ー数日後ー

ー朝ー501隊基地 調理場ー

リーネ「こうして、こうして……」カチャカチャ

俺「そうです、それで……」カチャカチャ

坂本「なんだ、またリーネに料理を教えてやってるのか?」

リーネ「あ、少佐……//」カアア

俺「坂本さん」ニコ

坂本「美味そうだな、少しだけ味見させてもらってもいいか?」

リーネ「は、はいっ!」

俺「勿論です」ニコ

坂本「……」フッ

坂本「……どれ」パク

坂本「うむ、美味いな!」

リーネ「……//」カアア

俺「ありがとうございます」ニコ

坂本「しかし、俺の作る料理はカールスラントのものばかりだな」

リーネ「そういえば……」

俺「言われてみればそうですね……」

俺「……」



ー昼ー宮藤・リーネ・ペリーヌの部屋ー

宮藤「料理を教えてほしい? 私にですか?」キョトン

俺「はい、もし、宮藤さんが宜しければなのですが……」

宮藤「そんな! 宜しければだなんて……勿論です! 」

俺「良かった……ありがとうございます」ニコ

宮藤「でも、どうしてですか? 俺さん、料理とってもお上手じゃないですか」

俺「ありがとうございます、そう言って頂けると嬉しいです」ニコ

俺「扶桑の料理を覚えたいんです」

宮藤「扶桑の……? あ……」

宮藤.oO(そう言えば俺さんってカールスラントの料理以外、作ったことがない)

宮藤.oO(扶桑は自分に何か関係がある国かもしれないのに、扶桑のことを何も覚えてないことが、きっと寂しいんだ……)

俺「……」ニコ

宮藤「大丈夫です、私に任せてください! 」

俺「……ありがとうございます」ニコ

宮婦「気にしないでください! それに……」

俺「……?」

宮藤「なんだか、俺さんとはここで始めたあった筈なのに、そんな気が全然しないんです。昔、どこかで会ったことがあるような……懐かしいような、そんな感じ……」

俺「それは……」

宮藤「ご、ごめんなさい! 変ですよね! ……でも、でも私、俺さんの助けになりたいんです!」

俺「……」

俺「……ありがとう」ニコ



ー昼ー調理場前ー

テクテク

エイラ「サーニャのピアノが聴きたいナ……」ボソ

エイラ「クソー、ルッキーニのヤツー! アイツが悪いんだアイツが……」ブチブチ

エイラ「折角もらったピアノに変なイタズラしやガッテー!」ガルル

ルッキーニ『ごめんなさーい!』グスン

エイラ.oO(ウー……) プンプン

ルッキーニ『うぇえええん! ごべんなざーい!』グスン

エイラ.oO(……)

エイラ「……」ハァ

エイラ「いつになったら修理終わるンダヨー……」ブチブチ

エイラ「そういえばミーナ隊長が何か見つけたってイッテタナ……」テクテク

エイラ「ン? あれハ……」ピタ



宮藤「ここでお味噌を……」カチャカチャ

俺「なるほど、では……」カチャカチャ

リーネ「……」コッソリ

リーネ「……」ジー

リーネ.oO(いいなあ、 芳佳ちゃん……)

エイラ「なにしてンダ?」ヒョコ

リーネ「……! ……!//」カアア

エイラ「なに慌ててンダヨ、リーネ……」

エイラ「ン? あれは……俺と宮藤? 料理作ってンノカ」

リーネ「ち、ちがうんです! わ、わ、私は別に……っ!」アセアセ

エイラ「なに言ってンダヨ……わかんない奴ダナー」

宮藤「あれ? リーネちゃん!」

リーネ「あ……//」カアア

俺「そんなところで、何をしてるんですかー?」ニコ

リーネ「あ、う……そ、その……」アセアセ

エイラ「???」

リーネ「エ、エイラさんに料理を教えてもらおうと思って!!」

エイラ「ハァ?」

俺「なるほど……今、宮藤さんに料理を教えてもらっていたところなんですが、エイラさんの国の料理にもとても興味があります」ニコ

俺「良ければ俺にも教えて頂けませんか?」ニコ

宮藤「私も食べてみたいですっ!」キラキラ

エイラ「な、ちょ、ちょっとマテ! 大体、私は料理なんかソンナニ……」アセアセ

リーネ「……」ウルウル

エイラ.oO(ナ、ナンダヨー! そんな目でこっちをミンナ!)

