『白い海を越えて』 その4 



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32 :試作な俺 夕方の続き。前スレ>>924からです:2010/12/19(日) 21:45:31.92 ID:FN8NK8U2O

<数km前方>

ビシュゥゥゥゥン!!

俺「ぐっ」 サッ

俺はネウロイの引き離しに成功していた。
後方のサーニャ達を狙っていたビームは今、全て自分を狙っている

自分へと狙いが変わったのを確認した俺は、前進を止めて狙撃に移ろうとしていた。だが―――

ビシュゥゥゥゥン!!

俺「ちぃっ!」 サッ

攻撃が全て自分1人に集中している為、なかなか狙撃体制に移れない



そして何より――――――


ネウロイ「==> ー==~=-= = ==ー===―== ==== ==~♪」



さっきからずっと、耳障りな歌声が俺の耳を刺激し続けている。
おかげで狙撃体制に移るどころか、回避すら危うい状況だ


俺「くっそ・・・!うっせーんだよお前!」


回避行動を取りつつ悪態をつく。その間も不可解な歌声が響き、体につきまとう。反撃が出来ずに、一方的な攻撃をただ回避するのみだ


俺「この野郎、調子に乗りやがって・・・!」



ネウロイ「=― == =-=~♪=-= =―=-=―~♪」



ネウロイ「=~♪==-==―== =―-= =~ ~・・・・・・・」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:47:15.98 ID:dgcv7xATO
支援っ

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:48:33.30 ID:FgTItrk60
しーえーん~

36 :-Prototype-試作品-11話-白い海を越えて:2010/12/19(日) 21:50:47.14 ID:FN8NK8U2O

俺「・・・!?」

不意に歌もビームも止む。空には静けさが再び戻った

俺「なんだか知らねーが・・・チャンスってな!」

ジャキッ!

ライフルを構え、スコープを覗き込む。

遠くの空―――15000に、まるで花を倣った機械のようなネウロイを捕捉した

俺「ふざけた形しやがって・・・、ラフレシアと命名してやろう」


――――――――――魔導変換開始――――――――――


γ-グリフェプタンの効果によりフルブラストショット程早くは無いが、十数秒でチャージが完了する


――――――――――魔導変換完了――――――――――


ライフルを構えたまま、スコープを覗き込む

ラフレシアは雲の中には隠れず、丸見えだ。しかもビームも歌も止まっている


―――――大チャンスだ―――――


俺「ゴホッ、ガハッ・・・。丸出しじゃねぇか・・・、ロングレンジブラスト、ターゲット・ロックオン……」 ケホッ、ゴホッ

俺「名付けたばかりで悪ぃが・・・。あーばよラフレシアァッ!」

そう言って、銃爪(ひきがね)を引いた

37 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝なんダナ:2010/12/19(日) 21:56:04.30 ID:FN8NK8U2O


いや、引こうとした


だが―――――



ネウロイ「〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓」



俺「ぐあっ!!」 ズキッ!


ネウロイ「〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓」


ネウロイ「〓〓―〓〓〓=〓〓<〓〓-〓〓〓~ 〓~―〓〓 〓♪〓〓 〓  〓〓・-〓〓=〓〓 〓〓〓 〓〓〓〓~♪」


先ほどまでとは比べ物にならない程の大きい歌が、頭の中に響く


俺「ぐがっ・・・あっ、あ゙あ゙っ・・・か・・・」 ズキン!ズキン!


叫びとも取れるそれは容赦なく俺に襲いかかる。

不可解かつ不愉快な音が耳から頭へ突き抜け、まるで蛇が頭の中でのた打ち回ってでもいるような、激しい頭痛に襲われる


ネウロイ「〓 ―〓〓―・〓 〓〓=〓♪〓〓~〓〓=〓〓×〓〓<〓>〓 〓 〓〓〓 〓〓〓 ~〓―〓〓 〓〓 〓~♪」

俺「この・・・やろおっ!」 ジャキッ!


