野獣
名前:Beast
デビュー:『
美女と野獣』(1991年)
概要
甘やかされて育ったため、癇癪を起こしやすく自分勝手でわがままな性格。ある寒い晩、わがままな王子は宿を求めて城を訪ねてきた醜い老婆の願いを断り、外へと追い返した。老婆の正体は美しい
魔女であり、人を見かけで判断する王子の醜い心を戒め、彼を醜い野獣の姿へ変えてしまう。それに伴い、城もおどろおどろしい姿に形を変え、王子を甘やかして育てた召使いたちも家具に姿を変えた。魔女は
魔法のバラ*を城へと残し、その花びらが全て散る前に人を愛することを学び、誰かに愛されない限り永遠に元の姿へは戻れなくなると話す。ひょんなことから
ベルという美しい娘に出会い、野獣の中の何かが少しずつ変わっていく。最初はベルは囚人として扱っていたが、お互いの命を助けたことがきっかけで対等な関係となる。
野獣でいる時間が長ければ長いほど、彼の行動はより粗暴となる。テーブルマナーも動物のようなものとなったり、最終的には自身の服を引き裂いたりするようになるという。
野獣の見た目は様々な動物の特徴を組み合わせたもので、水牛の角やクマの身体、ゴリラの眉毛、ライオンの歯と顎とたてがみ、イノシシの牙に狼の足と尻尾などが含まれている。普段は紫色のマントを身に着けているが、ベルと交流をするうちに洗練された服装へと変わっていく。特徴的な青い瞳は人間の頃と同じ。
野獣の状態では、肉食動物のような高い戦闘能力を誇っている。モーリスや
ガストンなどの成人男性を軽々持ち上げたり、癇癪を起こして家具をめちゃくちゃに破壊してしまう描写もある。敏捷性も高く、城の屋根を機敏に飛び回ったり素早く走ることもできる。弓矢やナイフの攻撃でも死なず、傷の治癒能力も人間に比べて速い。また、動物が狩りをする時のようにこっそりと近付くステルスの技能も持ち併せている。
人間だった頃は王子らしく、狩りや乗馬を心得ていた。サンダーという愛馬がいたが、扱いが雑であった為逃げられたようである。勉強熱心であり、城の図書室にある膨大な数の書物をよく読んでいた。
野獣の本名は作中で語られておらず、その原因はプロデューサーや脚本家が多忙で名付けている暇がなかったためである。映画の関連商品ではアダム王子と名が付けられたこともあるが、公式の見解では特に名前はないとするのが一般的である。年齢はナレーションによると20~21歳であるが、ミュージカル版では曖昧にされている。
歴史
野獣のデザインが定まるまで、様々なスケッチが描かれた。動物の頭がついた人間のような姿や昆虫、エイリアンのようなデザインのものもあった。
グレン・キーン*は
ロサンゼルス動物園*を取材し、様々な動物を組み合わせて野獣のデザインを作ることとなった。没となった初期デザインの一部は、城の中の像に使われている。
映画は野獣がメインとなるため、人間の状態のデザインについてはあまり力を入れなかったという。これは視聴者が作中に愛着を持つのは野獣の姿であるからで、最後に一瞬出てきた人間にはそこまで注目しないと考えたからであった。ちなみに
ジェフリー・カッツェンバーグ*はベンソンのビジュアルに引っ張られないよう、キーンとは会わせなかったという。
エピソード
ある晩、家来の
ルミエールや
コグスワースが勝手に
モーリスを城の中へ迎え入れたことに激怒し、モーリスを牢屋の中に閉じ込めてしまう。翌日、モーリスの娘
ベルが城を訪れ、体調の優れないモーリスの代わりに自分を身代わりとするように交渉、身柄の交換が成立する。
ベルは野獣から城のどこへ行ってもいいが西の外れの塔にだけは行くなと忠告される。ベルはルミエールやコグスワースの忠告を無視して西の塔へ行き、野獣の怒りを買う。もうここには居られないと感じたベルは愛馬
フィリップと共に城を飛び出す。そこに現れたオオカミの群れから彼女を守ったのは野獣だった。
ベルは野獣の手当てをし、二人の距離は縮まっていく。二人で食事やダンスを楽しんだベルは野獣に頼み、
魔法の鏡*で父の姿を見せてもらう。病に苦しむ父の姿を見て動揺するベルを見て、野獣は彼女を自由の身にする。
もう呪いが解けることはないと絶望する野獣たちのもとに、野獣の話を聞きつけた
ガストン率いる村人たちがやってくる。野獣はすでに戦意を喪失しており、ガストンは一方的に野獣を追い詰める。そこへ駆けつけたベルの声を聞いた野獣はガストンを負かし、彼の命乞いを聞き入れる。不意打ちで野獣をナイフで刺したガストンは足を滑らせて屋根から落ちて絶命する。
死にかけの野獣に駆け寄ったベルは彼に初めて愛の告白をする。すると空から光が降り注ぎ、
魔女の呪いは解けて野獣はハンサムな人間の王子の姿へと戻る。城の召使いたちも元の人間の姿に戻り、ベルと王子はみんなの祝福を受けて結婚する。
『美女と野獣』で野獣がベルをオオカミから救って打ち解け始めた頃、城に
クリスマス*が訪れる。野獣は呪いにで姿を変えられたのがクリスマスだったため、クリスマスを祝うことを禁じていた。
野獣はベルに教わりながら庭でアイススケートを楽しむが、
