『絆』 その3
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49 :試作な俺-24話 支援感謝です:2011/07/17(日) 16:10:25.97 ID:pI1+Njp90
<ラオホウ内部・通路>
俺「……なぁ、ちょっといいか?」
実験部隊兵「はっ! 如何いたしましたか?」
俺「あのさ、助手……見なかった? 話したい事があったんだけど、部屋にも居なかったし……」
実験部隊兵「!!」
俺「何か知らないか?」
実験部隊兵「…………」
実験部隊兵「……助手軍曹は現在大佐の勅令により、特殊任務に就いております。詳細はお話出来ません」
俺「……そっか。残念」
俺(もう、いつ自我が無くなるのかも分からないし、今の内にお礼言っときたかったんだけどな……)
実験部隊兵「中尉は自室待機を命じられていた筈です。私と戻りましょう」
俺「……ああ、そーだな」
実験部隊兵に連れられ、俺は再び自室内に戻って行った
実験部隊兵(……これでよかったのだろうか)
実験部隊兵「許せよ、少年。彼女は既にこの世には…………」
<ラオホウ内部・俺の部屋>
俺「…………」 ゴロン
俺(この数ヶ月……あっという間だったな。相対性理論……だっけ? 楽しい時間は過ぎるのが早いっての。恨むぜ、その法則…………)
俺(……いや、最後にアイツらに出会えた。それだけで上等じゃん。それ以上、何を求めるってんだ……)
ゴロン
寝返りを打つ。そうすると天井より少し下の高さで部屋の端から端へ架かる、一本の太いパイプが目に入った
俺「……そういえば」
〔『10回懸垂出来るようになったら、トゥルーデがとっておきのご褒美あげるってさ~』〕
俺(結局懸垂……、10回出来ないままだったな。「マスターしてやる」とか言ったのに)(※9話)
ちょうどそのパイプの太さと架けられた高さは、俺がバルクホルンとの訓練の際に懸垂に使っていた木の枝にそっくりだった
俺(確か……最高記録は8回だったよな)
俺「…………」 スタッ
俺はベッドから体を起こし、立ち上がると───
タンッ! ガシッ!
軽く跳躍し、そのパイプを両手で掴んだ。足が床から離れ、体が宙に浮く
俺「よっと…………」
そのまま俺は懸垂を始める。理由なんて特になかった。
腕に力を込めるようにして、ゆっくりと体を持ち上げる
俺「…………」 ググッ…
〔『カールスラント空軍大尉、ゲルトルート・バルクホルンだ』〕
俺「……1」
〔『いいだろう……、今回で貴様のその慢心とひねくれた態度と根性! 叩き直してやる!!』〕
俺「……2」 ググッ…
〔『そうだ。おまえはもう、私達の家族なんだ』〕
〔『私達12人で501―――ストライクウィッチーズなんだ!』〕
俺「……3」
〔『助けてくれて、ありがとう』 ニコッ〕
俺「……4」
〔『だが、次は怪我の無いようなやり方にしろ。次回くらいは自力で帰還出来るようにしないとな』 ニコッ』〕
俺「…………5」
〔『私達は守られるだけじゃない、お互いに支え合ってこその仲間なんだ。一人では駄目なんだ』〕
〔『だから、一緒でなくては駄目だ。自分が守られる事も考えろ。仲間が共にいれば、可能性は無限に広がる筈だ』〕
俺「…………6」
〔『それならお前も私も、もっともっと強くならないとなっ。私も自分より弱い者に守られるつもりはない。
怪我が治ったら、すぐに特訓再開だ!』 ビシッ!〕
俺「…7…………!」
〔『ど、どうだ。ドキドキするか・・・?///』〕