激しい叫びと頭痛に襲われながらもスコープを覗き、再度狙いをネウロイにつける

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:58:34.30 ID:dgcv7xATO
しえん

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:58:45.95 ID:+AoEmtcTO
〇~~~
支援。

40 :-Prototype-試作品-11話:2010/12/19(日) 22:01:57.31 ID:FN8NK8U2O

あまりの頭痛に手が震えるが、そんな事を気にしている余裕は無い

今はこの苦しみの原因であるネウロイを、さっさと殺して楽になりたかった

俺「・・・ッ!!頭に・・・響くんだよッ!ざわざわと・・・・・叫んでばかりでええええ!!」


ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオァーーッ!!



青白い閃光が放たれる

しかし頭痛で標準がずれたのか、それは目標のわずかに右を通り抜けた

俺「くそが・・・!」

ネウロイ「〓〓〓〓〓〓〓〓〓 〓〓〓〓〓〓〓  〓〓〓〓   ==========」

ビシュゥゥゥゥン!!

俺「っ!」 サッ

叫びのような大きな歌は止んだが、代わりにビーム攻撃が再開される


俺「ゲホッ、ゴホッ・・・ガハッ!ハァ・・・・・!ハァ…………!」


ドクン・・・!


俺「がっ・・・、あぁっは・・・あっ……」 ドクン!ドクン!

俺(くそ!もう『シナップスシンドローム』が・・・)

俺「ちきしょう、時間切れ……かよ・・・!」 ドクン!ドクン!

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:05:58.33 ID:9Jrxlc/t0
ドクンドクンが卑猥に感じる
誰のせいだちくしょう

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:06:22.33 ID:2YWu547i0
人のせいにするな

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:07:39.99 ID:JY9fFBNC0
シャーマン大尉思い出した支援

44 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝!>>41心臓の鼓動であって、そっちの方じゃないよ!:2010/12/19(日) 22:09:45.30 ID:FN8NK8U2O

自分の心臓が体の内側を激しく叩き、鼓動が速くなる
全身に激しい痛みが走る

俺「あっ・・・が・・・・ハッ・・ぁ」

胸が締め付けられるように苦しく、まともに呼吸が出来ない。
先ほどの頭痛を凌駕する痛みに頭が襲われ、目の前が真っ暗になりそうだ

だが耐える。この苦しみにも慣れた物だ。
以前はまともに動く事さえ出来なかった『時間切れ』だが、痛みに慣れるうちに少しは動けるようになった

そして今自分はネウロイと対峙している。戦場で無防備に静止なんて、冗談ではない
しかも自分なら尚更だ

ビームを躱しつつ、激痛に必死に耐えながら、懐に手を入れてもう一つのクスリを取り出す

プラスチック容器を折り開けると、中身を飲み干した


――――――――――アラキドノイル・投与――――――――――


速攻性の効果により全身の痛みが消え、鼓動と呼吸も落ち着く。すぐに楽になった

俺「ハァ……、ハァ……」

俺(くそ、あとは撃てて一発・・・!外したら終わりだ)

俺(慎重に狙え・・・!次はない・・・)

俺はスコープを構え、ネウロイの位置を確認しようとする

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:12:09.87 ID:dgcv7xATO
支援

46 :-Prototype-試作品-11話 >>43彼はいいキャラでしたね:2010/12/19(日) 22:13:05.48 ID:FN8NK8U2O

だが―――

ザザー!ザー!

俺「っ!」

突如スコープにノイズが走ったかと思うと直ぐに砂嵐になり、やがて何も映らなくなってしまった。うんともすんともしない

俺「魔導スコープがイカレやがった・・・くそ!」 バキィッ!

俺(どうする・・・?狙いがつけられないんじゃ、撃っても当たる訳が―――)

?「俺ーーーっ!」

俺(っ!?)

振り返って後ろを見る。するととっくに逃げたはずのエイラとサーニャが、飛んで来ていた

俺「なっ!馬鹿やろーなんで来たんだ!サーニャが狙われてんだぞ!?」

エイラ「っ! 俺、避けろ!」

ビシュゥゥゥゥン!!

