『かさなる力』 その1


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438 :[]:2010/12/30(木) 23:50:41.19 ID:L825U6bYO

<翌日・ロマーニャ基地・執務室>

バルクホルン「……つまり、別のウィッチ部隊と共にパトゥーリアに対し再攻撃を仕掛ける事に?」

ミーナ「ええ。オペレーション・ノーティラスは、空軍、他のウィッチ達と共に後日再決行される事になったわ」

坂本「上はよっぽど我々の失敗が嬉しいようだな。いざ手柄をあげようと、相当数の部隊を集めているようだ
   もちろん、そういう人ばかりでは無いのだろうけどな」

バルクホルン「上の思惑はいい。今はパトゥーリアを何とかするのが先決だ」

ミーナ「そうね。作戦には私達も参加するのだけれど、その……俺さんの事なのだけれど」

坂本「そうだ。俺の事だ」

バルクホルン「俺の事?」

バルクホルン(命令違反の事か・・・)

――――――――――――――――――――

<廊下>

バルクホルン「あいつは今、医務室か・・・」

坂本から頼まれた言伝を伝える為に俺の所へ向かいつつ、
昨日の戦闘の撤退時の事を思い出す

バルクホルン(あの時・・・)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔俺『離せ!』 グッ〕

〔バルクホルン『!?』 グググググ・・・〕

〔バルクホルン(私が、力で押されている・・・・・俺に!?) グググ・・・〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バルクホルン(私はあいつを抑えきれなかった。非力な筈のあいつを・・・) テクテク

バルクホルン(特訓の成果?……いや、それにしたってあれは異常だ・・・)

