城之内克也

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城之内克也 - (2020/11/22 (日) 09:12:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/03/06(日) 11:09:58
更新日:2024/05/03 Fri 00:30:00
所要時間:約 20 分で読めます





けっ、技の名前はオレが決める!
ラヴァ・ゴーレムの攻撃!
城之内ファイヤー!



遊☆戯☆王の登場人物。
武藤遊戯の親友のひとりであり、生涯の友である。



概要

温和で気弱なゲームオタクの遊戯とは対照的な、喧嘩っ早い不良学生。だが義理人情には厚い。
当初は本田と一緒に遊戯を「男の腐ったヤロー」としていじめており、千年パズルのパーツをプールに投げ捨てたりしていた。

しかし、権力を振りかざす風紀委員長の牛尾さんから自分を必死に庇う遊戯の姿に心打たれた城之内は、プールの中からパーツを探し出し、遊戯にパーツを返した。

その後も遊戯と城之内は様々な困難、強敵を共に乗り越え、無二の友情を築いてゆく。
2人の頭文字を組み合わせると「ゆうじょう」になるのは有名。
それ故かは不明だが、家族くらいにしか下の名前で呼ばれず、基本的に親しい人間からも含めて「城之内」もしくはフルネームで呼ばれる。

その分、海馬とはかなり仲が悪く(凡骨、負け犬、馬の骨などと呼ばれ)かなり見下されている。
特に「凡骨」は、アニメで多用されたこと、変換しやすいことなどからファンの間でもすっかり彼の愛称として定着してしまった。

あの有名なエロ戦車を開発したのは彼。
『エロ戦車、突撃ー!!』


【経歴】

両親が離婚し、妹の静香と別れて現在は父と二人暮らし。
中学時代は今から想像できないほど荒れており、蛭谷という不良とツルんでいた。
本田とはこの頃からの付き合い。

高校に入ってからは、酒乱で働かないダメ親父の代わりに(杏子とは違い、ちゃんと許可を得て)
新聞配達で生計を立てており、父親の借金を少しずつ返済している苦学生。
親父がロクデナシなのは遊戯王ではよくあるパターン。
その割にはゲームやガレージキットの知識が豊富だったりする。

決闘者王国へ出場したのも、賞金を妹の目の手術代に充てるためである。
その割に高級スニーカー「エア・マッスル」に10万以上のカネをポンと出していることは秘密。
無理やり統合性を考えるなら「10万もの値段がする為非常に丈夫でこれを買うだけで数年持つ」「苦学生だが学費、生活費を差し引いても趣味趣向に使う金は余裕がある*1
「中学時代からずーーーっと貯めていた」
「妹静香が目を患っているのは知っていたが、多額の資金が必要な手術を受けるほどとは思っていなかった」等と仮定できなくもない。

結果的にスニーカーは半額の5万で手に入れるが、色々あって穴が開いて紐もボロボロになってしまう。
だが城之内はそのスニーカーを紐だけは直して映画に至るまで履いている。
余程欲しかった事と他に履く靴が無い*2という理由もあるかもしれないが「遊戯が勇気を出して取り戻してくれたから」が一番の動機であろう。



【性格】

義にあつくケンカに強い理想の不良学生。
仲間のために自らを犠牲にする事もいとわない、非常に漢気のある性格。
何度も自らの命をかけて遊戯を救い、バトルシティ編ではを助けるために命がけで闇マリクに勝負を挑んでいる。

だが、人を疑う事ができない性格ゆえに、作中では何度も騙されて罠に嵌っている。
海馬とは違う方向で大のオカルト嫌い。
お化けの類には滅法弱く、DEATH-Tの第4ステージや王国編の墓場ステージでは恐怖のあまり失神している。

当初は杏子にも負ける位にデュエルが弱かった。
デッキに「見た目が強そうな」モンスターばかり入れて、
「なぁにこれぇ」
と遊戯にコメントされたのは(中の人の棒読みっぷりもあって)有名な話(ちなみに原作だと「うわっ! なんだコレ!」)。

