トランスフォーマー ザ・リバース

登録日:2009/10/06 Tue 07:08:07
更新日:2025/03/21 Fri 16:18:37
所要時間:約 6 分で読めます




「トランスフォーマー ザ・リバース」は、トランスフォーマーシリーズのアニメ作品。
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010」の続編で、アメリカで1987年11月9日から11月11日にかけて放送された。全3話。

【概要】

日本では同時期にザ☆ヘッドマスターズを放送しており、本作とパラレル関係にあたるため放送されず、長らく幻の作品とされてきた。
しかし今日では、2010DVDBOXの映像特典としてソフト化されている。
(レンタル解禁は無し)

今作は東映の関わりが少なく、アメリカ主導なので恐ろしく作画レベルが低い。
OPはなにげに映画レベル作画(玩具CMの継ぎ接ぎだが)
ただし、2010までのあのノリが復活しており、動きもイキイキして見えると評判。
展開もメチャクチャだが、それを流して見れれば正にコンボイ&ウルトラマグナス&ガルバトロン生存ルートというわけである。

2010放送から収録にかなりブランクがあるため、本当に一部を除き声優も一新されている。
一部の声優は『初代』の未放送回に出演している人もいる。

名称が一部海外標準になっている。
(例)
  • ホットロディマス → ホットロッド
  • チャー → カップ
  • セーバートロン星 → サイバートロン星

全3話の中に、新キャラクター、新装備が山の様に出るので視聴者の混乱に拍車をかける。
出さなきゃいけない登場人物や設定の多さには脚本担当からも悲鳴が上がったとか。
本国、吹替共に重複する声優も多く苦労を滲ませる。

日本版で多大なインパクトを与えた、両軍の大将格であるフォートレスとメガザラックがちょっと大きなトランスフォーマー程度の扱い。

以上の様に、作品として問題点も多いものの、無印・2010における海外アニメ独特の雰囲気の復活は旧来のファンには好意的に受けとめられた。

【あらすじ】

前作で復活したサイバトロンリーダー、コンボイの活躍により全宇宙生命体の発狂は回避され、宇宙は平和になるかと思われた。

しかしガルバトロンは再びサイバートロンへの破壊工作を開始、その影響で数名のサイバトロンがある惑星に飛ばされてしまう。

その惑星ネビュロンでは、ハイブと言う組織がドロイドを使いネビュロン人を奴隷の様に扱う悪夢の惑星であった。
サイバトロンの一人ブレインストームは非力なネビュロン人を救うため、構想してきた計画を実行する決意を固める。

その頃、デストロンもサイバトロンを追って惑星に向う。

舞台をネビュロンに変えたトランスフォーマーの熾烈な戦いが今始まろうとしていた。

【新装備】

今作にて以下の装備が新たに登場。

ヘッドマスター

ブレインストームがかねてから構想していたシステム。
TFの頭部を改造し、中に人間を乗せるスペースを作り、指揮系統を増やし回避や射撃をサポートしてもらおうというもの。
何考えてんだブレインストーム・・・
分離した頭部は変形し人間用の強化服となる一方TF本人のパーソナルコンポーネントは胸部に移設されている。
もちろん当初は指揮系統に問題をきたしたが、徐々に効果を発揮。ハイブもデストロンを使ってコピーしようとする。
頭に人はカルチャーギャップを感じざるをえない。
劇中の台詞では10倍にもパワーアップしたらしいのだが流石に盛りすぎだろう。

ターゲットマスター

デストロンを無理矢理ヘッドマスターに改造しようとするハイブにサイクロナスが交渉し
頭部から武器に妥協してもらい誕生した文字どうり人間兵器。
そりゃ嫌だよな顔の中に人なんて
兵器に人格が加わる事でヘッドマスターより臨機応変に対応でき、サイバトロンを追い詰めるが。
パクられたらパクり返せとばかりに、サイバトロンもコピーする事により逆転される。

【登場キャラクター】

数が多いので主要人物をピックアップする。カッコ内は日本標準の名称。

サイバトロン

から蘇ったサイバトロンリーダー。そのせいか白昼夢をよく見る危ない人に。
今作は出番が少ないが解決方法も解らないのに行動する蛮勇は健在で、サイバトロン戦士を鼓舞する。
ぶっちゃけ居るだけで嬉しい。

サイバトロン副官。今作は敬愛するコンボイの隣をキープ……と思われつつも、やっぱり貧乏くじを引いてザラック達の増援に巻き込まれたりと、後半はずっとスクラップの中である。

2010の続編ならば、司令官降りても歴戦の勇者として成長していて然るべきなのだが、本作ではまた腕は立つが口の軽い若者ポジに戻っていることに違和感を感じる人も。
基本的に若い状態なのだが、作画ミスで司令官時代の老け顔になっている場面がある。
ネビュロンにてターゲットマスターにパワーアップ。

