『白い海を越えて』 その3
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228 :-Prototype-試作品-11話[]:2010/12/16(木) 23:59:45.85 ID:cKNic3DuO
宮藤に事情を説明すると、「良いものがあるよ!」と言って、どっかに行ってしまった
<3分後>
宮藤「持ってきたよー!」
俺「そのカードの山は何なんだ?」
宮藤「これはね、カルタだよっ」
エイラ「この文字の書いてある札がカルタって言うのか?」
宮藤「うん。扶桑に伝わる遊びの一種だよ、2人共知らないみたいだし、これなら公平でしょ?」
俺「確かにな、これで大丈夫か?」
エイラ「私はこれでいいゾ」
宮藤「じゃあ、ルール説明するね」
――――――――――――――――――――
俺「つまり、読み手の読んだ読み札と同じ語頭と絵が描かれた取り札を」
エイラ「この広げた取り札の中から探し出し、先に取れば良いんダナ?」
宮藤「そう。間違えた札を取ったらお手つきで、次は一回休みだからね」
宮藤「そうやってどんどん取り札を取って行って、最後に取り札の枚数が多い方が勝ち。全部で45枚だよっ」
エイラ「それにしても、このカルタって奴。変な絵ばっかのは何でなんダ?」
俺「半分くらいはどっかのおっさんの絵じゃねーか」
宮藤「これはね、『松尾芭蕉カルタ』なんだよ」
エイラ「マツオバショー?」
宮藤「昔の扶桑の俳人だよ。俳人ってのは俳句を読む人で、俳句ってのは・・・簡単に言うとちょっとした扶桑の詩かな」
俺「じゃあこのカルタの俳句は、全部その芭蕉さんとやらが書いた詩なのか」
宮藤「そうだよ?私も学校に通ってた時に授業で習ったりしたんだ。有名な人なんだよ」
エイラ「フーン」
俺「まぁ何でもいいや。じゃあそろそろ始めようぜ。宮藤、読み手を頼めるか?」
宮藤「うん!任せてっ」
サーニャ「私も読む・・・」 ムクリ
俺(あ、起きた)
宮藤「それじゃあ一緒に読もうよっ」
サーニャ「・・・うん」 コクリ
エイラ(サーニャが見ているなら、絶対に負けられない・・・!) ゴゴゴ
230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/17(金) 00:10:33.12 ID:NDjZPNEL0
支援!
231 :言葉の壁は代行が破壊してくれました[]:2010/12/17(金) 00:11:13.10 ID:sPAuOCCgO
机の上に乱雑に並べられた取り札を挟んで、俺とエイラが相対する
読み手である宮藤とサーニャは、並んでソファーに座っている
宮藤「それじゃあ、読むよ」
俺「頼むぜ・・・!」
エイラ「来い・・・!」
宮藤「いくよ~」
宮藤『古池や 蛙(かはず)飛び込む 水の音』
俺「『ふ』か!」
エイラ(えっと、どこに……) キョロキョロ
俺「もらいっ!」 バンっ!
エイラ「あ!」
俺「へへっ、一枚ゲット~♪」
エイラ「フンッ、まだ一枚目だ。調子に乗るには早すぎるゾ?」
サーニャ「次、読むね・・・」 スッ
サーニャ『さっきまで かゆかったけど おさまった』
俺・エイラ(なんだソレ)
232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 00:14:16.22 ID:lZi6Yq0l0
ギャグマンガ日和www
支援
233 :言葉の壁は代行が破壊してくれました 支援感謝[]:2010/12/17(金) 00:15:07.04 ID:sPAuOCCgO
エイラ「みっけ!」 バンッ!