今でこそ数多くのサポートによって通常モンスター(バニラ)の価値は見直されているが、当時としてはローパワーどころではない紙束デッキである。
しかも魔法・罠カードを入れていればまだよかったのだが、原作・アニメともに40枚全部戦闘タイプのモンスターである。
後に、彼や関連カードの影響で通常モンスター主体のビートダウンを行う【凡骨ビート】が登場するなど、当時は誰も想像していなかった……。

だが、遊戯による特訓(&カードプレゼント)と王国行きへの船でのトレード、
そして強敵との戦いの中で徐々に成長していき、持ち前のド根性と強運で逆境を幾度も乗り越えていった。
この辺りはある意味で遊戯よりも主人公らしいキャラである。

「自分より強いデュエリストと戦う」「始めた勝負からは絶対に逃げない」という信念を持ち、
精神面では一度敗北すると中々立ち直れない豆腐メンタルな王様を上回る面を見せる事もある。でもオバケは苦手だが。


【活躍】

【王国編】

妹の静香の手術費を稼ぐために、遊戯にスターチップを1つもらい決闘者の王国に飛び入り参加。
なおスターチップを収めるグローブは遊戯に敗北・脱落した羽蛾から奪った。

デッキは雑多な戦士族・獣族・獣戦士族のモンスターが詰め込まれたもので、有力選手とは言い難い状態だったが、
遊戯から貰った「時の魔術師」のギャンブル効果をことごとく成功させる強運、
ダイナソー竜崎からアンティで真紅眼の黒竜を手に入れるなどのデッキ強化もあり、
孔雀舞キース・ハワードといった強敵を次々と撃破した。
ちなみにこの後遊戯王Rでは「タイムマシーン」を貰い*3、アニメでは「メタル装甲」をちゃっかり頂いてる。リボルバードラゴンも頂けとか言ってはいけない

漫画では遊戯との決勝戦は行われず、「ペガサスに遊戯の手の内を晒すだけだ」として辞退。
アニメではオリジナルのデュエルが行われ、遊戯との決勝戦を行った。
ともに互いの手を尽くして熱戦を繰り広げ、最終局面では時の魔術師の効果を成功させて城之内が勝機を掴む。
だが、ブラック・マジシャンのまさかの進化により敗北している。

最終的に敗北はしたものの「決闘者の王国 準優勝」という成績を収め、「町内8位」という前評判からは想像もつかない実力となった。

孔雀舞とは少しいい関係になったように見えたが、馬の骨には女心がまるで理解できず、
結局作中での舞との関係は友情止まりであり、深い所まで掘り下げられなかった。
いわゆるフラグクラッシャーというヤツである。


【バトルシティ編】

バトルシティは本来決闘者レベル5(最高レベルは8)以上にしか参加資格のない大会であるが、
彼の決闘者レベルは「レベル2」(アニメ版では「レベル2 馬の骨」)。
だが、彼の持つ真紅眼の黒竜を狙うグールズによってデータが改竄され、運良く(?)参加資格を得る。

……(出場方法を除けば)実力でもって「決闘者の王国 準優勝」を成し遂げている決闘者なのだが、レベル2だったのは社長が主犯なんだろうか? 
ちなみに海馬はこの件について、原作では「出くわした瞬間失格にしてくれる」と豪語していたが、アニメでは当人と出くわしたものの「まあいい」とスルーした。

その後、グールズのレアハンターに狙われ、当然のごとくレアカードの真紅眼の黒竜を奪われてしまう。
真紅眼の黒竜は程なくして王様が奪還したが、城之内は「自分が真の決闘者になるまで預かっていてくれ」と、真紅眼を遊戯に託した。

ここでもエスパー絽場インセクター羽蛾梶木漁太と強敵を次々に撃破。
彼らからアンティとして手に入れたカードによりデッキを強化してゆく。

しかし、遊戯の友人としてマリクに目をつけられてしまい、洗脳されて遊戯と互いの命を賭けた決闘を強要される。
だが、表遊戯の発動したエクスチェンジによって見せられた魂のカードであるレッドアイズによって自分自身を取り戻し、最終的に2人とも無事に生還を果たした。
「城之内くん…大好きだ…!!」