俺「っ!?」 サッ

背中を向けてしまって無防備になっていた俺をネウロイが狙ったが、エイラの未来予知により間一髪事なきを得る

俺「あ、あぶねー……」 ドキドキ

47 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝です!:2010/12/19(日) 22:21:33.16 ID:FN8NK8U2O

エイラ「大丈夫か俺!」

俺「ああ、大丈夫・・・じゃなくて、何で来たんだ!」

俺「しかもサーニャまで連れて来るなんて・・!サーニャ!おまえ自分が狙われてるってわかっていないのか?戻れ!」

サーニャ「違う。ネウロイの狙いは最初からあなただよ」

俺「俺が狙い・・・?」

エイラ「本当は私1人で来ようと思ったんだけど、サーニャがどうしても行くってナ。だから一緒に来たんダ」

俺「……俺が狙いだってんなら、尚更戻れ。一緒に居たら巻き込まれるぞ」

エイラ「何言ってんだ。仲間ダロ?」

俺「仲間だから、守りたいんだろうが!」


サーニャ「違うよ!」

俺「っ……」

エイラ「サーニャ……」

サーニャが珍しく声を荒げる。思わず俺とエイラは彼女を見る


サーニャ「仲間だから・・・守られるだけじゃない・・・」


サーニャ「仲間だから・・・一緒に戦うんだよ」


俺「!」

48 :-Prototype-試作品-11話:2010/12/19(日) 22:27:40.50 ID:FN8NK8U2O

エイラ「・・・これは、サーニャの勝ちダナ」

俺「エイラ……」

エイラ「俺、私たちは一緒に戦いに来たんダ。おまえのお荷物になりに来たんじゃない」

エイラ「諦めろ俺、一緒に戦わせろヨ」

俺「・・・・・・・」

俺「・・・ったく!わかったよ」

俺「本当にかなわねーよ、おまえらにはな。・・・いや、『おまえたち』には、か」

ビシュゥゥゥゥン!!

俺「うおっと!」 ヒョイ

突如ネウロイが、攻撃を再開する。相も変わらず、超長距離からのビーム攻撃のみをしてくる


俺「それじゃ、いっちょやりますか!俺達の手でな!」

サーニャ「一緒だよ・・・?」

俺「ああ、一緒だ」

エイラ「一緒ダナー」 ニシシ

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:29:44.84 ID:dgcv7xATO
支援支援

50 :-Prototype-試作品-11話 支援ありがとう:2010/12/19(日) 22:33:16.89 ID:FN8NK8U2O

ビシュゥゥゥゥン!!

飛来するビームを躱しつつ、俺はチャージを進める


俺「エイラはサーニャを守れ!おまえは俺が守る!」


サーニャ「じゃあ、あなたは私が守る・・・!」


俺「ははっ、三位一体ってか?頼もしいねえ!」


エイラ「それがチームだ!」


やがて、チャージが完了する

俺「チャージは終わったが、肝心の狙撃用スコープがイカレちまってる」

俺「だから2人共、力を貸してくれ!」

サーニャ「わかった」

エイラ「任せろ!」

ブゥーン・・・

サーニャが俺の左、エイラが右につく

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:35:08.23 ID:FgTItrk60
しーえーん

52 :-Prototype-試作品-11話-白い海を越えて:2010/12/19(日) 22:39:58.05 ID:FN8NK8U2O

推奨BGM的な物 




月明かりに照らされた夜空

白い雲がどこまでも広がり続ける空の上。まるで、白い海の上にいるかのようだ

その海の上で、3人は1つになっている

中心の俺がロングレンジモードのバスターライフルを構え、左にサーニャ。右にエイラがついている


俺「サーニャは敵の座標。エイラはタイミングを頼む
  奴の攻撃の瞬間……、雲の上に顔を出した所を狙い撃つ」

サーニャ「任せて」


キュイーン・・・

サーニャが魔導針に意識を集中させ、目標のより正確な位置の探索を行う

サーニャ「発射角度修正・・・仰角2.3上げて」

俺「ああ」 スッ

サーニャ「水平方向、左に4.15ずらして・・・」

俺「これくらいか・・・?」 ググッ・・・

サーニャ「・・・うん、ばっちり」

俺はサーニャに言われた通りに、ライフルの標準を修正した

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:41:28.58 ID:eBCf6ZjH0
支援!

