ー翌日ー
ー朝ー501隊基地 俺の部屋ー
俺.oO(これからミーナさんと二人で……)
俺.oO(……)
コンコン
俺「はい、今開けますね」
カチャ
エーリカ「……」
俺「ハルトマンさん?」
エーリカ「どーしたの? 俺、なんだか今日は朝からそわそわしちゃってさ」
俺「え、いえ……そ、そんなにそわそわしてましたか?」
エーリカ「あはは」
エーリカ「うっそー、ミーナとデート行くんでしょ? 俺もやるねー」ニシシ
俺「!!! デ! デート!?」
エーリカ「何驚いてんのさー?」
俺「い、いえ……あの、俺はただミーナさんと出かけるだけで……」アセアセ
エーリカ「俺って結構ウブだよねー」ニシシ
俺「……いえ、そもそもなんでミーナさんと二人で出かけることを知ってるんです? ミーナさんから聞いたんですか?」アセアセ
エーリカ「違うよー。まあどうだっていいじゃん、そんなこと」
エーリカ「それよりはい、これ」
俺「……これは?」
俺.oO(封筒?)
俺.oO(……これは、お金)
俺「頂けません!」
エーリカ「まぁまぁ、俺、お金なんて全く持ってないんでしょ?」
俺「それはそうですが、だからと言って」
エーリカ「俺はさ」
エーリカ「俺は、自分ではそんなこと少しも思ってないかもしんないけど、私たちのために本当に色々なことをしてくれたんだよ」
エーリカ「だからさ、これくらい貰ってもバチは当たんないって」
俺「俺はそんなつもりじゃ」
エーリカ「じゃあなにさ、今日ミーナと出かけて、ミーナにご飯驕ってもらって、ミーナに映画とかのお金も払ってもらって、ミーナに全部やらせて帰ってくるつもり?」
俺「……! そ、それは」
エーリカ「なーんてね」ニコ
エーリカ「別にさ、それでいいと思うよ。だってさ、仕方ないもん。ミーナだってわかってるよ」ニコ
エーリカ「だからさ、せめて最期にこれで何かミーナにプレゼントでもしてあげなよ」ニシシ
俺「……ハルトマンさん」
エーリカ「気にいらないなら何時か返してくれればいいよ」ニコ
エーリカ「じゃあね、そんだけー」ニシシ
エーリカ「上手くやれよー」ブーン
俺「……」
ー
ー501隊基地 外ー
俺.oO(……ミーナさん)
俺.oO(……デート、か。そんなこと考えてもいなかった)
俺.oO(そわそわしていた? 俺が)
俺.oO(それはつまり……)
俺.oO(……)
俺.oO(それはつまり、どういうことなのだろうか)
俺.oO(わからない……)
俺.oO(……)
俺.oO(俺は……)
タッタッタ
ミーナ「ごめんなさい、準備に手間取っちゃった」ハァハァ
俺「……いえ、俺も今来たばかりです」
俺「……」ボウゼン
ミーナ「へ、変かしら……これでも精一杯お洒落してみたつもりなんだけど……」モジモジ
俺「い、いえ……」
俺「綺麗だ……」ボソ
ミーナ「え……//」カアア
俺「す、すいません!//」カアア
ミーナ「う、ううん」
ミーナ「あ、ありが、とう……//」カアア
俺「……//」カアア
ミーナ「は、早く行きましょう!」アセアセ
俺「そ、そうですね」アセアセ
ー
ーローマへの道ー
ブルルルルル
ミーナ「それにしても、俺くんも運転ができたのね。驚いちゃった」
俺「俺もですよ、以前シャーリーさんに試しに教えて頂いて良かった」
俺.oO(シャーリーさんの腕には、とてもじゃないが適わないけどな……)
ミーナ.oO(シャーリーさんと違って無茶な運転をしないから、安心して乗っていられるわ……)
ミーナ.oO(……)
ミーナ「少しずつ、記憶が戻ってきているのかしら」
俺「……そうかもしれませんね」
俺「……」
ー
ーロマーニャ首都ローマ 映画館前ー
俺.oO(映画館か……ハルトマンさんの予想が当たったな)
ミーナ「この映画、今とても評判なのよ? でも、ラブストーリーだから、一人で入るのはなんだか恥ずかしくって……」
俺「構いませんよ、行きましょう」ニコ
ミーナ「……ありがとう、じゃあ、待ってて。チケット買ってくるから」タッタッタ
俺「あ……」
俺.oO(行ってしまった)
俺.oO(……)
俺.oO(わかってはいたが、なんだか悔しいな……)
俺.oO(ラブストーリー、か)
ー
ー映画館ー
ミーナ.oO(いい話ね……)
ミーナ.oO(俺くん、楽しんでくれてるかしら) チラ
俺「……」
ミーナ.oO(……見入ってるわね、良かった) フフッ
ミーナ.oO(……)
坂本『ミーナ!』
ミーナ『美緒!? どうしたの、その人は……』
ミーナ『……! ク、ルト……? 嘘、そんな……なんで……』