〔『なら、このまま休めばいい。今日は休日なのだからな』〕
俺「……は……ち………!」 ゼェハァ
〔『おまえが私の笑顔を好きなように、私もおまえの笑顔が好きなんだ』 ニコッ〕
〔『だから私は、これからもずっと俺と一緒に居たい』〕
〔『一番近くで、俺の笑顔を見ていたい。2人で一緒に笑い合いたい』〕
俺「ゼェ……、ハァ……!」
〔『嬉しい時も、楽しい時も、悲しい時も、辛い時も、ずっと隣に居る。
おまえが過去に溺れそうな時は、私が救い出す。おまえが辛くて挫けそうな時は、私が支える。だから、おまえにも笑っていて欲しい』〕
〔『私は、俺の事が好きだ』〕
俺「きゅ……う…………!」
〔『……例えおまえの言うように、強化ウィッチだからおまえが私達とは違うとしても、それでも同じものがある』〕
〔『心は、志は同じだ』〕
俺「あと……1回…………っ!」 ググッ・・・
〔『それじゃあおまえが・・・おまえが救われないじゃないか!!!」』〕
〔『おまえなんか、もう嫌いだ・・・。大っ嫌いだ、大馬鹿野郎ぉ・・・!』〕
俺「じゅ・・・うっ!!!」 ガクンッ
ドスンッ、バタンッ! ドサドサドサ……ッ
10回目の懸垂を終えると力尽きたように手が離れ、そのまま後ろに倒れ込んで尻餅をつく。その勢いで背中が棚にぶつかり、その衝撃により上から荷物が崩れ落ちた
俺(じっ……10回出来た・・・) ゼェハァ
俺自身は気がついていなかったのだが、バルクホルンとの特訓と日々の努力により、彼はもうとっくに人並みの身体能力を取り戻しつつあった。筋力もしっかりついている。
感覚こそ失ってしまったものの、当初の課題であった懸垂10回を成し遂げるくらいには成長していた。
1回も出来なかった初期(※9話)と比べれば、この成長は飛躍的とも言えるだろう
俺「……でも、今更・・・」
俺「今更出来るようになっても、もう遅いじゃねぇか……」
俺「・・・ははっ、本当に俺は……大馬鹿野郎だな」
───パサッ・・・
俺「……?」
無気力に天井を眺めていた俺の後ろの棚から、何か紙のようなものが漂い落ちて来て手元に滑り込んだ
俺「なんだ、コレ……」 ペラッ
俺「! これは……」
それは、一枚の写真。写り込んでいるのは2人の男女。自分にとっては、よく見慣れた姿。
当然だ。写っていたのは自分自身と、彼が想いを寄せていたバルクホルンだったのだから
俺「写真……完成してたんだ」
その写真は以前俺とバルクホルンが休暇でローマを訪れた際に、
シャーリーに嵌められて入店した、変な店員の居る写真館で撮影されたものだった。(※17話)
俺が治療中に完成し、基地に届けられて荷物の中に紛れ込んでいたのだが、当時昏睡状態だった俺がそれを知る由もない。
写真の中の自分は軍服ではなく馴れない私服を着ており、自分の腕に抱きついているバルクホルンも、軍服ではなく白いワンピースで着飾っていた
俺(トゥルーデ、笑ってる……)
バルクホルンに腕に抱きつかれて、顔を真っ赤にして照れている自分。そして自分も恥ずかしそうにしながらも、とても楽しそうな笑みを浮かべているバルクホルン
「最高の一枚」。 この写真を撮った店長がそう言っていたように、バルクホルンは俺が知る限りの最高の笑みを浮かべていた
俺(俺も……笑ってる…………)
ほんの数週間前の出来事。偽りに酔いしれ、定めを忘れていた写真の中の自分は、楽しそうに笑っていた
俺「トゥルーデ……」
ズ キ ッ ・ ・ ・ ・ ・
俺「う"ッ・・・くっ・・・・・っ!」
ズキン・・・ッ! ズキン・・・ッ!