俺「あっ」
エイラ「気を抜いてるからだゾ」 フフン
俺「……まぁ一枚くらいはどうって事ないから良いとしてだ」
俺「なぁ宮藤。マツオバショーって本当に有名な詩人なのか?」
エイラ「確かに、今のは私も無いと思うゾ」
宮藤「本当だよ?扶桑じゃとっても有名な俳人だったんだ。…………ただ」
サーニャ「ただ?」
宮藤「いい俳句も沢山詠んだんだけど、それ以上にスランプも沢山あったらしくて・・・」
宮藤「多分今のは、そのスランプの時の俳句だと思うよ」
俺「何でスランプ時の俳句までカルタにするかな・・・」
宮藤「それは・・・これ作った人じゃないとわかんないよ。でも、松尾芭蕉が凄い人なのは本当だよ?」
宮藤「授業で習ったんだけど、松尾芭蕉にはこんな伝説があるの」
エイラ「伝説?」
宮藤「うん、伝説。松尾芭蕉が最上川っていう、扶桑の大きい川を訪れた時のこと・・・」
234 :>>232正直悪ふざけが過ぎたとは思っている。だが反省はしていない。 支援感謝[]:2010/12/17(金) 00:20:46.36 ID:sPAuOCCgO
宮藤『俳聖松尾芭蕉は最上川の急流を 自慢のマッスルでせき止め下流の村を守り』
宮藤『非力な弟子はマッスル松尾 略してマッスオを 陰から応援するばかりだった』
宮藤『頑張れマッスオ それそれマッスオ マママママッスオ』
エイラ(どんな詩人だヨ・・・)
宮藤『そして芭蕉は―――』
俺「わかったわかった。もうわかった。バショーの話はいいから次読んでくれ」
宮藤「まだ続きがあるのに・・・。わかったよ」
宮藤「じゃあ、読むね」
俺(句の内容に惑わされるな俺・・・!札を奪う事だけに集中しろ)
エイラ(宮藤の話のせいで集中が途切れてしまったゾ・・・)
宮藤『このタイツ 2ヶ月ほどで この始末』
エイラ(また変な詩)
俺「ほいっ」 バンっ!
サーニャ『山下が 木下見たよ 先々週』
エイラ(あった!) バンッ!
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 00:22:14.68 ID:ssXAUot20
あの嘘話語り継がれたのかwww
237 :-Prototype-試作品-11話-支援多謝[]:2010/12/17(金) 00:26:34.80 ID:sPAuOCCgO
宮藤『かさねちゃん 元気はつらつ どっこいしょ』 バンッ!
サーニャ『暑き日を 海に入れたり 最上川』 バンッ!
宮藤『モナカ暑っ 山で出会った アメリカ人のモニカ』 バンッ!
サーニャ『昨日今日 お尻のダメージ 深刻だ』 バンッ!
宮藤『お尻は 臀部とも言う』 バンッ!
サーニャ『どうしてみんな 私をバカと 言うの』 バンッ!
――――――――――――――――――――
俺「ふふっ」
エイラ(くっ。勝負は中盤・・・。まずい、少し押されているナ)
エイラ(こうなったら奥の手ダ・・・) ピョコン
サーニャ『野茂だもの 逆から読んでも のもだもの』
エイラ「ふっ」 バンッ!
宮藤『涼しさを 我が宿にして ねまるなり』
エイラ「はっ!」 バンッ!
サーニャ『おいでやす京都』
エイラ「よっ」 バンッ!
238 :今更気がついたがこの世界にアメリカ人なんていないじゃねぇか[]:2010/12/17(金) 00:32:17.84 ID:sPAuOCCgO
俺(エイラの奴、急に取るのが早くなったな)
エイラ「フフン」 ピョコン
俺(あんな余裕の顔して、耳まで生やして・・・・・って耳ぃ!?)
ふと見ると、何時の間にかエイラの頭には、可愛らしい狐耳が生えていた
俺(こいつ・・・未来予知使ってやがる・・・!)
エイラ(お、俺の奴もう気がついたカ)
俺(そっちがそのつもりなら・・・) ピョコン
使い魔である烏の羽が、耳の後ろから生えた
エイラ(確か俺の固有魔法は「魔力変換」。カルタには役立たないはずなのに・・・)
宮藤『何今日暑っ 逆に山だよ 最上川』
エイラ(そこっ―――) スッ
俺「はっ!」 バンッ!
サーニャ『リスのほほ 食べもの入る ほほぶくろ』
俺「よっ!」 バンッ!
宮藤『エマニエル夫人』
俺『ていっ!』 バンッ
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/17(金) 00:34:15.68 ID:KfLyZ1UO0
いや、そんなささいな問題じゃないだろwww
242 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝ナンダナ[]:2010/12/17(金) 00:37:17.85 ID:sPAuOCCgO
エイラ(どうなっているんダ?私の未来予知を上回る速度で取り札を―――)
俺「ハンッ」 ニヤリ
エイラ(! そうかコイツ・・・)
エイラ(私の手の動きを見て、取り札の場所を・・・!)