エイラ.oO(……)

エイラ「……仕方ナイナ、なんか簡単なモンでよければ教えてヤルヨ」ヤレヤレ

リーネ「あ、ありがとうございます! エイラさん……!」

エイラ.oO(ま、いいカ)

サーニャ「……エイラ、何してるの?」

エイラ「サーニャ!」パアア

俺「実は……」



ー調理場ー

ルッキーニ「何してんの! 皆!」ニャハハ

シャーリー「なんだか賑やかだな」ハハハ

シャーリー「何々? 料理教室? へぇ、それならあたしも何か教えてやるよ!」ニコ

ルッキーニ「あたしもー!」ニャハハ



ワイワイガヤガヤ……

バルクホルン「お前ら! 揃いも揃って何をしている!」

エーリカ「なんだか楽しそうじゃん。私たちHも混ぜてよー」ニシシ



ワイワイガヤガヤ……

宮藤「ペリーヌさんも呼んできたよ!」

ペリーヌ「連れられて来てみれば……これは一体何事ですの?」ヤレヤレ





坂本「で……」

ミーナ「こうなったってわけね……」フウ

俺「す、すいません…… つい皆さんと作っていると楽しくて……」アセアセ

シャーリー「ハハッ! さすがにちょっと作りすぎたな」

坂本「笑い事ではないっ! いくらなんでも作りすぎだっ!! 」

ペリーヌ「も、申し訳ありません! 少佐……」シュン

坂本「あ、いや……」

バルクホルン「すまない少佐、私がいながら……」

坂本「……ううむ」

ミーナ「まぁまぁ、美緒。いいじゃない、たまにはこんなことも必要よ」フフッ

坂本「しかしだな」

ミーナ「もう作ってしまったものは仕方ないわ。それより、折角作ったんだもの。皆で楽しく食べましょう?」ニコ

坂本「……」フッ

坂本「そうだな……だがお前たち! 次はこうはいかんぞ! わかったか!」



ー食堂ー

宮藤「この料理、とっても美味しいです! これはなんてお料理なんですか?」

サーニャ「……それは」

エイラ「サーニャの料理が不味いわけナイダロ!」

シャーリー「これ美味いなー、誰の料理だ?」

ペリーヌ「私ですけど……でも料理なんて呼べるような代物では……」

坂本「どれ……うむ、美味いな! 」

ペリーヌ「し、少佐……光栄です//」カアア

ミーナ「やっぱり俺さんの料理、とっても美味しいわ」ニコ

俺「ありがとうございます」ニコ

リーネ「本当に美味しいです、俺さん」

俺「リーネさんの料理も、とっても美味しいですよ」ニコ

リーネ「は、はい……//」カアア

ミーナ「……」フフッ

バルクホルン「美味いな、これはたしか……」

エイラ「私のダナ」

エーリカ「美味しいよー」

ルッキーニ「おーいしー!」ニャハハ

サーニャ「シャーリーさんとルッキーニちゃんのお料理、美味しいです」

ルッキーニ「シャーリーと二人で作ったんだ!」

シャーリー「まだ危なっかしいからな」

俺「これはエイラさんのお料理ですよね、とても美味しいです」ニコ

エイラ「え? あ、アリガトナ」

サーニャ「……エイラ」フフッ

ルッキーニ「これ、おかわりー!」

俺「はい、すぐに」ニコ

ワイワイガヤガヤ

ミーナ「私も何か作りたかったな」フフッ

坂本.oO(来たのが最後で本当に良かった)

俺「俺も、ミーナさんの料理食べたかったです」ニコ

ミーナ「そ、そう? それならまた……」

バルクホルン「お前はもう喋るな、俺」ギロリ

俺「???」

エーリカ.oO(私も作りたかったなー)



ー夜ー風呂場ー

俺.oO(もう夜か……今日は楽しかった)

俺.oO(風呂が気持ちいい……)

俺.oO(空……)

俺.oO(美しい星空だな……)

俺.oO(もう出るか……)