バルクホルン(あれは一体・・・) ピタリ

部屋に着いたので一旦考えるのを止め、扉をノックしようと───

「開いてるよ。どうぞ」

部屋の中からそう言われたので、ノックの動作を止めてドアノブに手をかける

ガチャッ

俺「……やっぱりあんたか」

バルクホルン「わかってたのか?」

俺「まぁ、なんとなく……気配でな」


――――――――――――――――――――


俺「再攻撃・・・か」

俺「でも、俺は参加しちゃいけないんだろう?」

バルクホルン「ああ」

俺「・・・ハッ。バスターライフルの使えない俺には、用は無いってか?」

バルクホルン「……甘ったれた事を言うな」

俺「・・・分かってる。分かってるよ、違うんだろ?」

俺「命令違反・・・、したからなんだろ」

バルクホルン「・・・そうだ」

俺「だよな・・・・・」

俺「命令違反して、効かねーって分かってる筈なのに無謀な攻撃しようとして、撤退を遅らせて、仲間を危険に巻き込んで・・・」

俺「挙げ句、追っ手を振り切ろうとして失敗して、またあんたに助けられちった・・・」

俺「ハハッ。だっせぇな、俺・・・」

バルクホルン「・・・・・」

442 :試作な俺[]:2010/12/30(木) 23:58:19.47 ID:L825U6bYO

バルクホルン「・・・勇敢と無謀は違う。おまえのあれは、ただの逆上───」


バルクホルン「いや、味方を殺す行為でしかない」


バルクホルン「おまえはあの時、私達を信用せず、一人で戦っているつもりになっていたんだ」

俺「・・・・・」


何も言い返せ無かった。いや、言い返せるはずが無い


我ながら無様だと、そう思う。冷静になってから考えて、すぐに俺は後悔したから


今バルクホルンの言っている事は、全面的に正しい。全くもってその通りだ


味方を危険に巻き込んだ。俺の独断─────いや、我が儘で


俺だけで無く、少佐やバルクホルンも怪我するどころか、下手したら死んでしまっていたかもしれない


自分の愚かさにどんどん嫌気が差す。なぜ、もっと冷静でいられなかったのか。なぜ、もっと味方を信用出来なかったのか


悔しいのは俺だけじゃない。バルクホルンや少佐達だって、悔しいに決まっている。それなのに俺だけ、あんな子供みたいに───


俺「・・・なぁ」

バルクホルン「なんだ?」

俺「どうすれば、良かったんだ?」

バルクホルン「っ・・・・・・」

俺「あの時……、2人がやられたって聞いた時───」

俺「どうしても我慢出来なかった。仲間がやられたからやり返す。それしか頭に無かった」

俺「結果大局を見失い、味方を危険に晒してしまった」

バルクホルン「・・・・・」

俺「けど、本当にどうしようもなかったんだ。体の奥底から滲み出る感情に─────怒りに抗えなかった。あんたに殴られるまで……自分で自分を、抑えきれなかったんだ」

バルクホルン「・・・・・」

俺「・・・・・」

一通り話し終えて、俺は口を閉じる。バルクホルンは聞いて何かを考えているようで、2人の間に気まずい沈黙が流れる

やがて、バルクホルンが口を開いた


バルクホルン「・・・感情で行動するのは、正しい人間の生き方だ。あの時のおまえは、「人」としては正しかったのかもしれない」

俺(「人」としては、か…………)

バルクホルン「だが、あの時おまえが居たのは戦場だ」

バルクホルン「戦場において、生の感情丸出しで戦ったりすれば、それは時に味方を危険に晒す」

バルクホルン「律する必要があるんだ。己の感情を───心を」

俺「律する・・・・・」

俺「難しい・・・難しいぞ。バルクホルン」

バルクホルン「そうだ。難しいようで簡単、簡単なようでとても難しい。複雑な事なんだ」

バルクホルン「私だって、完全に出来るわけではない。
       理性的でいたつもりが激情に身を任せ、周りが見えなくなっていた事に後から気付く事もある」

俺「あんたもか……」

バルクホルン「私だって人の子だ。それくらいのミスはする。だから……、その、散々言っといてなんだが───」

バルクホルン「気にするなとは言わない。だが、落ち込むな。おまえらしくもない」

バルクホルン「いつもの軽い調子はどうしたんだ。おまえがそんなんじゃ、こっちの調子も狂う」

俺「・・・・・」


俺「強いよな、あんたは・・・」 ボソッ

バルクホルン「ん?」

俺「いや、なんでもない」

俺「ちょっと、1人で考えさせてくれ」

バルクホルン「・・・・・わかった」

――――――――――――――――――――

<基地港・ラオホウ内部、研究室>

助手「イタッ!」 ガシャン!

研究者B「おわっ、何やってるんだよ」

研究者A「今の所、もう一回やり直しじゃないですか。しっかりして下さいよ」

助手「す、すいません……」 ペコペコ

研究者A「さっきからミスしてばかりじゃないですか。作業に集中して下さい。
     まったく、ただでさえ糞忙しいってのに・・・」

助手「ご、ごめんなさい・・・」

研究者A「謝る前に手を動かして下さいよ。まったく……」

研究者B「・・・・・」

―――――――――――――――――――

助手「こっちの方、終わりました・・・」

研究者A「もう終わったんですか?どれ─────完璧じゃないですか。次はこちらをお願いします」

助手「は、はい」

研究者A「私は途中経過を大佐に報告してきますので、少し失礼しますよ」

ガチャッ、キィッ……、ガチャン

研究者B「・・・・・」 テキパキ

助手「・・・・・」 テキパキ

研究者B「・・・気になるのか?」

助手「えっ・・・?」

研究者B「プロト01の事が。だから、作業に集中出来ないのか?」

助手「・・・はい」

研究者B「なら、行ってこいよ」

助手「へっ?」

研究者B「気になるんだろ?早く行けよ。上の空でやられてちゃ、こっちも迷惑なんでな」

助手「で、でも私には、あの子に会う資格なんて・・・」

447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 00:15:42.98 ID:5q8HYQExO
流石イケメンに定評のあるB

