『歪み行く想い』 その3
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
657 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/07(月) 13:42:19.73 ID:QbgV/R5V0
推進BGM的な物
ブロンドの長髪の少女。前髪はピンで留められ、その下の顔は妖艶な笑みを浮かべている
俺は目を疑った。そんな筈は無い
目の前に居る少女は、ネウロイに半身を消し飛ばされて死んだ筈だ。生きている訳が無い
そもそもこいつはこんな笑い方をしない。もっとバカみたいに無邪気に笑う筈だ
この夢のような幻影空間においては生きてるとは言えないし、本人な訳が無い。
そんな常識や記憶などはまるで意味が無いのだが、今の俺にはそんな事を理解する余裕も判断力もありはしなかった
俺「アン、ジェ・・・・・」
アンジェリーナ「そうだよー♪」 クスクス
かつての俺に、多大な影響を与えた少女。底抜けの明るさと笑顔と純真無垢な心で、俺に
初めて光をくれた少女。守りたいと思った少女
初めて出来た、大切な友達・・・・・
けれど、俺は彼女を守る事が出来なかった。彼女はネウロイに殺された
そんな彼女が今、全裸で俺の眼前に立っている
俺「なんで、おまえが…………」
アンジェリーナ「あははっ♪ゼロったら、何怖がってるの?」
ヒタヒタ・・・
アンジェリーナはヒタヒタと、ゆっくり俺に歩み寄る
俺は逃げ出したい衝動に駆られたが、再び体が動かなくなっていた
658 :試作な俺-16話 再びグロ注意[sage]:2011/02/07(月) 13:51:49.92 ID:JMVJG5WTO
ボトッ・・・
歩み寄って来るアンジェリーナから、何かが落ちる
─────彼女の左腕だった─────
俺「!?!?」
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥーーッ!!
左上腕の切れ口から大量の鮮血が飛び散るが、彼女はまったく気に留めずに歩いて来る。
俺「なっ・・・!?」
ズルッ・・・ボロッ、ボロッ
ビチャビチャ・・・ドロッ・・・グチャア!
彼女の左半身が、徐々に崩れていく。左肩はあっという間に崩れ落ち、完全にもう”無い”
肉が落ち、血が飛び散り、断面から内臓がズレ落ちていく
ビチャッ、ボロッ・・・ベチャア!!
左上半身は完全に崩れ落ちた。中心の肋骨が剥き出しになり、心臓も下に落ちる
それでも彼女は歩みを止めない。
薄笑いを浮かべながら、内臓を引きづってゆっくりゆっくりと向かってくる
ドロッ・・・・・
そんな彼女の顔が、突如崩れた。顔と頭の左側半分が、どんどん崩れて行く
俺「く、来るな・・・」
・・・ポロッ─────グチャッ!!
落ちて転がった左の眼球を、彼女は自らの足で踏み潰した
直ぐに顔の左半分は完全に崩れ落ち、ゼリー状の脳みそが歩く度にボロボロと欠けて落ちる
アンジェリーナ「あはっ、あははははは」
しかし彼女は、残った右半分の顔だけで笑っている。笑い続けている
俺「来ないでくれ・・・!」
グシャッ・・・ドロッ、グチャァァァァァ……
とうとう下半身も崩れて左足も無くなった。
だがまるで見えない足でもあるかのように、彼女はバランスを失う事無く歩き続ける
俺「来るなっ!来るなぁ!!」
俺は心底怯えた声と表情で叫ぶ。逃げたいが体が動かない為、それしか出来ない
アンジェリーナ「酷い事言うんだね~、ゼロ……」
既に彼女の左半身は完全に崩れ落ち、腹からはみ出た内臓を引きずって歩いている。
彼女の体はもう、血と内臓を入れておくだけの、ただの桶でしか無かった。