58 :試作な俺-24話 :2011/07/17(日) 16:52:34.36 ID:pI1+Njp90
───どうしてなんだ・・・
もう、何も分からないのに
もう、何も感じれない筈なのに
どうしてこんなにも…………胸の奥が痛くなるんだ
痛い……! 痛い……! 苦しい…………!
なんで・・・! どうして・・・・・!
いっそのこと、全てを忘れてしまえれば……
早く、自我が無くなってしまえば……
すぐに楽になれるのに
<ラオホウ・甲板>
キイィィィーーーーーーーーーーーーン・・・
研究者B「インペラトール、発進しました。制御システム、正常に稼働中」
ダルシム「”ハイパージャマー ”を作動させろ」
研究者A「ハイパージャマー、作動を確認しました。システムに異常はありません」
ダルシム「よし、ようやくか……」
ダルシム(多少遅れが出たが、まだ取り返せる。奴らに我々の行動を感づかれる前に、何としても始末せねばならん……!)
研究者C「…………」
研究者C(…………使えねぇ)
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<ロマーニャ近海・移動中>
ルッキーニ「…………ヘクチッ」 ズズッ……
シャーリー「大丈夫か? ルッキーニ」
エイラ「サーニャ、眠くないカ? お腹減ってないカ?」
サーニャ「大丈夫……」
そうは言っても実際は、半日前にオペレーション・エピオンが終了したばかりであり、彼女達はまだ十分な休養をとれていなかった
バルクホルン「……助手軍曹、1ついいか?」
ザザッ…………
助手『はい、何でしょうか』
全員が耳につけているインカムから助手の声が聞こえる。
基地に残った彼女はウィッチーズをサポートする為、通信機の前で待機していた
バルクホルン「最後に去る時、俺は言っていた。『向こうでの”最終実験 ”が終了すれば、量産に必要な全てのデータが揃う』と……」
バルクホルン「その最終実験とは、具体的には何を行うんだ?」
助手『…………』
バルクホルン「答えられないか」
助手『いえ……、お話します』
少しばかりの戸惑いを見せた後、助手はゆっくりと話だした
助手『先ほど皆さんにお話したように、強化ウィッチは広義的に言えば”ネウロイ人間 ”です。体内にインプラント制御のネウロイのコアを宿しています』
助手『強化ウィッチは通常、インプラントと己の魔法力を同調させる事により、並外れた能力を使用出来ます。
大半を失っている為に分かりづらいかもしれませんが、全盛期のあの子は本当に凄かったそうです』
エイラ(そういえば、真っ正面から単独でネウロイの巣を潰した事が有るんだっけ? 確かにとんでもないナ……)
助手『しかし適性があると言っても異物は異物。しかもネウロイのコアなんて危険な代物。やはりそれ相応のリスクが付き纏います』
リーネ「リスク……ですか?」
助手『はい。魔力の激しい消耗による、検体の一時的な魔法力の低下。それによって起きる、魔法力とインプラントの均衡の崩壊……』
助手『そしてそのインプラント同調率の低下によって引き起こされるのが、”拒絶反応 ”。
死に等しいと言われる激烈な苦しみをその人に与え、治療しなければ短時間で確実に死に至ります』
宮藤「それってまさか……」
宮藤の脳裏に、先日の戦闘終了後に俺が血を吐いて苦しみだした光景が思い浮かぶ
助手『ええ、その通りです。あの時(※18話)、あの子が皆さんの目の前で発症したのが拒絶反応。あの時は本当に危険な状態でした』
シャーリー「それは分かったけど……、それと最終実験に何の関係があるんだ?」
助手『……拒絶反応で強化ウィッチが死んだ場合、死亡後の体内のインプラント……つまりネウロイのコアが活性化し、宿主の体を浸食して───』
助手『新たなネウロイとして生まれ変わります』
ウィッチーズ「!」
64 :試作な俺-24話:2011/07/17(日) 17:14:22.29 ID:pI1+Njp90
助手『コアに体を蝕まれ、乗っ取られ、ネウロイへと生まれ変わる……。私達はその現象を、『ブラックアウト』と呼んでいます』 (※20話)
助手『最終実験とは、意図的に拒絶反応を引き起こし、ブラックアウトを起こすまでのデータ収集……。つまり、”暴走実験 ”です』
バルクホルン(ネウロイとして生まれ変わる……? ・・・それなら、”あのネウロイ ”は───)
”あのネウロイ ”
バルクホルンが思い出していたのは、彼女がロマーニャ上空で交戦した、テレパスで語りかけて来る特殊な人型ネウロイだった。(※20、21話)
バルクホルン(まさかあのネウロイは……強化ウィッチの成れの果てだとでも言うのか……?)
