バハムート・シャーク(遊戯王OCG)

登録日:2012/09/28(金) 08:28:39
更新日:2025/04/07 Mon 09:20:22
所要時間:約 4 分で読めます





吠えろ未知なる轟き! 深淵の闇より姿を現わせ!!

エクシーズ召喚!!


《バハムート・シャーク》!!



バハムート・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100
水属性レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
EXデッキからランク3以下の水属性Xモンスター1体を特殊召喚する。
このターン、このカードは攻撃できない。



出た! シャークさんのエースモンスターだ!!

遊戯王ZEXAL(漫画版)における、シャークこと神代凌牙の切り札。

X素材を取り除く事でランク3以下のXモンスター1体を特殊召喚する効果を持っている。
レベル3からのランク3主体で戦ってきたシャークデッキの流れを汲んだ嬉しい効果と言えるだろう。
作中ではこの効果で《ブラック・レイ・ランサー》を特殊召喚した。

しかし、OCGでは特殊召喚できるモンスターは水属性に限定されているため、闇属性《ブラック・レイ・ランサー》を出す事はできない……。
もう《ブラック・レイ・ランサー》をいじめるのはやめてくれ……。

初登場時には「取り除いたオーバーレイ・ユニットを新たな素材としてXモンスターを特殊召喚する」効果だと説明されていたが、
二回目の登場以降は、この効果で特殊召喚されたモンスターは何故かX素材無しの状態で特殊召喚されている。OCG版に合わせたのだろうか。

攻撃名は「ゴッド・ボイス」、効果名は「ゴッド・ソウル」。


OCGにおいては、水属性の素材指定はあるものの、デメリット無しのレベル4×2のランク4の中では《ジェムナイト・パール》と並んで最大の攻撃力を持つ。
なので単体でもアタッカーとして活躍できる。あの《ヴェルズ・オピオン》にも殴り勝てる。
更に効果を使う事でボードアドバンテージを稼げるので強力である。
ただし、この効果を使ったターンはこのカードは攻撃できなくなる。

このカードの効果で呼び出せるカードの中で最高のステータスを持つのは《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》だが、X素材が無い状態で特殊召喚されるため、
プレイヤーの特殊召喚を封じてしまうデメリットに加えて攻撃できない&ダメージを受けるというデメリットまで付いてくる。
ただ、強制転移などを使って《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を送りつけて、これらのデメリットを相手に押し付けるという戦術を取る事が可能。
これに特化するデッキも面白いだろう。うまく決まれば後は溶けていく相手を眺めているだけで良い。

《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》に次いで攻撃力の高かった《No.17 リバイス・ドラゴン》は、X素材が無い場合はダイレクトアタックできないというデメリットを持っている。

このカードの登場時、このカードの効果で呼び出す事ができ、
素材なしの状態でもデメリットが無い水属性・ランク3の中で最高の攻撃力を持っていたカードはというと……

なんと《潜航母艦エアロ・シャーク》だった。

潜航母艦エアロ・シャーク

かなり大事なことなので(ry
デメリットなしのアタッカーとしての役割に加えて、《フィッシャーチャージ》や《水霊術-「葵」》の弾にする事もできる。
このカードのおかげで、《潜航母艦エアロ・シャーク》に活躍の機会が与えられたと言えるだろう。
もはや《潜航母艦エアロ・シャーク》のために出たカードなんじゃないかと疑うレベル。
他に《発条空母ゼンマイティ》もこのカードに対応しており、安定した攻守を持っているが、《潜航母艦エアロ・シャーク》程は有用ではない。


が、このカードよりも後に、《潜航母艦エアロ・シャーク》よりステータスが高く、
デメリットどころかメリット効果のあるランク3水属性モンスターとして、《No.47 ナイトメア・シャーク》や《水精鱗−アビストリーテ》が登場してしまった。

No.47 ナイトメア・シャーク》は攻守共に2000。
消費はかさむものの、手札か場にレベル水属性モンスターがいればX召喚でなくとも特殊召喚時に素材補充能力を備えているため、
直接攻撃効果を発揮できる。

《水精鱗−アビストリーテ》は、呼び出せるモンスターの中で最高の守備力を持つ。その守備力は2800。壁役としては申し分ない。
また、このカードの効果で呼んだ場合でも、水精鱗デッキなら、墓地の他の水精鱗を蘇生させる効果は破壊されれば問題無く使える。