660 :試作な俺-16話 スーパーオリキャラタイムでごめんね本当[sage]:2011/02/07(月) 14:01:41.59 ID:JMVJG5WTO
アンジェリーナ「私を拒絶するの?私はゼロの事が大大大大大好きなのに・・・」
俺「ひっ・・・!」
彼女はとうとう俺の目の前に立った。残された右の瞳で、俺をジッと見つめる
アンジェリーナ「怖いんだね。ゼロ……」
アンジェリーナ「そうだよね?ゼロって本当は、凄い怖がり屋さんだもんね」
アンジェリーナ「本当は戦いなんて絶対にしたくない、傷つけるなんて事出来ない。でも凄く優しい人……。それが本当のゼロ」
俺「な、何言ってんだよ・・・!」
アンジェリーナ「ううん、いいの。無理しないで。ゼロの事なら、私が一番よくわかっているから・・・・・」
俺(ど、どうなってやがる……)
アンジェリーナ「・・・ねぇ、ゼロ。私の体、無くなっちゃったの」
アンジェリーナ「あなたのせいで」
俺「!!!」
俺「・・・ごめん。俺が……、俺が弱かったから…………」
アンジェリーナ「うぅん、いいの。それでもゼロは、あの時必死に私を守ろうとしてくれたから」 ニコッ
俺「アンジェ・・・」
アンジェリーナ「だから───」
ズブッ・・・
俺「えっ・・・」
アンジェリーナの右手が、まるで粘土に突っ込んだかのように容易く俺の胸にめり込んで行く
アンジェリーナ「だから・・・・・」
アンジェリーナ「 あ な た の 体 を ち ょ う だ い 」
ズブズブズブ・・・
彼女の白くて綺麗で細長い指が、どんどん俺の体に沈んで行く
俺「うっ、あああ!やめろ、触るな!」
ズブズブズブズブ・・・・・・・ガシッ!
彼女の右手が、脈動を続ける俺の心臓掴んだ
アンジェリーナ「そうすれば、ずっと一緒に居られる・・・♪」 ググッ・・・
彼女は俺の心臓を握る右手に、徐々に力を入れて行く
俺「触れるな!触れるなぁぁっっっっ!ああ、あああ、ああああああああっっ」
アンジェリーナ「そうだよね・・・・・ゼロ!」
彼女はそのまま心臓を握り潰そうと、一気に力を加えた
662 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2011/02/07(月) 14:04:49.55 ID:TfGFZuyh0
支援
663 :試作な俺-16話 支援感謝[sage]:2011/02/07(月) 14:06:13.76 ID:QbgV/R5V0
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<現実>
俺「うわあああああああああああ!!ああ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
調整室の椅子の上で、俺は固定された体を捩らせてもがき苦しんでいる。
部屋には俺の悲鳴が、絶えず響く
研究者A「脳内グリア値、レッドゾーンに突入しました!」
助手「大佐!このままでは、この子の精神が崩壊してしまいます!これ以上は、もう───」
ダルシム「わかっている!むざむざ死なせるつもりは無い!実験中止だ!”サイコアウェイカー”、3番を切断、5番の出力を20上げろ!」
研究者B「了解!」
助手「お、俺・・・・・」
研究者B「ボサッとしてないで手を動かせ!」
助手「は、はい!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
研究者A「・・・全数値、安定しました・”サイコアウェイカー”、停止します」
助手「俺ぇっ!」 ガチャッ
助手が部屋に入り、椅子の上でぐったりとしている俺に駆け寄る
俺「う・・・あ・・・・、あぁ…………あ…」
助手「俺!」
ダルシム(くっ・・・・・馬鹿者が!)
