱり可愛いな
支援
958 :-Prototype-試作品-10話-もう少しです[]:2010/12/10(金) 23:00:08.36 ID:346GvVdlO
<港・ラオホウ>
助手「今回の分のγ-グリフェプタンとアラキドノイルです・・・」 スッ
俺は助手から、液体入りのプラスチック容器を2つ受け取った
助手「いつもの短時間戦闘とは違い、哨戒任務は長時間飛行を行います。目標との接触後の服用をお願いします」
助手「それと、戦闘中のシナップスシンドローム・・・・・いえ、『時間切れ』にはくれぐれも気をつけて下さい」
俺「いつもの事だろ?わかってるって。・・・バスターライフルの取り付けはもう終わったのか?」
助手「はい、既に魔導スコープ及び、長距離用出力調整炉の装着は完了しています」
俺「わかったよ。お疲れさん」
助手「いえ、任務ですから」
俺「…………」
助手「では、私はこれで失礼します」
俺「なぁ、俺なんかした?」
助手「」ピタッ
俺「この前の事怒っているのか?それだったら謝るけどさ」
助手「……謝らなきゃいけないのは、むしろこっちですよ」 ボソッ
俺「へ?」
助手「失礼します」 ガチャン
俺「あっ……。行っちまった」
俺「何だよ。調子狂うなー」
<夜・ハンガー>
エイラ「アイツ、まだ来てないのか?」
サーニャ「・・・・・」
俺「いーや、もう居るぜ?」
エイラ「……何だよ、その装備」
ストライカーを履いた俺が姿を現す。
いつもと違いバスターライフルを縦に肩に装着し、背中の真ん中には酒樽と見間違えるような、大きな装置を背負っている
バスターライフルと装置はケーブルのようなもので繋がっており、照準用のゴツいスコープもライフルに装着されていた
エイラ「そんなんで飛べるのカー……?」
サーニャ(大きい・・・)
俺「まぁ、一応はな」
960 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/10(金) 23:10:59.42 ID:vt7OszHC0
支援
961 :-Prototype-試作品-10話-もう少しです[]:2010/12/10(金) 23:15:28.20 ID:346GvVdlO
俺「そんじゃ、行こうぜー」
エイラ「オイ、勝手に仕切るなヨ」
サーニャ「エイラ。行こう?」
エイラ「むー・・・」
エイラ(サーニャはああ言ったけど、こいつは得体が知れないんだよな・・・手放しで信用は出来ない)
エイラ(いざと言う時は、私がサーニャを守る!こいつじゃなくて私が)
エイラ(あの時決めたんだ。だから私がサーニャを、絶対に守る!)
誘導灯が、暗闇の滑走路を照らし出す
俺「さて、行きますかー」
エイラ「・・・ああ」
サーニャ「はい」
3人のウィッチが、夜空へと駆け出して行く
その先に、何が待ち構えるとも知らずに―――
962 :試作な俺[]:2010/12/10(金) 23:21:25.41 ID:346GvVdlO
γ-グリフェプタン(Gamma Glipheptin)
戦闘の際、強化ウィッチに服用が義務付けられている 『覚醒薬』 。服用後、一定条件で激しい禁断症状を引き起こす劇薬である。
『固有魔法の更なる効果倍増』、『肉体の超強化』、『ネウロイの存在への過敏化』などの様々な効果がある。
また、γ-グリフェプタンには精神高揚の効果もあるため、摂取直後には興奮状態となり、さながら狂戦士のように死をも恐れず戦闘を行う事が出来る。
しかし、死への恐怖だけでなく冷静な判断力も麻痺させるため、暴走する事がままあり、
他にも作戦行動中に効果が切れて禁断症状に陥ると戦闘不能状態になるなど、致命的な欠陥も抱えている。
気がついたんだが俺は話を短く纏める事が苦手なようです。文書くのも苦手ですけれど。おかげで日常パートが長くなりすぎてしまいました
次回は『白い海を越えて』です
支援してくれた人、読んでくれた人、どうもありがとう
次の人どうぞー
最終更新:2013年01月29日 15:09