登録日:2011/04/17 Sun 17:13:15
更新日:2025/05/06 Tue 13:25:09NEW!
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高寺重徳とは、テレビドラマプロデューサー。
【プロフィール】
1962年9月
東京都台東区生まれ。2021年現在61歳。
名前の表記は「高寺成紀」(東映時代)→「高寺重徳」(角川時代)→「高寺成紀」(2018年)と時期によって変化している。
なお、厳密には「高」ははしごだか(「口」の部分がはしご状になっている)だが、環境依存文字のため、ここでは一般的な方を使うものとする。
1985年3月、
早稲田大学を卒業し、1986年に東映株式会社に入社。
1987年に『仮面ライダーBLACK』でプロデューサー補、1990年『
美少女仮面ポワトリン』の中途からプロデューサーを経験。
以降、特撮ドラマのプロデューサーとして活躍する。
【作風】
かなり破天荒な人物であり、手掛けた作品は画期的な要素を積極的に盛り込むのが特徴。
例
- 戦隊のお約束事にツッコミを入れたパロディを展開(『カーレンジャー』)
- 敵幹部のキャストにAV女優を起用(『カーレンジャー』『メガレンジャー』)
- ヒーロードラマに多発していたご都合主義を目立ちにくくし、お約束の要素も徹底的に理論武装(『クウガ』)
- ヒーローの葛藤や苦難ではなく、ヒーローに影響された少年少女の成長劇(『響鬼』『大魔神カノン』)
最終的に実現しなかったが、『カーレンジャー』で外見が某鉄の城なロボットを出し、まんまな名前を付けようとしたこともあった
同年代の他のプロデューサーにも言えるが、単純な勧善懲悪を嫌っている傾向にある。
高寺の場合は価値観の相違や生態系の問題、個人の妄執などから和解の可能性が全く無い、最後まで戦わざるを得ない敵を設定する。
ストーリーについては徹底したシリーズ構成を行い、設定やキャラに整合性の破綻が見られないように綿密な打ち合わせを繰り返しながら、番組の方向性に沿った脚本を仕上げる。
そのため、彼が担当した作品は非常に完成度が高く、根強いファンを獲得している。
ただし、完成度に拘る余り、制作費などに無頓着な傾向がある。
『クウガ』では次作『
仮面ライダーアギト』の制作に影響するほどの制作費を使用。CGや遠距離ロケを多用した『響鬼』でもやりくりに非常に苦戦した模様。
主演キャストとの仲を大事にする事でも有名であり、放送から数年経っても交流は絶えない事が多い。
才能の発掘も積極的に行っており、現在、一線で活躍している人物を特撮に引き込んでおり、その恩義からか仕事を頻繁に共にするスタッフもいる。
以下、特に有名な人物
監督・演出家。
『クウガ』の
パイロットを担当させてもらった縁からか、『平成ライダー』常連組では珍しく『響鬼』に参加。
作曲家。高寺が担当した作品の
BGMは殆ど佐橋が手掛けている。
『クウガ』では自分の得意とする音調を作風の為に厳禁されるなど、かなり無茶な注文を受けるが、見事に対応してのけた。
脚本家。『
スーパー戦隊シリーズ』の常連。
高寺と組む事が多いスタッフの中でも、複数の作品を共に手掛けた希有な人物。高寺同様凝り性のためにウマが合うのだろうか。
『マジレンジャー』のサブだったため、『響鬼』には不参加だったが、『大魔神カノン』には参加。
元
子役のスタントマン。『クウガ』(怪人)・『響鬼』(主役)の双方に参加し、タケシレーシング移籍後も『大魔神カノン』で主役スーツアクターに抜擢。
スーツを着ても映えるスタイルの良さの他、人柄の良さでも知られている。
【現在】
『響鬼』において前代未聞のプロデューサー交代を体験。東映を退社。
この事件については現在も詳しい概要は判明していないが、本人は「『響鬼』の業績不振が原因ではない」と語っている。
以後、高寺は角川書店(現・KADOKAWA)に転職し、2010年に新作特撮ドラマ『大魔神カノン』を発表した。
2015年3月には角川も退社し、子会社の一つ「角川大映スタジオ」を拠点にすると宣言。現在は「高寺成紀」名義で特撮ラジオ等を地道にやっている。
ちなみに2018年ごろには、公式Twitterでハロプロのグループ「アンジュルム」ラブを高らかに謳っている。
追記・修正は設定やキャラに整合性の破綻が見られないように行って下さい。
