労働意欲旺盛無職俺クリスマス編1
「クリスマス編!!」
~海辺、朝~
今、漠然とした不安が俺の心を覆っている
ざらざらと打ち寄せる波が俺の不安を癒しては、また引いていく
眼前には大きな海が広がっていて、朝日が顔に染みる
隣にいる少女が眠たげに目をこすり、あくびをして、俺に寄りかかる
さらさらとした金髪の髪を俺は優しく撫で上げる
エーリカ「俺そろそろいかない?」
俺「・・・こえぇー・・・。ちょっと待ってくれ・・・。」
エーリカ「もうここで1時間もいるよ?」
俺「チキンですみません・・・。」
なにをするためか・・・
実は昨日のことだ
~回想~
俺「あー、そういえばそろそろ俺の元世界じゃあクリスマスの時期だな。」
談話室でだらだらとミーナとバルクホルンとエーリカと芳佳リーネで少し雑談をしているときに
各国の行事についての話題が出た時だ
みんなの国のことも知りたかったので、話に混ざり色々きいた
その中でちょっとクリスマスの話題がでたので、嫌な思い出と共に俺も思い出した
芳佳「あ、俺さんの世界にもあるんですね!どんな感じですか?」
俺「どんな感じって・・・。まぁ街が活気づいて、クリスマスって感じの雰囲気で飾りをしてたり、ライトアップしてたりで・・・。」
リーネ「わぁ~なんか面白そうですね!」
俺「やめてくれ。街はアベック(死語)がうろついてるんだぜ?手をつなぎながらいちゃいちゃして。死ぬよ・・・。」
バルクホルン「なにか特別なことをやったりするのか?」
俺「いや、特にはないですけど・・・。楽しく過ごすだけじゃないですかね。」
ミーナ「あんまり私たちの世界と代わりはないのね。でも街がきれいに飾り付けられるって面白いわね。」
エーリカ「へぇ~、なんかこの世界より進んでるみたいだからすごいのがあるんじゃない?」
俺「まぁちょっとちがうものとかもあるかもな。(でも俺は毎年家でパソコン・・・。うぅ・・・全然語れねぇよ・・・。)」
芳佳「なんか行ってみたいですね~。未来の世界っていうのも面白そうだし。」
エーリカ「そうだ!!俺!」
俺「ん?どうした、エーリカ。」
エーリカ「私を俺の世界に連れて行って!」
俺「・・・いや無理だろ。結構前に無理だっただろ?」
エーリカ「大丈夫だよ!なんとかなるって!」
ミーナ「うふふ、連れていってあげたら?俺さんも少しは戻りたいんじゃない?」
俺「冗談はやめてくださいよ・・・。ここに戻れなかったらどうすんですか。」
バルクホルン「きっと大丈夫だろう。この前だって戻ってこれたんだ。」
俺「そんな非科学的なことをいうなんてバルクホルン大尉らしくないですよ。」
バルクホルン「いや、なんとなくで物を言いたくなる時もあるさ。」
エーリカ「ね!俺いいでしょ?できなかったら諦めるから。」
俺「ん~・・・。」
リーネ「俺さん少しぐらいは男らしさをみせてください。」
俺「わ、わかったよ。じゃあ明日やってみるか。それでだめなら諦めるんだぞ。」
エーリカ「わーい!」
芳佳「俺さんわかってますよね?」
俺「くっ・・・!いいだろう、なにか買ってきてやるさ。」
リーネ「私はティーポットか茶葉、それかペアカップでも買ってきてください。もちろんお金は俺さんもちで。」
バルクホルン「ふふ、たまには休んでくるといい。俺もハルトマンもここずっと出撃していたからな。」
俺「でも俺の撃墜数はまったく増えてませんけど。」
ミーナ「まぁ俺さんの能力は気分で変動するからあまり頼れないのよね・・・。」
俺「メンタルが繊細なんです。勘弁して下さい。」
~回想終わり~
ということでエーリカと一緒に元の世界に戻ることになってしまった
とりあえず服装は向こうの世界に合うようになんとかやってみて落ち着いた
ただ向こうで言語が通じるか心配だあ、俺もこの世界に来たときは大丈夫だったし、いけるだろう
俺「では・・・いきませう・・・。海よ、俺とエーリカを向こうの世界に連れていってくれ・・・!一日だけでいいから。」
エーリカ「はやくいくよー。」グイ
俺「うわっ!」
バシャーン
エーリカに袖を引っ張られ俺たちは海に落ちた
妙に深いな・・・と思っていたら・・・
俺「ぐ、がぼぼぼがぼ・・・・。(あ、あの光は・・・。)」
ああ、そうだ
いつぞや、俺が世界を移動したときと同じ光が見える
吸い込まれるように、どんどん光に近づき、そして・・・
エーリカ「ぷはぁっ!」
俺「ぐぼあっ!げほげほっ!」
華麗なエーリカと対照的に俺は見苦しく呼吸をする
エーリカ「んー・・・空が明るいけど・・・。こんな浜辺じゃなかったよね?」
俺「・・・ああどうやら成功したようだな。(なんだこれ。簡単に行き来できんの?)」バシャバシャ