448 :試作な俺-13話[]:2010/12/31(金) 00:16:27.17 ID:UuW93wdVO

研究者B「資格なんかいらねえだろ。今までそんな事気にしながら会ってたのか?」

助手「……気付いてしまったんです。私のしている事は傲りでしかない。あの子の気持ちを弄んでいるだけなんだって」

助手「だってそうじゃないですか。中途半端に優しくするだけで、助ける気なんて無い。自分が救われたいだけの、自己満足でしかな───」

研究者B「それで手を止めたら、本当にただの自己満足だな」

助手「っ・・・・・」

研究者B「本当に、自分が救われたいだけの予防線でしかねえじゃねえか。いいのかよ、それで」

助手「私、は・・・・・」

研究者B「俺にはあいつが、おまえに心から懐いているように見えてたが?」

研究者B「それなのに、おまえの勝手な都合で中途半端に優しくするだけ優しくして、それすらも中途半端に投げだすようじゃ───」

研究者B「あいつがますます報われないと思うけどな」

助手「・・・!」

研究者B「おまえが何を持ってそう思ってるのかは知らないが───」

研究者B「中途半端に止めるなら、最初からやるんじゃねえ。やるなら最後まで貫き通せよ」

助手「!」

助手(・・・・・そうだ。決めたんだったじゃない)

449 :試作な俺-13話[]:2010/12/31(金) 00:19:18.97 ID:UuW93wdVO

助手(「あの子が前を向くと言うのなら、私は私に出来る事をしよう」って……。それなのに、本当に何やってるの私・・・)

助手(うん。私に出来る事をしよう。逃げないで、ちゃんとあの子に向き合おう)

助手「・・・ありがとうございます。行ってきます」

研究者B「礼はいいから。ホラ、行った行った」

助手「はい・・・!」

ガチャッ、キィッ、ガチャン!

タッタッタッタッ…………


ガチャッ

研究者A「今助手とすれ違ったけど、どこ行ったんだ?」

研究者B「01の所」

研究者A「なんだぁ?また胡麻擂りにでも行ったのか?」

研究者B「俺が行かせたんだよ」

研究者A「おまえが?ふーん」

研究者B「上の空で作業されてちゃ、こっちも迷惑なんでな」

450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 00:20:29.67 ID:JuCGpwPjO
流石Bイケメン

支援

567 :-Prototype-試作品-13話-かさなる力[]:2010/12/31(金) 09:30:43.25 ID:UuW93wdVO

研究者B「さてっ、作業に戻るぞ。やる事は山ほどあるんだ。
     バスターライフルの魔導炉の修理もしなくちゃいけないしな」

研究者A「ようやくバスターソードの調整が終わったと思ったら、今度はバスターライフルの修理・・・・・今夜も徹夜かチクショー!!」

――――――――――――――――――――

<医務室>

俺「律する、か・・・・・」

俺は先ほどバルクホルンと話していた事を思い出していた

正直に言って自分の場合、戦闘中に感情を律する事は人の何倍も難しい。
γ-グリフェプタンの効果により、どう足掻いても冷静ではいられない。あれはそういう物なのだ

今思い返してみると、服用時の自分は碌に周りと連携が取れていなかった事に気がつく

バルクホルンや、エイラ、サーニャ達と共に協力してネウロイを撃破したりはしたが、
あれはどちらも非服用時。今回とは別の話だ

「そんなんならクスリ飲まなきゃいいじゃ~ん」と声が聞こえて来そうだが、義務付けられているのでそうもいかない

そこで、この前助手にキレた事を思い出す。
戦闘中の自分は、周りに気を使ってなんていられない。下手したら味方も一緒に撃ち落としてしまうかもしれないとか言った気がする

だがそれはだいぶ前の話であって今は違う───のか?自分ではよくわからない。少しは出来ていたのだろうか

とにかくこれでも昔─────つまり二年くらい前よりは、ずっとマシになったのだが


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〔『あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!何遊んでんだよオマエらーっ!』〕