ダルシム「出来損ないが・・・!」
――――――――――数時間後――――――――――
<ラオホウ内部・医務室>
俺「う・・・うぁっ…………」 パチッ
助手「目が覚めましたか?」
俺「あれ、俺・・・・・」
助手「私の事が、わかりますか?」
俺「助手……、だよな・・・」
助手「はい」
俺「・・・そうだ、実験はどうなった。成功……したのか?」
助手「っ・・・・・」 フルフル
助手は無言でゆっくりと首を左右に振る
俺「・・・・・そっか」
そう言って俺は寂しげな笑みを浮かべると、ゆっくりと体を起こす
俺「・・・明日は朝早いんだ。基地に戻ってもう寝る」
助手「っ! その状態で出掛けるつもりですか? あなたはもう少しで、精神崩壊をする所だったんですよ!?」
助手「少なくとも一日は、休んでいた方が───」
俺「約束したからな。それにあいつらと実験は無関係なんだ。そんな事ですっぽかせるかよ」
助手「で、ですが・・・」
俺「貴重な休日寝て過ごすなんてごめんだ。そんくらいは自由にさせてくれよ、頼むからさ」
助手「わ、わかりました・・・」
俺は靴を履いて立ち上がり、助手は机の上に置かれたカップを片付けようとする
俺「───あぁ、そうだ。それと・・・」
助手「はい?」
医務室から出ようとした俺が足を止めて振り返り、思い出したかのように助手に言った。
俺「”始まった”・・・・・みたい」
ガチャンッ!!
助手が手に持っていたカップを力無く落とし、それはそのまま床にぶつかって割れた
助手「いつ・・・からですか?」
俺「最初はパトゥーリア倒した時の祝勝会。それから時々。最近は他にも増えて、頻度も段々多くなって来てる」
助手「どうして・・・・・言ってくれなかったんですか?」
俺「こんなん最初からわかっていた事だろ。どうこうなる問題じゃねぇってのは、俺が一番よく知って───」
ダッ!・・・ギュッ!
突如助手が駆け寄り、俺を思いっ切り抱き締めた
俺「なっ・・・!おまえ何して───」
助手「・・・ごめんね」
俺「! おまえ・・・」 (泣いて……?)
助手「ごめんね。ごめん、ね・・・・・」
俺「・・・・・・・」
<基地内部・俺の部屋>
俺は部屋に戻っても眠る事が出来ずに、ベッドに腰掛けて考え事をしていた。時刻はもう午前三時を回っている
俺(なんで、あいつが泣くんだよ)
俺(・・・あいつ、本当に研究者らしくねぇよな)
俺(学校の先生とかの方が似合ってんじゃねぇの・・・?)
俺(・・・にしても、実験失敗か。魘され損だっつーの)
俺(やっぱり・・・、そうそう都合良くはなってくれやしねぇって事か……)
《残念だったなぁ》
俺(!!)
《もし『再覚醒』が成功していたら、ひょっとしたら自由になれたかもしれねぇ・・・ってか?》
《馬鹿か?夢見てるんじゃねぇよ。実験体としての仕事が増えるだけだろ。何も変わりやしねぇんだよ》
俺(またてめぇか・・・)
《そう。”変わらない”。”変えられない”んだよ。お前は何もな》
俺(・・・っ!)
《言った筈だ。『おまえがどんなに思い込んだ所で、歯車は所詮歯車だ』ってな》 (※11話)
俺(うるせぇよ・・・!)
《何か変わったか?何も変わってねぇよなぁ。おまえは相変わらず、”人形”のままだ。しかももう壊れかけ》
《おまえは一体何時になったら、現実と向き合うんだ?》
俺(現実だ・・・・・?)
《もはや流れは変えられねぇ。おまえがやっているのは、ただの悪足掻きでしかない》
俺(くっ・・・!)
《蟻一匹がどんなに騒いだ所で、星の軌道は変えられない》
《それどころか、星は蟻の存在にすら気づかない。その程度なんだよ、おまえがしている事はな》
俺(うるせぇよ、てめぇ・・・・・!)
《目を逸らすんじゃねぇ!顔を背けるんじゃねぇ!現実を見ろ!》
《足掻いた所で結局おまえは人形でしかなくて!おまえはそのまま───》
俺(うるせぇって言ってんだよてめぇッ!!)
俺(いつもいつも!人の頭の中でゴチャゴチャとぉ!!失せろっ!)
《そんな連れねぇ事言うんじゃねぇよ》
《おまえは俺、俺はおまえなんだからさぁ・・・》
俺(ちっ・・・・・)
《忘れねぇ事だな。どんなに足掻いた所で、結局おまえは”変われねぇ”ってな・・・・・》 フッ!
