Episode Aegis(ペルソナ3)

登録日:2012/03/17 Sat 01:56:45
更新日:2025/02/08 Sat 21:36:29
所要時間:約 5 分で読めます





『Episode Aegis』とは、青春ジュブナイルRPG『ペルソナ3』の拡張版『ペルソナ3フェス』に追加されたエピソード。
タイトルのとおり、プレイヤーの分身たるキタローことP3主人公ではなく、彼を守り続けると誓った機械の少女・アイギスを主人公とした『P3』の後日談である。

概要

時系列は本編のエンディングから4週間後の2010年3月31日。キタロー達が生活していた巖戸大分寮が閉鎖される前日に起こる事件が描かれている。

ちなみにこの後日談では戦闘難易度がHARD固定の上にペルソナ全書が利用不可。加えてコミュボーナスも無いため、クリアがとても難しい。
更に、平和になった街を自由に歩き回る事も出来ずに何度もダンジョンの攻略を繰り返さなければいけないので、途中で飽きて放置するプレイヤーも多いとか。

しかし後日談だけで聴くことのできるBGMは良曲揃いで、特に本編の戦闘曲『Mass Destruction(いわゆる「ベイベベイベ」)』のアレンジ(通称「ベイベべ」)や終盤に流れる特殊戦闘曲『Heartful Cry』などは総じて高い人気を誇っている。
後日談エンディング曲『Brand New Days』は本編のエンディング曲『キミの記憶』に劣らない名曲。

ストーリーが賛否両論(後述)なのもあり、長らくプレイの機会に恵まれなかったが、2024年発売の『ペルソナ3リロード』のDLC、エクスパンションパスに収録される形で、2024年9月10日より配信開始。*1
メティスは実に17年ぶりの再登場となる。
また、時代に合わせ難易度選択が可能になった他、全書が本編から引き継ぎ可能だったりと、難易度面にも調整が入っている。

ストーリー

本編のエンディングから4週間後の3月31日。巖戸大分寮の閉鎖を明日に控えた『彼』の姿がない特別課外活動部(S.E.E.S.)のメンバーは、どうにもぎこちない空気の中でささやかなお別れパーティを開いていた。

1月31日の戦いでニュクスを倒し、それを原因としていた『無気力症(影人間)』や『影時間』も消えたものの、ストレガの終末信仰など爪痕が遺っている街。
そして、日付が変わる深夜0時。S.E.E.S.の面々は、消えたはずの影時間に似た違和感を覚える。

日付が変わったのに3月31日のまま動かない携帯電話の時刻表示。3月31日と知らせるテレビのアナウンサー。
日は「4月1日」に進まずに、「3月31日」で止まってしまったのだった。

止まってしまった時間の中。彼らは寮の床下から現れた謎の機械少女『メティス』の襲撃を受ける。
彼らを守るためペルソナを召喚するアイギス――だが、その力はアテナから「彼」と同じ『オルフェウス』となり、ペルソナ能力そのものも同じ『ワイルド』へと進化していた。

その力を受けて倒れるメティス。しかし彼女は、対シャドウ兵器としてはラストナンバーであるはずのアイギスを「姉さん」と呼んだ。

その後、拘束されて大人しくなったメティスが説明する。3月31日の深夜に体験した現象は『時間の空回り』と呼ばれるもので、
これを解決して次の日を迎えるには、寮の地下に現れた迷宮『時の狭間』を無くさなければいけないという。

S.E.E.S.の面々は「彼」の代わりのリーダーにアイギスを立て、新たに加入したメティスと共に時の狭間を消すための最後の活動を開始することになるのだった。


登場人物

本編で人の心を手に入れた対シャドウ特別兵器。後日談主人公。
ストーリーが始まってすぐに所持ペルソナのアテナがオルフェウスに弱体化したが、代わりにワイルド能力に目覚めて新しい特別課外活動部のリーダーになる。
メティスの進言でヘットギアとアサルトベストを着込むなど見た目が少し変わったが、HP寄りのステータスに概ね変化はない。
本編では使用できたオルギアモードと犬語翻訳機能が何故か使えなくなっている。

アイギスの妹を自称する、突然現れた機械の少女。
発売前は見た目からクール系の落ち着いた少女だと予想されていたが、実際は姉が大好きでからかわれるとすぐに怒るお子様な性格だった。
性能は荒垣真次郎の上位互換で、オルギアモードの性能は姉より優れている。

勝ち気・オシャレ好き・辛辣ツッコミなイマドキ女子。作品内外での愛称は「ゆかりっチ」。
本編中から比較的メンタルが不安定な点があったが*2、ある意味で本編以上の極限状況からか、何かとアイギスに嫉妬しているような描写や終盤の発言などがあり、心無いユーザーからゆかビッチと呼ばれてしまうなど割と不憫な子。
(しかし、彼女の発言や行動はキタローを想うゆえに出ているのでビッチというのとは違う気もするが*3)