俺(取り札を探す必要は無い・・・。おまえが未来を見るというのなら―――)
俺(俺はその未来を奪いとるだけだね) ニヤリ
サーニャ『昼だけど 泊まっちゃうんだ 悪いかよ』
俺「せぃ!」 バンッ!
俺(この・・・「超反射」でな)
エイラ(確かに、この速度は厄介だナ……)
エイラ(だが・・・手が無い訳では無いゾ)
エイラ「・・・フッ、私の勝ちダナ」
俺「なんだと・・・?」
宮藤『ブーメラン 顔に刺さって痛いったらないよ ドチクショウ』
俺「ていっ!」 バンッ!
エイラ「フッ」 ニヤリ
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/17(金) 00:39:05.93 ID:KfLyZ1UO0
242
エイラ「・・・フッ、私の勝ちダナ」
もうマルセイユコラのイケメンエイラで再生余裕でした
244 :-Prototype-試作品-11話[]:2010/12/17(金) 00:42:55.51 ID:sPAuOCCgO
宮藤「俺さん、お手つきだよ?」
俺「なにっ!?」
エイラ「フフン、掛かったな」 ニヤリ
俺「今の動きはフェイク・・・?まさか・・・!」
エイラ「その通りダ」
エイラ「私の未来予知に手も足も出なかったおまえは、私の未来予知をも利用しようとした」
エイラ「その超人的な反射速度で私の手の動きを見切り、私より先に取り札を掠めとることでな」
俺「くっ・・・!」
エイラ「だが、おまえは一つミスを犯した」
エイラ「所詮その作戦は、私の未来予知に依存しただけの物。私がちょっと別の取り札に手を伸ばせばすぐに引っ掛かる・・・」
影羅「子供騙しでしか無いんだヨ!」 ビシィ!
俺「ば、馬鹿な・・・!こうも簡単に破られるとは・・・」 ガクッ
影羅「もはやオマエに勝ち目は無いゾ。フフッ・・・アッハッハッハッ!」
サーニャ「エイラ、それ普通に反則よ」
エイラ「えっ」
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 00:44:16.86 ID:ssXAUot20
こいつら仲いいな
そしてもう俳句でもなんでもねえwww支援
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 00:49:00.42 ID:9u1/TcIXO
支援
247 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝![]:2010/12/17(金) 00:50:40.52 ID:sPAuOCCgO
宮藤「2人共、思いっきり声に出てたよ」
サーニャ「エイラ、耳閉まって」
宮藤「俺さんもだよ。まったく、2人してカルタなんかに魔法使うなんて・・・」
俺「面目ない・・・」
宮藤「ほら、仕切り直し。もう魔法使ったらダメだからね?」
エイラ「はーい・・・」
――――――――――――――――――――
なんやかんやで残り2枚
俺「まさか、ここまで拮抗するとはな。やるじゃないか」←22枚
エイラ「フフン、オマエこそな。だが―――」←21枚
俺・エイラ「「勝つのは俺だ(私ダ)」」
宮藤「最後は片方取れば、もう片方も同時に獲得だよ」
俺(残りは一回、これで勝ち負けが決まる・・・)
エイラ(肝油三杯なんて冗談じゃない。負けられない・・・)
(決着をつける・・・!)
248 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝![]:2010/12/17(金) 00:54:13.57 ID:sPAuOCCgO
宮藤「それじゃ、読みますね」
俺「・・・・・」
エイラ「・・・・・」
サーニャ「・・・・」 ムズムズ
宮藤『ほんとです 私は俳句が 上手です』
エイラ(もらった!)
サーニャ「クシュン!」
エイラ「わっ」 クルッ
俺「もらいっ!」 バンッ!
エイラ「あっ・・・」
宮藤「24対21で、俺さんの勝ち~」
俺「勝った・・・!」 グッ
エイラ「クッ、クソ~!俺に負けるなんて・・・」
サーニャ「エイラ、ごめんなさい。私があんなタイミングでくしゃみしちゃったから・・・」
エイラ「イヤ、余所見しちゃったのは私ダ。結局は私の集中が足りなかったんダ・・・」
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 00:59:32.61 ID:SLEi1TlZ0
しえん!
