『もう一度、ここから』
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620 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/02/02(木) 17:11:06.44 ID:cJnxMq3K0
推奨BGM的な物
バルクホルン「まずは私がやる!」 ズガガガガガガガ!
インペラトール「…………!」
バルクホルン(やはり俺の言った通り、切り離した腕にまでは軌道操作の力が及んでいない……!)
俺「ここからは俺に任せろ!」 ゴオォッ!
バルクホルンの牽制攻撃に乗り、俺が前に出る。真っ直ぐインペラトールへと向かって行く
インペラトール「…………」 ダダダダダダダダ! バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!
インペラトール腕部「」 ビシュゥン!ビシュゥンビシュゥン!!
俺「くっ……キャンセル……!」
シールドで身を守り、防ぎきれない攻撃はキャンセラーを使って無効化しながらインペラトールへ向かって突っ込む
俺(魔力変換……)
MG42を下ろし、右手に魔法力を集中
俺「ビームソード・・・!」 ヴォン"!
魔力変換により右手の先から、青白い光が剣状に形成されて行く。
それはあっという間に長さを2、3mくらいにまで伸ばした
俺「切り裂く……っ!」
621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 17:11:38.03 ID:zTazHUYH0
おはよう俺スレ支援
622 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/02/02(木) 17:13:15.37 ID:cJnxMq3K0
インペラトール「…………!」 シュイン
俺(シールドを張ったか……。確かに俺のビームソードじゃあ奴のシールドを破ることは出来ない。火力不足だ)
俺(だけど、そんなの関係ない。俺の狙いはお前(本体)じゃなくて───)
ゴオオォッ!
俺は飛ぶ方向を修正して急加速すると、インペラトールとは全く別の方向に切りかかった
俺「こっちだからなぁ!」
ズバァッ!!!
インペラトール「!?」 ガクン
俺が切り裂いたのはインペラトールではなく、一本のリード線。インペラトール本体と浮遊砲台の前腕を繋ぐ細く頑丈なライン、その右側のだった。
いきなり片腕との繋がりを切断され、インペラトールはバランスを崩す。
その間に俺は急いでビームソードを引っ込めると、本体とのリンクを絶たれて制御を失ったことにより落下しつつあるインペラトールの右前腕を追った
俺「コイツを・・・貰うぜ!」 ガシッ!
切断する位置にも気を使っていた為、無事に腕を拾い上げることに成功する
俺(って、重ッ・・・・・!!!) ズシリ
俺「くぅっ・・・負けるかよチクショウ! ”滅牙 ”ァ!」
重さに驚くも、俺は魔力変換を使用して強奪した右腕に魔法力を注ぎ込む。
表面が血のような暗い赤に包まれ、一撃必殺の破壊力が宿された
俺「使えっ!トゥルーデぇ!!」 ブンッ!
俺は赤く染まったインペラトールの前腕を放り投げる。
合わせたタイミング通りちょうどバルクホルンが俺の上方を通過し、MG42を放した両手でしっかりキャッチした
バルクホルン「うおおおおおおおおぉぉぉっ!!」
バルクホルンはキャッチした前腕を振りかぶりながら、片腕を失っても尚健在のインペラトールに向かって突っ込む
インペラトール「…………!」 バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!
体勢を立て直したインペラトールは、自分へと接近してくるバルクホルンに対して誘導砲を発射する
俺「やらせるかよ!」 フッ!
しかし俺が割り込んでキャンセルを使い、ビームを無効化する
インペラトール「…………」 バチバチバチィ!
俺「少し大人しくしてろ」 ドシュン!
インペラトールが再度誘導砲を撃つ前に、俺は右手から光弾を発射
俺「爆ぜろ・・・っ!」 チュドォン!!
インペラトール「…………」 ギュイン!
光弾はインペラトールに届く少し手前で爆発する
爆発の衝撃波は逸らされて、インペラトールへのダメージは全く無い
624 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:20:47.18 ID:cJnxMq3K0
俺「いいんだよ、それで」
黒煙「」 モクモクモク……
インペラトール「…………っ!?」
爆発は小規模なものだが、起爆点はちょうどインペラトールの頭部と同じ高さ
俺「その視界不良状態で、俺たちを捕捉することなんざ出来ないよな?」
俺の狙いは爆撃ではなく、爆発による煙によりインペラトールの視界を遮ることだった
そしてインペラトールがそのことに気がついた時には───
バルクホルン「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」
バルクホルンがすぐ目の前にまで接近していた
インペラトール「…………!!」 シュイン
バルクホルン「くうぅぅぅらあぁぁぁええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 ブンッ!
