『Counter attack』 その1 



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246 :-Prototype-試作品-12話-Counter attack[]:2010/12/26(日) 16:59:58.41 ID:rCm3wYd0O

<基地港・D特殊戦闘実験部隊船・ラオホウ>

至る所にデータが高々と積み上げられた部屋。あるのは書類や本や何かのサンプルばかりで、生活感があまり感じられない薄暗い部屋
初老の男が椅子に腰掛け、マグカップに注がれたコーヒーを片手に、1人データを読みふけっている

―――――ダム・ダ・ダルシム―――――

カールスラント空軍大佐であり、D特殊実験戦闘部隊の指揮官でもある、空軍大佐と研究者の2つの顔を持つ男だ

ストライカーユニットの開発者の1人であり、宮藤一郎博士と同じ研究チームだったようだが、彼の過去は未だ明らかになっていない

ストライカーユニットの開発後は、ストライカーユニットのさらなる研究を進めていた筈が、数年前に軍の表舞台から姿を消し、
今こうして詳細不明の実験と共に再び姿を現した、謎の多い男である

彼は手にしたデータを読み終えるとコーヒーを一口飲み、別のデータに手を伸ばす

データの書かれた書類には、普通に生活していたらまず耳にする事は無いだろう専門用語の羅列と、
ルッキーニ辺りが見たら10秒で読むのを投げ出したくなるような、無数の数値が書き込まれたグラフが書かれている

ダルシムは研究者さながらの天才的頭脳でデータをあっという間に読み進め、頭の中で高速で処理すると直ぐに次のデータに手を伸ばす

端から見たら、まるで読むのを諦めて次に手を伸ばしているようにも見えるがそれは違う

彼は全てを理解している

キィッ・・・

ダルシム「・・・・・」

やがてデータを読むのを止めると、椅子の背もたれに身を任せて、思考を巡らせ始めた


ダルシム(プロト01のγ-グリフェプタン適性値、体内インプラントとのエーテル同調率、問題なし・・・)

ダルシム(γ-グリフェプタン濃度、レベルE-3で安定)

ダルシム(副作用は、まだ表面化してはいない)

ダルシム(しかし、それも時間の問題か・・・)

ダルシム(必要な生体データ採取は進んでいる・・・。だが)

ダルシム(プロト01には未だ、『再覚醒』の兆しは現れていない)

ダルシム(『再覚醒』さえ起きれば―――せめて、二年前の約20%程でもいいから、アレが失った力が戻りさえすれば・・・)

ダルシム(私の研究は、大きく進捗する。何としても限界までに、発動させねば・・・)

ダルシム(いっそのこと、グリフェプタン濃度を上げるか?・・・いや、急激な変化にはアレの肉体が保たないか)

ダルシム(それに、急に濃度を引き上げて『拒絶反応』でも起こされたら厄介だ)

ダルシム(ならばAの進言した、『調整』中の精神干渉実験・・・いや駄目だ。精神崩壊の危険性が高い)

ダルシム(まだ01がやるべき事は山ほどある。テウルギストの最大加速実験も済ませていない・・・)

ダルシム(飽くまで本来の目的は量産の架け橋となるデータ採取だが・・・やはり、このままにしておくのは口惜しい)

ダルシム(『再覚醒』も視野に入れた、実験プランを組まなければならないか・・・)

ダルシム「いずれにせよ、アレにはまだまだ戦って貰わねばな・・・」 キィッ・・・

彼は一通り思考を巡らせると、背もたれに身を預けるのを止める。ふと机の隅に目が行った

248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/26(日) 17:09:52.36 ID:D9a5bNBj0
支援ダナ