その後、パズルカードをキッチリ揃えて決勝トーナメントに進出。
リシドとのデュエルではトラップカードを駆使した戦術と切り札の聖獣セルケトに蹂躙され、敗北寸前まで追い詰められる。
しかし、マリクの命令でリシドがレプリカのラーを召喚しようとしたことで、神の天罰が下る
城之内とリシドが共に気を失ってしまったことで「先に立ちあがった方をデュエルの勝者とする」という判定が降りる。
結果、城之内のみ立ち上がったことで、幸運にも勝利することができた。もし、続いてたら死んでた可能性が高かったが……。

ちなみに、この時にマリクがリシドに神を使わせたのは、
今デュエルを行っているリシドがマリクの正体であると周囲に印象付けるため(この時のマリクはナムという偽名を使って正体を隠していた)。

城之内は遊戯とのデスマッチを仕組まれた一件もあってマリクのことを憎んでいたが、正々堂々と戦うリシドの姿を見て、この男はマリクではないと看破。
マリクは疑惑の矛先が向けられることを恐れてこのような演出を目論んだわけである。まあ、結果は裏目に出てしまったわけだが。

辛くも準決勝に進んだ城之内は、何とラスボスである闇マリクとの対戦に臨む。
ラヴァゴーレムやヘルポエマーなどを使ったねちっこい戦術に苦しみながら少しずつ闇マリクを追い詰めていく。
しかし、最終局面でラーの翼神竜に焼かれて「城之内 死す」してしまった。(冒頭の「城之内ファイヤー」発言はこの決闘中のもの)

さすがの城之内でも神の攻撃には耐えられないと踏んだ闇マリクだったが、なんと城之内は倒れなかった。
現実に苦痛を感じる闇のデュエルであり、万力モンスターで想像を絶するほどの激痛を受けていて、
しかも神の攻撃ともなればダメージも尋常ではないのだが、驚くべき精神力で城之内は耐え抜いたのである。

闇マリクのライフは残りわずかであり、あと一撃与えれば勝利という絶好のチャンスが到来。
勝負を決める最後の一撃を加えようとするのだが、その寸前でこと切れてしまい、そのまま敗北となった。

とことんひどい目に合った凡骨だが、完治した静香と再会したり、遊戯と更に絆を深めたりと逆境から得るものも多かった。
大会結果は海馬と並び第3位(アニメでは海馬との3位決定戦に敗れ第4位)。

しかも、闇マリク戦での敗北もいわばラーによる負傷退場であり、そのままターンが回っていれば凡骨の勝利だったのである。
ラスボスに事実上勝利とは、少々やりすぎとも言える優遇っぷりである。

ちなみにギルフォード・ザ・ライトニングをこのデュエルから使用しているが入手時期や過程が不明である。
原作本編での能力と城之内自身の発言から察するにレアカードではあるようだが、バトルシティ開始時には真紅眼と時の魔術師しかレアカードを所持していない旨の発言をしているので、バトルシティ途中で入手したと考えるのが自然だろう。
大会中は40枚デッキのみで途中で構築を変更する事が禁止されていたのに対しアンティルールが採用されているバトルシティでは大会中にデッキ構築を変更する事が認められているので梶木戦後~マリクに洗脳される直前までの間に当てたと考えられる。
余談だが、彼だけでなく基本的に遊戯王はパック購入の場面が書かれることは少ない。

なお、決勝トーナメント直前のアニオリ回では舞との関係が一歩進展するのではと言われたが、結局本人がアレなのでやはりそんなことはなかった。


【乃亜編】

遊戯とのタッグ・デュエルなどで活躍。
原作ではリストラされてしまった王国編のエース「炎の剣士」をここぞとばかりに使用していた。


【ドーマ編】

伝説の竜「ヘルモス」に選ばれ、ドーマとの闘いに遊戯達と身を投じていく。

何と舞がドーマ側に寝返っており、敵として戦うことになる。
いつの間にか真紅眼を遊戯から返してもらっており*4、モンスターの装備カードにした。

果てには儀式魔法によって真紅眼座の聖衣としか思えない鎧に変化させて自身に装備
レッドアイズの影霊衣と化してリアルファイトを繰り広げるという意☆味☆不☆明な絵が楽しめる。*5
その後、疲労困憊のまま孔雀舞との連戦となり決闘に敗れてしまう。
魂を奪われてダーツに利用されるも、ダーツの決闘後にはいち早く復活した。
ちなみにこのときの城之内はやたらガチカードを使用している。詳しくは後述。