ー数日後ー

ー朝ー501隊基地 外ー

俺.oO(な、なんでこんなことに……) ハアハア

坂本「わっはっは! 俺、男子が情けないぞー! 後一周だ!」

俺「わ、わかりました……っ!」

リーネ「俺さん……」アセアセ

ペリーヌ「ハァ、ハァ……ほ、本当に情けないですわねえ。……置いていって……しまいますわよ……!」

宮藤「ハァ、ハァ…お、俺さん……もう、少しです…よ……! い、一緒に! ……頑張りましょう……!」ニコ

俺「みんな、ハァ……ハァ……本当に凄いな! ……ああ、……後もう少し……ハァ……頑張ろう!」

ミーナ「……」フフッ



全員「ハァ、ハァ、ハァ!」グッタリ

坂本「わっはっは! ご苦労だったな! お前たち!」

ミーナ「みんな、お疲れさま」ニコ

坂本「ミーナか、何の用だ?」

ミーナ「大変な仕事も一段落ついたし、丁度少し時間が空いたから、様子を見に来たの。はい、みんな、これ」ニコ

俺.oO(冷たいハーブティーか……ありがたいな)

宮藤「ありがとうございます、ミーナさん!」ゴクゴク

リーネ「芳佳ちゃん、そんなに急いで飲んだら噎せちゃうよ……」アセアセ

宮藤「……! ……!」ケホケホ

ペリーヌ「言ってるそばから……」フウ

俺「ありがとうございます、ミーナさん」ニコ

ミーナ「……」フフッ

坂本.oO(うーむ、お茶は普通に入れられるのにな) チラ

ミーナ「どうしたの? 美緒」

坂本「い、いや! なんでもない。美味いお茶だな、と思ってな」アセアセ

ミーナ「フフッ、何言ってるの? 美緒ったら」ニコニコ

ペリーヌ.oO(自覚がないというのは恐ろしいですわね……)

宮藤「あれ? ペリーヌさん、飲まないの?」

ペリーヌ「の、飲みますわよ! 全く忙しないったらありませんわ……けほっけほ!」

リーネ「あ、あ、……ペリーヌさんまで」アセアセ

俺.oO(……) フフッ



ー昼ー俺の部屋ー

俺「そろそろお昼だな……今日は何を作ろうか……」

コンコン

俺「今開けます」

俺.oO(誰だろう? リーネさんかな?)

カチャ  

バルクホルン「……俺」

俺.oO(あれ? バルクホルンさん?)

バルクホルン「悪いが頼みがあるんだ、こいつに」

エーリカ「ちょ、引っ張らないでよー! トゥルーデ」ヒョコ

俺「ハルトマンさん」

バルクホルン「こいつ……いや、ハルトマンにもリーネに教えているように料理を教えてやってくれないか?」

俺「ハルトマンさんにですか? 構いませんけど……」

バルクホルン「よし来い!」グイ

俺「え、うわわ!」

俺.oO(凄い力だ……! )

エーリカ「いいよー、トゥルーデが教えてくれればいいじゃんかー」

バルクホルン「黙れ! 大体元はと言えば貴様が言ったんだろうが!」グイグイ

エーリカ「トゥルーデが教えてくれないから言ってみただけだよー」

バルクホルン「いつもグータラしているだけのお前に誰が料理など教えるか!」グイグイ

俺「あ、あの、一人で歩けますから」

バルクホルン「いいから来い!」グイー

俺.oO(泣きたい)



ー昼ー調理場ー

俺「では、まず果物の皮を剥きましょう」

エーリカ「ええー、いいよ、面倒臭い」

バルクホルン「おい」

俺「いえ、そうですね……それも独創的で面白いかもしれません」シンケン

バルクホルン「待て」

バルクホルン.oO(なるほど、俺が横にいたのにミーナの手料理がああなったのはこういうわけか) アキレ

バルクホルン「俺、独創的とかそういうのはいいからだな、コイツにはごく一般的な、そうだな……」

バルクホルン「……そうだ、丁度リーネに教えてるようなことをそのまま教えてくれればいいんだ」

バルクホルン「コイツの独創的なセンスは全て無視してくれて構わない」

俺「そうですか? それなら……」

エーリカ「ええー、そんなの言論の自由の妨害じゃんか」ウンザリ

バルクホルン「子供かお前は! ウンザリしたいのはこっちだ! ……兎に角宜しく頼む」

ミーナ「あら、今日はトゥルーデとフラウが一緒なのね。私も手伝おうかしら?」フフッ

バルクホルン・エーリカ「「いや、大丈夫」」ブンブン

俺「ミーナさん、それじゃあ折角ですから……」ニコ

バルクホルン「お前は黙ってろ!」

ミーナ「そう? 残念ね。それじゃ、お昼楽しみにしてるわね」ニコ

俺.oO(行ってしまった……)

エーリカ「……真面目に教えてもらお」ボソ

バルクホルン.oO(……複雑だ) ハア



ー夜ー俺の部屋ー

俺.oO(もう夜か……ハルトマンさんは料理覚えてくれたかな)

俺.oO(宮藤さんたちの夕飯も美味しかった。あれはなんという料理だったのだろう?)