〔『ちょっと!あたしの獲物に手出さないでよ!』〕

〔『テメエからぶっ殺すぞ01!』〕

〔『どけよ02!てめえもまとめて撃っちまうぞ!』〕

〔『邪魔すんな03!テメエもうぜぇ!』〕

〔『邪魔よ!邪魔ぁ!』〕

〔『オマエはドカドカ撃ちすぎなんだよバーカ!』〕

〔『いけよファングッ!!』〕

〔『04!テメエわざと・・・!』〕

〔『03!テメエは弾避けにだけなっていればいいんだよ!』〕

〔『うっせーよ!トロ過ぎて見てらんねぇんだよ!オマエの戦闘はぁ!』〕

〔『・・・オマエら、うざい』〕

〔『ウザいのはオマエだ!01!』〕

〔『今は退くんだよ!また苦しい思いをしたいのか!?』〕

〔『しょうがねぇ。殺されるよりは殺す方がマシってね』〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

俺(・・・我ながら、酷いな。つっても、当時はそんな事考える余裕なんざ無かったし・・・)

俺(一緒に戦う……共闘……連携……仲間……)

俺(やっぱり、無理なのかな。俺が望んだ所で、俺とあいつらじゃ釣り合わない。俺なんかじゃ、アイツらと一緒に戦う事なんて、出来な───)

コンコン!ガチャッ!

俺「!?」

助手「来ま……したよ・・・」 ゼェ・・・、ハァ・・・

俺「おまえ・・・・・」


――――――――――――――――――――

助手「・・・なるほど。だいたいわかりました」

俺「わかるのかよ」

いきなり部屋に飛び入ってきたかと思いきや、傷の心配を少しして、すぐに悩みがあるなら相談しろと詰め寄られた

最近素っ気なかった事とかも気になったが、とりあえず話を聞いてもらった

助手「つまり一緒に戦いたいけど、また自分が暴走して仲間を危険に巻き込んでしまうかもしれない」

助手「戦闘中の自分は冷静ではいられない。自分のミスが味方を危険に晒すかもしれない。でも一緒に戦いたい。そういう事ですね?」

俺「・・・だいたいそうだけど」 (何故二回言ったし・・・)

助手「うーん・・・・・」

俺(・・・?)


助手「大丈夫だと思いますよ」

俺「は?」

助手「あなたなら、大丈夫だと思います」

俺「はぁ?」

俺「ハァ……。何の根拠も無しに、適当な事言うなよ」

助手「だって、今までは出来ていたじゃないですか」

俺「へ?」

助手「前は協力する気なんて全く無かったのに、今あなたはこうやってどう協力しようか悩んでいる」

助手「それだけでも凄い変化なのに、戦いの中でも命令にまで従い、協力しようとしている」

助手「それは、あなたが確実に変わってきている証拠です。ちゃんとあなたは前に進んでいるんですよ。
   なら後は気持ちの問題です。今回は偶々暴走しちゃっただけ。だから、今度はきっと出来ます」

助手「ようは心構えです。クスリの効果になんて負けないで下さい。だってあなたは、強い子なんだから」

俺「・・・・・」

助手「それにあなたには、あんなにも心強い仲間がいるじゃないですか」

俺「っ・・・・・・!」

あー・・・もう。一体なんなんだコイツは。人に心配させといて、急に復活したと思いきやいきなり相談だの何なの

コイツ結局、具体的な案は何も言ってない。ようは気休めしか言ってねえじゃねぇか

今までも出来ていた?それの限界が来たから詰まったんじゃねーか。クスリの効果に負け、自分を見失った。だからこうして悩んで───

悩んで・・・・・


悩んで・・・何も変わってねぇな。いや、そもそも悩んだ所で、元々何とかなる問題じゃないよな・・・?

じゃあ結局は心構え・・・?あれ、コイツの言っている事意外と的を得ている?・・・得ているのか?あれ?

