マシーン大元帥

登録日:2012/07/24 Tue 02:28:14
更新日:2025/05/05 Mon 23:42:51
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そんなものは伝説だ!

出典:仮面ライダーストロンガー/東映/第35話「帰って来た男!その名はV3!!」/1975年11月29日放送


◆マシーン大元帥

声:市川治

「マシーン大元帥(―だいげんすい)」は『仮面ライダーストロンガー』の登場怪人。
歴代ライダーシリーズでも屈指の強豪として知られる「デルザー軍団」の中でも最強の魔人である。
仮面ライダーストロンガー最大のライバルであり、デルザー軍団の暫定的なリーダーとして辣腕を振るっていた実力者ジェネラルシャドウから指揮権を奪い、
腹心の磁石団長ヨロイ騎士と共に大規模な日本破壊作戦へと乗り出した。

他の改造魔人たちを手玉に取って利用してきたシャドウでさえ大元帥の来日を知るやあからさまに動揺しており、他媒体の作品においても、自らの血統を鼻にかける野心家でプライドの高い狼長官までもが敬語で接している事を見ても、全員が大幹部クラスと言われる強者ぞろいのデルザーの中でも、実力・威厳ともにトップクラスの魔人であるのは間違いないだろう。

また、作戦の指揮能力も優れており、歴代のライダーシリーズの幹部怪人でも屈指の破壊活動を引き起こした怪人でもある。
まさに、ライダーシリーズその物の「最終回」と銘打たれた『ストロンガー』のラストを飾るに相応しい敵であるのは間違いないだろう。
……と、ここまでの概要だけを見れば、単に恐ろしい実力者だと思われがちだが、劇中での活躍に焦点を当てると、2人の腹心共々、あと一歩の所で致命的な大ポカをやらかす残念な行動が多く、ファンや媒体によっては
残念なヤツ扱いされている場合もある。


【劇中では】

初登場は『ストロンガー』第35話。
ミイラのように包帯を巻かれ棺に入った姿で、エジプトのアレクサンドリアから遠路はるばるとやって来た「デルザー軍団」最強の改造魔人(メディアによっては『改造魔人』よりも更に強い『半機械人』と紹介される場合もある)。
厳重な警備を掻い潜り海路から神戸港に上陸したが、
同じくエジプトから自分を追ってきた風見志郎/仮面ライダーV3と熾烈な戦いを繰り広げる。
その後V3の追跡を逃れ、デルザー軍団のアジトである奇岩山に到着すると、
それまでの度重なる魔人の戦死とストロンガー抹殺の失敗を理由に、シャドウから軍団の指揮権を剥奪。
組織の目的も「打倒ストロンガー」から「日本壊滅」に重点を置くようになった。

指揮官となった大元帥は、腹心の磁石団長ヨロイ騎士を別々の場所に派遣し、同時多発的にテロを展開する二面作戦を実行。ストロンガーを翻弄する。
また、ストロンガーの救援に各国から駆けつけた歴代ライダーたちの戦力をも巧みに分散し、途中に何度か妨害を受けながらも、ついにはV3とライダーマンを捕らえる事に成功。

だがその最中、いったんはストロンガーに追い詰められたシャドウが次の作戦内容を意図的に漏らした事で、ライダーの先回りを喰らい計画が阻止される事態が発生した。

シャドウの裏切りを看破し、激しく糾弾する腹心2人。
それに対して大元帥は、仲間内で処刑する代わりとして、シャドウの汚名返上のチャンスも兼ねて、彼の本願でもあるストロンガーとの決着に再度赴かせる事にした。

