アットウィキロゴ

流星 エイプリルフール?編





9 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:23:33 ID:wQ5PJ0.2 [2/15]

………
……

俺「おかしい‥‥」

今日は4月1日。
そろそろ春も本気を出してくる頃。
あんなに憎かった雪も、そろそろ見れなくなると思うと寂しくなるものだ。

月も変わることだし心機一転、今日も一日がんばるぞ。そんな気持ちの早朝。
‥‥どうも体制がおかしい気がするな。寝相悪くなったのかな‥‥

と、思いながら寒気に目を覚ましてみれば、
俺の体をきつく縛り付ける真っ赤なリボンが目に入ったのだった。

キャサリン「あ、起きたねー」

ウルスラ「おはよう」

エルマ「おはよっ!」

俺「あ、うん、おはよう」

いらん子のみんなが挨拶をしてくれたので俺も挨拶を返す。
が、どうやらレズトリオの三人が足りないようだ。

ビューリング「おはよう。さて、まだ智子が起きないうちに急ぐぞ」

どうやらみんなは部屋を飾りつけているようだ。
カラフルなリボンで部屋を彩っている。

10 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:25:15 ID:wQ5PJ0.2 [3/15]
俺「おいちょっとまて、まず説明しろ。
  なんで俺がリボンで縛られて椅子に座らされているんだ」

ビューリング「ん? 今日がなんの日か知ってるだろ」

今日‥‥4月1日‥‥

俺「あ、今日ハルカの誕生日か」

ウルスラ「正解です」

俺「まてまてまて、ハルカの誕生日とこの状況とどうい‥‥」

口に出すと思考が整理されるというのは本当らしい。

ハルカの誕生日、そして俺の体に付けられたリボン。
そして唯一動かせる首をひねってみると、後ろで俺の体と一緒に縛られている智子。

俺「‥‥プレゼントってとこか?」

ビューリング「さすがだな」

俺「さすがじゃねえよ! おかしいだろいろいろと!」

その叫びを聞いて、不思議そうな表情を浮かべるビューリング。
返す言葉が見つからなかったのか、キャサリンの方へ顔を向ける。

その視線を受け取ったキャサリンも同じような表情をした後、
ウルスラの方へとパス。

そのパスを受け流すようにエルマへと渡すウルスラ。
エルマは受け取った視線をどうしていいかわからず、俺の方を向く。

結局、俺が投げかけた視線は"助けて"のメッセージを載せて帰ってきた。

11 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:28:10 ID:wQ5PJ0.2 [4/15]
俺「なんでプレゼントが俺なんだよ! なんかもっと他にあるだろ!?」

キャサリン「じゃあ逆に聞くね。
      ハルカが一番喜ぶものといったら何?」

俺「それは‥‥」

もう一度首を捻り、ほとんど服を着ていない智子を肩越しに見る。
智子は寝るときにほとんど服を着ない。そのまま縛られたんだろう。

俺「だからってなんで俺まで‥‥」

キャサリン「智子だけじゃいつもどおりねー。
      誕生日なんだから豪華にしないとね!」

俺「いや俺男だぞ!?」

そのセリフを言った途端鼻で笑う音が4つシンクロした。

俺「ちくしょー! なんでバラしたんだ昔の俺ぇぇぇ!!」

12 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:30:44 ID:wQ5PJ0.2 [5/15]
智子「――んぅ~うるさいわねぇ‥‥ってなんじゃこりゃあ!」

起きるなり絶叫し立ち上がろうとする智子。
が、俺というおもりがあって立ちあがれなかった。

俺「うわっ暴れるな智子」

智子「あ、あんた何してんのよ!
   こんな趣味があるなんて‥‥ひくわ‥‥」

俺「俺は自分と一緒に女の子を縛り付ける趣味はないし、
  そもそも俺の仕業じゃないし、
  ついでに、おまえに趣味のことを言われたくない」

キャサリン「智子おはよーねー!」

エルマ「おはようございます!」

智子「あ、おはよう。
   じゃないわよ! ほどきなさいよ!」

俺「だからあばれ――うわああ!」

あまりに暴れるものだから俺と智子は椅子ごと横に倒れてしまった。

13 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:32:52 ID:wQ5PJ0.2 [6/15]
俺「いたたた‥‥」

エルマ「だ、だいじょうぶですか?」

智子「エルマ! あなたこの隊の良心でしょ! なんで手伝ってるのよ!」

近寄ってきたエルマへと噛み付く智子。
実際に白く美しいふとももに歯を立てたわけではない。

エルマ「それはえーっと‥‥一番喜ぶものが思いつかなかったから‥‥っていうか良心って」

智子「え? ‥‥ちょっと、これってハルカへのプレゼントってこと!?」

俺「察しがいいな」

ビューリング「二回目だしな」

こうしてリボンを巻かれるのは智子にとっては二度目だ。
前回はハルカとジュゼッピーナの決闘の商品‥‥っだったかな。

キャサリン「んないつものコントに付き合ってる場合じゃないね!
      さっさと飾り付け終わらせないと、ジュゼッピーナも限界があるね!」

14 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:35:02 ID:wQ5PJ0.2 [7/15]
俺「ん? そういえばジュゼッピーナは智子のプレゼントに賛成したのか?」

