ゾロシリーズ(MS)

登録日:2014/03/29(土) 22:53:46
更新日:2024/10/29 Tue 21:10:56
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ガンダムが抵抗のシンボルなどという伝説は、
このワタリー・ギラが打ち砕いてやる!!


ザンスカール帝国が地球侵攻に際し開発した可変モビルスーツ(以下MS)群。
本項目ではゾロの発展機であるトムリアット及びドムットリアについても解説する。
機動戦士Vガンダム」に登場した。

機体諸元はこんな感じ。
機体名 ゾロ トムリアット ドムットリア
型式番号 ZM-S08G ZM-S09G ZM-S27G
頭頂高 14.8m 15.0m 14.8m
本体重量 8.9t 8.6t 8.2t
全備重量 21.2t 20.7t 19.9t
出力 5,120kw 5,440kw 5,960kw
スラスター総推力 39,040kg 36,940kg 75,820kg

目次




【ゾロ】

ビームローターを搭載した初の量産型MS*1であり、単独長距離巡航能力に優れる。イメージ的には小型化&ヘリコプター化したバウ
機体色はモスグリーン。
ゾロアットの設計変更機であり、開発期間短縮のために基幹部品を流用したものと思われる。

分離変形後は上半身が戦闘ヘリに可変前進翼を取り付けたような形状のトップ・ターミナル、
下半身が携行兵装懸架・輸送ユニットと大型質量爆弾を兼ねるボトム・ターミナルとなる。
ボトムの操作はトップ側から『ミノフスキー・コントロール』という、
ミノフスキー粒子の光子振動を利用した無線誘導技術で行われている。
長距離巡航時はだいたい分離して移動する。
トップに搭載された兵装は機首のガトリングガンとビームサーベル兼用のビームガン、翼部ミサイルポッド。
小回りが利く戦闘ヘリを模した可変機構って時点であからさまに対人掃討用である。
合体時の誘導はレーザー通信なのでミノフスキー粒子高濃度環境下でも妨害されないが、お約束の通り合体時はカモ。

全天周囲モニターとリニアシートを採用しておらず、コクピット内のレイアウトが70年ほど逆行しているが、これに関してはヘリ形態時と操作性を近づけるための措置など諸説ある。
ちなみに非常時にはヘリのコクピットそのものが脱出ポッドとして機能する。

性能的には連邦軍旧式機より数段上で、リガ・ミリティアのMS相手にもむしろ優位であるはずなのだが、作劇の都合か戦績は悲惨であった。
変形時には僚機との相互連携が必須だった。


●武装

メインウェポン。
銃身には重機関銃のようなバレルジャケットが取り付けられている。

本体接続時はビームガンを兼ねる、ごく普通のビームサーベル。

  • ビームローター
ビームシールドの応用発展型で、文字通りヘリのローターのごとく基部を高速回転させることにより
ミノフスキー粒子のIフィールド立体格子を形成して揚力を生み出すデバイス。
MS形態では左腕に、トップ・ターミナル時にはバックパック中央のマウントラッチに装着される。
推進材を使わないので母艦を要せずMSのみで大陸間レベルを航行できる画期的なシステムなのだが、
姿勢制御や戦闘機動には未だ推進剤を必要とし、片腕が使えずとっさの行動が取りづらい等、未だ戦闘面では課題を抱えていた。
根本的な対策は引き続き試作機等で模索されていったが、現段階では直接戦闘力に貢献するシステムではなく、
戦局の変化により主流は母艦運用とアインラッドとの連携を前提とするスタイルに移行してしまった。
元がビームシールドなので防具としても機能する他、ビームの膜を棒状に収束させてサーベル代わりに使ったりもできる。

  • ガトリングガン
手持ちの大口径型(ボトムの股間ハードポイントに装着可能)とヘリ機首の小口径型の2種類存在する。

多種多様な弾頭を投射できる大型砲。

  • ビームバズーカ
肩掛け式の大型ビーム砲。

  • ミサイルポッド
翼部に懸架可能なミサイルランチャー。取り外して手持ちで使用も可。またボトムの股間ハードポイント専用のミサイルポッドも有る。

  • 対地爆雷コンテナ
ミサイルポッドのように翼部に懸架するが、手持ちで以下略。


●バリエーション機

○クロノクル・アシャー機

アチャー大尉ことクロノクル・アシャーの機体はスラスターとアポジモーターが強化されたカスタマイズドモデルで、赤く塗装されている。
天才坊やにかっぱらわれたシャッコーの奪還に使用された後、カミオン隊襲撃時にVガンダムと交戦して中破、放棄された。