距離をとるには時間が足りないと判断したインペラトールは、機体前面にシールドを張って身を守る。
だがバルクホルンはそんなこともお構いなしに、奪い取った前腕を本来の持ち主であるインペラトール目掛けて力の限りに叩きつけた
┣"ガッッシャァァァァァァァァァァァァァンンンン!!!!!
インペラトール「……っ!?!?!?!??」 メキメキバキバキ
本来ならば、インペラトールのシールドを破壊するレベルには届かない一撃。
しかし今回強奪した前腕は”滅牙”の使用条件を満たすほどの大きさであり、それにより一撃必殺の破壊力を宿されている
そしてその一撃はインペラトールのシールドを容易に砕き、装甲を粉々に破壊し、内部機構を潰し、最奥の制御系までにも多大なダメージを与えていた
インペラトール「・・・・っ!! !!! ┌┥┼┘┬┷╂━┴≒∬◎§∝ヱё┤┗ヰ∀≦X!!!」
それでもまだインペラトールは堕ちない
既に機能の多くを破壊され、まともな戦闘なんて出来なくなっている
インペラトール「ё┤ヰ∬≠§@⊂†Гё#ъиОν⇔≒Δ!A|×E>ΩΩΩ─┐┘└!!!」
バルクホルン(コイツ、まだ・・・っ!)
どれだけダメージを負っていようが、もう関係なかった
自分をここまで追い詰めた相手。
シールドを砕き、胴体に痛烈な一撃を与えてぶっ飛ばし、内部にまで甚大な損傷を与えた”敵”
そいつだけでも道連れにしようと、インペラトールはバルクホルンへ目掛けて攻撃を───
俺「悪いね」 スッ・・・
インペラトール「───・・・っ」
しかしその時、既に俺は動いていた
626 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:26:33.37 ID:cJnxMq3K0
インペラトールの前に現れた俺は、「シュート・ボム」の時と同様に右手に爆発性の光弾を宿している。しかしその右手は突き出されておらず、逆に引かれている
俺「まだ・・・」 シュイン
シールドを張って肉体を保護し、更にもう一度右腕を引くと、光弾を宿したままインペラトール目掛けて思いっ切り叩きつけた
俺「終わりじゃないんだああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ボ ッ ! ! !
インペラトール「───っ!!?…………・・・・・・........ 」
叩きつけた掌底が轟音と共に爆発を引き起こし、零距離での容赦ない衝撃波がインペラトールの胴体を吹き飛ばした
俺「はぁ……はぁ…………っ」
インペラトールだったスクラップの塊が海へ落ちて行く。機能は完全に停止し、機密性のあったであろう制御系周辺は爆発により跡形もなく破壊され、復元は不可能だ。
これで万が一にも、何者かに技術を盗まれたりすることも無いだろう
そしてインペラトールの残骸は海に落ち、そのまま海中に没していった
俺「さようなら、インペラトール…………」
628 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:31:52.79 ID:cJnxMq3K0
バルクホルン「勝った・・・勝ったぞ!私たちがあのインペラトールを倒したんだ!」
バルクホルン「やったな俺。お前の作戦がうまくいった。やはり私とお前だからこそ───」
俺「…………」
バルクホルン「……どうしたんだ?そんな浮かない顔をして」
俺「いや、少し……可哀想だなって思って。インペラトール」
バルクホルン「インペラトールが?」
俺「アイツは、以前の俺と同じだった。作られて、自分のことも分からずに戦わされて……」
バルクホルン「おまえ……」
俺「あいつも俺と同じプロトタイプ……試作品だ。なのに俺はアイツを戦って倒すことしか考えず、救おうとしなかった」
俺「もしもアイツにも俺たちみたいな意思という物があって通じ合えたのなら……俺はアイツを受け入れることが出来たのかな。……今更悔やんでも遅いけど」
バルクホルン「残念だが無理だろうな。お前は人間だけどアイツは機械だ。暴走状態の兵器と対話なんて出来ないだろう」
俺「そうか……そうだな。悪かった、変なこと言って」
バルクホルン「だけど、よかったんじゃないか?」
俺「……何が」
629 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:34:16.05 ID:cJnxMq3K0
バルクホルン「お前が自分自身の手で、インペラトールに引導を渡したことだよ」
俺「俺が……」
バルクホルン「今言っていたように、奴の事をただの兵器ではなく他の目線で見ることが出来る……」
バルクホルン「そう言う男に倒されたんなら、少しは奴も浮かばれるのではないか?気休めだけどな」
俺「……気休めでもありがとう、トゥルーデ」
バルクホルン「ふっ、気にするな」
俺(これでもう、お前も眠ることが出来るのかな)
俺(なぁ?インペラトール……)
《《ありがとう、01・・・》》
俺「っ! 今の声は」
バルクホルン「? どうかしたのか俺」
俺「い、いや……何でもない」
俺「…………」
俺(04……06……だったのか?)