ペリーヌ「そんな・・・、そんな事になったら俺さんは……」
助手『……はい。ネウロイ化終了後、すぐに処分される事になっています。こうして、全ての実験が終了することになるんです』
宮藤「俺さんは……知っていたんですか?」
宮藤「実験の事も、自分が死ぬ事も、全部…………」
助手『それは……』
ウィッチーズ「…………」
助手『あの子は……知っていました。自分の最期も、それまでに自分に残された時間が少なかった事も……』
助手『……でも全てを知っていても尚、それでもあの子が前を向いていられたのは、あなた達のおかげなんです』
エーリカ「私達の……?」
助手『一年前……私が
初めてあの子と会った時、あの子は全てを諦めたような目をしていました』
助手『自分の存在を”戦う為だけに生きている兵器 ”だと割り切り、実験部隊の命令するままに戦い、壊し、破壊衝動の充足のみを糧として生きている……』
助手『はっきり言って、自暴自棄……私にはそう見えました』
バルクホルン(『壊すだけの戦い』、『命令に従うだけの歯車』、『自暴自棄』……。これで全てが繋がった……)
助手『でも、あの子は変わりました。以前は全く笑わなかったのに、皆さんに出会ってからはよく笑ったり、自主的に訓練を行うようになったり……』
助手『皆さんとの出会いが、あの子を変えたんだと思います』
〔『だからさ、戦うよ』〕
〔『過去や今までの事はもういい。これからは未来の為―――守る為に戦う』〕
〔『あんたらとなら、俺でも出来る気がするんだ』〕
バルクホルン(俺…………) ギュッ・・・
66 :試作な俺-24話:2011/07/17(日) 17:27:01.32 ID:pI1+Njp90
シャーリー「あたしからも、1つ聞いていいか?」
助手『どうぞ』
シャーリー「さっき、広義的に強化ウィッチはネウロイ人間……って言ってたけどさ、ネウロイ人間って具体的には何なんだ?」
助手『何……って言いますと?』
シャーリー「体内にネウロイのコアが埋め込まれているんだろ? だからネウロイ人間って言うからには、水が苦手だったり瘴気を出したりしないのか?」
助手『大丈夫ですよ。ちゃんと制御していますので瘴気の心配は全くありませんし、水だって全然平気です』
シャーリー「そうなのか……」 (よく考えたら普通に海で泳いでたり、一緒に風呂入ったりしたもんな……)
助手『インプラントは魔力増幅や、”超反射 ”などの特殊能力習得が主な役割のブースターのような物ですから。
当然ストライカー無しでは飛べませんし、固有魔法とは別に魔力無しでビームを撃ったりなどは出来ません』
助手『ましてや……”再生 ”なんて尚更です』
バルクホルン「!!?」
バルクホルン「ちょっと待ってくれ助手軍曹! 強化ウィッチは、再生が出来るのではないのか……!?」
助手『えっ? えっと……出来ませんよ。ネウロイ人間と言ってもベースは人間なので、ブラックアウト起こしてネウロイにでもならない限り、再生なんてとても……』
バルクホルン「本当なのか? また隠しているのでは……」
助手『今更嘘を吐いたりしませんよ。強化ウィッチが持つ能力に再生は無いですし、有り得ません』
バルクホルン「な、に・・・?」
ミーナ「トゥルーデ……どうかしたの?」
バルクホルン(再生は強化ウィッチの能力ではない……? それなら───)
〔『気味が悪いだろ、こんなの。自分でもそう思ってるしな』〕
バルクホルン(一体あれは何だったと言うんだ……!?)
