おや?また来たのかい?いらっしゃい、今日はどんなお話をお望みかな?。
もちろん解ってるよ!彼のお話だろう?見たまえこのドッグタグを!この前の帰省でついに手に入ったんだ、これによると彼の本当の名前はアッツイ!
ボクが死んだ!この人でなし!。
アツイメリイイイイイイイ!
ん?なんで二人いるのかって?ああそうか君は代替わりを見るのは初めてか、ボクはもうずっと昔に死んじゃっててね、ここで死んでも次のボクが出てくるだけなのさ。
一人称が変わってるって?代替わりしたら変えることにしてるのさ、うんやっぱりボクが一番しっくりくる。
あードッグタグが溶けちゃった、こんな感じに
アンゴラ君は彼に関する情報を消して回ってるんだ、彼を守るためとはいえ死後の世界にまで手を伸ばすのは流石に怖い!今日はそんな怖いあの子のお話さ!。
うん分かってるよ、本当はあの子の話を聞きに来たんだろ?あの日ラビット053とあの子に何があったのか。
お手洗いにはいった?お茶とお菓子の準備は?ボクはもちろんはちみつレモンさ!喉にいいからね♪。
それでは、はじまりはじまり。
ここはPUBの地下3階、ホール、地下倉庫、そのまた更に下にあるアンゴラの加工室、そこで秘密裏に取引が行われていた。
薄暗い部屋、そこにアンゴラと053、そして商品を受け取りに来た購入者の部下が居た。
「いつもの男はどうした?」
今回の購入者は頻繁にアンゴラの商品を買い取っている太客、そしてとても慎重な男、彼女との取引をしている事自体を極少数の人間にしか明かしては居ないのだ。
「先輩は急病で倒れてしまいまして、代わりにあっしが」
その口からはコーラルの香りがした、不信感を抱きつつも取引を進行する、最後は商品の状態チェック。
「薬で眠らせてある、後3日は起きないだろう」
「いい女だ、これからコイツが・・・」
品の無い笑いと共に商品をチェックする男、アンゴラはため息を吐きながら代金を要求する。
「ああ代金か・・・代金は、この鉛玉だ!」
銃声、アンゴラの胸から液体が飛び散り床に倒れる。
「キーヒャッハッハ!うまくいった!これで金も女も俺のもんだ!」
彼は部下などではなかった、本来来るはずだった者を殺してなり替わったドーザーだったのだ、笑いながら彼は奪い取った金を取り出し・・・。
「なんじゃ、ちゃんと持っとるではないか」
その声に反応し振り向く前に男の意識は奪われた。
男が目を覚ます、さっきまでより明るくなった加工室で男は拘束されていた、目の前には和服に身を包んだアンゴラよりも小さな少女が不気味な笑顔を覗かせていた。
「くははは、悪行はもっと慎重にするものじゃよ?」
生きていた、暗がりから通信端末を操作しながらアンゴラが現れた。
「て、てめぇなんで生きて・・・」
その質問にアンゴラは自身の胸を指さす、そこには肌に少し刺さっただけの銃弾が残っていた。
「わたしを殺したいなら対物ライフルぐらいは持ってこい」
ため息を付きつつ銃弾を取り外し投げ捨てる、そして空いた空間を彼女が身に纏う液体金属装甲が覆い隠す、飛び散ったのはこの液体金属だったのだ。
「お前の処遇が決まったぞ、寛大な購入者は053と一緒にお前も買い取るそうだ、永久就職おめでとう」
淡々と決められた未来を伝える、不安定なドーザーよりもずっとマトモな未来を。
「ドワーフ、後は任せる、情報は全て消せ」
そう言ってアンゴラは暗がりへ消えた、1階の厨房で作業している
フレミッシュと話すために。
「では化粧を始めようか、お主は幸せ者じゃなぁ、不愛想な機械共だけでなくこの童が直々に手を入れてやるのじゃからなぁくっくっくっく、ぬあーーーーはっはっはっは!」
無慈悲な笑い声が響く、そのモノ魔女か悪神か、宴は始まったばかり。
3日後、購入者である大豊の重役の元へラビット053と共にバストヒップ共に150越えに加工された男が納品されたという。
彼らの物語はここでおしまい、めでたしめでたし。
関連項目
これがあの日起こっていた出来事さ、うん!やっぱりアンゴラ君を怒らしたらいけないね!君も気を付けたまえよ、わるーい二人に食べられてしまうからね。
おや、もうお目覚めの時間か、帰り道はあっちだよ!今日も頑張ってね!ばいばーい♪
最終更新:2024年06月18日 22:01