249 :-Prototype-試作品-12話[]:2010/12/26(日) 17:12:43.41 ID:rCm3wYd0O

机の隅には一つの写真立てが置かれていた。
ダルシムはそれを手に取り、じっと見つめる

ダルシム「カオリ・・・待っていてくれ」

ダルシム「私はまだ君の所には行けないし、死んだとしても君と同じ場所には行けないだろう」

ダルシム「だが必ず、君の敵は―――ネウロイ共は滅ぼす」

ダルシム「私と・・・私の研究がだ。必ず奴らを根絶やしにする。役立たずのウィッチ共がではない」

ダルシム「そうだ。勝利者はウィッチーズではない。私の強化ウィッチだ」



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<基地内部・食堂・朝食後>

俺「宮藤とリーネの作るご飯は本当に美味いな~。朝から食べ過ぎちった」 ハハハ

宮藤「えへへ、ありがとー」 ニコニコ

リーネ「ありがとうございます」 ニコッ

俺「そうだ。バルクホルン、はいコレ」 スッ

バルクホルン「何だ、もう読み終わったのか?」 パシッ

俺「軍関係の専門書だったけど、中々興味深い内容だったよ。ありがと」

バルクホルン「そうか、それは良かった」

俺「それでさ、よければ次の本を貸して欲しいんだけど。出来れば物語性があるヤツ」

バルクホルン「私はもう本を持っていないぞ。小説も専門書もな」

俺「えぇー……、もう他のみんなには粗方借りて、あんたが最後の希望だったのに・・・」 ズーン

バルクホルン「うーん……、力になってやりたいが、そもそも私は普段そこまで本を読まないからな」

宮藤「じゃあ、書庫に行こうよっ」 ズィッ

俺「書庫ぉ?」

リーネ「この基地には書庫があって、たっくさーーん本があるんですよー」 ババッ

バルクホルン(普段行かないからすっかり忘れていた・・・)

俺「おお!それは是非とも行きたいな」

宮藤「じゃあ早速行こうよっ」 ギュッ、グイッ

俺「っとと、そんなに引っ張るなって」

<書庫>

ズーン・・・

俺「すげー・・・、至る所に本が……」

251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/26(日) 17:19:35.07 ID:UFDkVds8O
支援ぬ

252 :-Prototype-試作品-12話 支援感謝ぬ[]:2010/12/26(日) 17:22:29.90 ID:rCm3wYd0O

俺「この基地にこんな場所があったとは・・・」

リーネ「一応私たち、基地案内の時に紹介したはずなんですけど・・・」

俺「いやー、あの時は読書なんて毛ほども興味無かったからさ、忘れちまってたよ」

宮藤「今じゃ俺さん、すっかり本の虫だもんねー」

俺「そうでも無――─―くはないかー、確かに最近本ばっか読んでるしなー」

リーネ「読書が好きなんですね」

俺「いや、別に?好きでも嫌いでも無いなぁ。ただ」

バルクホルン「ただ?」

俺「自分の住んでいる世界の事が、少し知りたくなったんだよ。俺って超世間知らずだし。それだけかな」

宮藤(そっか。記憶を失ってからは、施設に居たから・・・)

リーネ「・・・・・」

宮藤「よぉーっし!せっかくだから私が俺さんの為に、何か本を選んであげるねっ」 ササッ

俺「へ?・・・ありがとう」

リーネ「じゃあ、せっかく何で私も」 ササッ

バルクホルン「・・・・・」 ササッ

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/26(日) 17:26:20.67 ID:ofot2LsJ0
カールスラントにおける軍備及びウィッチの相関関係に対する考察 支援

254 :-Prototype-試作品-12話 支援感謝ァ![]:2010/12/26(日) 17:27:56.73 ID:rCm3wYd0O

<数分後>

宮藤「これなんかどうかな?」 スッ

俺「・・・『魔法陣キタキタ』」

宮藤「腰ミノを着けた踊り子勇者アドバーグが、2人の少年少女と共に、踊りで魔王に立ち向かって行く―――笑い有り涙有りの大冒険のお話だよ」

俺(この半裸で腰ミノ着けたオヤジが主人公かよ・・・)

宮藤「子供の頃に読んだんだけど、とっても面白いんだよ?俺さんも是非読んでみてね♪」

俺「あ、ありがと」 (今も子供だろ、とか言ったら怒るんだろうなぁ)

バルクホルン「私はこれだ」 スッ

俺「『侵攻!イカ息子』。・・・コメディだよな、コレ」

俺「あんたの事だから、『世界の武器図鑑』とか持って来るかと思ってたんだが」

バルクホルン「わ、私がこういう本を持って来たら……やっぱり変か?」

俺「変って訳でも無いけど、ちょっと意外だったかな」

俺「でも、嬉しいよ。ありがとう、バルクホルン」

バルクホルン「あ……、ああ!」

宮藤「むぅー…………」 プックリ
  (なんか私の時より嬉しそう・・・)

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/26(日) 17:29:17.70 ID:ofot2LsJ0
バルクホルンww 見直したぞw

256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/26(日) 17:33:13.21 ID:D9a5bNBj0
主人公ちげえww
支援

257 :試作な俺-12話[]:2010/12/26(日) 17:35:51.25 ID:rCm3wYd0O

リーネ「持って来ました」 スッ

宮藤「リーネちゃん、コレって・・・」

バルクホルン「恋愛小説か・・・?」

俺(恋愛小説?)