ファイフのせいでバランスを崩す。野獣は雪の上に残った自分の醜い姿の跡を見て塞ぎ込んでしまう。野獣はパイプオルガンの宮廷音楽家
フォルテを心の拠り所にしており、彼の音楽で気を紛らわせていた。
野獣はベルを食事に誘うが時間になっても彼女が現れず、使用人たちもベルの居場所を知らないと答える。フォルテに「ベルは貴方を見捨てた」と言われた野獣はベルを追って
黒い森*へ向かい、溺れかけているベルを助ける。野獣はベルを逃亡した罰として地下牢に閉じ込める。フォルテは魔女の呪いによって野獣に頼られるようになり、城の使用人の中で唯一呪いを歓迎していた。野獣はフォルテの反対を押し切ってベルにもらった本を読み、彼女に謝罪する。
一年後、人間に戻った野獣と仲間たちはベルとクリスマスを祝っていた。すっかり改心した王子は妻のベルにバラをプレゼントした。
野獣が人間に戻る前にベルと暮らしていた頃のエピソード。
第1話「大切な言葉」では、他の人が寒がっているにも関わらず野獣が暑いからと窓を開けてしまう。自分は城の主だから何をしても良いと主張する野獣に対し、ベルは傲慢だと非難する。ルミエールとコグスワースは野獣に謝罪を提案するが、野獣は頑なに応じようとしない。しばらくするとベルが野獣のもとへ現れる。喜んで彼女の謝罪を受け入れる野獣だが、二人を仲直りさせようと
ラ・プルーム、
ウェブスター、
クレインが野獣の名を騙った手紙をベルに出していたことが判明。野獣は激怒して三人を放り出す。
城の近くで倒れている三人を保護したベルは自分が代わりに野獣に謝ると宣言する。野獣の本心を信じるベルの言葉を陰から聞いていた野獣は自らベルに謝ることを決意する。ベルは野獣の謝罪を受け容れ、仲直りする。
第3話「傷ついた小鳥」では、野獣がベルを昼食に招待するが時間になっても彼女は現れない。痺れを切らした野獣が彼女の部屋へ行くと、ベルは野獣の嫌いな小鳥を介抱していた。野獣は激怒して小鳥を追いかけ回す。階段から足を滑らせて転倒した野獣は小鳥の歌声で目を覚ます。小鳥の美しい声を気に入った野獣は今度は小鳥を監禁してしまう。ベルに説教された野獣は怒って部屋に閉じこもるが、ベルの言葉を思い出して小鳥の幸せを奪ったことに気付き、翼の完治した小鳥を空へ逃がしてやる。小鳥は落ちてしまうが、野獣のおかげでことなきを得る。
しばらくして成長した小鳥はつがいとなってベルと野獣のもとを訪れて歌をプレゼントする。それを聞いた城の住人たちは穏やかな気持ちになるのであった。
スペシャル・エディションでは、第2話の後に「
ベルの友情物語*」用に制作された追加エピソード「ポット夫人のパーティー」が挿入されている。
新規エピソード「ポット夫人のパーティー」に登場する。
徹夜で屋根の修理をして疲れた野獣は一日中爆睡していた。ルミエールとコグスワースがポット夫人を元気付けるために花をプレゼントしようとするが、本人にバレそうになったためその場を誤魔化すために野獣の寝室に花を置きに行く。
目を覚ました野獣は部屋が花だらけになっていることに気付きくしゃみをしてしまう。
その他
ディズニー100周年記念作品『
ウィッシュ』では、エンド・クレジットに登場する。
ゲーム
2022年6月8日に開始したクローズドβ版から登場する「美女と野獣」のレーサー。タイプはファイターで、レアリティは「レア」。所有スキルは「ショット」「ブースト」「ハック」「シールド」。そのうち「ショット」と「シールド」はレーサーがスターアップすると強化される。
ユニークスキル「マジックローズ」の効果は下表の通り。専用クルー「
ルミエール」によって強化することができる。
ノーマル |
一定時間、雄叫びを上げ、前にいる全てのライバルをスタンする。 レース中にこのスキルを3回使用すると、レイジモードが発動する。 レイジモード中は、スキルボックスから得られるのは本スキルのみとなる。 |
チャージ |
前方にジャンプして、一定距離を移動する。 レース中にこのスキルを3回使用すると、レイジモードが発動する。 レイジモード中は、スキルボックスから得られるのは本スキルのみとなる。 |
KH
序盤、
ダイブ・トゥ・ハートには『美女と野獣』をモチーフとしたステンドグラスのステージがあり、野獣はそこに描かれている。
ビーストは魔女
マレフィセントにさらわれた
ベルを助けに来たが、彼女に顔を見たくないと言われてしまい落ち込む。ベルはビーストを愛する美しい心をマレフィセントの闇の魔法の材料に使わせないため愛する心を封じていた。しかし心をごまかしきれず心をマレフィセントに奪われてしまうが、ビースト、ソラ、
ドナルドダック、
グーフィーの活躍によりマレフィセントは倒される。
ワールド限定のフレンドカードとしても登場。使用すると「フェロシアスランジ」が発動し、ビーストが相手に体当りする。フレンド技の中で唯一、Lv1とLv2の効果が全く同じなので無駄遣いに注意。
テーマパーク
登場作品
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
声
実写
最終更新:2024年09月09日 10:29