あー、何だコレ。何なんだよコレ。真面目に考えてたのが馬鹿らしくなって来たぞ・・・


俺「・・・・・」 ウーン

助手(言いたい事を片っ端から言ったはいいけど、うまく伝わったかなぁ……)

俺「あ゙あーっ!ウザいっ!」

助手「へ……?」

俺「そうだな。あんたの言うとおりだよ。気持ちの問題だ」



そうだ。何やってるんだ俺は。なんでまた弱気になってんだよ

アイツらと一緒に戦う為に、下を向くのは止めて前を見るって決めてたじゃねーか。何つまんない事で悩んでんだよ

出来ない?やるんだよ!

出来る!絶対に出来る!だって俺は、1人じゃないのだから

心のどこかで、まだアイツらを信用しきれてなかったんだ。だからあんなアホをやった

もう迷わない。今俺は、アイツらと一緒に戦う。クスリなんかに負けない。仲間がいれば、気持ちがあれば大丈夫!また前を向ける!


そうだ。理屈なんざどうだっていい


やるだけだ!


572 :試作な俺-13話[]:2010/12/31(金) 09:55:04.84 ID:UuW93wdVO

助手(どうやら立ち直ってくれたみたい。良かった・・・)

俺「な、なぁ。助手」

助手「はい」

俺「・・・あ、ありがとう」

助手「ふふっ、どういたしまして」 ニコッ


ヴヴゥゥゥゥーーーーーーーン!!!!!


俺「警報・・・?」

助手「行くんですか?」

俺「もちろんだ」

助手「なら、いってらっしゃい」 ニコッ

俺「ああ。行ってきます」

ガチャッ、キィッ……、ガチャン!

助手「気をつけてね・・・」

助手(これでいいんだよね?お父さん、お母さん・・・)



<ブリーフィングルーム>

ミーナ「みんな、揃っているわね」

負傷したリーネ、ペリーヌ。2人に付きっきりの宮藤と、怪我人であり謹慎中の俺を除いた計8人が、ブリーフィングルームに集まっている

坂本「良い知らせが1つと、悪い知らせがが3つある」

エーリカ「じゃあ、良い知らせからー」

坂本「リーネとペリーヌの容態が安定した。医師によれば、数時間もすれば目を覚ますそうだ」

ルッキーニ「よ、良かった~」 ホッ

エイラ「アイツらがそんな簡単にやられるはず無いもんナ」

サーニャ(良かった・・・)

皆が安心の表情を浮かべる。緊張感の糸が切れ、部屋は一時的に安堵感に包まれたが───

バルクホルン「……それで、悪い知らせは?」

心の中で安心しつつも表情には出さずに、問題の方をバルクホルンが尋ねた

坂本「敵がこちらに向かって来ている」

シャーリー「敵って・・・」


坂本「パトゥーリアだ」

部屋に再び緊張が走り、空気が一気に張り詰めた


エーリカ「なんで?パトゥーリアは、セバーン島にいるはずじゃ……」

坂本「これを見ろ。空軍の偵察機が撮ったものだ」 カシャン

プロジェクターにより、一枚の写真が大きく映し出される

一体の大型ネウロイを中心に、それよりやや小さめな大型が2体。中型と小型がざっと見て100体以上の、艦隊を形成している

坂本「これが、パトゥーリアだ」

エイラ「あっちから来たってのカ?」

ミーナ「そして2つ目の悪い知らせ。もう数時間もしないうちに、パトゥーリアはこの基地に到着してしまうわ」

サーニャ「そんな・・・」

坂本「そして3つ目───」

坂本「後日オペレーション・ノーティラスを再決行する為に大規模の部隊が集められる事になっていたが、現状ではまるで集まっていない。
   つまり、増援が間に合う事はほとんどない」