630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 17:36:12.95 ID:9JZ7VpKh0
イイハナシダナー
631 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:36:31.74 ID:cJnxMq3K0
<セバーン島・海岸>
バルクホルン「こうして見ると、結構いい島だな。この前はパトゥーリアに寄生されててよくわからなかった」
俺「ああ、静かで……とても落ち着ける場所だと思う」
バルクホルン「これで終わったんだな……。『ウィッチを超越したウィッチを作り出す』、などいう計画の為に生み出された悪夢は全部……」
俺「終わり、か……。だけど俺は、これから始まるんだと思う」
バルクホルン「え・・・?」
俺「『強化ウィッチ試作体・プロト01』と言う男は死んだ。そしてその因縁を断ち切った今、ようやく俺は前に進み始めれるんだ」
バルクホルン「俺…………」
俺「あ、そうだ。まだトゥルーデやみんなに言ってなかったけどさ、俺……軍に残ることにしたんだ」
バルクホルン「……どういうことだ?」
俺「ホラ、俺って本当は正規の軍人じゃないだろ? それでこの前向こうの研究所でのデータ処分に立ち会った時に、上の人に言われたんだ」
俺「『君は巻き込まれる形で戦っていたのだから、除隊する権利がある』って」
バルクホルン「除隊……」
俺「でもさ、断ったよ。俺は残るって決めていたから」
バルクホルン「お前はよかったのか?本当にそれで……」
俺「ああ。色々考えたけどさ、結局は前と同じだったんだ」
俺「俺はみんなのことが好きだ。ロマーニャも好きだし、この世界だって結構好きだ。もっと沢山のことを知りたい。色んな場所に行ってみたい。この気持ちには今も昔も違いはないから」
バルクホルン「同じ……」
俺「以前は戦うことを強いられていた。だけど、これからは自分で選ぶ。俺自身が戦うって決めたんだ」
俺「だから途中で抜けたりはしない。少なくともこのロマーニャでの戦いが終わるまでは、最後までみんなと一緒に居るよ」
バルクホルン「……そうか。お前自身がそう決めたのなら、私はそれでいいと思う」
バルクホルン「共に最後まで戦い抜こう。必ず全員で生き残ろう」 スッ
俺「ああ、約束だ」 ガシッ
俺とバルクホルンは握手を交わした
俺「それとあんた……いや、トゥルーデにもう1つ言っておきたいことがあって」
バルクホルン「言っておきたいこと……?」
俺「これは、人形だった頃の俺が逃げていた答え……」
俺「言わば、過去の自分と、トゥルーデに対するけじめかな」
バルクホルン「それで……何なんだ?」
俺「…………」 スゥ・・・
633 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:45:40.66 ID:cJnxMq3K0
俺「俺はあなたを……ゲルトルート・バルクホルンを愛しています」
634 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:48:41.13 ID:cJnxMq3K0
俺「俺も一番近くで、トゥルーデの笑顔を見ていたい。2人で一緒に笑い合いたい」
俺「だから、この戦いが終わっても……いや、例え全ての戦いが終わったとしても」
俺「ずっと傍に……俺と一緒に居てくれますか?」
バルクホルン「…………」
俺「…………」
バルクホルン「あれから……」
俺「……?」
バルクホルン「あれからどのくらい経っただろうか? 私がローマでお前に想いを伝えてから……」
俺「えっと、大体……2ヶ月くらいかな」
バルクホルン「そうか……、随分と待たされた」 ギュッ
俺「っ……トゥルーデ」
バルクホルンはゆっくりと、俺に身体を預けた
635 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:52:26.10 ID:cJnxMq3K0
俺「ごめんな……答え、待たせちゃって」
バルクホルン「……その間に色々なことがあった。本当に……色々なことがあったな……」
俺「……ああ」
バルクホルン「けれど、私の気持ちはあの時のままだ。今も変わっていない」