リーネ「はい、身分違いの2人の恋を書いた、とても切ないお話なんです・・・」

バルクホルン「導入部分の詩か・・・。私もこういうのにはあまり詳しくは無いが、その、いい詩だな」

宮藤「はい、私もいい詩だと思います・・・」

俺(ふーん?)

リーネ「気に入ってもらえて良かったです♪」

260 :-Prototype-試作品-12話[]:2010/12/26(日) 17:43:26.63 ID:rCm3wYd0O

リーネ「はい、俺さんどうぞ」 スッ

俺「え?あ、ああ・・・」

リーネ「恋愛小説、嫌いなんですか?」

俺「いや、まず読んだ事無いんだけどさ。面白いのか?って思って」

宮藤「だったら読んだ方がいいよ。少しは参考になるかもしれないよ?」

俺「は?参考?」

宮藤「と、とにかくっ、一回読んでみてって!物は試しだよ」 グイッ

俺「お、おう……」 ポスッ

俺(言われるがままに受け取ってしまった・・・)

宮藤(だって俺さん、すごい奥手なんだもん・・・。これで少しは、私の事も意識してくれるようになるかな……)

宮藤(って、何考えているの私!これは俺さんの今後の為であって、他意なんか無いんだから・・・)


――――――――――――――――――――

俺「さてと、こんなもんかな」 ドサッ!

リーネ「こ、こんなに読むんですか?」

俺「ああ。この量なら・・・順調に行けば一週間くらいかな」

宮藤「俺さん、本読むの凄い速いよねー。私最初見たとき、読むの諦めてペラペラめくってるだけかと思っちゃったもん」

俺「一応内容は理解しているぞ。暗記とかするつもりだったりすると、もっと時間掛かっちゃうけどなー」

俺(にしても、軍の書庫に恋愛小説だとかコメディ本があるとはなー。何でかは知らねーが、有り難いことだ)

俺「よし、あとは運ぶだけ・・・ふん!」 グッ

宮藤「だ、大丈夫?」

俺「だ、大丈夫だ。問題ない」 ヨロヨロ
 (重い・・・!)

バルクホルン「手伝おう」 スッ

俺「え!いいよっ、別に・・・こんなん、余裕綽々だしぃ」 フラフラ

宮藤「けど、フラフラじゃない」

俺「いや、女性に力仕事を手伝わせるなんて、男・・・らしくないだろ。そう、本に書いて……あった」 フラフラ

バルクホルン「・・・・・」 スッ、ガシッ

俺「あっ、だからいいって―――」

バルクホルン「人の好意は素直に受け取れ、とは書いてなかったのか?」

俺「・・・・・あ、ありがとう」

俺(・・・情けねえぜ)

宮藤(あ、先越されちゃった・・・)

リーネ「ねぇ、芳佳ちゃん・・・」

宮藤「ん、どうしたの?」

リーネ「その、この前・・・」

宮藤「?」

リーネ「・・・やっぱり何でも無いや。ごめんね芳佳ちゃん。行こっ」

宮藤「?  うん、行こう」


――――――――――――――――――――

<基地付近上空>

バルクホルン「こっちだ!ついて来い!」 ビュゥーン!

俺「りょーかい!」 ビュゥーン!

編隊飛行訓練中。バルクホルンが一番機、俺が二番機で追いかけるように飛び続ける

バルクホルン(よし、しっかりついて来ているな・・・。なら……)

ギュィン!

俺(うぉっと!急旋回か) ギュィン!