俺.oO(機会があればまた教えてもらうか……)

俺.oO(……)

俺.oO(寝るか……)

ランーランーランー

俺.oO(この歌は、この前……そうだ、俺が初めてここで目覚めたあの日の夜にも)

ランーランーランー

俺.oO(……向こうからだ)



ー501隊基地 外ー

サーニャ「ランーランーランー」

俺「……」

サーニャ「ランーランーラ……誰?」

俺「気付かれてしまいましたか」ヒョコ

サーニャ「俺さん……」

俺「素敵な歌ですね。故郷の歌ですか?」

サーニャ「はい……歌、お好きですか?」

俺「どうやらそのようです」ニコ

サーニャ「……ランーランー」

俺.oO(なんだろう、何故だかとても懐かしい……)

俺.oO(俺は……) ホロリ

俺.oO(これは、涙……俺は、泣いている……?)

サーニャ「ランーランーランー」

俺.oO(何故……)



ー翌日ー

ー朝ー501隊基地 ミーナの部屋ー

ミーナ.oO(何故だろう、彼のことを考えると胸が苦しくなる)

ミーナ.oO(でも、違う。違うはず。これはきっと……)

ミーナ.oO(それに……)

ミーナ.oO(でも……)

ミーナ.oO(わからない……でも彼のことを考えると、私は……)

ミーナ.oO(私は……)

コンコン

ミーナ「……誰かしら? こんな早朝に」

ミーナ「待って、今開けるわ」

ガチャ

俺「……」

ミーナ「あ……俺、さん」ドキ

俺「早朝に申し訳ありません。実は頼みがあるんです」

ミーナ「……頼み? 何かしら」

俺「……」

ミーナ「遠慮しないでいいのよ、……言ってみて」

俺「……弾きたい」

ミーナ「……」

俺「ピアノが弾きたい……」

ミーナ「……!」



ー音楽堂ー

俺「ここは……」

ミーナ「私も最近になって聞いたの。詳しくは知らないけど、昔の音楽室みたいね。……基地からは少し離れてるし、案内する必要はないかと思ったんだけど」

俺「ピアノが……」

ミーナ「ちゃんと音が出るかはわからないけど……」

俺「……」

ポロン……ポロン……

俺「……大丈夫そうですね」

ミーナ「……本当ね。なんでかしら? 長く放置されていたと思っていたけれど、もしかしたら誰かがこっそり使っていたのかもしれないわ」

俺「だとしたら、その誰かには感謝しなければいけませんね」ニコ

俺「本当はサーニャさんにも来て頂きたいのですが……」チラ

ミーナ「彼女なら、昨日は夜更けまで働いていたから……」

俺「そうですね。仕方ありません」

俺「……」

ポロンポロンポロン

ミーナ「……その曲は」

俺「なんでしょうね。でも、頭の中に自然に浮かんきます」

俺「良かったら、聴いてください……」

ポロンポロンポロン

ミーナ「……」



ーエイラ・サーニャの部屋ー

エイラ「……!」ガバッ

エイラ「これは……」

エイラ.oO(サーニャのピアノ?) チラ

サーニャ「……」スースー

エイラ「……違うカ」

エイラ「誰だよ……朝っぱらカラ……サーニャが起きちゃうダロー」ブツブツ

……ポロンポロンポロン

エイラ「……」

エイラ.oO(でも良い音楽ダナ……)

エイラ.oO(どっかで聴いたことあるヨウナ……)



ー音楽堂ー

ミーナ.oO(そんなはず……そんなはずない!)

ミーナ.oO(でも、でも、でも!)