坂本「そして今、リーネとペリーヌは先ほど言った通り、まだ目を覚ましていない」

坂本「宮藤は魔力を使い切り、同じく治療室で寝ている。俺も負傷している為医務室だ」

シャーリー「ちょっと待てよ。じゃあそれって……」

坂本「つまり、ここに居る八人─────我々だけで、パトゥーリアを食い止めなくてはならない」

一同『・・・!』

575 :試作な俺-13話[]:2010/12/31(金) 10:00:04.01 ID:UuW93wdVO

ミーナが地図を指しながら、作戦を説明する

ミーナ「この海域がパトゥーリア及び護衛との、交戦予測地点です。そして───」

ミーナ「ここが絶対防衛線です。基地を守る為なら、なんとしてもパトゥーリアをこの線に到着させる訳には行きません。もし、パトゥーリアがこの線を越えた場合───」

坂本「この基地は、奴の主砲に焼かれる事になるな」

サーニャ「そんな・・・」

ミーナ「勝率の低い戦いだけど……みんな、力を貸してくれる?」

シャーリー「もちろんだ。任せてくれ」

ルッキーニ「ロマーニャも、この基地も、芳佳達も私が守る!」

バルクホルン「この程度の事で逃げ出しては、カールスラント軍人の名折れだ」

エーリカ「今更聞かなくても、大丈夫だよ~っと」

エイラ「ここで逃げたりしたって、何にもならないしナ」

サーニャ「私達のお家は、私達の手で守る・・・!」

坂本「皆、覚悟は決まっているようだぞ?」

ミーナ「みんな、ありがとう……。
    ストライクウィッチーズ、出撃しま───」



「お待ち下さい」 ガチャッ


576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/31(金) 10:05:29.03 ID:UuW93wdVO

ミーナ「ダルシム大佐・・・?」

シャーリー(このおっさん、本っ当にタイミング悪いよな……)

ダルシム「単刀直入に言います。俺中尉にも、出撃してもらいますよ。彼には出撃義務がある」

坂本「・・・現在俺中尉は負傷中の上に、謹慎処分中です。出撃は許可出来ません」

ダルシム「謹慎処分?この非常時に何を言っているのですかあなたは。基地が無くなってしまっても良いと?」

坂本「そうではありません!私は───」

ダルシム「それに、あの程度の負傷なら、彼にはどうってことありませんよ」

ダルシム「むしろ、あなたの様なロートルよりも、よっぽど役に立つと思いますがね」 ニヤリ

ミーナ「!?」

シャーリー「なっ!」

エーリカ「っ!!」

バルクホルン(この男……!) ギリ…

サーニャ(酷い事言う・・・)

エイラ(本当にウィッチが嫌いなんだなコイツ・・・。でもだからって、こんなの酷いじゃナイカ!)

ルッキーニ(むぅー…………) ←言葉の意味を理解してはいないが、馬鹿にしているのは何となくわかったらしい

坂本「………………」

577 :試作な俺-13話[]:2010/12/31(金) 10:11:51.26 ID:UuW93wdVO

坂本「……それでも、出撃を許可するわけにはいきません」

ダルシム「ほぅ・・・」 ピクリ

ダルシムが眉間に皺をよせる

ダルシム「何故ですか。出撃義務を撤回させる程の理由あるとでも?」

坂本「……今のアイツの目には、迷いが見える。それだけです」

ダルシム「は?はっ、ははは・・・。何かと思えば、そんな理由で……」

ダルシム「問題ありませんよ。今俺中尉は、十分に戦える状態にあります。戦闘に支障はありません。俺中尉は出撃を───」

坂本「迷いを抱えたままの者を、戦場へ連れて行くわけには行きません」

坂本「迷いは時に自らだけでなく、味方をも危険に巻き込みます。
   そんな状態のアイツを、戦わせる訳にはまいりません」


ダルシム「あなたも頑固な人ですねえ坂本少佐」


ダルシム「これは、上官命令で言っているのですよ!彼は戦える、私がそう判断───」


坂本「前線に出もしない男が、何を言う!」


ダルシム「!」


坂本「共に戦うのは私達───判断するのは私だ!」


578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/12/31(金) 10:13:42.89 ID:7abRhcYW0
今日はどこも過疎ダナ
支援

579 :試作品-13話 人が居ただと・・・?支援感謝[]:2010/12/31(金) 10:18:11.03 ID:UuW93wdVO

エーリカ「おー……」

シャーリー(いいぞー!もっと言ってやれー!)