○ゾロ改

ラゲーン駐留部隊残党のマチス・ワーカー搭乗機。
頭部左のセンサー系が強化されており、デナン・ゾンの頭を半分移植したような歪な外見が特徴。
一方で戦闘能力はさほど変わっていないものの、部下との連携や大量のボトム・ターミナルを利用した物量戦で格上のV2相手にも果敢に戦った。
最後は下半身を失いながらもV2ガンダムに特攻をかけるが失敗、パイロットのマチスは戦死している。


●劇中での活躍

ザンスカール製MSは連邦軍の旧式機よりは格段に高性能なので、
描写されていない緒戦の進撃時やゲリラ掃討では無双状態だったと思われる。
主人公補正ガチガチのウッソと愉快な仲間たち相手には終始フルボッコにされ通しだったが、
ウーイッグを空爆した際には対人掃討で凄まじい威力を発揮し、視聴者にトラウマを刻みつけた。



【トムリアット】

ゾロの実戦運用で露呈した問題点を潰すように設計されており、
「非効率じゃね?」とされた分離合体機構は単独変形に変更され他、
機体の効率化が図られており総合的な戦闘能力はゾロの2倍とも言われる。

開発期間短縮のためか、コクピットや基幹部品はゾロと共用だが、地味に宇宙空間での運用も可能。
単独変形の導入で戦闘時に変形を織り交ぜることが可能になっており、運用面での柔軟性が強化された。


●武装

オプションはゾロと共用なので異なるもののみ記述する。

ゾロのものとは形状が異なる。

  • ビームトマホーク
ビーム刃が斧状の斬撃兵装。

  • 2連マルチポッド
翼部に懸架するミサイルポッド。

  • 4連マルチポッド
脚部外側の外装から弾頭のみ露出した形で内蔵されているミサイルポッド。


●劇中での活躍

尻で椅子を磨く先輩ことアルベオ・ピピニーデンの部隊(ピピニーデン・サーカス)とともにラゲーン基地配属の形で初登場。
基本的には二代目殺られ役だが後継機だけあってそれなりに手強く、シュラク隊のお姉さんを2人相討ちに持ち込むという金星を挙げている。

また、後には本国への帰還のため宇宙に打ち上げられたクロノクル機が
カイラスギリーに肉薄する連邦艦隊を背後から奇襲し旗艦のクラップ級を撃沈している。



【ドムットリア】

基本的にはトムリアット改。
背部に可動式バーニアユニットを増設したことによりヘリ形態での機動性と安定性が向上している。
さらにスラスターが大幅に強化され、総推力はトムリアットの2倍以上にまで強化された。
また、2連マルチポッドに代わって頭部に誰得装備ことショックバイトが搭載されている。

最後のヘリ・タイプであったが、
実戦投入時には既にアインラッドが登場した後であり、活躍の機会はほとんどなかった。


●武装

例によってトムリアットとほぼ共用。

  • ショックバイト
頬の辺のパーツが展開して電撃によるダメージを与える近接戦闘補助兵装。
虫の顎のような見た目で結構キモい。


●劇中での活躍

上記の通り目立った活躍はほとんどない。
一度ホワイトアーク隊を追い込むが、被弾・中破して撤退したくらいのもの。



【ビガン】

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』に登場したトムリアットの改修機。
「変形するたびにいちいちローター付け替えるの面倒じゃね?」ということで、
ローターが口吻部に移動されている。見た目はさながらシュモクバエ。
ローター部分は木星帝国エルコプテから着想を得た、実体のローターを使う事で小型化に成功している。
しかし、宇宙世紀169年時点での技術退行によって変形機構を機能させるのが難しくなり、非変形機となった。

この時代のモビルスーツでは珍しく飛行機能を持ち、ローター部分からはビームシールドを発生させることも出来る。
おまけに、ドムットリアの投入によってコロニー制圧軍に回されたトムリアットが多かったので数を揃やすく、この時代における改修機としては中々の逸品と言えるだろう。


●劇中での活躍

賛美歌の国の尖兵としてサイド1を襲撃し、サイド1住民の脱出を行っていた無敵運送と衝突する。
空中からの襲撃で一時は優位に立つも、無限軌道を持つアンカーV2の機動性により、無防備に空中に居ることがデメリットとなってしまった。
地上に降りたところを大量のキャノン・ボールによって囲まれ、アンカーV2によって撃破されていった(一部は退却成功)。



追記・修正はイエロージャケットに配属されて対人掃討をヘリモードで経験してからお願いします。

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最終更新:2024年10月29日 21:10

*1 漫画作品まで範囲を広げるならばMAであるが木星帝国のエルコプテが初。ただし実体ローターとの併用が必須の不完全なモデルで、完全なビームローターという意味ではやはりゾロが初となる。