この際、シャドウのトランプ占いは大凶であったものの、

シャドウがストロンガーを倒せれば、それで良し。
もし敗北したとしても、消耗したストロンガーに止めを刺せばそれで良し。

戦士としては一流であるシャドウの面子も保たれ、大元帥たちにとっても損は無い、まさしく上策であった。

結果は後者となり、シャドウの討死と引き換えにデルザーは宿敵ストロンガーを捕らえる事に成功した。

後は、未だに抵抗するXライダーアマゾンライダーを捕らえれば、デルザーの勝利は揺るがないと考える大元帥であったが、そのXとアマゾンを誘い出す為、意識を失った城茂を処刑しようと滝つぼに縛り上げた際のヨロイ騎士とのやり取りから、彼の見立てに綻びが生じ始める。

ヨロイ「仮面ライダーには1号、2号というのもいるらしい」

大元帥「そんなものは伝説だ!(迫真)」

……一応、大元帥の名誉を思って言えば、この台詞に関しては、

否→大元帥は『V3』の3の意味を一瞬たりとも考えはしなかったのか。
賛→ダブルライダーの活躍が既に伝説として広まってるなんて、なんて胸熱なんだ!

……と、評価が二分している事を忘れてはならない。
大元帥が間抜けなのではなく、何処からともなく駆け付けるライダーたちが凄いのである。
でも5年前から1号と2号にずっと迷惑を被っている大首領大元帥の頭をカチ割ってもいいと思う。

この後、大元帥は自分が「伝説」と吐き捨てたばかりの仮面ライダー1号(アメリカ帰り)と仮面ライダー2号(インド帰り)に捕らえられ、茂を奪還されてしまう。
それも、戦闘員に茂を処刑する為の機関銃を持ってこさせようと、たった一瞬目を離した隙に…って目と鼻の先にある機関銃ぐらい自分で取りに行けよ!

V3とライダーマンの身柄を渡すと言いながら1号2号をアジトに誘い込み毒ガスで殺害しようとするが、復活して駆け付けたストロンガーに救出される。
あれ? 2号ライダーってピラザウルストリカブトの毒ガスがバンバン吹き荒れる中で戦ってなかったっけ? とか突っ込んではいけない。

更には、脱出した3人ライダーを橋もろとも爆破して殺害しようとするも……。
大元帥「生き残ったのか2号ライダー!?」
1号「ここにもいるぞ!」
ストロンガー「全員無事だ!
と、ヒーロー物お約束の涙目コンボを食らい、2号と肉弾戦を繰り広げる事になる。

……一方、進行中であった津波作戦の阻止に向かった1号とストロンガーを、それぞれヨロイ騎士と磁石団長が迎撃する。

ここに、第1期ライダーシリーズを締めくくる最終決戦の幕が切って落とされるのである。


【能力】

何度か記載した通り、デルザー軍団最強の魔人であり、上半身が赤と青に分かれたカラーリングはキカイダーを彷彿とさせるが、筋肉や血管剥き出しの更に生々しくキモい見た目をしている。
頭には特徴的な冠を付けており、これは配下の戦闘員も仮面として身につけ、大元帥を表すシンボルとして用いられている。また冠の額についているランプからは破壊光線を発射する。

そんな大元帥最大の必殺技は「魔のピラミッドレッドバリヤー」と呼ばれる、頭部の冠から放たれる赤い三角形型のエネルギーの檻。
……対V3戦で使用され、地中を穴を掘って脱出すると云う、あんまりな手段で脱出されたのがショックだったのか、以降は使用しなくなってしまい、
それ以降は、1号のキックを食らっても耐えるタフネスとパンチ攻撃、マシンガンを武器としていた。
ただし、1号は大元帥を捕らえてV3とライダーマンの居場所を吐かせるためにわざと手加減してライダーキックを放った可能性が大。

また、復活直後に自分の棺を暴きに来た目利きのコソ泥二名に対して赤い接着剤(血液)で動きを止め、
破壊光線を浴びせ身体から水分を抜き出しミイラ化させた後に砂に変えると云う、恐ろしい攻撃を見せているが、その後は全く使用する気配が無かった。