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:43:51.10 ID:FgTItrk60
ニート「月は出ているか」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:44:36.76 ID:JY9fFBNC0
神曲ktkr

56 :-Prototype-試作品-11話:2010/12/19(日) 22:45:43.65 ID:FN8NK8U2O

俺「ロングレンジブラスト・・・!ターゲットは夜空の天使、タイミングは必中の女神任せってか?」

サーニャ(天使・・・///)

俺「あとはタイミングだ。頼むぜ?必中の女神さんっ」

エイラ「め、女神ぃ?///」

俺「気にいらなかったか?じゃあ必中の妖精で―――」

エイラ「ああもう!茶化すなヨー!///」

俺「悪かった悪かった。頼りにしてるぜ」

エイラ(緊張感の無い奴・・・。まぁ嫌いじゃないけどナ)

エイラは再び集中し始める。攻撃の来るタイミング―――その時ネウロイは、確実に姿を現してくる。そこを狙う


エイラ「・・・・・・っ!」


エイラ「あと6秒ダ!・・・4・・・3」


エイラ・サーニャ「「・・・2・・・1」」




俺・エイラ・サーニャ「「「いっけええええええええええええエエエえええええっ!!!!」」」




ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオァーーーッ!!!





57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:47:47.93 ID:dgcv7xATO
胸熱支援

59 :-Prototype-試作品-11話 支援感謝感激!:2010/12/19(日) 22:49:21.59 ID:FN8NK8U2O

3人の掛け声と同時に、俺は銃爪を引いた

背中の出力調整炉により収束された青白い輝きは、雲を吹き飛ばしながら白い海を越えて、一直線に進んで行く


ビシュゥゥゥゥン!!

途中でネウロイのビームが飛来するが、それをも突き抜け、そのまま進む

分断された紅いビームが3人の方に飛んで来るが、サーニャとエイラがシールドを張って流れ弾を弾く

そして青白い閃光はそのまま紅い閃光を突き抜け―――

ネウロイ「―― ―― ―― ――― ―」

紅い閃光を放っていた花形ネウロイ、通称ラフレシア(命名俺)の中心に突き刺さった


ネウロイ「――― ―― ― 」


バキィンッ!パシュゥーーン……


そしてネウロイの装甲と巨体を突き抜け、コアをも破壊し、夜空へと消えて行く



それは普段のビームと……、フルブラストショットと比べれば、細く長い物だったかもしれない

しかしその芯は確かに存在しており、15000と言う超長距離を駆けてもまるで衰えず、ネウロイの撃破に成功したのだった


キュイーン・・・

サーニャ「ネウロイの撃破を確認・・・!」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:52:12.73 ID:FgTItrk60
鉄仮面「ぐわああああああ」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:52:13.58 ID:dgcv7xATO
しえん!

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:52:45.88 ID:JY9fFBNC0
しえーん

63 :-Prototype-試作品-11話 >>60見た目のイメージはまんまそれだったりする 支援感謝!:2010/12/19(日) 22:54:32.43 ID:FN8NK8U2O

エイラ「やった・・・やったゾ俺!サーニャ!」 バンバン

俺「ああ…………やっ・・・たな」 ガクッ・・・

エイラ「オ、オイ。どうしたんだ?」 ガシッ

サーニャ「だ、大丈夫っ?」 ガシッ

不意にガクリと脱力して墜落しそうになった俺を、2人が両側から支えてくれた

俺「あ、ああ・・・。ちょっくら、魔法力を使い過ぎた・・・」

サーニャ「飛べる?」

俺「いや、ムリダナ・・・」

俺「ロングレンジ……ブラストショットは、約30%魔法力を消費・・・する。3発、撃ったん、だ・・・。
  それと長距離飛行してたから、もう魔法力は、ほとんど、残って、いな……い」

エイラ「無茶し過ぎダまったく! ・・・やっぱりオマエ、宮藤にそっくりダナ」

サーニャ「大丈夫、私たちが支えるから・・・」

俺「すまない、な・・・。とんだ凱旋になっちまって」

エイラ「何言ってんダ。そもそもオマエが居なかったら、こっちには攻撃手段も無かったんだゾ?だからこれくらいなら・・・いいゾ」

エイラ「でも、こんなの今日だけだかんナー」 ニシシ

サーニャ「帰ろう・・・?私たちの、家族の待つお家に・・・」 ニコッ

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:56:15.21 ID:eBCf6ZjH0
おもしろ支援!

