海皇(遊戯王OCG)

登録日:2013/11/09 Sat 02:19:55
更新日:2025/03/28 Fri 21:37:49
所要時間:約 3 分で読めます




海皇(遊戯王OCG)とは遊戯王OCGのテーマの一つ。
ストラクチャーデッキ海皇の咆哮より登場した。


【概要】

古くは《ユベル》や《レインボー・ネオス》、《終末の騎士》等が収録されたPHANTOM DARKNESSにおいて《海皇の長槍兵》と言うカードが存在していた。

この《海皇の長槍兵》と言うカード、レベル2のバニラ最高の攻撃力を持って登場したカードであり、ローレベルアトランティス等で活躍していた。
…要はアトランティスロックで使うロックパーツや《下克上の首飾り》等に非常に相性がよかったのだ。
なのでかつては地味ながら一定の知名度と人気のあるバニラだった。

そのフレーバーテキストに「海皇に仕える」等と言う一文があり、ファンの間では冗談半分で「海皇ってテーマが何時か来るよな」なんて話題になっていた。
…そして5年の月日が経った2012年6月。

海皇がメインを張るストラクチャーデッキ「海皇の咆哮」発売。
これにより海皇が完全にカテゴリと化した。(ちなみに水属性主体のストラクチャーデッキの発売は海竜神の怒り以来7年ぶり、いろいろ凄いね!)
ある意味六武衆とゆかいな紫炎たちが来る前の《紫炎の影武者》の再来。

さてさて。
海皇のテーマとしては水属性海竜族で統一、守備力か攻撃力が0の下級が多いテーマである。
「水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時」に発動する効果を持っているカードが大半。
なので海皇単体だとシナジーは非常に薄いのだが、他のカードを組む事で真価を発揮する。
てかむしろ水精鱗のお供、あるいは《瀑征竜-タイダル》や《氷結界の龍 グングニール》コスト要員。
人によっては《ジェネクス・ウンディーネ》のコストにも。滅茶苦茶ガチなお友達いっぱいである。

ちなみに水精鱗のエンジン・サポートのイメージの強い海皇だが、むしろ設定は海皇の方が水精鱗の上司。
海皇とはライバル炎王との膠着状態を打開する為、秘宝を奪い水精鱗を手下に付けたとのこと。
…折角手下を作った結果コスト扱いと言うのも悲しい話だが。


【海皇の関連カード】

通常モンスター

  • 海皇の長槍兵
通常モンスター
星2/水属性/海竜族/攻1400/守 0
海底を支配していると言われる、海皇に仕える長槍兵。
深く暗い海の底から襲いかかる長槍の連続攻撃は、深海魚たちに恐れられている。

通常モンスターながらわりと秘められたスペックは高い。
《下克上の首飾り》や《伝説の都アトランティス》等、登場当時から優秀なカードである。
後には《深海のディーヴァ》や《ジャンク・シンクロン》等相性の良いチューナーも登場する。
後には《深海のディーヴァ》からX召喚や《カメンレオン》の発売等、間接的な追い風も多い。

下級モンスター

  • 海皇の竜騎隊
効果モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1800/守 0
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分のレベル3以下の海竜族モンスターは直接攻撃できる。
(2):このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから「海皇の竜騎隊」以外の海竜族モンスター1体を手札に加える。

海皇水精鱗デッキでは必須と言っても過言ではないレベルのカード。水精鱗の台頭で一時は制限カードになっていたが、環境から退いたことで無制限カードに。
こいつを《水精鱗-メガロアビス》や《瀑征竜-タイダル》や《ジェネクス・ウンディーネ》の効果で墓地に送り、手札を切らさないサーチカードとして使いたい。
また地味に《カメンレオン》対応だったり《バハムート・シャーク》の素材にも優秀なカード。
忘れがちだが前半のダイレクト効果も中々。《海皇の狙撃兵》が隣にいたらうまうまである。

  • 海皇の狙撃兵
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、 デッキから「海皇の狙撃兵」以外のレベル4以下の 「海皇」と名のついた海竜族モンスター1体を特殊召喚できる。
また、このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時、 相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する。