俺「っ……それじゃあ」
バルクホルン「私も、俺のことが・・・すっ……、好き…………だぞ」 カアァ
俺「……トゥルーデ」 ギュッ
バルクホルン「ひゃっ!///」
俺「ずっと言いたかった。俺も本当は、あの時トゥルーデに想いを伝えたかった」
俺「試作体としての末路を辿るはずだった俺が、今こうしてトゥルーデと一緒に居る。想いを通わせることが出来た。感じることが出来た。俺、すごい幸せだよ……」
バルクホルン「……実は、この間お前が記憶を失った時に、私は一度お前を忘れようと思ったんだ」
俺「え……?」
バルクホルン「他の思い出ごと忌まわしい記憶を全て無くしたことにより、それでおまえが過去に捕らわれず自由に生きて行けるなら、それもまたいいと思った」
俺「っ…………」
バルクホルン「でも……やっぱりそんなの嫌だ。私だって我が儘を言いたい」
バルクホルン「私もお前と……俺と一緒がいい……」 ギュッ
636 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:55:44.13 ID:cJnxMq3K0
バルクホルン「ずっと・・・一緒だからな?」
俺「ああ。これからは何があっても一緒だ」 スッ
バルクホルン「んっ…………」
目と目を一度あわせて瞳を閉じ、お互いの吐息と温もりを感じながら……2人はそっと唇を重ねた
数秒後。どこかぎこちなく、初々しい短い口付けを終えて、2人はゆっくり唇を離す
バルクホルン「……そう言えば、お前と……その、するのはこれが2回目なんだよな」
俺「……?」
バルクホルン「忘れたのか? ラオホウの甲板でお前にクスリを飲ませるのに、く、口を使ったじゃないか」
俺「いいや、覚えているよ。でも俺あの時にはもう感覚を失ってたから、何だか実感が無くてさ……。感触も何も分からなかったし」
バルクホルン「むぅ……私はあれが
初めてだったんだぞ?」
俺「え、そうだったのか」
バルクホルン「そ、そうだ。しかもあのクスリ、物凄ーく苦かったんだからな」
俺「……それじゃあさ」 スッ
バルクホルン「?」
俺「…………」 チュッ
バルクホルン「んっ……ふぁっ…………」 トロン
俺「(……プハッ)初めてが苦すぎたのなら、これでやり直し……ってのはどうかな」
バルクホルン「…………」
バルクホルン「……俺、その」
俺「ん?」
バルクホルン「じ、実はさっきクスリの話をしたから、あの時の凄く苦い味を思い出してしまったんだ」
俺「うん」
バルクホルン「おかげで口の中が苦くてかなわない。だから……」
バルクホルン「だから、もっ、もっと……して…………」
俺「何度でも。気の済むまで」 スッ
バルクホルン「んんっ…………」
─────
俺「見てみろよトゥルーデ。すっごいキレイだぞ」
バルクホルン「ああ。綺麗な夕焼け空だな」
俺「人間としての再出発……。もう一度、ここからか」
バルクホルン「大丈夫だ。今度は私も……私たちも一緒だ」
俺「……ああ」
ブゥーン・・・
俺「ん……、何だアレ。遠くに何か見えるぞ」
バルクホルン「あれは……ミーナ達か」
俺「へぇ、中佐たちも来たんだ。でもインペラトールはもう……って」
俺・バルクホルン
<セバーン島・移動中>
ルッキーニ「大丈夫かなぁ、俺とバルクホルン……。あの
ロボット凄く強かったのに」
宮藤「大丈夫。あの2人ならきっと無事だよ」
639 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 18:00:06.17 ID:9JZ7VpKh0
祝福する気持ちが大きくて壁殴り代行を呼ぶ気がしない支援
640 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/02/02(木) 18:02:02.19 ID:cJnxMq3K0
坂本「見えた。2人とも海岸に居るぞ」
ミーナ「よかったわ、無事で……」 ホッ
坂本「ミーナ、その……ほどほどにな?」
ミーナ「あら、大丈夫よ少佐。私、怒ってなんかいないから」 ニコニコ
エーリカ(あちゃー、この笑顔は……)
坂本「ふっ……はっはっは!謹慎くらいは覚悟しておけよ俺、バルクホルン」
