『百里タワー、エルボー1、エルボー2 離陸準備完了』

《エルボー、了解。滑走路に進入し、待機せよ》

『エルボー1、滑走路に進入し待機する』

まだ日も昇らぬ冬の早朝に、第305飛行隊に所属する2機のF-15Jが滑走路に進入してくる

『一番機、二番機、キャノピーをロックし、座席の射出装置の安全解除 完了』

《エルボー、風向き320度、風速5ノット。離陸を許可》

『了解。離陸する』

F-15Jはアフターバーナーを作動させ、轟音をあげながら離陸していく

《エルボー、管制区域を離れる際に報告せよ》

『エルボー了解』

2機が巡航高度に達したときに、ちょうど東側から真っ赤な太陽が顔を出し始めていた

『百里タワー、こちらエルボー1,2。巡航高度に到着。レーダー誘導を頼む』

《エルボー1、2。レーダー誘導了解。周波数の変更を許可する》

『エルボー了解』

2機は北側、ロシアとの国境付近に向けて進路をとった


俺「ふぅ~っ……離陸は何回やっても疲れるな………」

エルボー1搭乗者、俺二等空尉は緊張から解かれたのか、安堵した声をあげる

友「俺は別に疲れないけどなぁ~ むしろ、何度やってっも興奮するね」

エルボー2搭乗者、友三等空尉は退屈そうに答える

俺と友は小学生からの付き合いである

友は、若手ながら航空部隊随一の空戦技術の持ち主であり、世界でも名が知られているパイロットだ

だが、人には長所あれば短所ありである

友は、俺から言うのもなんだが、性格はズボラであり、バカである

その時、友は俺に質問をしてきた

友「おい、俺。前方に厚い雲があるんだが、どうする?」

俺「そうだな……あの雲の上まで上昇して視界を確保しよう。管制に連絡する」

『こちらエルボー、前方に厚い雲あり。現高度から8000フィート上昇の許可を求む』

《了解、8000feetの上昇を許可する》

『エルボー了解』

俺「よし!一気に雲を抜けるぞ!」

友「了解」

2機は速度と機首をあげ、雲の上へと抜けた

『こちらエルボー、8000フィート上昇完了』

《…………………》

無線の返答は返ってこなかった

ただ、ノイズがザーッと聞こえるだけであった

俺「ん?おかしいな………」

友「どうした、俺」

俺「いや、管制と連絡が取れないんだが……」

友「無線機の故障かもしれない。俺がやってみる」

俺「頼む」

友は管制に無線を入れた。だが,

《…………………》

またノイズのみであった

友「俺もダメだな……」

俺「これでは運航に支障がでるな……」

その時、2人のレーダーが国籍不明の未確認機を探知した

俺「!?レーダーに反応あり!友は!?」

友「こちらも探知した!」

『こちらエルボー、未確認機を探知。追跡の許可を!!』

《…………………》

俺「くそっ!!仕方が無い、独断で行くしかないな!」

友「罰を受けるときは一緒だからな」

俺「あたりまえだっ!」

2機は未確認機の元へと急行した


2機は未確認の機体へどんどん近づいていく

2人は何度かスクランブルを経験している

未確認機との接触は命を伴う大変危険な行為だということを2人は知っている

俺「こちらエルボー1、未確認機を視認」

友「エルボー2、こちらも確認した」

視認できる距離まで近づいた2人はある異変に気がついた

俺「んん!?なんだあの形は・・・・見たことがない機体だ!」

友「俺もあんな機体初めて見たぞ・・・」

2人が見たものは、ちょうど海を泳ぐエイのような形をしたものだった

ボディは黒く、所々に赤色の模様を持っているものだった

俺「国籍は確認できず………俺が未確認機の前方に行って、誘導する」

友「了解。気をつけろよ」

俺のF-15はエイ型未確認機へと接近する

その時、未確認機から複数のレーザー光線のようなものが飛び出してきて、機体をかする

シュン シュン

俺「くそっ!?攻撃してきたぞ!!それに、なんだ!?あの兵器は!?」

俺は今までに聞いたことも無い、見たことも無い攻撃方法にただ驚いただけであった

