世界の破壊者

登録日:2010/12/29 Wed 07:10:47
更新日:2025/01/17 Fri 10:17:34
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もしかしなくても→仮面ライダーディケイド









「世界の破壊者」とは仮面ライダーディケイドにて語られた用語。主に2つの意味がある。
決して西園寺世界を滅茶苦茶にした伊藤誠ではない。むしろお互い様である。

  • 1. 文字通り「世界を破壊する者」
強大な力や兵器などで、作品の舞台となる場所としての「世界(地球などの惑星)」を破壊するキャラクター。
要するにドラゴンボールのフリーザ様みたいなキャラのことである。
見ている側に非常に強さを強調しやすい表現。
バーンディ・ワールドの異名もこれ。

  • 2. 「作品世界を破壊する者」
その人物設定や能力によって、それまでの物語の「世界観」を破壊するキャラクターで、前述の仮面ライダーディケイドの主人公「門矢士」はこれにあたる。
「クロスオーバー」タイプの創作物にありがちなキャラクターであり、それまでの作品設定やキャラ設定からかけ離れて描かれやすく、既存キャラより強くなりがちである。

また、主人公の価値観や世界観や日常を一変させるキャラクターもある種の「世界の破壊者」と言えなくもない。
空から女の子が降ってくるとか未来人や宇宙人や超能力者を呼び出すとかそんな世界を変えるとか。


……さて、真面目な話をすればそれらは多く、神話や寓話に現れる。
現代の映画やアニメ、漫画等の創作物も無論、寓話の類なのだが、多くに共通するのはトリックスターである事だろう。
また、彼らは多くが死神でもある。



【トリックスター】


「彼らに目的などありません、世界を破壊したいだけなのです」

─映画『ダークナイト』より。

この言葉は、「世界の破壊者」の特性を良く顕していると言って良い。
映画『ダークナイト』では人気キャラクターであるジョーカーが、近年でも稀に見るアレンジを施されて暴れ回っていたが、あれこそがトリックスターたる「世界の破壊者」の本質であると言っても良い。

同作でのジョーカーは、神話に於けるトリックスターの代表格である北欧神話のロキを思わせる。
ロキは、神と巨人の間に生まれた半神で、その名は「炎」を意味する。
出自からしてが、破壊を運命づけられた美丈夫で、更にこの神は両性具有であるとも云う。
ロキは北欧神話に於て既に予言されている『ラグナロク』をもたらす存在であり、その『ラグナロク』に於て神々を苦しめ、事実葬り去る怪物達……フェンリル・ヘル・ヨルムンガンドの父親である。

また、後代には『ラグナロク』の最期にただ一人生き残り、世界を浄化する炎の巨人「スルト」がロキの変身とする説も生まれているが、これはロキの人気から後付けされた物であろうと思われる。

……さて、現代ではH.P.ラヴクラフトが創造し、それに魅せられた後代の人間が神話体系へと発展させた、所謂『クトゥルフ神話』に於ける邪神Nyarlathotepが典型的トリックスターとして人気だが、この特性は前述のロキを始めとした先行する神話群をモチーフとする事は言うまでも無い。


【破壊神】

ここからは、純然たる破壊神を紹介する。
まず挙げるべきはギリシャ神話に於ける大地母神ガイアでは無いだろうか。
ガイアは全ての神々を生んだ母であり、その後、自らの意に添わない主神の地位にある神を次々に追いやった存在でもある。

これは、古代バビロニアの創世神話に於ける女神ティアマトとも共通する要素である。
彼女(彼)らは神話を盛り上げる為の障害であり、退けられる事により今の世があると云う喩えとして使われる事が多い。
個人名に限らねば、インドのアスラ(阿修羅)や西欧の悪魔(デビル、デーモン)、そして現代に於ける映像作品の敵(怪人、怪獣、フロスト兄弟、etc……)も同じである。
彼らは神話の中にあって、滅ぼされる事を目的に存在しているのだ。いわば「必要悪」たる者である。

……しかしその一方で、破壊神としての性格を負いつつも純然たる崇拝の対象となる存在も居る。
インドのシヴァがやはり有名だろう。
なお原爆実験でオッペンハイマーが引用したことで有名な「我は死なり、世界の破壊者なり」はヴィシュヌ神の化身であるクリシュナの言葉である。

日本人には素鳴男命(すさのおのみこと)∀ガンダムフェリシア等が馴染みが深い。
また、所謂「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)」もこの破壊神の性格の一部を強調した概念であり、破壊の後の創造を彼らは担う。


【誘惑者】

最後に紹介するのはを破壊する者としてのもう一つの姿「誘惑する者」である。
無論、上記の「トリックスター」や「破壊神」とは存在を同じくするが、性格が違う故に分けられているに過ぎない。
聖書に於ける「蛇」(サタン)が有名で、その正体はルシファーとされる事が多いが、それは神話を楽しむ場合の解釈で、哲学的には人の自由意思その物である。
他にブッダを誘惑したマーラ(魔羅)やメフィストフェレスや女の子等……。
西欧では、他民族の神々の内、自分達の教義に含まれなかった存在が悪魔(この場合はデーモン)として登場して来る。

これらの陰には支配層となった民族の思惑がある事は言うまでも無い(中世の女性へのキリスト教の差別、蔑視は冗談では済まない)。
それが神の思し召しか悪魔の企みかは……人により解釈が分かれる所ではあるだろう。
見えない物に怯え、誘惑され(たと思い込み)、人が人を裁いた地獄の時代は存在したのである。
……それは現代も同じ、かも知れないが。



【余談】

かのエドガー・アラン・ポーは「勝利の蛆虫」と云う名の詩篇で「死」を象徴的に記した。
また、短篇「赤死病の仮面」に於ては、やはり「病」に人の姿を取らせると云う寓意を顕している。



ユウスケ「士……」

夏ミカン「士君ってこんなに悪い人だったんですか!?」

世界の破壊者「俺じゃない……と思う」

二人「ハッキリしろ!!」



???「おのれディケイド!!本来とは関係無い項目まで追記・修正されてしまった!!」

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最終更新:2025年01月17日 10:17