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:57:49.66 ID:dgcv7xATO
支援

66 :-Prototype-試作品-11話 支援多謝!:2010/12/19(日) 22:59:34.01 ID:FN8NK8U2O

<基地付近>

基地に近づくに連れて夜が明けて行き、肉眼で基地が見える頃には、すっかり地平線の向こうから太陽が昇り始めている

エイラはふと、自分とサーニャの間で運ばれている俺の顔を覗き見る

サーニャ「寝ちゃったね」

エイラ「・・・うん。ぐっすりだナ」

俺「スー・・・、スー・・・」

エイラ「幸せそうな顔して寝やがっテ」

エイラ(不思議な奴だよな、コイツ)

エイラ(宮藤を泣かしたと思ったらすぐに仲直りしたり、冷めてる奴かと思ったら、子供みたいにはしゃいだり)

エイラ(人の事をからかったり、悪夢にうなされたり、戦闘中にはテンション上がって人が変わったりするし・・・)

エイラ(でも、怖がりだったり、優しかったりする・・・。
    私達と同じように、笑ったり泣いたり怒ったり喜んだりするんだ)


エイラ(結構・・・、いい奴なのかもナ)

エイラ「まったく・・・、本当に今日だけだかんナー?」 ニシシ

俺「スー・・・、スー・・・」 zzZ

サーニャ「ふふっ」 ニコッ


サーニャ「エイラ、嬉しそう・・・」

エイラ「へっ?」

サーニャ「エイラ、好きなの?俺さんの事・・・」

エイラ「えっ?い、いや違うゾ!」

サーニャ「でも今、凄い嬉しそうな顔で俺さんのこと見てたよ。好きなんじゃ―――」

エイラ「ち、違うヨ!有り得ないって。何で私がコイツの事を・・・」

サーニャ「じゃあ、嫌いなの?」

エイラ「へっ?え、えっと・・・」

エイラ「それは、その・・・」

エイラ「・・・・・」

サーニャ「・・・・・」

エイラ「そう、ダナ・・・」

サーニャ「エイラ・・・?」




エイラ「私は、俺の事が好きだ」

サーニャ「・・・・・」


68 :-Prototype-試作品-11話:2010/12/19(日) 23:08:17.43 ID:FN8NK8U2O

エイラ「でも、それは飽くまで仲間として……『家族』としてだ」

サーニャ「うん。私も一緒・・・」

エイラ「だから、その・・・」

エイラ「わ、私の『そういう好きな人』は・・・そ、その・・・」

エイラ「わ、私が一番好きなのは・・・///」

サーニャ「・・・?」


エイラ(私は、私はサーニャの事が・・・///)


サーニャ「エイラ?」


エイラ「な、何でもナイ!」


エイラ(あああ゙あ゙あ゙・・・・・。私の意気地なし・・・)

エイラ「と、とにかく!私は俺の事は、・・・す、好きだゾ!///」

エイラ「でも、か、勘違いしないでくれヨ。飽くまで、家族としてならだからナ!///」



俺「ブフッw」 クスッ

エイラ(!?)