ダルシム「き、貴様・・・!上官に対して─────」



ガチャン!


不意にブリーフィングルームの扉が勢いよく開けられ、皆が一斉に注目する。するとそこには───

俺「遅、れ・・・ました・・・」 ゼェ、ハァ

坂本「俺!?」

バルクホルン(来たか・・・!)

エイラ(俺・・・)

ダルシム「プr───俺中尉・・・」

俺「っ・・・」 ツカツカ

部屋に飛び入った俺は呼吸も整えずにそのまま、真っ直ぐ坂本の元へと向かい目の前に立つ

坂本「何故ここに居る?おまえは今、謹慎中……いや、それ以前に怪我がまだ───」

俺「怪我はもう大丈夫ですし、昨日の命令違反の罰なら、後でいくらでも受けます。
  だから……、今は───」

580 :試作品-13話 人が居ただと・・・?支援感謝[]:2010/12/31(金) 10:26:09.17 ID:UuW93wdVO


俺「お願いします!」 バッ!


坂本「!」

ダルシム「!?」

頭を下げて、坂本に懇願する

俺「俺も・・・俺も行かせて下さい!」

バルクホルン(俺・・・)

俺「お願いします!一緒に戦いたいんです!」

ダルシム「何をしている中尉!」

ダルシム「そんな事をしなくても、貴様には出撃義務がある!貴様は出撃義務に従い───」 グッ

ダルシムが俺の肩を掴み、頭を上げさせようと───

バシィッ!

ダルシム「なっ!?」

俺「そんなんじゃねぇよ!」

ダルシム「な・・・に・・・?」

坂本「・・・・・」

俺は改めて坂本に向き直り、その眼を真っ直ぐに見つめて訴えかける

俺「出撃義務だとかはどうでもいい・・・」

俺「俺も一緒に戦いたいんです。守りたいんです。基地を……仲間を!家族を!」

俺「だから・・・お願いします!!」

坂本も、眼帯に隠されて見えないはずの両の目で俺の眼を見つめる

坂本「・・・・・」

坂本(・・・迷いが消えている)

俺「・・・・・」

坂本(覚悟は出来ているようだな)

坂本「ふっ……、いい眼だな」

俺「め・・・?」 キョトン

坂本「よし、出撃を許可する!その代わり、懲罰は三倍だからな?覚悟しておけ」

俺「っ・・・!」 パアァ

俺「あ、ありがとうございます!」 ペコリ

バルクホルン(どうやら、迷いは晴れたようだな・・・)

シャーリー「良かったじゃないか俺ー!何かよく分かんない所で話が進んでいたみたいだけど」

サーニャ「良かったね、俺さん・・・」

エイラ「まったく、気を使って損したゾー」

ダルシム「ぐっ・・・・ま、まぁ、いいでしょう。こちらとしては、中尉が出撃すれば同じ事です」

エーリカ(まだいたのかこのオジサン)

ダルシム「中尉、バスターソードを持って行きなさい。
     あなたが壊したバスターライフルの代わり程強力ではありませんが、十分役に立つはずです」

俺「あ?……あ、はい」

ダルシム「調整は既に済んでいますので、助手軍曹に簡易説明を受けなさい。それと───」

俺「・・・?」


ダルシム「 口 の 利 き か た に は 気 を つ け な さ い 」


俺「っ!!」 ビクッ

俺「…………りょ、了解」

バルクホルン(・・・・・?)

ダルシム「では、失礼」 スタスタスタスタ……

ガチャッ、キィッ……、ガチャン!

エーリカ「イ~~~だッ!」 イ~

エイラ「もう来るナー」 ベェー

ルッキーニ「ベェーーッだ!」 ベェー

583 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 10:37:11.55 ID:nuU7syuF0
人がいないようないるようないないような?

