ヴェルズ・オピオン(遊戯王OCG)

登録日:2012/05/20(日) 10:26:16
更新日:2025/04/06 Sun 09:37:06
所要時間:約 4 分で読めます





エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2550/守1650
レベル4「ヴェルズ」モンスター×2
(1):X素材を持っているこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。
(2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「侵略の」魔法・罠カード1枚を手札に加える。


DUEL TERMINAL -破滅の邪龍 ウロボロス!!-で登場したカード。

注目すべきはその特殊召喚を封じる第1の効果の拘束力である。

簡単に言えば、上級モンスター(レベル5以上)の特殊召喚を多用するデッキは機能停止するのである。
例えば、【ジャンクドッペル】【X-セイバー】【カラクリ】【ラヴァル】【TG代行者】【インフェルニティ】などはこのモンスターがX素材を持ってフィールドに立っているだけで切り札を繰り出すのを封じられ、(対抗策が無ければ)なぶり殺されるのを指をくわえて眺めることしかできない。

またシンクロ主体で無くとも【リチュア】【暗黒界】【聖刻】【マシンナーズ】などの高レベルモンスターの特殊召喚を多用するデッキに対しては凄まじい影響力を持つ。
また、《サイバー・ドラゴン》等の半上級モンスターの特殊召喚を封じることが出来るので、相手のランク5以上のXモンスターが出てくるのを遅らせることも出来る。
実質的にE・HEROの超融合にも耐性を持っていることになる。

この効果は自分も及ぶものの、ランク4X召喚が戦法の主軸であるヴェルズデッキには問題ない。
ただし、闇属性デッキのお供の《ダーク・アームド・ドラゴン》や、エクシーズと相性がいい《トラゴエディア》などを採用する場合は注意。

さらには同じヴェルズの名を持ち特殊召喚を阻害する効果の《インヴェルズ・ローチ》では対処できないチェーンブロックに乗る特殊召喚も防げるため、《死者蘇生》や《冥府の使者ゴーズ》などにも強い。
また、特殊召喚対策の効果を持つヴェルズのXモンスターには《ヴェルズ・ナイトメア》も存在する。
どれも役割が違うので、うまく使い分けていきたい。

(2)は「侵略の」魔法・罠カード1枚をサーチする効果。
モンスターで対処出来ないならば魔法罠で処理…といきたいが、この効果によりそれも防げるのである。

この効果で場のすべてヴェルズに魔法罠の耐性を持たせる《侵略の汎発感染》をサーチすれば、《ヴェルズ・オピオン》だけでなく他のヴェルズモンスター達も一緒に《聖なるバリア −ミラーフォース−》や《ブラック・ホール》や《次元幽閉》などから守ることができる。
手札で腐ったヴェルズをデッキに戻し、必要なヴェルズをサーチできる優秀な永続罠《侵略の浸食感染》等も引っ張ってこれる。


ステータスの面では攻撃力2550というなんだか中途半端な数字だが、この50という数字がなかなかいやらしい。
汎用性が高いランク4・ランク3のモンスターの《No.39 希望皇ホープ》や《No.17 リバイス・ドラゴン》(一段階強化)等ではギリギリ攻撃力が足りず同士討ちにも持ち込めない。
この攻撃力のおかげで《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》や《ジェムナイト・パール》の需要が増したとも言われている。
ただし、ホープに関しては《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》等を重ねられて突破される事もあり得るので油断は禁物。

ヴェルズで採用すれば特殊召喚が容易な《ヴェルズ・マンドラゴ》やヴェルズ専用二重召喚を内蔵した《ヴェルズ・カストル》、サルベージした上召喚権を増やす《ヴェルズ・ケルキオン》、場持ちの良い《ヴェルズ・サンダーバード》などがいるので簡単に繰り出せる。

X素材にヴェルズしか使用できないので【ヴェルズ】にしか採用できない……などということはない。

バニラモンスター《ヴェルズ・ヘリオロープ》の存在から《レスキューラビット》軸のデッキにも採用でき、そのインチキ拘束力を思う存分発揮できる。
実際に《セイバーザウルス》と《エヴォルカイザー・ラギア》を投入したデッキ【ヴェルズラギア】は大会でもよく入賞しており、一時期はこちらの方が主流な構築になっていた。
なお、現在では優秀な効果を持つ《ヴェルズ・ケルキオン》が登場したこともあり、【ヴェルズ】の方が主流な構築になっている。(なお、兎とヘリオロープはこちらでも採用されることが多い。)


弱点はレベル4以下のモンスター効果や、レベルを持たないXモンスターとLモンスター。
N・グラン・モール》や《異次元の女戦士》や【甲虫装機】などは通常召喚から処理され、《鳥銃士カステル》などの優秀な除去を抱えるランク4に何も干渉できない。
特に《S:Pリトルナイト》はあらゆるデッキに投入されている為、あっさりと除外されてしまい帰還してもX素材を失っているので(1)の効果が適用されない。
また、《侵略の汎発感染》で魔法・罠に耐性を持てるとはいえ、永続的に耐性を持てるわけではないので過信は禁物。
《侵略の汎発感染》はダメージステップに発動できないため収縮等のコンバットトリックにも弱い。
最近はこのカードの弱点も増えてきたので、デッキ(サイドデッキ含む)に対策カードは投入しておきたい。

また、効果が刺さりにくいデッキが相手だと、思ったよりも活躍できない可能性もある。
例えば、下級モンスターだけで戦うデッキや、アドバンス召喚主体の【】や【インヴェルズ】、【終焉のカウントダウン】など、元から上級モンスターの特殊召喚に頼らないデッキにはあまり刺さらない。

その強さから2014年2月の制限改定をもって制限カードになった。
……が、環境の抑止力としてやっぱ優秀だと思われたのか7月にあっさり準制限に緩和。
しかしながらこいつの拘束能力を軽々と封印出来る影霊衣の登場で徐々に立場が怪しくなり、2015年1月には遂に無制限に緩和される事となった。
OCG的にも元ネタ的にも相性が悪かった。
以後もランク4が主力の環境になって、《ヴェルズ・オピオン》を見ることはほとんど無くなる。

しかし、《青眼の白龍》が強化されると、再び《ヴェルズ・オピオン》の活躍の場も増えてきた。

現在ではレベルを持たないX召喚とL召喚もあり、他の特殊召喚できない永続効果の種類も頭角を見せたことでやや逆風気味。
シンクロや融合などの場合にサイドデッキから使うにしても、《S:Pリトルナイト》をはじめとしたモンスター効果の除去が苛烈なのもあり採用率は低下傾向にある。
とはいえこいつがいる限り壊獣系モンスターからの除去は防げているところは評価されている。

イラストやステータスを見るにグングニールがヴェルズ化した姿と思われる。
他の2体と比べ、GSでただのノーマル収録だったため価格が暴落したり、相方の《デブリ・ドラゴン》が制限になったり、素材縛りのせいで1体だけEXデッキからはぶられる事が多かったりと、なにかと不憫な扱いを受けることが多かっただけに闇堕ちしたときの暴れっぷりが凄まじいのだろう。


追記修正は兎でヘリオロープを2体出してからお願いします。

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最終更新:2025年04月06日 09:37