ちなみに、彼のもの凄い猪木アゴの画像が出回っているが、それは舞戦においてギャンブルを成功させた時に感極まって見せたシーンのキャプである。


【KCグランプリ編】

今回でようやく大会に正式に参加できた。
バトルシティ編、乃亜編、ドーマ編と命を懸けたようなデュエルばかりやってきたせいか、
「デュエルを楽しむ」というのを忘れかけてたがある人物とのデュエルでその心を思い出した。
しかしラスボスのジーク相手に善戦するも敗北し、アニメにおけるラストデュエルとなった。

遊戯が使った魔法カード「凡骨の意地」に妙に反応したり、ジーク戦で手札事故を起こしたり
凄まじい顔芸を披露したり、ネタキャラが板についている。


遊戯王R

遊戯とKCビルに突入するが、序盤で本田とともに遊戯とはぐれてしまう。
だが、1人で何人ものカード・プロフェッサーに勝利。
高い実力を見せつけた。

【デッキ破壊】の北森玲子に巧みな話術で攻撃を仕掛けさせ勝利した所は賛否両論だが、
これはデュエルの基本である「モンスター同士のバトル」を怖がり、対戦を楽しめていなかった彼女への発破という側面が強く、
実際に玲子からも感謝されている*6
玲子が自身の戦術に誇りを持って堂々と戦っていたりしたら、さすがの城之内もこういう言動はしなかったと思われる。
まあ、アニメでのリシド戦を含めた他のデュエルでの言及的に一度はツッコむかもしれないが。

城之内ファイアーに変わる必殺技「城之内クラッシャー」が生まれたのもこの時。
ちなみにこの時も王国編のように、敵からデュエルディスクをぶんど…もとい借りている。
今回借りた相手は羽蛾程卑劣な奴じゃないので、ちゃんと色つけて返却はしているが。


【記憶編】

前世の人物に該当する人物がいないために、あまり深くは関わっていない(ゲーム『封印されし記憶』では一応、ジョーノというそっくりさんがいる)。
決闘を諦めかけた表遊戯を激励したり、原作では王国編以来の真紅眼の黒竜を召喚してゾークと戦ったりしている。


【闘いの儀】

表遊戯とアテムの決闘がメインなので当然ながら活躍する描写はないが、
彼の表遊戯に対する台詞は彼への信頼と友情を強く感じさせるものとなっている。


【デュエルの実力と使用デッキ】

当初は「なぁにこれぇ」なデッキ構成だったが、「決闘者の王国」出場のため猛特訓。
「炎の剣士」「魔導騎士ギルティア」といった、攻撃力1800前後の戦士・騎士系モンスターを中心としたデッキで王国に挑戦した。
バトルシティでも「鉄の騎士 ギア・フリード」「漆黒の豹戦士パンサーウォリアー」といった戦士系モンスターを愛用している。

前述したギルティアについてはアドバンス召喚のルールが新設されたため出番はほぼなくなった*7
「炎の剣士」はその後も何だかんだで使用している。

とはいえ、つい先日までずぶの素人だった城之内のこと、決してデッキの地力は高いとは言い難い。
例えば、ほとんどのメインキャラが使用している「死者蘇生」を原作では所有している様子がない(アニメでは使っている)。
同じく原作で多用された「魔法解除」もなく、魔法カードを除去するには「ハリケーン」を使用している。OCG的にはそっちの方が強いが

