メルキセデクシリーズ

概要
……が、しかし。実態は同じWARES内のマルドゥクプロジェクトから外されたマッドサイエンティスト、ヴィクター・ロトワング博士以下主要開発者たちによる「ドキドキ!やりたい放題実験室!」といったところが正しく、彼らがやりたいことを持ち前の技術力で形にしては、実験という建前の「大・お披露目大会」を行うという、なんともやりたい放題な計画なのである。
しかし、この計画より算出されたおもty……もとい、実験体たちは一定の戦果及び評価を受けるものも幾つかあったため、彼らもただ遊んでいただけでは無かったのは確かである。
実験機一覧
メルキセデク
概要
「究極の戦略機動兵器」をコンセプトに試作された超大型戦略兵器。“超大型”の名の示す通り30mを超す巨体の持ち主であるが、専用の第5期LEVを中核に据え、さらには第4期LEVに搭載されているものと同等の演算処理能力を持つ無人格型AIを4基並列に接続することでその火器管制や斥力波による移動を完璧に制御する事に成功している。
後述する同名のLCEを中枢制御回路とし、圧倒的な機動力、防御力、火力を用い単機で防衛線を駆逐、突破し敵部隊もしくは敵拠点都市に侵攻。大量破壊兵器を用いて深刻な打撃を与える事をコンセプトとしている。
機体の制御および火器管制は前述したLCE及びAIが行う。そのシステムは、LCEがAIを支配下に置くというツリーを形作り、パイロットが行った指示を受けてLCEがAIに適切に仕事を割り振る……つまりは、LCEがAIたちの上に乗っかって全体の制御を行うという構造をしている。これにより大量の火器、また超膨大な演算を要する斥力波の完璧なコントロールを安定して行う事に成功している。
なお似た機体にマルドゥクがあるが、あちらの目的が「魔王級魔獣の討伐」であるのに対しこちらは「敵重要拠点の壊滅」である(しかし、厳密にはマルドゥクの計画が「膠着する戦線の打開」に推移してからこちらの計画がスタートしたので、そういう意味では両者の違いはあまりない)。
武装
- 主砲
この機体で一番目を惹くのがこの主砲である。これは重力兵器の影響により今までほぼ迎撃不可だった弾道ミサイルが使用不可になったため、それに匹敵する迎撃の難しさを誇り、かつ長射程の武器として通常の榴弾砲に白羽の矢が立ったのだ。
本兵装の1番の特徴は、通常の榴弾だけでなく核弾頭を使用可能だという点である。これによって同破壊力の加粒子砲と違い、わざわざ動きを止めてエネルギーを回さずにすむというのを利点としていたが、結局目標に対し正確に命中させるには動きを止めなければならなかったためこの利点は活かされることはなかった。
- 重力制御機関
重力波を操り、斥力場という力場を形成し機体の防御、および浮遊移動させるための装備。
マルドゥクに搭載されたもののデータをコピーして制作された物だが、大型化してしまった上に出来が悪く、3時間の連続使用が限度である。
マルドゥクに搭載されたもののデータをコピーして制作された物だが、大型化してしまった上に出来が悪く、3時間の連続使用が限度である。
- VLS
本機上部に61セル×4基搭載されている垂直ミサイル発射装置。主に機体への攻撃からの防衛や魔獣の排除等に使用される。
- CIWS
本機各所に搭載されている小型レールガン。迎撃、弾幕、攻撃までなんでもござれの万能火器である。
メルキセデク(LCE)
概要
詳しい出自や彼女個人の情報は個別ページにあるので、ここでは兵器としての彼女についてを記述する。
「究極のLCE」「究極の白兵戦能力」そして「メルキセデクの制御回路」を目指して(魔)改造を施された初期実験型LCE。
まず、彼女は元々アンドロイドを改造してLCE開発のための実験体として脳髄周辺を主として改造を施された個体である。
まず、彼女は元々アンドロイドを改造してLCE開発のための実験体として脳髄周辺を主として改造を施された個体である。
ヴィクター博士が改造元のLCEを発注した際、本部から送られてきたのが元アンドロイドの彼女であった(以前の記憶は消去されていたが……)ため、博士は途中で計画を変更(というよりも計画目標を追加)。思考速度/記憶容量を強化して電子戦能力を大幅に上げると同時に、内骨格に強化を加えることで白兵戦能力をも向上させることにした。
その結果、膨大な演算能力が必要なメルキセデクの火器管制を(AIの補助あれど)完璧にこなし、鋼魔獣を50機以上同時に従えるという曲芸を披露。白兵能力も研究所員及びテストパイロット総出での1対324人組手を最速13分で決着するというとんでもない化け物が誕生してしまったのである。
旧大戦終末期。彼女に目をつけた上層部はこれを分解して再検証、LCE大量生産の研究材料に使用しようとしたのだが、輸送中に新人類軍の攻撃に遭遇。彼らによって確保されたことまでは記録されているが、その後の行方は全くもって不明である。
アロン
概要
メルキセデク計画において初期に開発されたLEV。その開発意図は単純明快で、メルキセデクの制御機構兼脱出用機である。
分類としては一応第5期LEVであるが、あくまで核攻撃後の脱出機であるため戦闘能力は通常の第5期LEVからかなり劣る。
分類としては一応第5期LEVであるが、あくまで核攻撃後の脱出機であるため戦闘能力は通常の第5期LEVからかなり劣る。
武装
- 腕部内蔵型レールガン