坂本『……わからん、海岸に倒れていた。胸の鼓動は感じるが、身体が酷く冷たい……このままでは危険だ!』
坂本『医務室へ運ぶぞ! 手伝ってくれ!』
ミーナ『え、ええ!』
……………
坂本『よし……私は宮藤を起こしてくる! ミーナ、お前はここで待っていてくれ!』
ミーナ『わ、わかったわ……』
坂本『……すぐに戻る!』タッタッタ
ミーナ『……』
ミーナ『クルト……? そんな、そんな筈……だって貴方はあの時……!』
ミーナ『身体、凄く冷たい……そんな、そんなこと……!』
ミーナ『……ねえ』
ミーナ『ねえ、ねえ……! 目を覚まして……! お願い……!』
ミーナ『お願いだから……! こんな、こんなことって……! こんなことってない……!』
ミーナ『お願い……!』
………
坂本『戻ったぞ! ミーナ!』
ミーナ『美緒! 彼、彼、凄く冷たくて……! 全然、全然目を覚まさない……覚まさないの……! どうしよう、どうしたら……!』ウルウル
宮藤『大丈夫です! ミーナさん、あの人は私が必ず助けます! ……助けてみせます!』
ミーナ「……」
俺「……」
俺.oO(なんだろうな、この物語は)
俺.oO(この物語の男と女は、それで幸せなのだろうか)
俺.oO(共に、生きる……)
俺.oO(愛か……)
俺.oO(……わからない)
俺.oO(俺は……)
ー
ー昼ーレストランー
俺.oO(映画も終わり、俺たちは近くのレストランで食事を取っている)
俺.oO(またしてもミーナさんにお金を払ってもらうことになってしまった。……我ながら情けない限りだ)
俺「映画、とても面白かったですね」ニコ
ミーナ「そう? 良かった……付き合わせちゃってごめんね?」
俺「いえ、特に最期のシーンは……見ていて、不思議な気持ちになりました」
ミーナ「そうね……とてもいい話だった」
ミーナ「……」
ミーナ「ねえ、俺くん」
俺「はい」ニコ
ミーナ「……」
俺「……?」ニコ
ミーナ「……口にトマトがくっ付いてるわ。とってあげる」フキフキ
俺「あ……っ! す、すいません」アセアセ
ミーナ「これで大丈夫よ」フフッ
ー
ー街道ー
ミーナ「美味しかったわね」ニコ
俺「そうですね……あの、ご馳走様でした」
ミーナ「気にしないで」フフッ
俺.oO(落ち込んでしまうな、本当に情けない)
ミーナ「……」
ミーナ「ねえ、俺、くん」
俺「はい」
ミーナ「ちょっと、いい……?」ソッ
俺「……」
俺.oO(俺の胸に、手を……)
ミーナ.oO(俺くんの心臓の鼓動がわかる)
ミーナ「俺くん、心臓の位置が他の人と逆なのね」ニコ
俺「……え? そ、そうなんですか? 気がつかなかったな……」
ミーナ「……」フフッ
ミーナ「……」
ミーナ.oO(どっちなのかしら、自分でもわからない……)
ミーナ.oO(クルトと同じ顔を持った人、クルトと同じ曲を知っている人)
ミーナ.oO(でも、クルトは俺くんみたいな笑い方はしない。心臓の位置だって普通の人と同じ)
ミーナ.oO(彼は彼、クルトとは違うのよ)
ミーナ.oO(俺くんのことを考えると胸が苦しくなる。俺くんのことを考えると胸が高鳴る)
ミーナ.oO(でも、私は俺くんにクルトの姿を重ねて見ているだけなんじゃないかしら)
ミーナ.oO(……でも)
ミーナ.oO(最初はそうだったかもしれない)
ミーナ.oO(あの曲を知っていたことに驚きもした)
ミーナ.oO(でも、それよりも)
ミーナ.oO(泣いている私を優しく抱きしめてくれたことが嬉しかった)
ミーナ.oO(何も聞かずにただ優しい笑顔を向けてくれることが嬉しかった)
ミーナ.oO(私は……)
ミーナ.oO(私は……!)
ミーナ.oO(でも……それでも彼はあの人と同じ顔を持った人、同じ声を持った人)
ミーナ.oO(どっちなの? 私の彼への思いは所詮、過去からきた未練たらしい幻に過ぎないの?)
ミーナ.oO(それとも……)
ミーナ.oO(私は……!)
俺「ミーナさん……?」
ミーナ「……! あ、その……ご、ごめんなさい!」バッ
俺「いえ、あの……」
ミーナ「……」
俺「……」
俺.oO(ミーナさん、今、酷く苦しそうな顔をしていた……)
俺.oO(あの時と同じだ)
俺.oO(こんなミーナさんを見ていると、何故だか胸が締め付けられるように苦しくなる)
俺.oO(笑っていてほしいと思う)
俺.oO(心から助けたいと思う)
俺「……ミーナさん」ボソ
ミーナ「……俺くん?」
俺.oO(抱き締めてあげたい……)
俺.oO(あの時と同じように)
俺.oO(……心から、助けたい?)