250 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝です[]:2010/12/17(金) 01:00:35.60 ID:sPAuOCCgO
ゴトッ
エイラ「うへぇ・・・」
並々と肝油を注いだ湯のみが3つ、エイラの前に並べられる
俺「さぁっ、残さず飲めよ?」 ニヤリ
宮藤(これは大変そう・・・)
サーニャ(エイラ・・・)
エイラは母親に好き嫌いを治させられている子供のような顔をすると、少し震える両手で湯のみを掴む
エイラ「うぅ~・・・」
グィッ
エイラ「ふっ、ぅぇ……」 ごくっ
エイラはチビチビと肝油を飲み始めた
エイラ「むぅ、ふぇっ・・・」 ゴクッ
エイラ「ぅ・・・、んっ、う……」 ごくっ
俺(なんだか思った以上に嫌がってて胸が痛いんですけど)
<3分後>
エイラ「んくっ・・・けほっ・・・」
エイラはようやく一杯目を飲み終えた
俺「・・・・・」
俺「あーあ、おまえ一杯飲むのに時間かけ過ぎだっての。喉が渇いちったよ」 バッ
エイラ「あっ・・・」
エイラがまだ飲み始めたばかりの2杯目の湯飲みを奪う
俺「ちょうどいいもの飲んでるなエイラ。これ貰うぞ」 グイッ
ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ・・・
俺「ぅあ゙ーっ!マッズ!」
エイラ「オマエ、何して……」
俺「喉が渇いたってだけだけど?」
宮藤(素直じゃないなぁ・・・)
エイラ(じゃあ残りはあと一杯・・・)
エイラ(ってアレ?無い・・・)
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/17(金) 01:12:13.98 ID:HKl4XnnX0
影羅
253 :-Prototype-試作品-11話-白い海を越えて[]:2010/12/17(金) 01:12:38.44 ID:sPAuOCCgO
サーニャ「」 ゴクッ、ゴクッ
エイラ「サ、サーニャ・・・!?」
ゴクッ、ゴクッ、プハァー
サーニャ「・・・不味い」
エイラ「サーニャ、なんで・・・」
サーニャ「一緒だから」
エイラ「え?」
サーニャ「エイラも、私も、俺さんも、一緒に夜の空を飛ぶ仲間、だから」
サーニャ「私達が飲むのは、当たり前の事よ」
エイラ「サーニャ、ありがとう・・・。それと、俺……もな?」
サーニャ「ふふっ」 ニコッ
俺「だから喉が渇いたけど他に飲むもんないから仕方なくだっての、勘違いするなよ?」
サーニャ「ふふっ、じゃあそういう事にしておいてあげるね・・・」
エイラ「・・・まったく、素直じゃないヤツー」
俺「いや、ホントだからな?」
宮藤(あれっ、何この疎外感)
260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 01:31:36.51 ID:hCwKMWVc0
250->>251のエイラ、なんかエロい
261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/17(金) 01:33:36.95 ID:9u1/TcIXO
260
お前もそう思ったか
894 :-Prototype-試作品-11話 >>893ありがとー[]:2010/12/19(日) 16:03:50.29 ID:FN8NK8U2O
<夜・基地港・ラオホウ>
研究者B「こちらが今回分のγ-グリフェプタンとアラキドノイルです」 スッ
俺「・・・助手はどうしたんだ?」 パシッ
研究者B「助手さんは現在、ダルシム大佐の命にてバスターソードの調整作業に取り掛かっております」
俺「ふーん……、まぁいいけどさ」
俺(以前なら、忙しくても無理やり顔出してくるのにな・・・)
(あいつ、どうしたってんだ・・・)
研究者B「彼女が心配ですか?」
俺「は?おまえには関係ねーだろ」
研究者B「失礼しました。・・・それと、戦闘中の『時間切れ』にはくれぐれもご注意下さい」
俺「ゴチャゴチャうっせーな、わかってるよ」
俺「・・・出撃義務に従い、出撃する」
テクテクテクテク……
研究者B「・・・・・・」
研究者B「・・・・・哀れだな」
――――――――――――――――――――
<基地内・ハンガー>
俺「悪い。待たせたな」 ガシャン!