以下、高寺重徳についての問題点を記述します。
不快な気分にさせる恐れがありますのでそういった記述に抵抗のある方や高寺氏のファンはここからの閲覧はご遠慮下さい。
【概要】
番組の完成度について毎回砕身する高寺だが、制作スタッフとは非常に折り合いが悪い。
理由は様々だが、最も大きい点は完成度を重視しすぎる所にある。
【打ち合わせ】
脚本制作の段階において時間を掛け過ぎる為、スケジュールが遅延する事が多く、進行の為に内容を妥協する事をしない。
ここまでなら単に頑固というだけで済む話だが「思い付きで話を変える事が多い」のが問題。
例えば、『響鬼』の主人公・安達明日夢は当初
ヒビキの弟子になり、彼の背中を見て成長するはずが、
「明日夢役の栩原楽人の演技がよかったから弟子入り路線はやめる」と展開を変更したり、
同作のヒロイン・持田ひとみ役のオーディションを受けた秋山奈々を惜しいと感じ、新たにイブキの弟子としてキャラを設定・起用したりもした。
そういった番組の根幹に関わる変更が高寺の意向で度々起こり、それに応じてストーリーの打ち合わせをやり直していた。
キャストの意見も頻繁に取り入れる為に時間が掛かり、夜中などに電話したりもして突然始める事もあった模様。
『ユリイカ総特集平成仮面ライダー』の井上伸一郎のインタビューによると、些細な言葉一つで打ち合わせが進まず、しかも次回の打ち合わせでは全く違う企画書が上がってきた事があったという。
【スタッフの扱い】
キャストと交流を積極的に行う反面、スタッフの扱いが悪い。
作品を自分の納得がいく物に仕上げる為に各スタッフへの指示が細かく、自身の意に沿わない動きを許さない部分がある。
特に『響鬼』の前半メインライターを務めたきだつよし氏が自身のブログで「プロデューサーの意向をただただ清書させられ、自分のカラーをほとんど出せなかったという思いが強く、正直なところあまり楽しい思い出ではない」と吐露したことは有名
【こだわり】
このように作品作りに拘る気性からか衣装や小道具、文芸にも気を使う。
しかし、非常に細かいため、「それは本当に作品の完成度に必要か?」と疑問視される部分が多々ある。
特に『響鬼』で小道具の団子を毎回遠距離から取り寄せていた話は有名。そのため、時間も予算も計画性なんてあったものではなく、東映上層部も高寺を危険視していた。
もっとも、そのこだわり故か都市伝説もいくつか発生しており、実際に高寺P本人や当時のスタッフの口から否定された事柄も存在している。
近年の作品は完成度こそ高いものの、内容面に拘る故に空回りしており、『大魔神カノン』では往年のファンの乖離が発生してしまっている(主な問題点としては、タイトルにあるはずの大魔神が何時になっても登場しないことや主人公を始めとする登場人物の心情が今一つ理解不能なものばかりであることが挙げられる)。
【余談】
これら強引な手腕からか、
アンサイクロペディアでは
「東映のジャイアン」とまで呼ばれている。
また、これらの周囲からの批判の言い訳として、「自分は(完成度重視の)
円谷育ちだから」と述べている。
最近では自身が携わってきた作品の傾向から「暴れ
馬だから上手く手綱を引く必要がある」と言われる事もある。
2013年3月にはTwitterにて、早稲田大学の怪獣同盟の後輩で別の後輩が
ガンプラ(ちなみに劇場限定仕様の
ラファエルガンダム)を所持していた事で、「アニメ禁止」という掟に逆らったとして
「掟に逆らったから木っ端微塵に破壊しなさい!証拠画像も挙げなさい!!(意訳)」とツイート。
『
機動戦士ガンダム00』の監督である水島精二氏の耳にも入り、
「おおお、おいらたちのラファエルに何をするー!」」と当然激怒し、大騒ぎになった。
後にその騒動に関して謝罪したものの、この事から高寺は自分が移籍した角川にとって『ガンダム』がいかに重要なコンテンツであるかを理解しているのかも疑わしくなっている。
角川移籍後は『カノン』の評価が芳しくなかった事と上記の騒動の影響か、映像作品に携わる事がなくなり、すっかり一線から退いた状態となってしまっている。
そしてロクに成果もないまま、2023年に角川を定年退社した。
追記・修正は時間と予算を考えつつお願いします。
※コメント欄は撤去してあります。ご了承ください。
最終更新:2025年05月06日 13:25