ヘッドマスター部隊

  • ハイブロウ
  • ハードヘッド
  • クロームドーム
影の薄い人達。そしてブレインストームの被害者。ハイブロウがリーダーのはずなのだが、ブレインストームの方が目立っている。
クロームドームに至っては日本版の主役(後半空気だが)なのに……。

  • ブレインストーム
今作ではマッドサイエンティストを担当する。
ホイルジャックの生まれ変わりかもしれん。

  • アーシー
2010でお馴染みの女傑。
…なのだが、ヘッドマスターになったせいで後半ずっと首無し状態に。
今作ではダニエルとラブラブに。スプラング・・・。

ターゲットマスター部隊

  • ホットロッド(ホットロディマス)
  • カップ(チャー)
  • ブラー
  • ポイントブランク(ブランカー)
  • シュアショット(サーショット)
  • クロスヘアーズ

サイバトロンには珍しい非戦闘主義者。
皆がネビュロン人の自由のため、ヘッドマスターになる決意をしたときも一人だけ「断る!」と露半状態になっている。
のちにサイバートロンを救うため強大な力を手にした事を悩み、自殺願望まで持つ事になるが
コンボイが説得し平和になったネビュロンの守り神となる事で思い止まる。
ちなみに司令官でも無いのに崖落ちを披露。
……まあ、日本版では司令官でしたし。

  • フォートレス・マキシマス
セレブロスが合体する巨大TF。
かなり巨大なのだが、作画のせいで巨大には見えない。
スパイクが一晩で作った。
というか、スパイクがセレブロスと共に操るが、建造から最初の戦闘までセレブロスは殆ど何もしていない。
設定では3000m級の筈なのだが数十メートルにしか見えない。
日本でもどう頑張っても数百メートルにしか見えないので仕方ないが。
また、日本版とは違い合体にエネルギー等の制約が無いため、ただの大型トランスフォーマーという感じである。
マスターソードの設定は無くなり、海外版の玩具にも付いていなかった。

  • パンチ(スペースパンチ)
デストロンに擬態できるTF。
出番は少ないが、敵にすぐ正体を明かすシーンは見る者に衝撃を与える。

  • クローンボット
クラウドレーカーとファーストレーンの、そっくりさん二人組。出番は少ない。

  • スパイク
今作では息子のダニエルの為に廃墟から巨大TF作ったり、強化服着て戦ったり、宇宙を犠牲にしようとしたり
親バカっぷりに磨きがかかっている。

ネビュロン人

サイバトロンに支援されハイブに反乱を起こす宇宙人
ヘッドマスターの中の人は殆どこの人達。
肌の色が緑のヒューマノイド。
原語版ではサイバトロンと共に戦った、彼ら正義のネビュロン人にも「ネビュラン・レベル」なる総称があった。
  • ゴート
正義のネビュロン人の参謀のリーダー。二人称を「お前」「君」「お前さん」とコロコロ変える。
  • デュロス
戦闘に長け、ハードヘッドを相棒に選ぶ。
  • アルカナ
参謀の中でも一番の知恵者。若々しいアイデアに惹かれ、ブレインストームを選ぶ。
  • スタイラー
その特長も相棒をクロームドームに決めた理由も言及されなかった。
  • リコイル、ヘイワイヤー、ファイアーボルト、ピースメイカー、スポイルスポート、ピンポインター
射撃の得意な正義のネビュロン人の戦士。四人の参謀のような老け顔をしているが、若々しい声で話す。

デストロン

かつての狂気はなりをひそめ、性格がメガトロン時代に戻ったと評判。
相変わらず残酷だが冷静さを取り戻し狡猾となり、大規模な計画を企てる頭脳が戻った分、前より面倒な敵になっている。
何故か宇宙を破壊しようと画策する。
有機生物を蔑んでいるため、ヘッドマスターやターゲットマスターになった部下達に腹を立てたが、ザラックの言葉を聞いて暫定的に同盟を結ぶ。
人の話を聞ける分だけメガトロン時代に戻ったと(ry


ターゲットマスター部隊

  • サイクロナス
サブリーダーのはずなのだが、今回脚本ミスかスカージより格下っぽい。
声が格好いいマダオに
ヘッドマスターになりたくないがゆえにターゲットマスターを発案する。
パートナーはナイトスティック。

  • スカージ
何故か今回サブリーダーっぽい元雑魚*1
プラズマエネルギー貯蔵庫の鍵を手に入れて開放するが、そのエネルギーによってパワーがオーバーロードしてしまう。
パートナーはフレイカス。

  • スラッグスリンガー
今作より登場したターゲットマスター部隊の1人。好戦的な性格。
今作より登場した(ry。
性格は名前の通り。
  • ミスファイヤー
今作(ry。
名前の通り、射撃が下手。

ヘッドマスター部隊

  • ウィアードウルフ
  • スカルクランチャー(スカル)
  • マインドワイプ(ワイプ)
  • エイプスフェイス
  • スナップドラゴン
サイクロナスがターゲットマスターを交渉する際、時間稼ぎにヘッドマスターにされた人達
皆、獣とメカに変形する。