俺「……ぐ」フラ
ミーナ「俺くん!?」
俺「だ、大丈夫です。少し、ふらついてしまっただけですから……」
ミーナ「でも……」オロオロ
俺「心配しないで……」ニコ
商人「よ! そこのお二人さん! 昼間っから熱いねえ! デートかい!」
ミーナ「デ!?//」カアア
俺「デート!?//」カアア
ミーナ・俺「「……あ」」
ミーナ・俺「「……」」
ミーナ・俺「「……」」フフッ
ミーナ・俺「「あははははははははは……!」」
ミーナ.oO(なんだか悩むのが馬鹿らしくなっちゃった)フフッ
俺.oO(全く、何を考えていたんだ俺は。それにしてもミーナさんが笑ってくれて良かった)フフッ
俺.oO(……ん? あの店は)
商人「お? お兄ちゃん、ウチに目をつけるたあ、さすが色男は見る目もあるときた! ウチはカップルにはぴったりのアクセサリー屋だよ!」
ミーナ「カップルって……//」カアア
俺.oO(あの店は……アクセサリーか)
俺.oO(……)
エーリカ『だからさ、せめて最期にこれで何かミーナにプレゼントでもしてあげなよ』ニシシ
俺.oO(……よし!) テクテク
ミーナ「あっ、あっ、俺くん?」アセアセ
俺.oO(安物なのが残念だが、……どの道、俺には高価な買い物は無理だ)
俺.oO(それに、今渡さなければ後悔する……何故だかそんな気がする) シンケン
ミーナ.oO(……アクセサリー? なんでそんな物を……まさか、プレゼント?)
ミーナ.oO(俺くん、リーネさんと仲がいいから……きっと)
ミーナ.oO(……)
ミーナ.oO(私、馬鹿みたい……)
ミーナ.oO(そうよね、俺くんには、リーネさんみたいな人がいるんだもの……) シュン
ミーナ.oO(勝ち目なんて、ない……それに、私がリーネさんを応援してあげないでどうするの?)
ミーナ.oO(……頭を切り替えなくちゃ)
ミーナ「アクセサリー? 素敵ね」ニコ
俺「そう思いますか? 良かった」ニコ
俺.oO(自分で選ばないとな……よし)
俺「あの、これを……」
ミーナ.oO(素敵なイヤリング……リーネさんにならきっと似合うわ) フフッ
商人「あいよ! 毎度あり!」
商人.oO(くっそー、一番いいもん持ってきやがって。ま、いいけどな)
商人.oO(おれの娘もこんな奴らに自分の丹精込めて作ったもんを買ってもらえりゃ、きっと喜んでくれるってもんさ)
ミーナ「リーネさんきっと喜ぶわね」フフッ
俺「え? いえ……これは、貴方に」
ミーナ「……」
ミーナ「……え、こ、これを私に?//」カアア
俺「ええ、今日一日、本当に楽しかった。そのお礼です」
ミーナ.oO(お礼……)
ミーナ「そ、そんな……お礼なんて。付き合ってもらったのは私なんだし」アセアセ
俺「どうか受け取ってください。俺から、貴方にプレゼントしたいんです」
ミーナ「あ……//」カアア
ミーナ「う、うん……」
ミーナ「じゃあ、つけるわ……//」カアア
俺「……」
ミーナ「ど、どうかしら……」チリン
俺「とても似合っています、良かった……」ホッ
ミーナ「本当……?」オソルオソル
俺「ええ、最高に素敵です」ニコ
ミーナ「……//」カアア
ミーナ「ありがとう、俺、くん……//」カアア
ー
ー夜ー501隊基地 バルクホルン・エーリカの部屋ー
コンコン
カチャ
バルクホルン「俺か……何か用か?」
俺「いえ……ハルトマンさんはいらっしゃいませんか?」
バルクホルン「ハルトマンに用だと? 一体……」
エーリカ「いるよー」ヒョコ
俺「ハルトマンさん……」
エーリカ「で、どうだったのさー?」
俺「何とか渡せました。ハルトマンさんのお陰です」ニコ
エーリカ「……そっか」ニコ
俺「お金は何時か必ずお返しします」シンケン
俺「では、俺はこれで……」
タッタッタ
エーリカ「真面目だなー、俺って」
エーリカ「でも、そういうところがいいのかな?」ニシシ
バルクホルン「お前、一体何をしたんだ? ハルトマン」
エーリカ「何もしてないよー」
バルクホルン「……?」
エーリカ「トゥルーデさっき何か言いかけてなかった?」
バルクホルン「ああ、そうだ。壊れていたお前の携帯用の銃だが、修理が終わったのが届いていたぞ」ゴソゴソ
バルクホルン「ほら、これだ」チャキ
エーリカ「そこらへんに置いといてよー」ゴロゴロ
バルクホルン「お前は……! 上着の中にでも入れておけ! わかったな!」
エーリカ「はーい」
ー
最終更新:2013年01月31日 14:54