倒れたまま質問を投げかける。
いくら誕生日といえどあのジュゼッピーナが、智子をハルカに渡すなんてありえないと思うのだが。

ウルスラ「もちろん秘密ですよ」

キャサリン「敵を増やすのは良くないねー」

俺「ですよねー‥‥って悠長に質問してる場合じゃない。俺も貞操の危機だったわ。
  いいか! 俺は変身しないからな!」

ビューリング「ということは背中で智子とハルカがあんな事やこんな事をしている中、
       身動きも取れずに我慢するんだな?」

俺「‥‥変な声ぐらい慣れてるからな」

ビューリング「肌が触れ合ってる中でおまえは耐えられるかな?」

俺「そ、それは‥‥だいたいおまえはそれでいいのかよ!
  一応、その、俺の‥‥あれだろ!」

みるみるうちに邪悪に染まっていく彼女の顔。
そして周りの人たち。

ビューリング「あとでしっかり感想聞くからな。ちゃんと記憶してくれよ?
       参考にするから」

俺「お、おまえは‥‥」

智子「勝手に話をすすめるなァー! わたしだっていやに決まってるじゃない!」

俺「はいはい」

智子「嘘じゃないってばー!」

15 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:36:24 ID:wQ5PJ0.2 [8/15]
わーわーぎゃーぎゃー言ってるうちに部屋の飾りつけも終了してしまった。
無常にも彼女たちは部屋を出ようとしている。

ウルスラ「それではごゆっくり」

エルマ「ご、ごめんねリュウセイさん。
    介抱ならまかせてね」

キャサリン「じゃねー!」

ビューリング「検討を祈る」

智子「まって! ねえ待ってー!」

悲痛な叫びはドアの閉まる音でかき消された。

俺「諦めろ智子。あいつら自分が標的になるのを恐れているんだ。
  その気持ちはお前が一番良く知っているだろ」

智子「うぅ‥‥痛いほどわかるわ‥‥」

17 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:37:48 ID:wQ5PJ0.2 [9/15]
俺「さて‥‥どうするか。
  ハルカがここまで来るのにどれぐらいかかるか‥‥
  この基地の端に居たとしても、10分かからずにここまで来るだろう」

智子「ど、どうすんのよ。この有様じゃどっちにしろ逃げられないわ」

相変わらず拘束されたまま横になっている俺たち。
足のほうには丸い椅子がくっついているので、二人三脚のようにタイミングを合わせて走ることもできない。

俺「ちょっとまってろ‥‥」

俺は目を閉じ集中する。この基地内の魔力のイメージが、瞼の裏にぼんやりと浮かび上がる。

智子「なにしてるの? 見えないんだけど」

俺「‥‥見えた。ハルカはものすごいスピードで近づいてるな。この距離だとあと3分で着く」

智子「あぁ‥‥ついにあんたの前で事に応じてしまうのね‥‥もうお嫁に行けない‥‥」

俺「別にいまさら言うことでもないだろ‥‥」

智子「私にもねぇ! プライドってもんがあるのよ!
   あんただって女に変身したくないのはプライドのせいでしょ!」

俺「ま、まあたしかに‥‥ってそんなことは後でいい。
  ‥‥来い!」

頭の上にあった机から魔術書が床へと落ちる。
先程の魔力サーチで場所をつかんだ魔術書を呼んだのだ。

智子「来いって言った割にはあんまりこっち来てないわね」

俺「修行中だからな‥‥智子、あの魔術書のとこまで移動するぞ」

智子「わかったわ。私たちのコンビネーションの見せどころね」

俺「できれば空で見せたかったけどな」

18 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:38:42 ID:wQ5PJ0.2 [10/15]
約1分かけて魔術書のところまで移動することに成功した俺たち。
体の向きや位置を調整し、どうにか本に手をかざすと、本は淡い光を放つ。

俺「よし、行けるな‥‥風よ、切り裂け!」

呪文と同時に俺たちを縛り付けていたリボンが取れる。

智子「ふう‥‥ありがとね」

俺「困ったときはお互い様ってな。さて、今回の事件の感想を話してる時間はないぞ。
  さっさと逃げよう」

智子「ま、まって。その、服を着たいんだけど‥‥」

その言葉で俺は目の前の女の子が、裸同然の姿をしているのに気づいた。
ついまじまじと体を見てしまう。‥‥やっぱり綺麗だな。

俺「あ、ああ悪い。だけどそんな時間も‥‥そうだ、いつものカッコでいいよな?」

智子「え? ええ、まあ」

俺「よし、じゃあちょっと待ってろ‥‥」

少しだけ集中して、指を鳴らす。すると智子の体にいつもの紅白の服が装備された。

19 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:40:01 ID:wQ5PJ0.2 [11/15]
智子「あんた‥‥こんなこともできんのね」