エイラ「待った待った・・・。でも、そんな重装備なんだから仕方ないカ」
サーニャ「もう、大丈夫?」
俺「ああ、出撃れるさ」
誘導灯が、暗闇の滑走路を照らし出す。
今夜も辺り一体が雲に覆われており、月明かりは閉ざされてしまっている
俺(相変わらず真っ暗だな・・・)
俺「・・・発進する」
3人の足元に魔法陣が出現する
1人の少年と2人の少女が夜空に駆け出した
<高空>
3人は厚く空を覆っていた雲の上に出る。そこには相も変わらず月明かりに照らされた、一面真っ白の世界があった
雲がまるで白い海のように、どこまでも広がり続ける
俺(こっちも相変わらずだな)
三人は並んで飛び続けている
俺「さて、今日こそは仕留めねーとな」
エイラ「大丈夫なのか?」
俺「さぁな、成るように成るとしか」
エイラ「オイオイ・・・、あのオッサンと随分言ってる事違うんダナ」
俺「ダルシムか?……まぁ、確かにな」
俺「あの野郎は・・・ダルシムはさ、ただ自慢したいだけなんだよ」
サーニャ「自慢?」
俺「そう、自慢」
俺「あの野郎はさ、ウィッチの存在をあまり快く思っていない。むしろ疎ましく思っている」
サーニャ「私達の事も・・・?」
俺「ああそうだ。厳密に言えば、ちょっと違うけどな」
エイラ「どう違うんだヨ」
俺「何でかなんて知らねーが・・・あの野郎は、自分の研究が世界を救うと思っている」
俺「つまり、普通のウィッチなんざ必要ないと考えている」
俺「だから自慢したいのさ、自分の研究をな。『おまえら普通のウィッチなんか出る幕じゃねえ!』って意味合いでな」
897 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:18:12.40 ID:AZU+QER90
支援
899 :-Prototype-試作品-11話 >>897支援感謝 []:2010/12/19(日) 16:23:07.66 ID:FN8NK8U2O
俺「2人も聞いただろ?ダルシムがこの基地に来た日にハンガーで、あの野郎のご高説をさ(※3話)」
俺「って、おまえ達は途中から来たんだっけ。じゃあ聞いてないか」
エイラ「いや、ハルトマン達から聞いたから、一応知っているゾ」
サーニャ「……うん」 コクリ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
〔ダルシム『分かりませんか?お嬢さん。この実験が成功すれば世界は救われる』〕
〔ダルシム『だがここで謹慎処分など受けたら……?世界が救われるのが一週間遅れてしまう』〕
〔ダルシム『その一週間の間に、一体どれほどの地が焼かれ、涙と悲しみが世界に溢れる事か……!』〕
〔ダルシム『そうです!世界です!』〕
〔ダルシム『私の研究は世界を救う!必ず!その為にも研究と実験を、一刻も早く完成させなければならない!!』〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エイラ「あれじゃ、まるでマッドサイエンティストだよナ」
俺「まるでじゃないさ。合ってるよそれで。 あの野郎は、自分の研究さえ完成出来れば、あとはどうでもいいんだよ」
俺「全てが、な・・・」
サーニャ(悲しそうな目・・・)
エイラ「うーん・・・・・、でもそれっておかしくなイカ?」
900 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:23:34.79 ID:VpLWkIL50
しえんぬ
901 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:24:27.78 ID:j/KpIpES0
支援
902 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝なんダナ[]:2010/12/19(日) 16:28:59.69 ID:FN8NK8U2O
俺「おかしい?」
エイラ「そうだ、何でか知らないが大佐は、ウィッチの事が気に食わないんダロ?」
エイラ「そして、自分の研究があれば世界は救える、だからウィッチは必要ない。そう考えているんだよナ」
俺「その通りだけど」
エイラ「・・・だったらやっぱりおかしいゾ」
サーニャ「……何が?」
エイラ「研究や実験ってのは、そのライフルやジェットの事を指すんだろ」
エイラ「それってどっちもウィッチじゃないと使えない、ウィッチありきの兵器じゃないか」
俺(!)