他にも攻撃力1800で、戦闘破壊したモンスターを除外する《トライエッジ・リヴァイア》など。

これらは海竜族のため、《潜航母艦エアロ・シャーク》はまだ《フィッシャーチャージ》の弾として差別化できなくもないが、
魚族には《潜航母艦エアロ・シャーク》よりも攻撃力は100低いものの、守備力の高い《牙鮫帝シャーク・カイゼル》も存在する。
《潜航母艦エアロ・シャーク》の明日はどっちだ……。


DP神代兄妹編にて登場した《FA-ブラック・レイ・ランサー》はX素材の無い水属性・ランク3Xに重ねてX召喚できるため、
このカードの効果で呼びだしたランク3の活用の幅が増えた。
《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を除けば、どのモンスターを呼びだしても踏み台にでき、攻撃力2300、1回破壊耐性、戦闘でのモンスター破壊時に魔法・罠破壊効果を使える。
ランク4が即2体並ぶため、《FNo.0 未来皇ホープ》も出せる。
また、同パックにて《バハムート・シャーク》自体も再録されている。


ランク2以下を呼びだした場合ではFA化できず、ステータスも基本貧弱なので、
《アーマー・カッパー》の戦闘耐性効果を使うぐらいだった。

ところが、インベイジョン・オブ・ヴェノムで登場した《餅カエル》の登場により一変。
詳しい説明はガエルに譲るが、そこそこの打点に無効化に強奪にサルベージを兼ね備えたそいつを
素材縛りはあるとは言えよりにもよってランク4から呼び出すことが出来るようになり急高騰。
おかげで当時の環境で《ブリキンギョ》と《E・HERO バブルマン》を擁するHEROに採用され、このカードを出すためだけにオーシャンが採用されたりもした。(実は当時水属性・レベル4のE・HEROは泡男とオーシャンと泡男ネオだけだったので)

バージェストマXモンスターも特殊召喚できる。特に《バージェストマ・アノマロカリス》は、デメリットが無い水属性・ランク3以下の中で最高の攻撃力を持っている。



さて、上でも書いたようにこのカードには、効果を使用したターン攻撃できなくなるというデメリットがある。
このカードの効果で呼び出せるモンスターは、攻撃できないデメリットを持つ《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を除いてこのカードよりも攻撃力が低いものばかりである。

その為、効果を使った場合、ボードアドバンテージは稼げるものの単体で殴る場合よりも火力は劣り、
このカードの高攻撃力を持て余してしまう形となってしまう……
かと思いきや、


このカードが攻撃を行った場合でも、その後のメインフェイズ2で効果を発動できる

という裁定が出ている。

つまり、高攻撃力を持て余すこと無くボードアドバンテージを稼ぐことができるのである。
特に《餅カエル》を攻撃後に呼び出せば相手への牽制にもなり、こういう点でも相性の良さが浮き彫りとなった。


また、このカードを素材に別のXモンスターを呼びだすカードを使えば、攻撃できるXモンスターを2体並べられる。
《エクシーズ・シフト》なら、《No.32 海咬龍シャーク・ドレイク》に入れ替え、サンドバッグ効果と合わせて大ダメージが期待できる。
エンドフェイズの墓地送りデメリットも、《CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイス》に重ねて回避可能。

RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース》なら、ランク5CNo.を呼びだせる。
同じ水属性Xで、吸収効果を持ち、素材になくても墓地に《No.101 S・H・Ark Knight》がいれば復活効果も使える《CNo.101 S・H・Dark Knight》が筆頭。
さらに《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》につなげることで攻撃力と破壊耐性強化もできる。
《エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ》なら、他のランク5水属性も選択肢に入る。

ただしこれらの戦術を採用する場合、通常のX召喚するモンスターに加え、《バハムート・シャーク》で呼び出すランク3以下も合わせてEX圧迫しているところを、
追加でNo.32やCNo.まで必要となり、枠はそれだけでほぼいっぱい。手札事故との兼ね合いも考え、どのカードを採用するかは慎重に検討されたし。