俺「ま、まあな」

言えない‥‥自分の趣味用に研究してたなんて言えない‥‥

智子「しかも指慣らして発動するってことは、相当研究――」

俺「いいから逃げるぞ!」

そう言ってドアを開け廊下に飛び出す。

俺「ぶっ!」

次の瞬間、俺の腹に強い衝撃が飛び込んできた。
その衝撃に耐えられなかった俺は、飾られた部屋の真ん中まで吹き飛ばされてしまった。

智子「だ、大丈夫!?」

ハルカ「ああっ、すみませんっ!」

俺「いたた‥‥げぇっハルカ!!」

頭の中に警報が鳴り響いた。

20 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:41:32 ID:wQ5PJ0.2 [12/15]
ハルカ「聞きました! 今日はお二人を食べていいんですよね!」

ヨダレを啜る音が聞こえる。

俺「お、おいハルカ。よく見ろ俺は男の格好だぞ」

後ずさりながら説得作戦を開始する俺。

ハルカ「変身すればいいんですよ。最後に変身したのは5日前ですからいけますよ」

俺「な、なんで知ってるんだ‥‥」

論破。そして撃沈。作戦な失敗である。

智子「相手はあのハルカよ‥‥自分の欲望のためなら普段の数倍‥‥数十倍の力を発揮するわ」

思わず恐怖とともに唾を飲み込む。

ハルカ「うへへ‥‥ついに二人同時に味わうことができる‥‥」

智子「やばいわ‥‥あの目は本気よ‥‥!」

どうする‥‥このままじゃ変身させられて食われるのも時間の問題だ‥‥
あの悪魔から逃れる方法は‥‥‥‥これしかない!!

俺「すまん智子! こんど俺のおごりで飲みに行こう!!」

智子「えっ?」

21 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:42:35 ID:wQ5PJ0.2 [13/15]
次の瞬間、部屋に響いたのは指を鳴らした音。
その音が産み出したものは、最低限の場所を隠した智子の体だった。

世界がスローに見える。

智子の息を大きく吸い込む音と共に、利き足に大きく力を込め、体制を低くする。
向かう先はドア。希望へと続く扉。

その前に立ちはだかっていた悪魔は、今しがた現れた大好物に目を奪われている。
次にやつが取る行動は、その好物に飛びつくことだろう。

それにより開いた俺と扉をつなぐ道。それを駆ける!

智子「キャーーー!!!」

ハルカ「智子さああああん!!」

俺の予測通りに世界は動き始めた。

ハルカ「ああ、この肌触り‥‥やっぱりいいっすねぇ~」

智子「こ、この裏切り者ぉぉぉおおおお!!」

俺「悪いな‥‥だがこれも生きるためなんだ‥‥せいぜい楽しんでくれ!」

背中に歓喜と悲愴の声を聞きながら俺はその部屋を後にした。
はずだった。

23 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:44:14 ID:wQ5PJ0.2 [14/15]
ジュゼッピーナ「こんなこったろうと思ったわ」

ミカ「やっぱりね」

俺「ジュゼッピーナ、それにミカ。あー‥‥今日はハルカに花持たせてやれよ」

どっちかといえば散らしてるけど。

ジュゼッピーナ「いいえ、そうはいかないわ」

俺「ほら、今日誕生日だし」

ミカ「プレゼントもってけば大丈夫でしょ」

俺「プレゼント?」

その疑問の答えは帰ってくることはなく、代わりに俺の腕は二人に掴まれた。

俺「え? え?」

ジュゼッピーナ「さ、行くわよ」

俺「ちょっ、まっ――」

24 自分:流星 エイプリルフール?編[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 18:45:51 ID:wQ5PJ0.2 [15/15]
最後まで反論できずに、俺はものすごい力で部屋の中へと投げ飛ばされる。
部屋の中には先ほどまで悪魔に喰われていた少女が、鬼のオーラを発しながらこちらを見下していた。

智子「ふふふ‥‥フフフフフフ」

ハルカ「あ、おかえりなさい。まずは智子さんから食べるんで、それまでに変身しといてくださいね?」

ミカ「せっかくだから私も味わいたいわね」

俺「う、嘘‥‥だよな?」

智子「あきらめて、あなたも堕ちましょう‥‥?」

俺「あの、智子さん顔が本気なんですけど‥‥」

ジュゼッピーナ「さ、変身お願い、ね?」

俺「う、嘘だ、嘘だあぁぁぁあああ!!」


結局、俺が女になるのに時間はかからなかったのだった。
え? なにがあっても変身しなければよかったって?

俺もまたひとりの人間。
目の前で起こるあんな事やこんな事に耐え切れる自我は持ち合わせていなかったのさ‥‥


ハルカ「あぁ、私、幸せ‥‥」


終わり




ハルカさん誕生日おめでとう!!
こんなつたないSSだけど、お祝いとさせて下さい。


え?これのどこがエイプリルフール編かって?

えーっと……ハハハそれが嘘ってことで……え?嘘をついていいのは午前中?
………………

ニア とんずら





最終更新:2013年01月30日 14:59