エイラ「それなのにウィッチが不要っておかしいダロ。武器だけあっても、それを扱えるウィッチが居なければ意味がない」
エイラ「だいたい、ウィッチに普通も特別もないじゃないカ」
サーニャ「確かに・・・」
俺(……鋭いねぇ)
俺(少し、ベラベラと話し過ぎたかな)
俺「とにかく、あの野郎の事はどうでもいいんだよ。こんなつまらない事、わざわざ考える事ないって」
エイラ「うーん・・・」
俺「それと、あの野郎は2人の事を足手まといだとか言ってたけど、俺は全然そんな風には思ってないからな」
サーニャ「大丈夫。それくらいわかってるよ・・・」
エイラ「それどころかオマエ、1人じゃ怖くて夜飛べない怖がり屋さんだもんナー」 ニシシ
俺「そ、それは置いといてだ。仲間がそばに居るってだけで、安心出来るだろ?」
俺「だからさ、2人が居てくれて、本当に良かったよ。エイラ、サーニャ」
サーニャ「私も、2人が一緒で嬉しい・・・」
エイラ「わ、私だって、サーニャと一緒で嬉しいゾ」
エイラ「そ、それと、俺……もナ?」
俺「なに、照れてんの?」
エイラ「てっ、照れてなんかいない!」
俺「またその顔してる~」 ハハハ
エイラ「オ、オマエー~~!///」 プルプル
サーニャ「ふふっ」 ニコニコ
904 :-Prototype-試作品-11話[]:2010/12/19(日) 16:39:18.26 ID:FN8NK8U2O
顔を真っ赤にして睨むエイラ、その視線を飄々と受け流す俺、その光景を見て微笑むサーニャ。
白い海の上を、3人は一緒に飛び続ける
サーニャ「俺さん、耳を澄ませて・・・?」
俺「あ?ああ」
キュゥーン……
サーニャの言われた通りに耳を澄ますと、インカムを通してどこからともなく少しノイズ混じりの音楽が聴こえてきた
『吹けば飛ぶような儚い夢に~♪賭けた命 笑わば笑え~、尊く高き星に 選ばれしmission~♪』
『痛みだけを確かめるような~そんな弱さ 今越えてゆけ~♪彷徨う魂が 浮かび 上がるOnce&Forever~♪抱いて貫け~~♪』
俺「これは・・・歌?」
サーニャ「うん、ラジオの音。夜になると空が静かになるから、ずっと遠くの山や地平線からの電波も、聴こえるようになるの」
ラジオ『続いては人気コーナー!!「ハガキでポン!!」だ。今日のテーマは「学校であったコト!!」』
俺「へぇー、そりゃあ便利だな」
サーニャ「うん、夜に飛ぶ時にはいつも聴いてるの」
エイラ「2人だけの秘密……って訳でもないかぁ。もう宮藤も知ってるもんナ」
サーニャ「ごめんね。でも、さっきと一緒だから」
ラジオ『まずは常連のハチミツボーイから!!まーた送ってきてるよコイツは!!さあ今夜も笑わせてくれよ!!』
905 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/19(日) 16:42:13.97 ID:eBCf6ZjH0
支援!おもしろす!
906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:42:56.68 ID:qfKHS0La0
あれか、GRANRODEO好きなのか
支援
907 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:45:14.23 ID:x0g1S9bMO
支援
908 :-Prototype-試作品-11話 >>905良かったありがとう>>906好きです[]:2010/12/19(日) 16:46:20.74 ID:FN8NK8U2O
サーニャ「俺さんも同じ仲間だから。さっき俺さん、エイラの事手伝ってくれたでしょ?」
エイラ「ハァー……、しょうがないナー。俺、今回だけだかんナ?」
俺「はは、アリガトー」
ラジオ『さあ読むぞ~~~!!「昨日カツアゲした金で、トンカツ食っ―――」』
ザザー!ザー!ザァーー!
急にラジオの音が聴こえなくなり、砂嵐のような耳障りなノイズが耳に響く
エイラ「あれ?急に電波が―――」
?「= ==ー= ===ー= = =~♪」
俺(っ!?)
サーニャ「これは、あの時と同じ・・・」
キュイーーン・・・
サーニャの魔導針が反応して、赤く点滅する
エイラ「ネウロイの歌・・・」
909 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:48:46.72 ID:AZU+QER90
支援
910 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/19(日) 16:53:14.79 ID:hxEduJFB0
支援
911 :-Prototype-試作品-11話 支援多謝![]:2010/12/19(日) 16:53:30.50 ID:FN8NK8U2O
ラジオの音声がノイズに変わり、すぐに何も聴こえなくなる
すると生物が放つとは思えない、高いんだか低いだかもよくわからない不可解な音が辺り一体に鳴り響いた
俺「歌、これが・・・か?」
サーニャ「シリウスの方角15000に、ネウロイと思しき飛行物体1。接近はしてこない・・・」
俺「15000・・・、例の臆病ネウロイで間違い、無さそうだな・・・くっ」
エイラ「じゃあこの歌は、その臆病ネウロイが歌っているのカ?」
サーニャ「周囲には、他にネウロイはいない。それで間違いないよ・・・」
サーニャ「ネウロイにはまだ攻撃の気配なし。こっちを見ているだけみたい・・・」
ネウロイ「= == == ー== ===~♪」
何故か攻撃のビームが飛んで来ない。ネウロイは超長距離で姿を見せずに、依然歌だけが聴こえてくる
エイラ「なんでダ?何故仕掛けてこない・・・。いや、これはチャンスだゾ俺―――」
エイラ「俺……?どうした?」
俺「・・・・・くっ」
俺(なんだ、何なんだってんだ一体・・・)
俺(この不愉快さ・・・このザラつくような感覚は・・・!)