バルクホルン(やるな・・・!) ビューン

俺(・・・へへっ) ビュゥーン

――――――――――――――――――――


バルクホルン「いいか?実戦では敵味方が入り交じり、混戦になる事なんてザラだ」

バルクホルン「敵がどこに居て、味方がどの位置にいるのかの位置関係が重要になる」

バルクホルン「戦闘中は、常に味方機の動きを意識するんだ」

俺「わかった。位置関係だな」

バルクホルン「よし、今日はこれまでだ」

<ハンガー>

俺「ふぅ~、つっかれた~!」 ガチャン

バルクホルン「おまえもだいぶ編隊飛行に慣れてきたな」 ガチャン

俺「え、そう思う?」 パァッ

バルクホルン「ああ、初期とは比べ物にならない程、上達していると思うぞ」

俺「うお~~、まさかバルクホルンがそんな風に思っていてくれたとは・・・!」 ジ~ン

バルクホルン「な、何だ。少し大袈裟じゃないか?」

俺「いやいや。普段何も言ってくれないから全然ダメなのかと思ってたよ。
  でも、そうでも無いみたいで良かった良かったー」

バルクホルン「コラ」 ポコン

俺「アタッ」

バルクホルン「あまり調子に乗ってはいけないぞ。傲りは慢心を呼び、慢心と過信は死を招く」

バルクホルン「生き残るには傲らず卑下せず、少し謙虚でいるくらいが一番ちょうど良い」

俺「おぉー……、カッコイイ事言うな、あんた」

俺「エースのあんたが言うと説得力あるな。覚えておくよ」

バルクホルン「似たような事は、前にも一度言ったはずだが?」

俺「あれ、そうだったか?」

バルクホルン「まぁ、忘れてしまってたならそれでいいさ」

俺「うーん……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔俺『それに俺はシールドは使わない主義でね。使ったら負けかなと思っている』〕

〔バルクホルン『慢心と過信は死を招くぞ……!』〕

〔俺『いいんだよ。どーせ死ぬときゃ死ぬんだし』〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バルクホルン(・・・あの時)(※5話)

バルクホルン(こいつはまるで自分の事を顧みない、自暴自棄のような捨て身の戦いばかりしていた)

俺「……全然思い出せねー」 ウーン

バルクホルン(だけど、今回はちゃんと聞いてくれたな・・・)

バルクホルン(こいつもだいぶ変わったな……。みんなのおかげだろうか)

バルクホルン(それに編隊飛行にも慣れてきてるし、体力もだいぶついたし、懸垂だって今日は八回も出来ていた。一回も出来てなかったのが嘘のようだ)

バルクホルン「だが、まだまだだぞ?おまえはまだ半人前だから、もうしばらくは私がしっかり鍛えてやるからな!」 ニコッ

俺「へっ?……あ、ああ」

俺(バルクホルンって本当にいい笑顔するよな……)

バルクホルン「では私はもう戻るぞ。また夕食の時にな」 テクテク

俺「あっ、ちょっと待ってバルクホルン。いつもの」

バルクホルン「ん?……ああ」 クルッ

俺とバルクホルンが真っ正面に向かい合って立つ

俺「バルクホルン大尉、ご指導ありがとうございました」 ペコッ

バルクホルン「ああ、また明日も頑張ろうな」

俺「はい。……それじゃ、また後で」 タッタッタッタッ……

バルクホルン「……ふふっ」

バルクホルン(まさかあいつがあんな挨拶を覚えるとは・・・、初めてされた時は驚いたものだな…………)