ちなみにシャドウと違い、ストロンガーとのタイマンではチャージアップや必殺技ですらない普通のパンチで倒された。


配下の戦闘員はマシンガンを武器に使うこともある。掛け声は「キキーッ!」。

仮面ライダーSPIRITS

『仮面ライダーSPIRITS』ではTV版の残念振りとは裏腹に、部下二人と共にデルザーを統率する者という破格の大物扱いを受けている。
具体的には、プライドの高い狼長官が敬語を使うくらいの立場。長らく修復中だったが、地獄大使の死後、ロールアウトした。
ところが、デルザー軍団に合流して最後に到着してシャドウから大物扱いされたと思ったら、まさかのジェットコンドルが後に控えていた。
しかも、自分達に準ずるジェットコンドルが早くも負傷離脱したこと加えて、暗闇大使から離反宣言を受けるなど、
復帰早々に連続する不測の事態に苛立ちを隠せずにいる。


平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊

大方の予想を裏切ってまさかの復活。地下帝国バダンに忠誠を誓い、大幹部の座に着任する。
沢芽市襲撃にも参加したが、なぜかジェネラルシャドウから顎で使われていた。
最終決戦時にも戦闘員を率いて襲い掛かるが、かつて倒したV3のV3キックで地獄へと送り返され、雪辱を晴らされてしまった。

スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号

この映画ではデルザーはショッカーの系列企業になっているため、現代でもショッカー大幹部としてエラソーにしている。
最終決戦のライダー狩りではン・ガミオ・ゼダと共に(OWO)&(OMO)のダブルキックで粉砕された。



【ゲーム】

ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』ではショッカー最高幹部として登場。
しかし、シャア・アズナブルによるコロニーレーザー大粛清を受けてショッカーは壊滅し、這う這うの体で宇宙まで逃げ延びて再起を図るも、
カロッゾ・ロナ(鉄仮面)の放ったバグの無差別破壊に巻き込まれてみじめな最期を遂げた。


【余談】

※エジプトから来たと云う設定や棺の存在からミイラ男の子孫とされるが、仮面ライダー図鑑によれば「ミイラの血統」、「エジプトの王族の末裔」という記述があるので高貴な血筋のようだ。


※登場した直後には、あのシャドウを激しく狼狽えさせる姿からメチャクチャ恐ろしい存在なのでは……と思わせておきながら、既にエジプトから自分を追って来たV3に互角以上の戦闘を展開された末に撤退した後だったりする。

しかもそのせいで、ストロンガーのエネルギーを奪い絶体絶命のピンチに陥らせ優位に立っていたヘビ女(仮面ライダーストロンガー)が、マシーン大元帥を追って来たV3の介入により形成逆転、ピンチを脱したストロンガーの反撃により倒されてしまった。
せっかくのチャンスだったのに…。

そのためか、シャドウから向けられる態度もだんだん慇懃無礼に、そして露骨に見下した態度になっていく。

※最期はストロンガーの“ただのパンチ”の連打で死んだと思われがちだが、ストロンガーに組み付く際に「お前だけでも道連れにしてやる!」と言っているので、体内の自爆スイッチ的な物をONにしたが振りほどかれ、時間切れとなり爆死した……と推測するファンもいる。


※ヒエラルキーが無いとされるデルザー軍団において岩石大首領の存在を(おそらく)唯一知っていた事からも、魔の国の中でも信任が厚く、相当な高位に居た事がうかがえる。


※残念な活躍や、デルザーが持つ少数精鋭のイメージから浮く為か、後年の様々な媒体での「デルザー軍団」の集合からは、腹心の2人と共に省かれる場合が多い。







1号「待てぇ、大元帥!」


大元帥「むっ、ライダー1号!?」


1号「追記修正しなければ、仲間の命はない!」


大元帥「何ぃ?」


ヨロイ騎士「マシーン大元帥!」


磁石団長「マシーン大元帥、追記してくれぇ!」


ヨロイ騎士「俺たちを全消しにしないでくれぇ!」


大元帥「えぇい、この臆病者めが! それでも栄光のデルザー改造魔人か!?」



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最終更新:2025年05月05日 23:42
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