海竜族(遊戯王OCG)

登録日:2022/02/11 Fri 06:45:50
更新日:2025/05/05 Mon 13:18:28
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深海より轟く咆哮!

戦いの幕は上がり海皇龍ポセイドラがついにその姿を現す!!


海竜族とは、遊戯王OCGにおけるモンスターの種族の1つ。



概要

海竜や首長竜、そして人魚が主に属する種族。
属するモンスターはその大半が水属性

この種族は予てより魚族水族と一括りにして扱われることが多い。
そのため「独立した種族」ではなく「水系の種族の一部」という認識が根強い。

数ある種族の中で、あまり公式からの扱いが良くない「不遇」側と言われがちな種族である。
理由は以下の通り。

  • モンスターの総数が少ない
(神属性の種族を除けば)全種族中ワーストのモンスター数になる。2024年10月時点で属するモンスターは94体
遊戯王の最初期から存在する種族の中でも、モンスター総数が二桁の種族は海竜族のみ。
後発のサイキック族サイバース族にもグングン追い抜かされている。
「水系の種族の一部」という意識、そもそも「海竜」という種族の定義も曖昧なことが否めないため、似たような雰囲気のドラゴン族幻竜族にモンスターが流出しやすい事が理由として考えられる。

  • 攻守ステータスにも恵まれていない
種族自体の特徴として「レベル3以下を主にサポートする効果が多い」という部分もあるが、なんと攻撃力・守備力共に3000以上のモンスターが長いこと不在の種族でもあった。
攻撃力3000以上は《剣闘獣ドミティアノス》、守備力3000以上は《未界域のオゴポゴ》が初めてになるが、なんと両者ともに10期(最初期から約18年後の2017年)に登場したカードである。
それまでは2005年と2006年に出た《海竜神-ネオダイダロス》と《スパイラルドラゴン》(2900)が、長いこと海竜族最高値であった。
しかもこのドミティアノス、実は「効果を持った初の海竜族融合モンスター」である。
それ以前の海竜族融合モンスターは効果を持たない《アクア・ドラゴン》のみだった。

とにかくカードの量に恵まれない状況が連綿と続いている種族というのは否めない。
ただし、だからと言って良いとこ無しの種族かと言えばそんなことはなく、中には《氷結界の龍 ブリューナク》や《ラヴァルバル・チェイン》のように、環境にも大きな影響を与えたモンスターも少数ながら存在する。
どのような海竜族モンスターがさらに輩出されるのか、今後に期待といったところ。

アニメ・漫画では、ZEXALにて神代凌牙が他の水系の種族と一緒に多用している関係もあり、エクシーズモンスターの幅がやや広い。
逆に魚族エクシーズモンスターは異常に少ない。


代表的な海竜族関連カード

個別項目のあるものは下線付きで表記。これ以外は タグ:海竜族 も参照。

メインデッキの海竜族モンスター

通常モンスター

  • 海竜神(リバイアサン)》(☆5)
初期に登場した通常モンスター
「王国編」における梶木漁太の切り札であり、アニメにも登場している事もあって知名度は高い。

効果モンスター

  • 《海皇の竜騎隊》(☆4)
フィールドに存在する間、自分のレベル3以下の海竜族モンスターに直接攻撃効果を付与できるモンスター。
海皇】ではリクルート効果を持つ《海皇の狙撃兵》とセットで用いられる事が多い。
《伝説の都 アトランティス》下では自身がレベル3・攻撃力2000のダイレクトアタッカーと化すので、状況次第では1ターンキルも可能な高火力を叩き出す事ができる。
水属性モンスターの効果のコストとして墓地へ送られた場合には《海皇の竜騎隊》以外の海竜族をサーチでき、アタッカーにもサポーターにもなれる【海竜族】デッキのキーカード。

召喚したときにレベル3以下の海竜族モンスターを、デッキから特殊召喚する。
海竜族のみをサポートする初のカードであり、また効果も非常に有用なのでこちらも【海竜族】を代表するキーカードと言える。
《深海のディーヴァ》1枚で《氷霊神ムーラングレイス》を呼び出すなど器用な真似も可能で、一時は制限カードにも指定された。

2020年には、同じ水属性・海竜族で《深海のディーヴァ》と関連の深い「深海」カード群が登場している。
《深海の怒り》?それは魚族ですね

  • 《カイザー・シーホース》(☆4)
ダブルコストモンスターの光属性担当。
名前はまさにカリスマデュエリストそのものだが、中途半端なステータスと種族が災いし活躍の機会は殆どない。
「初のダブルコストモンスター」にして「初の水属性でない海竜族」と初づくしではあったのだが……。