  • シックスショット
六段変形する驚異のTF
ニンジャ一族等の設定はなく、主力商品ながら尺の短さの皺寄せか出番はパート1のみ、しかしその十数秒で多段変形をフルに活かしエアーボットを全員撃墜するなどワンロボットアーミーぶりを見せつけている*2

  • スコーピオン(スコルポノック)
ロードザラックのボディとして登場した巨大デストロン。
アメコミ版と異なり元々個人としては存在せずやはりハイブの居城を改造したトランステクターである模様。
(つまり理屈の上では国内版メガザラックのボディと同じ)
英語でも日本版同様にスコルポノックが名前なのだが、日本の翻訳担当が適当だったのかスコーピオン(蠍)と、そのままの名前になってしまっている。
あんまりだと思われたのか後にはスコーピオン(スコルポノック)と注釈が付くように。

  • クローントロン
ウイングスパンとパウンスの、そっくりさん二人組。
両軍全面激突の間に易々とプラズマエナジー貯蔵庫のキーを奪取する。
ザルは相変わらずと言うべきか。

  • ロードザラック(メガザラック)
ネビュロン星人をマシンで苦しめていた支配民族ハイブのボス。頭脳が育った末に体は虚弱と説明があるが、何故かムキムキ。
日本版でのスコルポノック(メガザラック)に相当するが、他のヘッドマスター同様に大きく設定が違っている。
スコーピオンとヘッドオンするばかりか、自分達の技術を利用して更にそこから合体できる超巨大TFを完成させて、その圧倒的な力でガルバトロンに同盟を認めさせる。
日本版ではガルバトロンを見限った後にシックスショット達を取り込んで恐怖大帝を名乗るが、本作ではあくまでも同盟相手のままである。
ガルバトロンが脱出する際に発言した「巨大なショッピングセンター」という評価が有名だが、劇中ではよく言われるような批判的なニュアンスではなく、洒落た言い回しといった印象である。
エンディングではガルバトロンの発言に冷静にツッコミを入れ、ガルバトロンも悪態を付きつつもザラックを処罰しようとしない等、同格の同盟者といった感じであり仲良く去っていった。

ネビュロン人

  • ハイブ
この悪のネビュロン人がターゲットマスターなどの中の人になる。
何故かザ・ムービー冒頭でユニクロンに食われる宇宙人と同じ姿をした者もいる。
  • グラックス
アーシーを狙うようにスコーピオンに指示していた。
  • モンゾ
ダニエルを拷問にかけるのを喜んでいた。
  • ボラス
ハイブ一の科学者を自認。「ゴミあさり屋のお化け」と蔑むマインドワイプと組まされたのを嘆いていたが、主導権を握られる。
  • クランク
怒りっぽい性格。ブレインストームからプラズマエネルギー貯蔵庫のキーを奪ったのは彼である。
  • スパズマ
情報不安定な性格で合体前に酸の唾を吐いていた。
  • ナイトスティック
テックスペックではネビュロン星の犯罪王。ブレインストームにエクソスーツの構造を解析されたことにより、サイバトロンターゲットマスターの誕生のきっかけを作ってしまう。
  • フレイカス
テックスペックでは協調性を欠き本作では軽い口調で話すが、ザラックの命令を無視して戦いを続けようとするスカージを脅す。
  • ブロウバイブ
  • キャリバースト
  • エイムレス

ナレーター

今作も毎度お馴染み政宗一成が担当する。
収録にブランクがあるためかテンションがおかしい。

【余談】

今作をもってアメリカのTFアニメは終了し、復活にはまで長い時間がかかった。
初代から続いく作画崩壊で悪い意味で有名だった韓国のAKOMプロダクションも今作以降トランスフォーマーシリーズに関わることはなくなったが、AKOMは2年後、ザ・シンプソンズの制作に携わり大ヒット、2020年代現在もアニメ主力会社として存続している。

この作品以降、しばらくタイタンマスター/ヘッドマスターに触れられなかったが、2016年にタイタンマスターをフィーチャーした玩具シリーズ「タイタンズリターン」が販売。
日本でも「レジェンズ」の後半シリーズはタイタンズリターンが主軸となった他、一部にターゲットマスターが付属したり、限定品の「ヘッドマスターズセット」*3にてネビュロン人に触れられるなど、当作の要素を拾い上げている。

セレブロス「さあ、私の役目は終わった。追記と修正してくれ・・・」

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最終更新:2025年03月21日 16:18

*1 テックスペックではターゲットマスター化後の地位はサイクロナスより上。

*2 海外の肩書きS.T.A.G(Solo Transformers Assault Group)の通り

*3 海外版のブレインストーム、クロームドーム、ハードヘッドの3体と、日本未発売のグリムロック、ゴング、フライホイールの3体の6体セット。