バルクホルンは思い出す。昨日リーブラのコアを破壊した時に致命傷を負った俺は、あっという間にその身をネウロイのように再生させていた。(※23話)
夢や幻なんかじゃない。確かにバルクホルンは目の前で傷が再生する光景を見た。間違いない
バルクホルン「……助手軍曹。しかし俺は───」
キュィーーン・・・
サーニャ「っ! 皆さん、気をつけて下さい・・・!」
エーリカ「サーにゃん、どうしたの?」
サーニャ「前方より、未確認の飛行物体が高速で接近中、ウィッチではありません。距離、1200です・・・!」
坂本(こんな近くまで接近されるまで、サーニャが気がつけなかったと言うのか・・・!)
サーニャ「・・・来ます!」
推進BGM的な物
ウォーロック?「…………」 ゴオオオォォォ・・・!
シャーリー「なんだよアレ! ウォーロックの色違い?」
ルッキーニ「でも、所々が前のとは違うよ!」
彼女達の前に現れたのは、ウォーロックに近似した別の機体であった。所々の相違点が外見からチラホラ確認出来る。
そして何より、毒々しい紫の基調と赤のカラーリングが、その兵器の禍々しさのようなものを表していた
助手『そんな・・・もう制御装置の修理が終わったの!?』
ミーナ「助手軍曹、これは……」
助手『その機体こそ、大佐が皆さんを始末する為に用意していた兵器、”インペラトール ”です!』
バルクホルン「インペラトール……!」
助手『注意して下さい! 大佐が開発に関わっているなら、その戦闘力は計り知れま───(プツン、ザザーーー! ザーーッ!)』
バルクホルン「助手軍曹!」
不意に助手との通信が切断され、ノイズしか聞こえなくなった
バルクホルン(通信妨害・・・あの機体の仕業か!)
シャーリー「来るぞ!」
インペラトール(ウォーロックもどき)「…………」 ダダダダダダダダダ!
坂本「散開!」
機銃を乱射しつつ、ウィッチ達へ向かって突っ込むインペラトール。
坂本の指示通りに彼女達は散開してそれを躱す
インペラトール「…………」 ゴオオオォォォ!
超高速でウィッチ達とすれ違ったインペラトールは直ぐに上昇。そして見る間に方向転換し、再び機銃乱射をお見舞いする
ダダダダダダダダダ!
バルクホルン(コイツ……速い! ウォーロックよりも更に……!)
インペラトール「…………」 ダダダダダダダダダ!
方向転換したインペラトールは、急降下しつつ再び彼女達に襲いかかる。
機銃を乱射しつつの体当たり。もしもあんな巨大な鉄の塊に超高速でぶつかられたら、ウィッチのシールドでもただでは済まないだろう
ガチャンッ! ガチャガチャン!!
宮藤「!」
体当たりを回避し、背後から攻撃をしようとしたその時、インペラトールが人型に変形し、振り返る
インペラトール「…………」 グポォーン
頭部ユニット内のモノアイが稼動し、不気味に光った
エイラ「コイツ、変形まで……!」
インペラトール「…………」 ビシュゥンッ! ビシュゥンッ! ビシュゥンッ!
両腕から放たれるビーム。片腕に3連、合わせて計6門のビーム砲が連射され、激しい火線がウィッチ達を襲う
宮藤「わっ!?」 パキィン!
リーネ「この……っ!」 ズドン!