とはいえこのカードは今後水属性・ランク3以下のXモンスターが登場するたびに選択肢が増え、有用性が増していくので、これからの発展に期待がかかる。


…と思いきや、時を経て結果は逆となった。
ZEXALの2作品後のシリーズ「VRAINS」に合わせて変更されたルールによって、このカードの単体での使い勝手は劇的に悪化した。
というのも、新マスタールールではEXデッキから召喚されたモンスターは特定条件下以外ではお互い一か所しか利用できないEXモンスターゾーンに置かなければならなくなった。
EXデッキから召喚されたこのモンスターは、そのままでは能力が発動できないのである。
形は問わず一度ゾーンから離れてしまえばモンスターゾーンに移動できるので、普通なら墓地からの特殊召喚や異次元物質転送装置で対処できるのだが、こいつはXモンスター。
フィールドを離れてしまうと素材が消え失せてしまうため、《エクシーズ・リボーン》などを使って補わなければならない。
召喚してすぐにXモンスターを呼びだせるのが強みなのに、召喚→場から離れる→復帰→素材補充→効果発動、と単体では非常に手間がかかるようになり、その効果による優位性は崩壊してしまった。

Lモンスターを使ってであるならリンク召喚→マーカー先にこのモンスターをX召喚→別のマーカー先に効果で特殊召喚、と制限は緩和されるが、それでも手間が増えてしまっている点は変わらない。
というか、これはこれでLモンスター用のEXデッキ枠と素材が必要なわけで、手間の代わりにそちらを用意することになる。いずれにせよ速攻性は大幅に低下しているし。
全く使えないという訳ではないが、果たしてそこまでやって投入する必要があるかは他のカードとの連携やこのカードへの愛着次第だろうか。

ちなみに《マスター・ボーイ》を出しつつコイツを呼ぶ最短ルートがあり、手札に必要なのは《レスキューラビット》と《エクシーズ・リモーラ》のみ。

  1. 《レスキューラビット》の効果で水属性レベル4の魚をリクルート
  2. 水属性ランク4をX召喚
  3. 《エクシーズ・リモーラ》SS、コストとして除去した素材の魚を蘇生
  4. 水Xとどれか1体で《マスター・ボーイ》SS
  5. 残りの2体で《バハムート・シャーク》SS

結果:リンク先を確保して強化済みの《バハムート・シャーク》降臨。
《エクシーズ・リモーラ》がいない場合、《ジェネレーション・フォース》でサーチすることも考えられる。

なお、VRAINS終了後の2020年4月からはARC-Vまでと同様の動作が出来るように成った。
上記コンボは必須では無くなったが、組み込んでおくとそれなりに便利。

そしてついに遊戯王デュエルリンクスでも実装された。
…のだがメインフェイズ2が存在しない関係上、効果と攻撃のどちらかしか行えないジレンマが遂に発生してしまった。
とはいえランク4で攻撃力2600とEXからの特殊召喚は単体でも十分強い為、採用の価値はある。


【相性の良いカード】
海皇の竜騎隊
X素材として取り除かれ墓地に送られても発動できるため、さらにアドバンテージが稼げる。

リチュア・エリアル&リチュア・ビースト
ビーストの効果から手軽に出せ、《リチュア・エリアル》はビースト対応&優秀な壁&ビーストサーチ可能、と相性が非常に良い。
《バハムート・シャーク》特化デッキはエリアルが一番輝く場所かもしれない。

■ブリキンギョ
自身が水属性なので、手札に特殊召喚可能なレベル4水属性がいれば素材が揃う。手札で腐ったバニラや《E・HERO バブルマン》なんかを有効活用可能。

レスキューラビット
言わずもがな。採用するバニラを《メガロスマッシャーX》にすれば《エヴォルカイザー・ラギア》と二択を持てる。

E・HERO バブルマンE・HERO リキッドマン
ヒロビの選択肢としてバハムートを入れるもよし、逆にヒロビから出張させてバハムートに特化させてもよし。

マスター・ボーイ
サーキットブレイクで登場した水属性Lモンスター。
水属性の攻撃力を500上げる上にマーカーは下向きの二つであるため、新マスタールール下での【バハムート・シャーク】では必須カードだった。





追記・修正は《ブラック・レイ・ランサー》と《潜航母艦エアロ・シャーク》の明日を憂いながらお願いします。

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