攻撃力が低いので前半の効果はダイレクトアタック時に使う事になる。《海皇の竜騎隊》や《ナイトメア・シャーク》と相性が良い。
後半の効果は相手のセットされたカードを破壊する効果。速攻魔法や罠カードをチェーンして発動される恐れがある点には注意。
他の海皇にも言える事だが、弱点は《ソウルドレイン》。
あと《D.D.クロウ*1や《墓穴の指名者》にも弱い。

  • 海皇の重装兵
効果モンスター
星2/水属性/海竜族/攻 0/守1600
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにレベル4以下の海竜族モンスター1体を召喚できる。
(2):このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動する。
その相手の表側表示のカードを破壊する。

どちらの効果も優秀なカード。
前半の効果は生きる二重召喚。こいつと《深海のディーヴァ》だけで《氷結界の龍 グングニール》や《ブラック・ローズ・ドラゴン》のシンクロが行える。
後半は相手の表側表示のカードを破壊する効果。《海皇の狙撃兵》よりもこちらの方が発動する機会は多いだろう。
スキルドレイン》などのフィールドに対してのみ無効化が働かない効果が意外と多いので、その穴を突けることも大きい。
後に12期でコストで墓地にカードを送る新規が増えたため、有用性は更に強化された。

  • 海皇の突撃兵
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0
自分フィールド上にこのカード以外の 魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合、 このカードの攻撃力は800ポイントアップする。

ストラクチャーの発売の2ヶ月程前に、フライングする様にRETURN OFTHE DUELISTで登場した水属性・海竜族の下級モンスター。
フライングした罰か、水属性のカードの効果から墓地に落ちた時に発動する効果は持っていない。
レベル3で2200打点と言うと優秀そうに思えるが、展開前提で自身の攻撃力に関わる能力しか持っていないため微妙。
《海皇の狙撃兵》からリクルートすればこの打点で攻撃した後ランク3エクシーズにつなげられる。

  • 真海皇 トライドン
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻1600/守 800
このカードと自分フィールド上の海竜族モンスター1体をリリースして発動できる。
手札・デッキから「海皇龍 ポセイドラ」1体を特殊召喚する。
その後、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

他の海皇と違って《海皇龍 ポセイドラ》を直にサポートするカード。
現状海皇水精鱗デッキでは《海皇龍 ポセイドラ》を使用しない構築が多いため、こちらも採用する必要はない。
しかし海皇では数少ない「能動的に海皇の効果を使える」貴重な一枚。
《海皇龍 ポセイドラ》召喚時の弱体化も、奈落などの発動を許さない優秀な効果を持っている。

  • 海皇子 ネプトアビス
効果モンスター
星1/水属性/海竜族/攻 800/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の「海皇」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の「海皇」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、
「海皇子 ネプトアビス」以外の自分の墓地の「海皇」モンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを特殊召喚する。

9期の「クロスオーバー・ソウルズ」のワールド・プレミアカードの1枚として収録された久し振りの海皇。
イラストでは他の海皇モンスターと違ってほぼ人型をしており、《水精鱗-ガイオアビス》のそれと似た鎧を纏い、同様の武器を持っている。

(1)(2)の効果は同一ターンに両方とも発動できるとはいえ回数に制限があり、また自己完結を防ぐためなのか自身と同名のモンスターに効果を及ぼせない様にデザインされている。
しかし効果自体は非常に強力なもの。

(1)の効果は海皇のサーチであるが、はっきり言って本命は《ジェネクス・ウンディーネ》同様にデッキの海皇をコストにできること。
自身の効果発動のついでにデッキの海皇の効果を自由に選んで発動でき、《ジェネクス・ウンディーネ》と同じく自身の効果とコストの海皇の効果で2枚のアドバンテージを得られる。
ここで《海皇の竜騎隊》を落とすと、《灰流うらら》に二択を迫れる。
さらに、デッキの海皇を墓地に落とすのは「コスト」なので、手札誘発(遊戯王OCG)などで効果が無効化されていても問題なく落とせるというのも強み。

(2)の効果は(1)でコストにした海皇を蘇生できるので非常に噛み合っており、蘇生対象にレベルの制限がないので、《海皇龍 ポセイドラ》を対象にできれば即座に高打点モンスターを場に呼び出せるのだ。
そして一番大事なのが星1というレベルの低さ。
召喚時に星3以下の海竜族1体をデッキから特殊召喚できる深海のディーヴァ、星1をデッキから特殊召喚する通常魔法《ワン・フォー・ワン》から呼び出せる等、場に出すにはあまり苦労しない。
特にチューナーである《深海のディーヴァ》は様々なコンボの起点として《海皇子 ネプトアビス》とは極めて相性が良く、《深海のディーヴァ》1枚からいくつかの鬼畜なコンボが開発されている。
そもそも手札に《海皇子 ネプトアビス》と水属性モンスター1枚があれば後攻1killでき、そのぶっ壊れっぷりから水精鱗海皇が再び環境入りの兆しを見せている。