ようやく頭の中に響く声が止み、静寂が訪れた
俺「くそ・・・・・!」
俺「くそがっ!!」
――――――――――――――――――――
バルクホルン「・・・あれっ?」 キョトン
バルクホルン「ここはどこだ?私は一体何を───」
俺「よっ、トゥルーデ」
バルクホルン「お、俺?」
俺「どうしたよ?鳩が豆鉄砲喰らったような顔しちゃってさ~」
バルクホルン「どうしたも何も、一体ここはどこなんだ?何故おまえが───」
俺「トゥルーデ」 キリッ
何時にない真剣な表情で、俺がバルクホルンに向き合う
バルクホルン「ど、どうした?」
俺「好きだ」
バルクホルン「なっ!?///」
俺「トゥルーデが大好きなんだ。トゥルーデの事をもっと知りたい。もっともっと、トゥルーデと一緒に居たい。トゥルーデの笑顔が見たい。そうさ───」
俺「この気持ちッ・・・・・まさしく愛だ!!!」
670 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2011/02/07(月) 14:25:02.03 ID:7m68kH5D0
しぇん
671 :試作な俺-16話[sage]:2011/02/07(月) 14:25:03.61 ID:JMVJG5WTO
バルクホルン「あ、愛!?///」
俺「愛してるよ、トゥルーデ」 キリッ
バルクホルン「・・・・・/////」 カアァ……
バルクホルン「わ、私も俺の事・・・、愛しているぞ/////」
俺「ふふっ、嬉しいよ。・・・なぁトゥルーデ、キスしよっか」 ニコニコ
バルクホルン「え?ま、待てっ。いきなりキスだなんてそんな、心の準備が・・・」 アタフタ
俺「ダメ、か・・・?」
バルクホルン「・・・・・ダメじゃない///」 ギュッ……
俺「トゥルーデ・・・」 グッ・・・
バルクホルン(お、俺の顔が、こんなに近くに・・・。俺の匂いがする///)
翡翠色の瞳が、じっとバルクホルンを見つめる
バルクホルン(綺麗な色・・・。吸い込まれてしまいそうだ)
2人の唇が近づいて行く
バルクホルン「俺・・・・・。これからも、ずっと私と……、私と一緒に─────」
――――――――――――――――――――
バルクホルン「一緒に、一緒・・・・・・にっ?」 パチッ
バルクホルン「俺・・・?」 キョロキョロ
バルクホルンは辺りを見渡す。見慣れた部屋、自分がベッドで寝ている状態なのに気がつく
バルクホルン(私の部屋・・・。今のは全部、夢・・・?)
バルクホルン(・・・・・・・・・・)
バルクホルン(~~~~~~~!!!) ジタバタ
バルクホルン(なっ、なんて夢を見ているんだ私はっ/////) ブンブン
バルクホルン(昨日
シャーリーとあんな話したからか?……だからって早すぎだ!)
バルクホルン(・・・・・はっ!) クルッ
エーリカ「すー……すー……」
同室のもう一人の住人は室内のブラックスポットで眠りこけており、自分の様子に気がついた様子は無かった
バルクホルン(ちゃんと寝ているか・・・) ホッ
673 :-Prototype-試作品-16話-歪み行く想い[sage]:2011/02/07(月) 14:31:48.61 ID:JMVJG5WTO
時計を見て時刻を確認する。どうやら起床するにはまだ早すぎるようので、もう一度眠る事にした
ポフン・・・
布団に寝転がり、枕に頭を乗せ、掛け布団を再び掛ける
バルクホルン(明日───いや、数時間後には俺とローマか・・・)
チラッ
首を動かして、壁のハンガーに掛けられた一着の服を見る
バルクホルン(偶には、こういうのも悪く無いだろう……)
バルクホルン「・・・・・ふふっ」
バルクホルン「俺の奴、喜んでくれるかなぁ・・・・・」
年頃の少女らしく微笑むと、彼女は目を閉じ再び眠りにつくのだった
最終更新:2013年01月29日 15:22