  • 《海竜神-リバイアサン》(☆5)
梶木漁太の切り札・《海竜神》のリメイクカード。
元の《海竜神》から攻守を200足した値と、ステータスは《》の効果を意識して決定した模様。
「《海》が存在する限り水属性モンスター以外は1体しか存在できない効果」・「《海》または『リバイアサン』or『シーステルス』魔法・罠をサーチする効果」を持つため、【海】デッキでは制圧要員として機能する。
レベル5のため《伝説の都 アトランティス》とも相性が良い。

自分のフィールド魔法《海》をコストにした全体破壊効果を持つ。
後に様々なサポートカードが登場する【】デッキの古参モンスター。それ故か、様々な派生モンスターが定期的に登場している。
上位体の《海竜神-ネオダイダロス》も登場し、こちらも全体破壊効果を持つ。

  • 《水精鱗-メガロアビス》(☆7)
水精鱗のエースアタッカー。水属性モンスターをリリースして2回攻撃できる効果を持つ。
レベル7で攻撃力2400と帝クラスなので一見凄そうには見えない。
しかし、手札を2枚捨てて特殊召喚する効果のおかげで海皇との相性が抜群。
その特殊召喚ついでに水精鱗のサポートカードであるアビス魔法・罠カードもサーチできる。
総じて、消費が重たいこと以外は隙の無い働きを見せる。

  • 《彩宝龍》(チューナー・☆5)
デッキから手札に、または墓地から手札に加わった時に特殊召喚できる。
レベル5のチューナーでありながら自己特殊召喚効果を狙いやすく、つまり各種素材としても使いやすい。

アニメ遊戯王GXにて、三沢大地が所持する【水属性】デッキのエース。
炎属性or炎族のモンスターの攻撃力を0にする効果を持つ。
炎メタとして見ると、ステータスを下げるだけで効果を無効にできないなどかなり微妙。
何とか活かそうと《DNA改造手術》や《DNA移植手術》で炎を指定すれば、《ウォーター・ドラゴン》「も」炎になって攻撃力0になるドジっ子属性持ち。
一番の問題は《ハイドロゲドン》2枚+《オシキゲドン》+《ボンディングH2O》の計4枚を消費する召喚方法が重すぎること。
そのせいで素材の《ハイドロゲドン》が評価もレアリティも上になってしまった。

2018年にリメイク版の《ウォーター・ドラゴン-クラスター》が登場。
「手札・デッキから《ウォーター・ドラゴン》2体を特殊召喚する効果」を持つため、ランク8のX召喚に使えたりと使い勝手は格段に良くなった。
しかし単体では役に立たない点などは相変わらずで、事故の危険性までは拭いきれていない。

  • 《氷霊神ムーラングレイス》(特殊召喚・☆8)
霊神の水属性担当。
特殊召喚成功時にランダムで2枚ハンデスという極めて強力な効果を有している。
それだけでなく《海皇の竜騎隊》でサーチができ、《深海のディーヴァ》1枚から《氷霊神ムーラングレイス》の召喚まで漕ぎつけたりと、「強い効果と使用上の負担の無さ」を両立させた恐るべきモンスター。
しかし環境の高速化が進み、除去手段も豊富となった現在は「自身が除去された場合、次の自分バトルフェイズをスキップ」という霊神共通のデメリットが見過ごせない点となっている。

儀式モンスター




エクストラデッキの海竜族モンスター

融合モンスター


シンクロモンスター

S召喚黎明期に登場した、『DUEL TERMINAL』出身のレベル6シンクロモンスター。
手札コストを払うことでフィールドのカードを手札バウンスする。
相手の目障りなカードを始末する用途にしても悪くない性能ではあり、かつてはトップクラスの採用率を誇っていた。
だがそれ以上に「効果の回数制限がない(手札コストさえ確保できれば何度でも効果を使える)」・「自分のカードもバウンスできる」という理由から、
早すぎた埋葬》を始めとする「バウンス・ループコンボ」の支柱として名を轟かせるようになる。
一時は海竜族初の禁止カードになるも、「1ターンに1度だけ・相手のカードしかバウンスできない」エラッタを施されて制限解除された。

  • 《深海のコレペティ》(チューナー・☆5)
水属性モンスターを手札コストにした自己強化と、墓地に行った際に上級水属性を蘇生する効果を持つシンクロチューナー。
効果自体は「悪くない」くらいのものだが、一番の特徴はS素材として「《深海のディーヴァ》」を名指ししている事。
これにより、《シンクロ・オーバーテイク》によって《深海のディーヴァ》をサーチ・サルベージorリクルート・蘇生できるようになった。

エクシーズモンスター

  • 《トライエッジ・リヴァイア》(★3)
フリーチェーンで相手モンスターの弱体化と効果無効化を行えるエクシーズモンスター。
ついでに戦闘破壊したモンスターをゲームから除外する。
対モンスター性能は高いものの、素材指定が「レベル3モンスター×3」と重めなのがネック。