  • 海皇精 アビスライン
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1600/守1600
このカード名はルール上「水精鱗」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードと自分の手札・フィールドの、「海皇」モンスターか「水精鱗」モンスター1体をリリースして発動できる。
デッキからレベル7の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。
このターン、自分は水属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):相手ターンに、墓地のこのカードを除外し、手札を1枚墓地へ捨てて発動できる。
自分は1枚ドローする。

12期の「RAGE OF THE ABYSS」で遂にやってきた新規カードその1。
水精鱗としても扱われるため、【水精鱗】と明確なシナジーを得た。
効果は手札の自身と手札・フィールドの海皇・水精鱗1体をリリースしてデッキからレベル7魚族・海竜族・水族1体をサーチかリクルートする効果と、
相手ターン中にこのカードを墓地から除外して更に手札を1枚墓地に捨ててのフリーチェーンの1ドロー。
召喚に制約が付くがリクルートとサーチの範囲は広く、ドロー効果もコストで手札を墓地に送るので《海皇の重装兵》を筆頭とした海皇カードともシナジーがある。

最上級モンスター

星7/水属性/海竜族/攻2800/守1600
自分フィールド上のレベル3以下の 水属性モンスター3体をリリースして発動できる。
このカードを手札または墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、 フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。
この効果でカードを3枚以上手札に戻した場合、 相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は 手札に戻したカードの数×300ポイントダウンする。

自身の効果での特殊召喚が決まれば、《ハリケーン》に加えて相手を弱体化させると言う鬼畜カード。
…ただし重すぎて中々決まらない上に、リリース要員となるモンスター達で他の戦法を取った方が良い場合も多い。
むしろこいつは専用サポートの《真海皇 トライドン》がいなければ採用する意義も薄い。
あるいはアトランティスデッキではリリース1体から出せるアタッカーにできるか。
詳しくは項目を参照。

エクシーズモンスター

  • 海皇龍神 ポセイドラ・アビス
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/水属性/海竜族/攻3000/守1800
レベル7モンスター×3
「海皇龍神 ポセイドラ・アビス」は1ターンに1度、自分フィールドの、「海皇」Xモンスターか「水精鱗」Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、手札・デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
相手フィールドのカードを3枚まで手札に戻す。
(2):X召喚したこのカードが墓地へ送られた場合、手札を1枚捨てて発動できる。
自分の手札・墓地からレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター3体を特殊召喚する。

12期の「RAGE OF THE ABYSS」でやってきた新規カードその2。
レベル7モンスターを3体素材に要求するとんでもない重さと思いきや、海皇・水精鱗エクシーズの上に重ねて出せるため召喚はそこまで苦ではない。
効果は素材2つと手札・デッキの水属性モンスターを墓地にコストとして送っての相手フィールドのカード3枚バウンズという非常に豪快な効果。
更に墓地に送られると手札を1枚捨てて手札・墓地のレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター3体を特殊召喚する効果を持つ。
全体的に手札消費は重いがコストに海皇を用いることでアドバンテージのリカバリーは可能。

●魔法

  • 海皇の咆哮
速攻魔法
自分の墓地のレベル3以下の海竜族モンスター3体を選択して発動できる。
選択したモンスター3体を墓地から特殊召喚する。
このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。

発動条件がかなり厳しいが、決まれば強力な蘇生カード。
最後の一文が辛く、出来れば相手ターンのエンドフェイズ時に発動したい。



追記・修正は水属性のカードの効果から墓地に落ちてお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王OCG
  • 水属性
  • 海竜族
  • コスト
  • 海皇
  • 水精鱗
  • 海皇水精鱗
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCGデッキ項目
  • 遊戯王OCGカテゴリ項目
  • ストラクチャーデッキ
最終更新:2025年03月28日 21:37

*1 効果発動前に狙われるとデッキから除外されたことになるため発動できない