俺「不愉快だな、この感覚は・・・」
912 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:58:38.20 ID:2em4qM6I0
お、試作さん来とるでぇ
支援!
913 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 16:59:32.69 ID:FgTItrk60
シロッコ「呼んだ?」
914 :-Prototype-試作品-11話-白い海を越えて[]:2010/12/19(日) 16:59:50.17 ID:FN8NK8U2O
サーニャ「俺さん……?」
俺「なぁ、あの時ってのは―――」
ビシュゥゥゥゥン!!
俺「っ!来るぞ!」
静観していたネウロイが、突如攻撃を開始した。
超長距離から、三人を狙い撃ちにする
エイラ「サーニャ!」
エイラはサーニャにくっつき、未来予知で一緒にビームをかわす
俺「野郎ぉっ!」
懐に手を入れ、γ-グリフェプタンを取り出すと、2人の注意とビームに気を配りながら一気に飲み干す
――――――――――γ-グリフェプタン・投与――――――――――
俺は背中のバスターライフルを右手に持ち替え、チャージを開始する
魔導変換開始――――――――――――――――――――完了
ジャキッ!
ビームの飛来する方角目掛けてライフルを構え、スコープを覗き込む
遠くの空が魔導スコープに映る。だが―――
915 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 17:02:54.71 ID:XJtjGr4G0
支援
916 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 17:04:09.01 ID:+AoEmtcTO
支援。
ちょうどワンスで自慰替え歌作ってたからワロタ。
917 :-Prototype-試作品-11話->>912支援感謝!>>913スイカバーあげるのでお帰り下さい[]:2010/12/19(日) 17:07:22.58 ID:FN8NK8U2O
俺「いない・・・?」
スコープを凝視して、遠くの空を見渡すがネウロイの存在は確認できない
俺(どこに―――)
ネウロイ「――――――――――」
ビシュゥゥゥゥン!!
遠くの空、突如ネウロイが雲の中から姿を現し、こちら目掛けてビームを発射した
俺「ちぃっ!」 サッ
スコープを覗くのを止め、超長距離から飛来したビームを回避する
俺「くそっ!ナメた真似しやがって!」
エイラ「オイ大丈夫か!」
俺「そおらぁ!今度はこっちの番だ!!」
俺はエイラの呼び掛けには応えず、バスターライフルを発射する
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオァーーッ!!
青白い閃光が雲を散らしながら、遥か遠くのネウロイ目掛けて一直線に突き進んで行った
俺「・・・外したか」
ビシュゥゥゥゥン!!
俺「ちっ」 サッ
スコープ越しに、ネウロイが雲の中に潜り込んで回避するのが確認できた。
どうやらネウロイは此方を攻撃する時のみ雲から姿を現し、ビームを発射しているようだ
ネウロイ「== == ー=<~== === ~♪」
ネウロイは接近する事は無く、相も変わらず超長距離攻撃を仕掛けてくる
その間もずっと、耳障りな歌声が空に響き渡る
その2つの要素が、俺をどうしようもなく苛立たせている
俺「どうしたよ・・・!そんなに俺が怖いのかよ!」
ビシュゥゥゥゥン!!
時々飛来するビームをかわしつつ、次射のチャージをしながら、エイラ達に問い掛ける
俺「おい、この歌は何なんだ?以前もこんな事があったってのか?」
エイラ「わからない、ネウロイの歌だとしか・・・。ただ・・・」
俺「ただ?」
エイラ「以前同じ事が―――ネウロイがサーニャの歌を真似した時、そのネウロイはサーニャを狙っていた」 サッ
エイラ「そして今回もその時と同じように、ネウロイがサーニャの歌を真似している・・・」
ビシュゥゥゥゥン!!