エーリカ「とりあえずあがるよー。」
浜辺まで泳いでいき、水をたらしながらあがる
いや、なんか拍子抜けなんですが・・・
さっきまでの俺の神妙な覚悟はなんだったんだよ・・・
俺「俺の世界だな。エーリカ、感想とかある?」
エーリカ「にゃはは、あんまり私たちのところとかわらないね~。」
俺「だろ?たかが60年しか進んでないからな。とりあえず・・・どうしよう・・・。」
エーリカ「俺の部屋はなくなっちゃったんだよね?どこか頼れるところないの?」
俺「母親の家がある・・・。そこにいっか。エーリカも紹介したいし・・・。」
エーリカ「なになに~。俺の恋人ですって紹介するの~?」ニヤニヤ
俺「だ、だめかな?」
エーリカ「全然いいよ!俺の恋人ってのも事実だし!」
俺「ありがとうエーリカ。」
ちゅっ
突然エーリカが俺に抱きついてきて、唇にちょっとだけキスをしてくる
そして、にゃはは、とかわいく笑いながら俺の顔をなで、もう一度頬に同じことをする
俺は少し驚きながらも、我ながら消極的だな、と思ったわけだが・・・
それを察してかエーリカは、笑いながら、どっかでまたしようね、と言い放ってきた
どすっと俺の胸にするどい矢が突き刺さったように、見惚れてしまう
このセリフと笑顔反則だろ・・・
~母親の家、昼過ぎ~
浜辺から少し歩いたところに位置する俺の母親の家だが、いたって普通の家だ
だが実は金持ちっていう設定がある
後付け?ちげぇよ
俺が無職できてたのもこの母親のおかげで、生きてたのも母親のおかげだ
祖父母は医者、父親は元道場の指南者、母親は税理士
―――俺、無職
なんにも受け継がなかった俺は神のいたづらだろずっと思い込んでいた
ピンポーン
ドキドキともにインターホンを押す
母「はい、どちらさまで?」
俺「・・・た、ただいま。俺です。ちょっと・・・用があって・・・。」
母「あん?クリスマスに返ってくるとはずいぶんだね。」
俺「ちょっと家にいれてくいだせぇ・・・。」
母「いいよ。鍵開けるからさっさとはいりな。」
しばらくすると鍵ががちゃりと開いて、中から変わらぬ姿の女が出てくる
出てきて早々に俺とエーリカの顔を見比べてから驚いた顔をした
母「誘拐だけはないわ・・・。犯罪だけはするなとあれほど言っていたのに・・・。」
俺「ちげぇよ!!誘拐なんてするほど腐ってない!」
母「そんな顔でよく言えるね。」
俺「うるせぇ。親譲りなもんで。」
母「で、その子はだれだい?」
俺「あ、えーと、前に別の世界の話はしただろ?それでなんか俺の世界に連れていってくれって言われたから連れてきたんだ。」
エーリカ「エーリカ・ハルトマンといいます!階級は~・・・ってここじゃ意味ないか。えっと歳は16歳です!」
母「おやおや、丁寧にありがとね。私はこの馬鹿の母親だよ。まぁせっかくだから入りなさい。」
俺「(俺の時と感じが違いすぎだろ・・・。)」
エーリカ「ありがとうございます!」
母「あ、あとその堅苦しいような言葉遣いしなくていいよ。エーリカちゃん苦手そうだし。」
エーリカ「じゃあ、普通で。失礼しまーす。うわぁっ、私の世界の家と全然ちがうね~。」
母「そうかい?と、そういえばエーリカちゃんは外国人なのかい?」
エーリカ「そうだよー。カールスラントっていって・・・。」
俺「ここじゃあドイツってところだよ。」
母「で、クリスマスだから戻ってきたの?」
俺「おっ、やっぱりクリスマスか。ちょうどいいな。ちょっとエーリカが見てみたいって言ってたから。」
エーリカ「いやーやっぱり未来の世界ってみたくなるじゃん?」
母「まぁわからんでもないね。じゃあ、俺ちょっとこっちこい。」
ガサガサ
母「ほら、お金だ。もってけ。」
俺「え、いやいいって。」
母「あん?だれがおまえに使えっていったよ。エーリカちゃんと向こうの世界の子になにか買ってやれ。どうせ金ないだろ?」
俺「母さん・・・あんた神やで・・・。ありがたく頂戴します。今日は暇なのか?」
母「いや帳簿つけてから、用事しないとね。12月はほんと忙しいったらありゃしない。俺は暇だろうけど。」
俺「ちょっとした一言で俺の心をえぐるな・・・。じゃあちょっと行ってくるよ!」
俺「エーリカ!外に買い物でもいこう!」
エーリカ「え、うんいいよ!お母さん、いってきま~す!」
母「ああ、いってらっしゃい。」
ガチャ バタン タッタッタ
チョットマッテクレー オレーハヤクハヤクーニャハハー
母「ふふっ可愛い子じゃないか。あれが俺の彼女かね~。目でもおかしくなったのかと思ったよ。」
最終更新:2013年01月30日 15:11