ポロンポロンポロン

ミーナ「……」

ミーナ「……ラララーラララーラララー」

俺「……!」

俺.oO(この歌は……! ミーナさん……)

ミーナ「ラララーラララーラララー」

ミーナ.oO(今だけは、今だけで良い……)

ミーナ.oO(ただ歌を歌っていたい……歌うことだけを考えたい)

ミーナ.oO(彼の弾くこの音にのせて)

ミーナ.oO(彼と一緒に)

ラララーラララーラララー



ー坂本の部屋ー

ラララーラララーラララー

坂本「この歌は……この曲は……」

坂本.oO(ミーナ……)



ー音楽堂ー

ラララーラララー……

ミーナ「……」

俺「……」

ポロンポロン……

俺「終わりです」

ミーナ「……」

俺「……ミーナさん」

ミーナ「……!」ビク

俺「とても素敵です」ニコ

ミーナ「……あ」

俺「ミーナさん……?」

ミーナ「あ……や、やだ! なんで……」ポロポロ

ミーナ「ご、ごめん、なさい……! こんな、こんなのって……! 私、私……!」ポロポロ

俺「……」

俺「……」ダキ

ミーナ「……!」

俺「いいんです」

俺「いいんです、ミーナさん」

ミーナ「……! ……!」

ミーナ「う、……うぇぇ……うぇぇぇぇぇん……」ギュッ

俺「……」

俺.oO(ミーナさん……)

坂本「……」コソ



ー音楽堂前ー

坂本.oO(ミーナ……)

坂本.oO(俺はやはり……しかしミーナ、お前にはわかっているはずだ)

坂本.oO(そんなことはありえない……)

坂本.oO(俺、お前は一体……)

タッタッタ

リーネ「はぁ、はぁ、はぁ」

坂本「リーネ? どうしたんだ、こんな朝に」

リーネ「は、はい。あ、あの。朝ごはん、俺さんの教えてくれた料理……俺さんに頼らないで、私一人で作ってみたんです。 そ、それで、あの……」

リーネ「俺さんに、一番に味見してもらいたくて……//」カアア

リーネ「音楽が聴こえてきて、なんだかここに俺さんがいるような気がして……」モジモジ

坂本「……そうか」

坂本「それなら今し方、覗いて見てきたばかりだが……」

坂本「……」チラ

リーネ.oO(俺さん、食べてくれるかな……//) カアア

坂本.oO(……)

坂本.oO(リーネ、すまんな)

坂本「あれはミーナと……サーニャが弾いていたようだ。俺はここにはいない」

リーネ「……え、そ、そう……ですか……」ショボン

坂本「なに、時期に皆起きてくる。その時に食べてもらえばいい」ニコ

リーネ「は、はい。……そうですよね//」カアア

エーリカ「……」コソ



坂本.oO(私は一体どうしたら……)

坂本.oO(いや、待て。このままで何の問題がある?)

坂本.oO(問題、か……)

坂本.oO(……)

坂本.oO(何も起こらなければいいが……)



ー昼ー射撃訓練場ー

シャーリー「……」パン! パン! パン!

俺「ご苦労様ですシャーリーさん」

シャーリー「お、俺か。あたしに何か用か? あたしとしては、その手に持ってるケーキが関係してくれてると嬉しいんだけどな」ニヤリ

俺「フルーツケーキです。良ければいかがですか?」ニコ

ルッキーニ「もらったぁ!」ガバ

シャーリー「あ、おいルッキーニ! お前いつの間に入ってきたんだ?」

ルッキーニ「さっき! うわあ、ケーキ美味しーい!」パアア

シャーリー「お、そんなに美味いか? どれ……」ヒョイパク

シャーリー「うん、美味い! 俺、お前凄いなー」ニコ

俺「いえ、そんなことは……」

シャーリー「お礼と言っちゃなんだが、俺も試しに的撃ちしてみないか?」チャキ

俺「銃、ですか……。俺にはそんなことはとても」アセアセ

シャーリー「そう言うなって! 物は試しって言うだろ?」

俺「わっとと」

俺.oO(受け取ってしまった)

俺.oO(銃か……重いな) ズッシリ

俺.oO(今更突き返すのも失礼だな)

俺.oO(……よし)

俺.oO(……)

俺「そうですね。では少しだけ失礼します」ニコ

シャーリー「そうか! それじゃあ、簡単に使い方を説明するな」ニコ

ルッキーニ「バンバーン!」

シャーリー「そこをこうして、こうして……」

俺「はい、はい、……なるほど」

俺「では、やってみます」

ルッキーニ「いっけー! 俺ー!」

パン! パン! パン!