そんな彼を助けた最大の功績者は各種ギャンブルカード
「時の魔術師」(+「ベビードラゴン」)、「天使のサイコロ」等の運頼みのカードを多数使用。
異常な強運によって良い目をことごとく引き当て、何度も逆転勝利につなげた。
余りに強運すぎてギャンブルカードが全部失敗するイカサマを仕掛けられたりギャンブルカードメタを使われるほど。
Rでは本田に「デュエリストというよりギャンブラー」と評されている。

また、「墓荒らし」「ものマネ幻想師」で相手のカードを奪うのも得意な戦術の1つ。
カード資産の不足を補うと同時に、相手の戦略を逆利用して幾度となく強敵を罠にはめている。

更に、王国・バトルシティ通じて「アンティルール」で多くのレアカードを入手、デッキを大幅に強化している。
真紅眼の黒竜人造人間-サイコ・ショッカーはその代表格である。ちなみに「右手に盾を左手に剣を」はアニメではトレードで手に入れている。

バトル・シティ以降は、どこで手に入れたのか攻撃力2800の「ギルフォード・ザ・ライトニング」(城之内曰く「最強のしもべ」)を所有しているが、
おろかな埋葬と墓荒らしコンボなどで目立つサイコ・ショッカーの方が切り札としての印象が強いだろう。


墓地の有効性にも気付いており「おろかな埋葬」「クイズ」といった墓地利用カードなんかも多い。
墓荒らしも相手の墓地を利用したものであり、「墓地を利用したデッキサーチ」を有効に使いこなしている。

アニメオリジナル、特にドーマ編以降では何か開き直ったのかガチカードを大量使用し始めた。
「ファイバーポッド」、「ゴブリン突撃部隊*8
魔法罠では「奈落の落とし穴」「戦士の生還」「早すぎた埋葬」「はたき落とし」、
オリジナルカードでは効果でモンスターが特殊召喚された時にそのターンを終了する罠カード「誕生の祝福」や、
サイコロを振って出た目だけカードをドローし、同じ枚数デッキから除外する「運命の宝札」といったカードなど等、
現実のOCGでも規制を経験したor間違いなくOCGになり得ないガチカードを多用している。
また、「ハーピィの羽根箒」も所持はしていないが、使用したことがある。
他にも「魔導ギガサイバー」「サイバティック・ワイバーン」「ネコマネキング」なども使用しており、どのカードも効果やステータスを最大限活かしている。

単純で熱くなりやすい性格に加え、経験の少なさとカードプールの乏しさから、対戦したデュエリストからは(少なくとも初見では)総じてナメられがち。
が、実際の対戦では上述したとおり相手のカードを利用する、戦術や盤面を逆手に取って逆転するなど、
イメージとは裏腹にかなりトリッキーな戦術を取る(アニメDMでは海馬に「馬鹿を挑発し過ぎると何をしでかすかわからん」「奴の思考はKCのコンピューターでも予測不能」と言われている)。

アニメ版でのオリジナルデュエル「遊戯VS城之内」では、
闇遊戯、表獏良、ペガサスから「力押しの闘い」だの「パワーの城之内ボーイ」だの言われているが、
実際のところ、王国編だけ見れば遊戯よりも城之内の方がトリッキーな技で逆転するデュエルが多い。
事実直前のキース戦では圧倒的カードパワーで圧倒してくるキースに対しテクニックで応戦し、彼の一瞬の隙を突いて勝利した。
余談だがこの試合の城之内は異様なほど冷静。
戦う前は魔法が効かないことや罠を警戒せずに炎の剣士を犠牲にしたりといつも通りだが、先鋒のメタル・デビルゾアを倒した後は挑発をしながらも相手の攻撃を次々と対処。
また「地獄を見たことがあるか?」という「口撃」すらも、無言で睨みつけるのみの反応を示す等、冷静かつ徹底的に処理していた。
その時の彼の顔は言うなれば普通の表情なのだが、命のやり取りをするキース以上の恐ろしさを感じさせた。
この時の試合は「こいつ(キース)に勝てば事実上目的が果たせる」為、対戦相手を直接見ていた城之内と、
「こいつ(城之内)をさっさと倒して、ペガサスを倒すのが目的」の為対戦相手を見ていなかったキースとの差が勝敗を分けたと言っても過言ではないだろう。