俺「つまり、今回の狙いもサーニャだってのか?」 サッ
サーニャ「わからない。ただこの歌は、前とは少し違う気がするの・・・」
俺「・・・・・」
しかしその時、遠方より飛来するビームが少し変わった
ビシュゥゥゥゥン!!
エイラ「うわっ!」 ヒョイ
ビシュゥゥゥゥン!!
エイラ「またっ」 ヒョイ
サーニャ「っ・・・」
三人の居る空域を無差別に通り過ぎていたビームが、明らかにくっついた状態で回避していたエイラとサーニャの2人に集中し始めた
俺「ちっ!本当にサーニャが狙いかよあの野郎!」
ドシューン!
突如俺がチャージを止め、ビームの飛来する方角目掛けて前進し始めた
サーニャ「俺さん!?」
エイラ「何をする気だよ!」
920 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/19(日) 17:19:02.65 ID:oU0dBOnHP
一期も二期もエイラーニャ回のエピソード人気だなw
921 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/19(日) 17:20:16.99 ID:2em4qM6I0
6話は神回だから仕方ない
支援
922 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝![]:2010/12/19(日) 17:24:38.56 ID:FN8NK8U2O
2人のインカムから俺の声が聞こえる
俺『このままネウロイを引き離す。サーニャが狙いだってんなら、おまえらはさっさとこの空域から離脱しろ』
サーニャ「離脱っ?」
俺『そのまま避け続けてたって危ねえだろ。明確に狙われてんなら、さっさと退避しろって事だ。エイラ、おまえがサーニャを守れ』
エイラ「退避って・・・おまえはどうする気だよ!」
俺『野郎は俺が仕留める。どのみちおまえらの装備じゃ奴には届かない。ここは俺に任せろ』
俺『近づいた分だけ逃げるってんなら、このまま俺が近づけば近づく程、奴はどんどん逃げて行く』
俺『それにおまえらが退避すれば、ネウロイとの距離は益々開く。そうすればいずれ、奴の射程圏からは外れる。だから退避しろ』
俺はどんどん前進して行き、もう肉眼では捕捉出来ない
インカムより声が聞こえて来るだけだ
エイラ「1人でやるってのカ!?待て俺!」
俺『これは俺の役目だからな。エイラはサーニャを守る事だけ考えていればいい』
エイラ「役目・・・?」
俺『臆病者の相手は、臆病者がちょうどいいってな』
エイラ「おまえ・・・」
俺「心配いらねーよ。すぐに終わ―――」 ザザー!ザーー!!
例のネウロイの仕業か、ジャミングにより俺とのインカム通信が不可能になった
エイラ「俺! ・・・っ!」
ビシュゥゥゥゥン!!
エイラ「くっ」 サッ
ネウロイは2人を狙い撃ちにしてくる。退避しろと言われたが、1人先行していく仲間を見捨てて逃げ出す程、エイラは薄情じゃないつもりだ
だが追いかけるのも駄目だ。サーニャが狙われてるのに連れて行く訳にはいかないし、
未だ敵のビームが飛んで来る空域に、サーニャを1人置いて行く事なんてとても出来ない。
どちらにせよ、サーニャを危険な目に遭わす訳にはいかない。
結局退避はせず、現空域での未来予知を使った回避行動を続けている
エイラ(どうすればいい・・・!)
ふと自分の両手が支えている少女を、サーニャを見る
サーニャは目を閉じて回避をエイラに任せ、何やら魔導針に意識を集中しているようだ
エイラ(サーニャ?何をして・・・くっ!)
ビシュゥゥゥゥン!!
ビシュゥゥゥゥン!!
ビシュゥン・・・!
不意にビームが止み、空は穏やかさを取り戻す
エイラ(ビームが、止んだ……!?)
エイラ「逃げたのカ・・・?それとも―――」
サーニャ「うん。あの人がネウロイを引き離したから」
エイラ「じゃあ、ネウロイは・・・」
サーニャ「ネウロイは依然健在。でも、さっきより遠くなっている」
サーニャ「それよりも、あの人の所に急がなくちゃ・・・!」
エイラ「駄目だ。サーニャは狙われているんだぞ?危険だ。ここは私に任せ―――」
サーニャ「違うの、私じゃないの・・・!」
エイラ「え・・・?」
サーニャ「今分かったの。このままじゃあの人が……、俺さんが危ない」
サーニャ「だって、ネウロイの狙いは最初から―――――」
最終更新:2013年01月29日 15:11