右腕に内蔵されたレールガン。内蔵型なので装弾数も多く無く、さらに戦闘中の電極レールの交換も難しいためあくまで牽制や補助に使われた。
一般的なビームサーベル。特記するほどの事のない、無難な武装である。
エル・アザル
概要
メルキセデク計画が進行するに従って、問題となったのは魔導障壁の存在であった。これは幻装兵に搭載されている装備で、敵からの射撃攻撃をほぼ完全に防御する不可視のバリアーであり、これがある限りメルキセデクの射撃兵装では全く歯が立たない。
そこで対幻装兵に特化した機体を先遣部隊として派遣し、基地攻撃のための道を切り開くという構想が始まった。しかし、予算などの都合により新規のLCE調達の見込みが絶望的となったため、人格型AIを搭載した第4期LEVとして制作されることになった。
最初から戦闘用として制作されているため、上述したアロンに戦闘力で大きく勝るのは勿論のこと、兵の幻装兵 シュナイダー3機で構成された小隊を単機で殲滅したという記録も残っている。
本機が他のLEVと異なる点は2つある。
ひとつは素体に装甲や兵装を追加するという形を採っていること。
本機は、攻撃目標まで移動し攻撃した後帰還するところまでを支援無しに行う必要がある。多くの機体を相手にする攻撃時は出来るだけ多くの装甲/兵装を持ち、帰還時にはなるべく少なくして機体を軽くすることが望ましいとされる。
本機は、攻撃目標まで移動し攻撃した後帰還するところまでを支援無しに行う必要がある。多くの機体を相手にする攻撃時は出来るだけ多くの装甲/兵装を持ち、帰還時にはなるべく少なくして機体を軽くすることが望ましいとされる。
そのため装備や追加装甲、ブースターや推進剤等を「着せる」ように搭載し、使用し終えたり被弾したりして不要になった装備から爆砕ボルトにてイジェクト/破棄するようになっている。
ふたつめは本機が後述する無人機を従える指揮機の役割を持っているという点である。
いくら一対多数戦を主眼に置かれているとはいえ、基地防衛隊を一手に引き受けるのは無理がある。そこで、無人機と連携することでその負担を軽減することが考えられた(いざという時のデコイにも使えるだろう)。
いくら一対多数戦を主眼に置かれているとはいえ、基地防衛隊を一手に引き受けるのは無理がある。そこで、無人機と連携することでその負担を軽減することが考えられた(いざという時のデコイにも使えるだろう)。
武装
- エーテリックスナイパーライフル
遠距離から狙撃することを主眼に置かれたエーテリックライフル。主に敵基地の固定兵装に対して先制攻撃を掛ける目的で使用された。
- ミサイルランチャー
バックパックに装備。こちらも敵基地への攻撃に使用された。
- テトラ・ランチャービット
ヴェルクートのオプション装備であるテトラビットの改良型。テトラビットにはプラズマソードが搭載されているが、こちらは小型のプラズマ・カノンも併設された…いわゆるE.R.B.A.が搭載されている。 そのためただの近接攻撃だけでなく、多少の遠距離攻撃も可能となっている。
本兵装最大の任務は、後述するEMPの効力を最大限に発揮させる為に魔導障壁を破壊することである。
- EMP
左肩に装備された兵装。専用のコンデンサに大電力を充電し、それをアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナの原理を応用した電磁パルス増幅/発生装置にて指向発射することが可能である。これにより未だ科学技術に頼っていた幻装兵を一気に無力化することを見込まれて開発された。
ただし前述した通り電力を事前に充電しておく必要があり、そのため一度の戦闘で使用できる回数は一回のみである上、小型なのでそこまで射程も長くない。
さらに魔導障壁を展開されては効力を持たないこともわかっている為、前述のテトラ・ランチャービットとの併用が望ましいとされている。
- 滑空砲ユニット
右肩に装備された兵装。左肩にEMPを搭載したところバランスが悪く、そのカウンターウェイトの意味で搭載された装備である。
ただの榴弾や徹甲弾の他にも粘着榴弾や装弾筒付翼安定徹甲弾、榴散弾などが搭載されていた。
ただの榴弾や徹甲弾の他にも粘着榴弾や装弾筒付翼安定徹甲弾、榴散弾などが搭載されていた。
- 高速振動刀/高速振動ナイフ
高周波発生装置を搭載した近接兵装。超高速で振動する刀身が目標物を切削する事で、一般的な刀剣類を大きく超える威力を発揮する。
主近接兵装である刀型のものと緊急時用のナイフ型のものの2振りが装備された。
主近接兵装である刀型のものと緊急時用のナイフ型のものの2振りが装備された。
セイレーン
概要
エル・アザルの戦闘補助用の無人機として、シルトのデータを利用して開発された第4期LEV。4機が生産され、その全てを同時にエル・アザルの指揮下に置いて運用する事が可能だった。エル・アザルのAIは勿論、セイレーンに搭載されたAI同士でのデータリンクによる連携が可能であり、その動きはフェイントや同時攻撃等が行え、さながら洗練された1個小隊のようだったという。
各機のコールネームは1号機がテレース、2号機がライドネー、3号機がテレクシオペー、そして4号機がモルペーである。
武装
エーテリックライフルに銃剣を装着した装備。魔導障壁に対してかなりの有効性があったという。
- ミサイルランチャー
一般的なミサイルランチャー。魔導障壁相手にはあまり効果がなかった。
- ビームサーベル
アロンに搭載されたものと同じもの。