支援

586 :試作な俺-13話 支援ありがとー[]:2010/12/31(金) 10:41:17.71 ID:UuW93wdVO

バルクホルン「来ると思ってたぞ。俺」

俺「こんな時に、オチオチ寝てられないからな」

俺「あんたの言った事、難しいと思うけどやってみるよ。
  俺なりに・・・精一杯な」

俺「だから、その・・・よろしく」

バルクホルン「ああ、共に戦おう」

ミーナ「俺さんが入ってくれたおかげで九人なりましたが、それでも戦力不足は否めません」

ミーナ「それでも、覚悟はいいですか?」

シャーリー「さっきも言っただろ?任せろ」

ルッキーニ「みんなは私が守る!」

エーリカ「大丈夫だよ~」

バルクホルン「ああ、勿論だ」

サーニャ「お家、守ります・・・!」

エイラ「覚悟、出来ているゾ」

俺「当然だ。なぁに、やってみせるさ!」

坂本「ウィッチに不可能は無い!必ず勝つ!」


ミーナ「ふふっ。それじゃあ、仕切り直しね・・・」


ミーナ「ストライクウィッチーズ、出撃します!」


一同『了解!』

587 :試作な俺-13話 []:2010/12/31(金) 10:46:57.08 ID:UuW93wdVO

<集中治療室>

リーネ「スー・・・、スー・・・」

ペリーヌ「スー……、スー……」

俺(・・・・・・良かった。容態は安定しているみたいだな)

ふとベッドの横に目をやると、長椅子に宮藤が横になって眠っていた

宮藤「スー……、スー……」 zzZ

恐らくは、2人に付きっきりで治療をしていて、魔法力を使い果たしたのだろう。
いつかの、自分の時と同じように

俺(いつも、ありがとうな。宮藤……) パサッ

ズレ落ちてしまっていた毛布を、再度かけ直す

俺(行ってくるよ。宮藤、リーネ、ペリーヌ)

俺(おまえ達が居るこの基地も、あいつらも、絶対に守り抜いてみせる・・・!)

タッタッタッタッタッタッ・・・・


<ハンガー>

助手「俺中尉。こちらです」

俺「これが・・・バスターソード・・・」


それは、巨大な大剣 。
要望をだした本人は忘れているかもしれないが、望み通り文字通りの、大きい剣である
大きさはざっと見て、自分の身の丈と大差ない

見た感じ刀身は非常に厚く、長さとも相まって持ったら非常に重そうな印象を感じる

俺「いいな、コレ・・・。今すぐ一狩り行けそうだ」

助手「気に入って貰えてよかったです」

助手「この剣は、「牙」を使う事により増す威力を、慣性質量への増幅作用に回す事により、より高い破壊力を発揮する事が可能です」

俺「・・・つまり?」

助手「対象に剣を振り下ろす瞬間に「牙」を強めると、破壊力が格段に上がります」

俺「耐久性は?」

助手「ばっちりです」 グッ

助手「「牙」を使用しても、ちょっとやそっとじゃ壊れません。俺中尉の望みに適った性能であることを、約束しますよ」

助手「それと、ここの部分なんですけど・・・」 スッ

俺「おっ!マジでコレも作ってくれたのか」

助手「でも、あまり投げすぎたりしないで下さいよ?剣は投げる物じゃないんですから」

俺「了ー解」

589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/12/31(金) 10:56:02.52 ID:ZtGTejmBO
一狩りいこうぜ!

590 :-Prototype-試作品-13話-かさなる力[]:2010/12/31(金) 11:02:28.52 ID:UuW93wdVO

助手「それと・・・お気をつけて」

俺「ん?あ、ああ」

俺「ありがとう」 ニコッ

助手(あっ・・・)

俺「行ってくるよ」

タッタッタッタッ……

助手(お願い・・・負けないで・・・・・・)



バルクホルン「準備はいいか?」

俺「ああ、勿論だ!」



大丈夫だ。出来る。
護衛のネウロイ達なんか物ともせず、パトゥーリアを叩ける

だって、仲間が一緒にいるのだから!

俺「俺機・・・・・出撃る!」
最終更新:2013年01月29日 15:14