ミーナ(……でも、本当によかった。上手くやれたのね、俺さん、トゥルーデ)
─────
俺「はぁ……中佐怒ってるだろうなぁ。うまく出し抜けたと思ってたのに」
バルクホルン「何も咎め無しだとは最初から思っていなかったじゃないか。大なり小なり罰はあるだろう」
俺「ですよねー……。でも、さすがに俺も何の罰も無しだなんて思ってなかったし、素直に謝るよ」
バルクホルン「ああ、そうだな」
俺「それに……、叱ってくれたり一緒に戦ってくれたりする仲間が居るってのは、この上なく嬉しいことだ」
俺「俺にはまだ……戻れる場所があるんだ」
641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 18:03:06.27 ID:6EyKKmyR0
帰る家があるって良いよね…
642 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 18:08:50.80 ID:cJnxMq3K0
バルクホルン「俺、帰ろう。私たちの居場所に」
俺「……ああ!」
人形だった男は死んだ
そして……今日から俺は、人間として歩いて行く
この道の先に、何が待っているのかは分からない。とてつもない壁があるのかもしれない
だけど……きっと乗り越えられる
支え合える仲間が……守りたい愛する人が居れば
俺とトゥルーデはストライカーを履き、ゆっくりとセバーン島から離れて行く
駆けつけて来た仲間たちを目指し、夕日に向かって飛び立っていった
2人で一緒に……手を繋いで
「「ただいま」」
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<数日後・ロマーニャ基地屋上>
俺「あぁー……やっと終わった。もう腕がパンパンだ」
俺(これで中佐に言われた罰の雑用は全部終わりか。かなり大変だったけど、トゥルーデと一緒にやれたのはよかったかな)
俺「さてっ、さっさと報告して風呂にでも入ろ───……んっ?」 ピクッ
俺(ポケットの中に何か……) ゴソゴソ
俺「あっ……」
ポケットに入っていたのは千切れたシンプルなデザインのチョーカー
” 首輪 ”と呼ばれる、強化ウィッチの反乱防止用拘束具。人形だった頃の自分の象徴であるそれだった
俺(まだ持ってたのか……これ)
俺(こいつには今まで凄ェ苦しめられたよな……。こうやって見れば、ただの地味なチョーカーなのに)
俺「…………」
〔『選択肢なんて、始めから無いんだよ。奇跡なんか起きないんだよ』〕
〔『今までも……そして、これからも!」』〕
俺(奇跡は起きない、か……)
手にしたチョーカーをジッと見つめる
俺(俺は生きることを諦めていた。そんな卑屈な逃げ野郎に、最初っから奇跡なんて起きるわけがなかったんだ)
俺(そうだ。待っていたって奇跡は起きない……)
俺(だから、奇跡は自分の手で起こすんだ。トゥルーデ達がコイツを俺から外してくれたように。)
俺(……俺は結局、自分であんたの呪縛を解くことは出来なかった。だけど、みんなに教えられたよ)
俺(諦めないこと……そして、信じ抜くことの強さを)
俺(だから、諦めないでまた頑張ってみるよ。今度は人形ではなく”人”として。プロト01ではなく、”俺”という一人の人間して世界と向き合って生きる)
俺(計画の犠牲になって世界を救うだとか、そんな大言壮語じゃない。俺にどこまで出来るのかは分からないけど……このちっぽけな両手で、俺が守りたい人たちを守る)
俺(そしてみんながみんなそうすることで、それがいつかきっと世界を救うことにも繋がると思うんだ)
俺(甘ったれた理想論かもしれないけど、それでも信じて戦うよ。仲間と、トゥルーデ達と一緒に)
俺(母さんが好きだったこの世界は……あんたが守りたかったこの世界は、俺たちが守っていく。だから……)
俺(だから…………!) グッ
俺「成仏しやがれ・・・クソ親父ィィィーーーーーーーーーッ!!!」
ブンッ!
そう言って俺は、握りしめていた”首輪”を力いっぱい放り投げた
それはうまく風に乗り、空へ、遠くの空へと消えて行く
俺(……あばよ)
俺は首輪が見えなくなったのを確認した後、ゆっくりと基地内へ戻って行った
続く
最終更新:2013年01月29日 15:40