攻撃の後に友からの無線が入ってきた

友「く、くそ……こちらエルボー2、被弾した」

俺の機体は攻撃を避けることができたが、友の機体の右翼からは煙が出ていた


俺「友!!大丈夫か!?」

友「悪いが、操縦不能だ。エルボー1、あとを頼む。エルボー2、脱出する!」

友は射出装置を作動させ、パラシュートを開いた

俺「くそっ!!なんなんだよ、あの化け物は!!」

俺は回避行動をとりながら、隙をみて未確認機をロックオンした

俺「これでお前ともおさらばだ!」

俺は全ミサイルをエイ型飛行物体に叩き込んだ

しかし

俺「!?き、効いてないだと…………………」

未確認機は煙ひとつも吐かず、飛行を続けていた

それと同時に凄まじいビームの嵐を食らう

俺は急いで急上昇し、ビームを避けた

海上に不時着した友から無線が入る

友『お、おい!あいつミサイルが効いていないぞ!!』

俺「友!生きてたか!!」

友『そんなこと言ってる場合じゃねぇぞ!このままでは俺がやられちまうぞ!!」

俺「そんなこと言われたって………」

未確認機は俺の機体に向けてビームを放ち続けている

そして目の前からビームか迫ってくるのが見えた

俺は死を覚悟した

俺(くそっ!こんな所で死んでたまるかっ!――――っ!!)

俺は目を閉じて、歯をギュッと噛み締めた

しかし、一向にビームが俺の機体に当たらない

俺(なにが……あったんだ?…………)

俺はそっと目を開ける

そこには未確認機以上に驚くべき光景が広がっていた

俺「な……なんだよ………あれ………人間が……飛んでる!?…………………」

俺に向かってきたビームは空飛ぶ人間にシールドのようなもので打ち消されていた

しかも、飛んでいる人間は1人だけではない

軽く10人いるだろう

???「えーっ、未確認機に告ぐ。ここから離脱せよ」

無線が入った

男の声ではない

女の声だった

俺(未確認機?俺が??)

???「聞こえてるのか!?直ちにこの空域から離脱せよ!」

俺(仕方が無い……武装がない俺はどうすることも出来ない………)
 (敵か味方かわからないが、ここはひとまず従っとくか………)

俺「了解した。ただちに現空域から離脱する」

俺は機首を反転させて、離脱した

遠見の見物となった俺は、戦いを見ていた

人間が飛び、訳のわからない飛行物体と戦っている

俺には理解できる状況ではなかった

そして、飛行物体が空飛ぶ人間によって破壊された

飛行物体は細々としたきれいなものに変化し、ちょうど桜吹雪のように撒き散らしている

俺「なんなんだ………いったい………」

海上に浮かんでいる友からも驚きの無線が入る

友『あいつら何者なんだ?とてもこの世の人間とは思えないぜ………』

俺「敵か味方か………どっちなんだ………」

そして女の声の無線が入る

???『こちらは第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズだ。お前たちはいったい何者だ?』

俺(ストライクウィッチーズ?!?!?聞いたことねぇぞ………)

俺「こちらは第7航空団所属第305飛行隊 俺二等空尉です。救援、感謝します」

???「聞いたこと無い部隊だな………単刀直入に聞く、敵か味方か?」

俺「少なくても敵ではありません」

???「よし。ならば、我々の基地へ誘導する。ついて来い」

???(あの機体は………ジェットか?………)

俺「了解。あっ、この辺の海域に1人漂流中。救助を要請します」

???「それは大変だ!今すぐ、救助に向かわせる」

俺が救援要請を入れると、3,4人ほどの空飛ぶ人間が友の救出に向かった

俺(敵ではなかったか………)

真剣に考えていた俺は、ある友の無線で呆れることになった

友『お、おい!!俺!スゲェ美少女が3,4人、俺のとこに向かってくるんだけど!!空飛ぶ天使なの?!!うひょー―っ!!!』

俺(はぁ…………いっそのこと波にさらわれればよかったのに…………)


― 続く ―
最終更新:2013年02月02日 12:30