俺.oO(……なんだ、この感覚は)

俺.oO(まるで自分の身体の一部の様に良く馴染む)

パン! パン! パン!

シャーリー「うお? 全弾ど真ん中か……凄いな」

シャーリー「……いや、凄すぎないか?」

俺.oO(これは……一体、なんで……)

シャーリー「俺、お前本当に何者なんだよ? とてもじゃないが初めて撃つ奴の腕とは思えないぜ……」シンケン

俺「……」ボウゼン

俺「すいません……」

シャーリー「……」

シャーリー「……」フッ

シャーリー「いや、謝るなって。……御免な、変な気分にさせちゃってさ」

ルッキーニ「俺すごいじゃん!」ニコ

シャーリー「本当だな! 凄いよ俺! お前才能あるんじゃないか?」ニコ

俺「ははは……いえ、きっと偶然ですよ」アセアセ

シャーリー「謙遜すんなって。……まあ、もし気が向いたらまた何時でも来いよ、次はもっと難しいことも教えてやるからさ」

俺「はい、ありがとうございます」ニコ

シャーリー「こっちこそケーキありがとな!」ニコ

ルッキーニ「美味しかった! ねえねえ、もっともらってもいい?」

俺「勿論です。沢山作りましたから、いっぱい食べてくださいね」ニコ

ルッキーニ「やったー! 大好き俺!」

俺「……」ニコ

俺.oO(後は、ミーナさんだけだな……)



ーミーナの部屋ー

コンコン

ガチャ

ミーナ「あ、俺くん……」

俺「これ、作ってみたんですけど、もし良かったら」ニコ

ミーナ「……」

ミーナ「……」フッ

ミーナ「ありがとう、頂くわ」

ミーナ「良かったら中に入っていかない?」

俺「……ではお邪魔させて頂いても構いませんか?」

ミーナ「勿論よ」ニコ

俺「……」

ミーナ「うん、とっても美味しいわ」ニコ

俺「良かった。作ったかいがありました」ニコ

ミーナ「……ねえ、俺くん」

俺「……なんですか?」

ミーナ「……何も、聞かないのね」

俺「……」

俺「……聞きません」

ミーナ「もしかしたら……貴方にも関係があることかもしれないのに?」

俺「……ミーナさんは、俺みたいな得体の知れない男を進んでこの隊に置いてくれました。それ以上に、俺が何を望みましょう」

ミーナ「……」

ミーナ「……そう」

ミーナ「ごめんなさい、今は……今はまだ、待ってほしいの」

ミーナ「いつか、必ず話すから……」

俺「わかりました」ニコ

ミーナ「ありがとう」ニコ

ミーナ「……ねえ、俺くん」

俺「はい」

ミーナ「あの、その……ね」モジモジ

ミーナ「迷惑じゃなければ、なんだけど……」

俺「ミーナさんの言うことに迷惑なんてありませんよ」ニコ

ミーナ「……//」カアア

ミーナ「……」

ミーナ「……もう、そんなこと言われたら、何も言えなくなっちゃうじゃない」ポソ

俺「???」

ミーナ「明日、二人で街に出ない?」

俺「二人で、ですか……」

ミーナ「い、嫌?」

俺「そんなわけがありません。喜んでお受けします」ニコ

ミーナ「……うん//」カアア



ー夜ー廊下ー

坂本.oO(夜か……ミーナは大丈夫だろうか、心配だ……)

坂本.oO(……)テクテク

坂本「……」テクテク

?「……」



ー 俺の部屋ー

俺.oO(夜になった)

俺.oO(明日、ミーナさんと)

俺.oO(何故だろう、あの人とは初めて顔を見た時から他人のような気が全くしなかった)

俺.oO(まるで、ずっと昔から知っていたかのような……)

俺.oO(この気持ちは、この感覚は、なんだ……?)

俺.oO(わからない……)

俺.oO(あの人の涙を見た時、何故だか酷く胸が苦しくなった)

俺.oO(心から抱きしめたいと思った)

俺.oO(それに、どんな意味があるのかもわからないというのに)

俺.oO(心……)

俺.oO(……)

俺.oO(俺は、そんなことすらも忘れてしまったんだろうか)

俺.oO(一体……)

俺.oO(……ミーナ、さん)

俺.oO(俺は、俺にとってあの人は……?)