俺「こ、こいつ・・・照れてやんの」 クックックックッ

エイラ「オ、オマエ・・・まさか起きて」

俺「いや、寝てたから。何も聞いてませんヨー(棒)」 ハハハ

エイラ「~~~~!オ、オマエー!!///」 プルプル

俺「それよりもいいのか?サーニャに気持ち伝えなくて」 ボソボソ

エイラ「なっ・・・///何言ってんだバカヤロー!」 ゴンッ

俺「アダッ!いったぁ~・・・。サーニャァー、エイラが苛めるー」 ダキッ

エイラ「コ、コラー!サーニャに抱きつくナー!」

サーニャ「・・・///」

俺「フッ」 ニヤリ

エイラ(コ、コイツ・・・。分かっていてわざとサーニャに・・・) グヌヌ

俺「あれれれ?どうしたんですかエイラさぁーん。顔真っ赤ですよ」 ニヤリ

エイラ「茶化すなバカー!///」 バッ

俺「あ、あぶねぇ!落ちるっ、落ちちまうぞエイラー!」 グラグラ

エイラ(前言撤回……。やっぱりコイツ・・・嫌な奴ダーー!)

サーニャ「・・・ふふっ」 (2人共楽しそう)

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:22:36.46 ID:eBCf6ZjH0
支援!

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:22:48.86 ID:dgcv7xATO
エイラのいじりやすさは異常
支援

72 :-Prototype-試作品-11話:2010/12/19(日) 23:23:26.71 ID:FN8NK8U2O

<基地内・ハンガー>

俺「っ…………」 グラッ

エイラ「オイ大丈夫か?」 ササッ

基地に帰還した3人は、ハンガーでストライカーを脱ぐ
魔法力を使い果たしていた俺は、倒れそうになりエイラに支えられる

エイラ「歩けるカ?」

俺「いや、まだ無理っぽい・・・」 フラフラ

エイラ「しょうがないナー」 グイッ

エイラが横につき、俺の腕を自分の肩にまわさせる

俺「悪いな。肩、貸して貰っちゃって・・・」

エイラ「こんなの、今日だけだかんナー?」

俺「ハハッ、ありがと」

サバーニャ「」 スッ

サバーニャまでもが、反対側につき、肩を貸してくれた

俺「サーニャも、ありがとう」

サーニャ「帰ろう?私達の部屋に・・・」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:26:21.93 ID:x0g1S9bMO
あれ?ガンダムがいたような……?

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:26:59.68 ID:JY9fFBNC0
サバーニャwww
乱れ撃ちでもするのかよwww

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:27:47.83 ID:bBE6+9Sz0
ガンダムがいるwww

76 :-Prototype-試作品-11 ぐああああ!何というミス・・・orz:2010/12/19(日) 23:30:19.20 ID:FN8NK8U2O

俺「え、でも、もう夜間哨戒は終わったから、俺は自分の部屋に戻るんじゃあ・・・」

エイラ「いいだろ?私達の部屋の方が近いんだし」

サーニャ「少しくらい、延びても大丈夫・・・。まだ俺さんは、私達と一緒・・・夜間専従班だよ?」

エイラ「だから、大人しく運ばれてろっテ」

俺「・・・・・ありがとう」

エイラ「ホラ、まだ寝るなよ?寝るのは部屋に着いてからだかんナ」 ニコッ

サーニャ「じゃあ、戻ろ―――」


?「お待ち下さい」

ハンガーから立ち去ろうとした3人を、不意に誰かが呼び止めた

サーニャ「あなたは・・・?」

研究者B「私は俺中尉と同じ、D特殊実験戦闘部隊に所属する、Bと申します」

エイラ「・・・研究者が何の用だヨ」

研究者B「単刀直入に申し上げます。俺中尉の身柄を引き渡して頂きたいのです」

エイラ「えっ?」

俺「・・・・・」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:30:42.78 ID:FgTItrk60
アレルヤアアアアアアアアアアアアア!!!