自分の水属性モンスター1体に直接攻撃効果を付与するエクシーズモンスター。
自身にも効果を適用できるので、2000のダメージを稼ぐこともできる。
直接攻撃にてその条件を満たすことから、近年は《天霆號アーゼウス》に進化する役目も生まれている。

初期のシャークさんの切り札を務めた深海の帝王。
戦闘破壊に成功したときに、破壊された相手モンスターを弱体化した上で蘇生させる。
更に連続攻撃の効果も発生するので追撃が可能。
獰猛さはピカイチだが、素材指定が「レベル4モンスター×3」と重いのが欠点。

「水属性レベル4モンスター×2」をX素材に指定するエクシーズモンスター。
水属性・ランク3以下のエクシーズモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できる効果を持つ。
X素材を所有していない状態で直接エクストラデッキから引っ張り出すので、蜜月のカードはやや限られ、無計画に使ってもアタッカーを増やす程度の運用しかできない。
特に相性が良いのは、X素材を使わずとも万能カウンター効果を使用できる《餅カエル》だろう。
他には送り付け用に《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を呼んだり、《FA-ブラック・レイ・ランサー》の下敷きを呼んで共に《FNo.0 未来龍皇ホープ》の下敷きの素材になったりできる。
下敷きの素材が下敷きの素材の下敷きを呼ぶ

フリーチェーンで相手の墓地にあるカードの効果を発動できなくするエクシーズモンスター。
その効果で相手の墓地活用ギミックを機能不全に陥らせ、行動を大きく制限できる。
更に水属性モンスターをX素材にしている場合は攻撃力2200になり、戦闘破壊も容易ではなくなる。
変わった利点では、X素材になっている海皇を任意のタイミングで取り除くことも可能。

素材縛り自体は無い事も相まって、激戦区であるランク4の中でも非常に優秀な1枚だが、ランク4の扱いに長けた【ライゼオル】の台頭もあってか突如として禁止カード入り。
純【水属性】にとっては完全なとばっちりである。

ラヴァルに属する炎属性の海竜族エクシーズモンスター。
デッキのカードをどれでも1枚墓地に送るか、モンスター1枚をデッキトップに置く効果を持つ。
X召喚黎明期に出たカードでありながら、縛りの無い素材指定に加え、対応力の高い「ピンポイント墓地送り」効果なので数ある墓地肥やしカードの中でも白眉の出来。
対抗できるとすればマイナスリスクで相手に苦渋の選択を強いるカードとかになるか?

このカードに支えられたファンデッキも多かったが、それ以上に環境デッキからも引く手あまたで余りにも活躍しすぎたため、2016年4月をもって禁止カードに指定。
数多くのデッキを献身的に支えてきたため、大勢の決闘者が感謝の言葉を口々に別れを惜しんだという。
同じタイミングで禁止になった猿とはえらい違い。

リンクモンスター




魔法・罠カード

魚族・海竜族・水族」の3種族をまとめてサポートする魔法・罠カードについてはこちらを参照。

  • 《深海のアリア》(通常魔法)
墓地の水属性を除外することで、レベル4以下の海竜族モンスターをサーチする通常魔法。
墓地コストを求めているため、初動で使いづらいのは無視できない欠点。
それでも《海皇の竜騎隊》と違って特別なギミックを使わず手軽に使えるサーチ効果が弱いはずがなく、特に《深海のディーヴァ》をサーチできるので展開の安定性を高くしている。

  • 《海皇の咆哮》(速攻魔法)
そのターン中、他に特殊召喚ができない代わりにレベル3以下の海竜族モンスターを3体も蘇生できる速攻魔法。
制約が厳しいが相手ターン中に発動して負担を減らすことが可能であり、うまく決まればかなり強力。
《スケープ・ゴート》と似たカードになるが、こちらはモンスター効果は有効である点、
チューナーも蘇生できるので次のターンに大型モンスターの召喚に繋げられる点は長所。
しかし必ず3体蘇生しなければならないため、1体でも除外・デッキバウンスなどされると不発になるなど弱点は多い。
蘇生可能なモンスターの関係上、相手の妨害に使い辛いのも難点。



海竜族テーマ

2024年12月現在では唯一と言える海竜族テーマ。
いずれも水属性で、水族の《海皇精 アビスライン》を除いて海竜族で統一されている。
「水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合」という一風変わったトリガーで効果を発動する。
設定によれば、領地拡大を目論む海皇軍によって【水精鱗】の一族を配下に置いたとの事だが、その行く末は……。




追記・修正は、正規の手順で《ウォーター・ドラゴン》の特殊召喚に成功してからお願いします。

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最終更新:2025年05月05日 13:18