また、遊戯とのタッグ戦は原作・アニメを併せて2回だが、そのどちらにおいても相互フォローで勝ちをもぎ取る見事なコンビネーションを見せている。

ただし、主要戦術は再三繰り返すように「相手のカードや戦術を利用してのビートダウン」であり、ロック系の相手は苦手。
防御カードのほとんどは「ライフが0にならなければ良い」といういかにも城之内らしいカード内容となっている。
具体的なラインナップは《体力増強剤スーパーZ》や《ハイパーフレッシュ》*9《1ドル銀貨》*10等。

また、その真価を発揮するのは主に「守らねばならない/助けねばならない何かを背負っている時」であり、逆にその手の背負うものが何もない=負けても何も失わない普通のデュエルでは運命力が低下しがち。


【余談】

上述の通り、城之内は海馬に様々なあだ名を付けられている。
当初は「負け犬」だったが、決闘者王国の決勝トーナメントまで残ったことで、
「馬の骨」に昇格し、バトルシティで「凡骨デュエリスト」にさらなる昇格を遂げた。

どれもひどい言い草だが、意味的には「敗者」→「無名な人」→「普通の人」であり、(海馬の中では)随分と城之内の株は上がっているようである。
勘違いされがちだが「凡骨」自体は悪口ではなく、海馬が悪口として使っているのは自分が優れているという思い込みからである。
アニメ版では一度、ポンコツに格下げされたこともあった(アルカトラズと絡めての言葉だと思われるが)。

凡骨以降も状況によって変えられてはいるが基本的には凡骨で通している。
例:雑魚、実験ネズミ、実験ネズミにもならん実験バエ、誇りある実験ネズミ、雑魚、三流、etc……。
ラーの翼神竜の攻撃に耐えきったことでついにデュエリストとして認められる。(アニメ版では3位決定戦が行われたからかまた凡骨ともいうようになったが)

TFSPの海馬シナリオでは直接対決することになり、馬の骨からすっとばして「城之内」に特進している。
それに対する返答は「お前に言われるまでも無く俺は城之内だ!」
確かに。

KONAMIもそれを気にいったのか、遊戯王OCGでは「凡骨の意地」や「馬の骨の対価」など、明らかに城之内を意識したカードが作られている。
効果はいずれも「通常モンスター(特殊能力のないモンスター)」をサポートするものであり、
プレイヤーの間では「凡骨」とは「通常モンスター」を意味する単語として認識されている。
実は社長の嫁こと青眼の白龍も「凡骨」の一員であることは密に、密に。

GBで発売されたゲーム版遊戯王の『4』は「遊戯バージョン」「海馬バージョン」「城之内バージョン」と無理矢理3分割されて発売されており、それぞれのバージョンごとに使用可能なカードが異なる。
大体原作で使用していたカードに沿っているのだが、そのせいで使用可能カードでは城之内バージョンがぶっちぎりで強いという有様に。
ちなみに遊戯バージョンはトラップや魔法が貧弱で一番使いにくい主人公なのに……
ただ、原作の時点で稚拙なプレイングを強力なカードと豪運で乗り切るプレイスタイルだったため、鋭い人は城之内バージョンを選んでいたようだが。

また、遊戯王のアニメで初めて手札事故を起こした人物でもある。*11
しかし、そんな彼もGXの時代にはあのペガサスから直々に、武藤遊戯(アテム)、海馬瀬人エド・フェニックスヨハン・アンデルセンと並んで才能のあるデュエリストと評されている。

遊戯王GXの最終回においても、新聞の記事にて顔のみ登場した。
何故かファンには有名な猪木顔で写っている。
スタッフ狙ったろ。

実は原作初期に一度、作者に名前を「友也」と間違えられたことがある。*12

偶然かどうかは不明だが、「墓地利用」「ライフが0にならなければ負けではない」という戦法は現在のOCGにて最善の考えである。
もしかしたら彼は原作の時点で一番M&Wを理解していたのかもしれない。



完全復活!
パーフェクト城之内様の追記・修正だぜ!

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