各々回避・防御しつつ反撃するが、インペラトールは軽く回避する。
しかしそんな中リーネの撃った弾丸が、真っ直ぐとインペラトールに向かって行った。
伊達に狙い撃ちの訓練はしていない。見事なまでの直撃コースだ。もう回避不可能だろう
しかし───
ギュイン!
リーネ「えっ・・・?」
インペラトールに直撃する筈だった銃弾は、直前で空間に波紋のような物を生じさせて大きくその弾道を変え、明後日の方向へ飛んで行ってしまった。
リーネ「弾の軌道を強制的に変えられた・・・!?」
坂本(シールドとは違う。機械にこんな芸当が出来るとは……!)
インペラトール「…………」
坂本「怯むな、撃ち続けろ!」
ズドドドドドドドドドド! ババババババババババババ! バラララララララララ!
インペラトール「…………」 ギュイン!
一斉射撃がインペラトールを襲うが、全く効かない。
殆どの攻撃は回避され、偶に直撃コースに入ったとしても、全て手前で弾道をねじ曲げられてしまう
ペリーヌ「まったく効きませんわ!」
坂本「くっ、後ろだ! 後ろに回り込んで攻撃するんだ!」
リーネ「無理です! 速すぎます!」
ルッキーニ「コイツ、めちゃくちゃ強いよ!?」
ミーナ(何なの、この機体の機動性と飛行軌道は……。航空機としては有り得ない変則的な動き。ウォーロックを遥かに超えている)
ミーナ(この感じ、以前テウルギストを装備した俺さんと戦った時と同じ感じ……(※15話))
インペラトール「…………」 ビシュゥンビシュゥン! ダダダダダダダダダ!
バルクホルン「クソッ、手強い!」 ズドドドドドドドド!
ミーナ「…………」
ミーナ「トゥルーデ……行って」
バルクホルン「ミーナ……!?」
ミーナ「このままではジリ貧よ。潜入するなら、少しでも内部を知っているあなたが一番適任だわ」
バルクホルン「しかし、まだインペラトールが・・・」
ミーナ「急いで! でないと、間に合わなくなるわ」
バルクホルン「っ・・・・・すまない」
ミーナ「”ありがとう ”、でしょ?」
バルクホルン「ああ、ありがとう!」
宮藤「バルクホルンさん……俺さんの事、お願いします」
シャーリー「熱くなりすぎないで、ヤバいと思ったら一回引けよー!」
エーリカ「トゥルーデ、気をつけてね」
バルクホルン「そっちこそな!」 ビューン!
インペラトール「…………!」 ゴオオ──
エーリカ「ダメだよ。キミは私達の相手をしてくれなくっちゃ」 ズドドドドドドドド!
バルクホルンが戦線から離脱し、ラオホウの方角へと向かって飛び始めた。
インペラトールは直ぐさま彼女を追撃しようとしたのだが、エーリカによって阻止される
エイラ「ここから先へは行かせないって言ってんダヨ!」
サーニャ「あなたの相手は、私達の筈です。それなら……」
ペリーヌ「大尉や俺さんが抜けていたとしても、私たちが全力であなたのお相手をいたしますわ・・・!」
リーネ「私達は、負けません!」
ルッキーニ「負けないもん!」
坂本「ストライクウィッチーズを嘗めるなよ!」
インペラトールが彼女達の言葉を理解できるのかどうかはわからない。しかし───
インペラトール「…………」 グポォーン
少女達の気迫に応えるように、インペラトールは再びモノアイを不気味に光らせた
<ある程度進んだ海域>
バルクホルン(見つけた!)
どの程度の距離を進んだのかはわからない。バルクホルンにはとても長く感じられた。
そんな先の海域で、真っ暗闇の中をゆっくりと航行するラオホウの姿を発見した。
船体を確認するとバルクホルンは高度を落とし、闇に紛れてゆっくりと近づいて行った
バルクホルン「潜入する……!」
最終更新:2013年01月29日 15:34