俺.oO(……)

俺.oO(もうこんな時間か)

俺.oO(今ならまだ規定の時間内だな)

俺.oO(……少し遅くなってしまったが、風呂に入らせてもらおう)



ー脱衣所ー

リーネ「いけない、中で寝ちゃってた。早く出なくちゃ……」アセアセ

俺「……」

リーネ「あ」

俺「……」

俺「……」ボウゼン

リーネ「……ひっ」

リーネ.oO(……) ハッ

リーネ.oO(いけない! また大声なんか出したら、私のせいで俺さんがどんな目で見られるか……。 我慢しなくちゃ……!)

俺「……」ハッ

俺「す、すいません! その、なんと言ったらいいか……」アセアセ

リーネ「い、いえ、良いんです。あの、気にしないでください//」カアア

リーネ(見られちゃった……全部見られちゃった……上から下まで、全部////) プシュー

リーネ「す、すぐ着替えますから! 」アセアセ

俺「い、いえ……!//」カアア

俺.oO(なんだこの気持ちは! こんなの俺じゃない! 俺じゃないぞ!) アセアセ

俺.oO(……綺麗だった……いや、そうではなく!)

俺.oO(くそ! なんなんだこの感覚は!) モヤモヤ

リーネ「き、着替え終わりました!//」カアア

俺「は、はい! 」

リーネ「あ、あの!」

俺「な、なんでしょう?」ドキドキ

リーネ「……」ボソボソ

俺「……?」

リーネ「気に、気にしてません、から……//」カアア

俺「……//」カアア

リーネ「ご、ごめんなさい……」タッタッタ

俺.oO(……)

俺.oO(と、とにかく風呂に入ろう)



ー風呂場ー

カポーン

俺.oO(この風呂の中にさっきまでリーネさんが……)

俺.oO(俺は何を考えてるんだ……) モヤモヤ

俺.oO(この後、眠れるかな……) ハア



ー宮藤・リーネ・ペリーヌの部屋ー

リーネ.oO(なんだろう、俺さんのこと、考えると胸が苦しい……)

リーネ.oO(なんだろう、これ……)

リーネ「俺さん……」

リーネ「……」ギュウ

リーネ「……」

ペリーヌ「……むにゃむにゃ……少佐……素敵ですわ……少佐……」

ペリーヌ「……」

宮藤「……」スースー

ペリーヌ「……」スースー

リーネ「……」スースー



ー廊下ー

坂本「……」

坂本.oO(バルクホルンか……)

バルクホルン「少佐、話がある」

坂本「……なんだ、バルクホルン」

バルクホルン「俺についてのことだ」

坂本「……」

バルクホルン「あいつは……! あの音楽は……!」

坂本「……そうか、お前も気付いたか」

バルクホルン「どこかで見たことがあるとは思っていた。しかし……!」

坂本「……すまない、バルクホルン大尉。今はそっとしておいてやってくれないか」

バルクホルン「だが! ……しかしッ! 俺は、……あの男は!」

坂本「……あいつは、ミーナは皆が俺の処遇を考えている時にもただ黙って見ていた。私が俺を連れてきた時の晩にはあんなにも動揺していたというのにな」

バルクホルン「……」

坂本「私はミーナのことを信じている」

バルクホルン「……」

坂本「お前はどうだ? バルクホルン」

バルクホルン.oO(……ミーナ)

坂本「……それにな、俺のことも」

坂本「私にはどうしても、俺が悪い男とは思えないんだ」

坂本「だから、今は、まだ、な」

バルクホルン「……了解した。今は、だが」

坂本「……すまんな」

坂本「責任は全て私が取る」クル

タッタッタ……

バルクホルン.oO(俺……ミーナを泣かせたら、その時は……ッ!) ギラリ

エーリカ.oO(……なんだか大変なことになったなー) コッソリ

エーリカ.oO(……)

エーリカ.oO(ミーナ……大丈夫かな)

エーリカ.oO(トゥルーデもあんまり思いつめなきゃいいけど……)

エーリカ.oO(……)

エーリカ.oO(俺、か……)

最終更新:2013年01月31日 14:53