<翌日・ブリーフィングルーム>

ミーナ「静粛に。みんな揃っているわね」

シャーリー「みんな居るぞ~」 ヒラヒラ

俺「緊急召集って何なんだ中佐ぁ。特訓中だったのに・・・」

坂本「話を聞けばすぐに分かる」

ミーナ「まず、これを見て下さい」


カシャン

プロジェクターにより、白幕に一枚の写真が映し出された

ペリーヌ「これは・・・!」

シャーリー「ネウロイか。島に巣くっているのか・・・?」

ルッキーニ「うじゅ~・・・」

写真に写っていたのは小さな島
しかしその大半は、一つの黒い異形の影に―――巨大なネウロイに覆われてしまっている

坂本「今朝方、空軍の偵察機が撮影したものだ」


ミーナ「これはこの基地から約300km西の孤島、セバーン島の現在の様子です」

宮藤「セバーン島・・・」

坂本「見ての通り、セバーン島は現在超大型ネウロイの根城になっている」

ミーナ「近日出現している予報外のネウロイ・・・イレギュラーのネウロイは、ここから出現した可能性が非常に高いわ」

エイラ「あの複数箇所同時出現は、こいつの仕業だったのカ」

坂本「そうだ。このままこのネウロイを野放しにするわけにはいかない。明朝1000、総攻撃を行う」


ミーナ「便宜上、この超大型ネウロイを、『パトゥーリア』と呼称します。オペレーション・『ノーティラス』」


リーネ「パトゥーリア・・・」

サーニャ「ノーティラス……」

ミーナ「護衛のネウロイを排除しつつ、地上で要塞化したパトゥーリアに接近。俺中尉のバスターライフルで、一気にけりを付けます」

俺「俺が・・・?」

ミーナ「ええ、要塞化したパトゥーリアの装甲は、かなり強固なはず。大出力のバスターライフルは、この作戦には欠かせません」

坂本「・・・・・」

坂本「ではブリーフィングを終了する」

ミーナ「今夜は、明日に備えて英気を養って下さい、解散」

――――――――――――――――――――

坂本「ミーナ」

執務室に戻ろうと廊下を歩いていたミーナを、坂本が呼び止めた

ミーナ「何かしら」

坂本「私は今でも反対だぞ」

ミーナ「……バスターライフルの事ね」

坂本「あのライフルもテウルギストも得体が知れない。使用は出来るだけ控えさせるべきだ」

ミーナ「今回の作戦には必要よ。リスクはなるべく避けるに越したことはないわ」

坂本「しかし、安全性も碌にわかっていない武器を、俺に使わせ続けるのは―――」

俺「大丈夫ですよ」 ヌッ

ミーナ「俺さん……」

俺「坂本少佐、気を使ってくれてるのはとてもありがたいんですが、問題ありません」

俺「バスターライフルの危険性は、一発でウィッチ1人のほとんどの魔力を消費すると言う事」

俺「だが魔力変換の固有魔法を持つ俺には、何も問題ありません。三発くらいなら余裕だし。ですから、心配要らないですよ」

坂本「それは本当か?本当に……あのライフルを使ってもおまえは大丈夫なのか?」

俺「ええ、ホントに大丈夫ですよ」
 (本当は他にも色々あるけど、それは俺なら問題ないしな)

坂本「そうか……、わかった」

ミーナ「・・・・・」

坂本「しかし飽くまでいつも通りにしろ。私が撃てと言うまでは撃つなよ」

坂本「通常火器での撃破が困難の場合のみ、バスターライフルの使用を許可する」

俺「少佐は……、あまり俺の事を信用してくれていないみたいですね。問題ないって言ってるじゃないすか」

ミーナ「俺中尉・・・!」

坂本「そんな事は、無い」

俺「じゃあ、何で撃たせてくれないんですか?俺としては、戦いなんざ怪我人が出る前に、ちゃっちゃと終わらせたいと思っているんですけど」

坂本「・・・私はおまえの事を、仲間だと思っている。ただ……」

俺「ただ?」

坂本「そのライフルやテウルギスト……、今回の実験を、私は信用出来ない」

俺「・・・・・」

俺(やっぱり来たかー……。そりゃそうだよな……)

坂本「秘匿部隊による異例の実験、僅かにしか口を開かない上層部、何を聞いても肝心な事は全て機密事項だと一点張りの研究者達」

坂本「実験全体に黒い部分が多すぎるんだ。そして俺、おまえにもな」

ミーナ(美緒…………)

俺「・・・・・」

俺「……わかりました。作戦中は、少佐達の指示に従わせて貰います。生意気言って・・・すいませんでした」 ペコッ

坂本「わかった。そうしてくれ」

俺「それと……」

ミーナ「それと?」

俺「少佐達に見せつけてあげますよ。バスターライフルやテウルギストが無くても、俺は戦えるってね」

坂本「そうか。期待しているぞ」

俺「はい。期待してて下さい」 ニッ

俺「……それじゃあ、俺はこれで失礼します」

テクテクテクテク……

坂本「・・・問題ない、か」

ミーナ「美緒?」

坂本「いや、なんでもない」

坂本(杞憂ならいいのだが……)


――――――――――――――――――――


俺(少佐・・・やっぱり疑ってるな。当然だろーけどさ)

俺(手放しで信用して貰える訳ねーよな、そりゃ)

俺(でも……俺にも気を使ってくれていた)


俺「でも・・・・違うんだよ」


誰も居ない廊下で、一人静かな声で呟く


俺「違うんですよ、坂本少佐・・・」


俺「バスターライフルは、問題じゃない」


俺「バスターライフルじゃなくて、本当に問題なのは・・・」


俺「いや、本当に危険なのは―――――」
最終更新:2013年01月29日 15:12