お調子者のムードメーカー。本編では切迫した状況から周囲に八つ当たりをすることもあったが、今作では比較的冷静に振る舞っている。

超高校級ボクサーな熱血先輩。回想で中等部時代に桐条美鶴から部に勧誘されたのが明かされる。
ストーリー中はメティスの事を信用しておらず、彼女にキツく当たる描写が多い。

特別課外活動部部長。完璧超人お嬢様。
後日談の回想では、ペルソナが覚醒した幼少期の先輩と明彦を勧誘した中等部の頃のドリルヘアー姿を拝むことができる。

ナマイキさと礼儀正しさを併せ持つ、メンバー最年少の少年。後日談のオープニングで血を流したり、メティスに首を絞められて殺されかけたりするなどひどい目にあっている。
彼の回想では、過去に荒垣先輩が活動部を抜ける原因になった事件の詳細を知ることになる。

  • コロマル(CV:高橋紳也(リロード))
活動部の一員の犬。愛称はコロちゃん。
アイギスには彼と話ができる機能があるのだが、後日談ではうまく機能しなくなっている。

特別課外活動部のナビゲーター。後日談は技構成が厭らしい敵が多い(弱点属性を見切りで対処等)ため、彼女の能力をフルに活用しなければならない。
ストーリーでは、メンバーのギスギスした関係に不安になる描写が多い。

大いなる封印によって世界を救い、『命のこたえ』に辿り着いた本編主人公。
後日談の寮に彼の姿はなく、彼の話題になると全員の表情が暗くなる。ストーリーで彼のそっくりさんと戦うことになるが、かなりの強敵。


以下、ネタバレ











まず本編のストーリーについて

ラストシーンやエンディング曲『キミの記憶』などで示唆されながらも、『P3』発売時点では主人公の結末の明確な描写は無く、プレイヤーの間ではその解釈が分かれていた。また、当時のインタビューでディレクターの橋野桂氏が「エンディングの受け取り方はプレイヤーに任せる」*4と発言した事で、主人公の生死論争は激化した。その後、設定資料集における橋野氏の発言から主人公の死が確定。主人公生存を信じていたファンに大きなショックを与えた。

そんな中で、本エピソードを含む『ペルソナ3フェス』が発表。そのタイトルや発売前のプロモーション、スタッフへのインタビューから明るい後日談を予想するプレイヤーは多く、主人公の復活や救済を期待する声もあった。


しかしながら、その内容は
  • 物語の終盤、主人公を救うか否かで仲間達が対立。直接戦闘となる。
  • 最終的に主人公を救うことは出来ない
という重いものであり、多くのプレイヤーを動揺させた。シナリオへの批判はこの点に関するものが多い。一方で「P3に必要な物語」と評価プレイヤーもおり、正に賛否両論。他にも先述のキャラクターの描き方やゲームプレイの飽きやすさ、その後の制作者のインタビューが物議を醸す内容だった事も重なり、本作を批判する声*5は少なくなかった。

なお、ペルソナ3リロードにおけるdlcでは時代に合わせた細やかな調整がなされると公式サイトで告知している。

「リロード」


P3R、完結。


前述の通り2024年9月10日より「ペルソナ3リロード」の有料ダウンロードコンテンツとして配信。
リロードではEpisode Aegis専用のオープニングムービー「Disconnected」や、新たな戦闘BGM「Don't」の収録を始め、
「リロード」の要素に合わせた新要素や調整が含まれているとされる。
また、公式YouTubeチャンネルではPS2版のオープニングをモチーフとしたスペシャルPV「P3 fes -Reload-」も公開されている。




追記・修正は『フェス』もしくは『リロードDLC』をプレイしてからでお願いします。
















































リロードDLC追加キャラ(リンク先ネタバレ注意!)

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最終更新:2025年02月08日 21:36

*1 余談だが、配信日の9月10日はアイギスの初起動日。

*2 とはいえ、本編はひと通りプレイすればわかるとおりの極限状況。そんな中で(しかもそれぞれトラウマやそれに近しい過去を持ちながら)表面上は落ち着いている風花や天田などが際立って異常なのであって、ゆかりや順平は年齢相応…どころか各境遇を考えれば冷静なほうと言って差し支えないだろう。

*3 リメイク版開発中の女性スタッフに聞くと、ゆかりの言動が一番共感できるとの声が多かったそうな。

*4 同インタビュー内にて「扱うテーマが『死』というもの」「(結末について)わかりにくくしたつもりはない」「(解釈が分かれたのは)意外な反応」との発言もある。また、発売から2ヶ月程度の時期であったために、単にネタバレを避けたとも考えられる。

*5 批判する声があるのは確かだが、批判意見ばかりを強調したまとめ記事の作成やスタッフへの中傷を含む過度な批判、各種wikiでの項目荒らしなどの迷惑行為もみられるので、検索の際は注意が必要。