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:37:44.53 ID:bBE6+9Sz0
ちょっとこのスレを思い出した
日曜洋画劇場「機動戦士ガンダムF91」実況
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1292746999/

79 :-Prototype-試作品-11 ちょっと速度落ちます:2010/12/19(日) 23:40:41.68 ID:FN8NK8U2O

サーニャ「どうしてですか・・・?」

研究者B「彼の本来の役目はテストウィッチ・・・。その役目を果たして貰うだけですよ」 グッ

エイラ「ま、待テッ!」 グイッ

Bが俺の腕を掴んで連れて行こうとするのを、エイラが反対の腕を掴んで引き止める

研究者B「・・・何か?」

エイラ「コイツは今、魔法力の使い過ぎでフラフラなんだぞ」

研究者B「それが何か?」

エイラ「何かじゃないダロ!テストウィッチだか何だか知らないが、休ませてやったっていいじゃないカ!」

研究者B「休憩はこちらでもとらせます。あなた方が心配する必要はありません」

エイラ「それでも、魔法力の尽きたこいつを、まだ働かせるだなんテ・・・」

エイラ「だいたい、何で俺が行かなきゃならないんだヨ。テストする『試作品』ってのは、あのライフルとかダロ?俺まで行く必要なんかないじゃなイカ!」

研究者B「それをあなた方が知る必要はありません」

サーニャ「待って下さい!せめて、理由だけでも・・・」

研究者B「機密事項です。お答えできません」

エイラ「なんだよそれ―――」

俺「ふ、2人共・・・」

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:43:27.51 ID:dgcv7xATO
支援

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:45:32.61 ID:JY9fFBNC0
試作品はライフルだけでは無いという・・・

82 :-Prototype-試作品-11 すまない。速度落ちます:2010/12/19(日) 23:53:53.24 ID:FN8NK8U2O

サーニャ「俺さん・・・?」

俺「心配してくれてありがとな。でも大丈夫」

俺「テストウィッチの役目っても、ちょっとしたレポート書くだけだから。すぐに休めるよ」

俺「2人と一緒に居られないのは、ちょっと寂しいけどな・・・」 ハハハ

サーニャ「大丈夫、なの・・・?」

エイラ「無理してるんじゃないカ?」

俺「ホント大丈夫!だからさ、2人ももう休んでくれよ。俺もさっさとレポート終わらせて休むからさ」

エイラ「・・・そう言うなら分かったヨ……。サーニャ、行こう?」

サーニャ「……うん」 コクリ

2人は歩いて行き、徐々にハンガーから遠ざかって行く

研究者B「では、私達も―――」


エイラ< 俺ーーー!!

遠くなったエイラが大声でこちらを呼び、サーニャと2人で手を降っている

俺「・・・・・?」

エイラ< オヤスミー!!


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:57:24.77 ID:dgcv7xATO
おけおけ

84 :-Prototype-試作品-11 もう少し:2010/12/20(月) 00:06:10.40 ID:eObDjvemO

俺「ああー!オヤスミー!」 ブンブン

大声で叫び、手を振り返して返事をする
2人は笑顔を浮かべると、ハンガーから出て行って見えなくなった

俺「あいつら・・・」

研究者B「・・・随分と、彼女達と仲良くなっているようですね」

俺「悪いかよ」

研究者B「いえ。・・・ただ、いずれ後悔するのは、あなた自身だと思いますよ」

俺「・・・・・」

研究者B「誰かを失うという事は、何事にも変えられぬ苦しみです」

研究者B「失うツラさを味わうくらいだったら、いっそ最初から出会わなければ良かった―――」

研究者B「いっそ、最初から知らなければ良かった。そういう思いもあるのですよ」

研究者B「それほど、誰かを失うという事は・・・」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:14:15.07 ID:1Y4M93KxO
支援

86 :-Prototype-試作品-11話-白い海を越えて:2010/12/20(月) 00:14:26.84 ID:eObDjvemO

俺「おまえ、何を言って・・・」

研究者B(・・・そうだ。俺は何を言っている?こんな人形相手に……)

研究者B「・・・失言でした。忘れて下さい」

研究者B「それに、あなたの場合は逆でしたね」

俺「・・・・・」

研究者B「では、行きましょう」 スタスタスタ

俺「・・・・・」 テクテク

港に停泊しているラオホウを目指しつつ、ふと明るくなりかけている空を見上げる


キラッ!☆


俺「あ!流れ星!」

俺(何を願う・・・?)

俺(自由・・・?家族・・・?それとも、記憶・・・?)

俺(・・・・・)

俺「・・・って、もう見えねーや」
最終更新:2013年01月29日 15:12