劇場版 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 維新志士への鎮魂歌

登録日:2014/09/02 (火) 22:47:30
更新日:2025/04/02 Wed 21:32:19
所要時間:約 4 分で読めます




アニメ版「るろうに剣心」の劇場版。1997年12月20日に公開された。
時系列としては剣心が既に斎藤と顔を合わせている事、左之助が「二重の極み」を使用している事、「天翔龍閃」の存在が語られている事などから京都編から人誅編の間の頃だと思われる。
そもそも平成アニメ版は人誅編まで進まなかったけど


[あらすじ]

幕末。薩長同盟の締結場所である「鈴屋」に「人斬り厳達」をはじめとする剣客たちが襲撃。鈴屋を護衛していた緋村抜刀斎は激闘の末、「人斬り厳達」を撃破。同盟は締結され、新時代への一歩となった。


時は流れ明治11年、横浜を訪れていた剣心達は横暴を働く水兵達に抗議する女性を通りかかった剣客、時雨滝魅と共に助け互いを認め合うが剣心は彼と別れた直後に斎藤と出会い、「時雨には近づくな」と忠告を受ける。
その後、薫達と合流した剣心は先ほど助けた女性が会津出身の高槻朱鷺と言う名で、今は時雨の世話になっている事を知るが、剣心は「高槻」と言う名に「人斬り厳達=高槻現達」と戦ったあの時の事を思い出す。
直後、英国公使館でテロが発生。さらに朱鷺から最近時雨の様子がおかしいと話を聞いた剣心は時雨から話を聞こうとするが、彼からは「もし自分に何かがあったら朱鷺を頼む」と言われる。果たして、時雨の目的とは…。



[主要登場人物]

お馴染み主人公。本作でも幕末からの因縁に巻き込まれることになる。
一方で自分がかつて殺した相手の関係者が敵という人誅編と似たような状況でありながら、一切の迷いもなく戦っている。まぁ、きっかけが自分への復讐ではなく、六人の同志ほどアレでもないのもあるけど
決戦では空中での回転抜刀術という新技を披露した結果、天翔龍閃は名前しか出てこないという酷い目に遭った。冒頭では外国人から「サムライボーイ」と言われた。


左之助の陸蒸気代や食事代を立て替えたりと金銭面での苦労が絶えない。本作では戦闘シーンはないが、弥彦が行方不明になっていた時は誰よりも心配していた。


アニメ版では陸蒸気を怖がっていたが、本作では逆にはしゃいでいた。津南から時雨の情報をもらい、また彼らを止めるため戦う。
決戦では時雨達の潜伏先の門を破壊するために「二重の極み」を使用。さらに剣心対時雨の実況も担当した。
剣心や弥彦とは違い時雨達との因縁が一切なく、斎藤のようなおいしい出番というのもないので若干影が薄い。
その一方で時雨達のテロ活動に対してはかつて明治政府を憎悪していた頃の自分や津南を思い起こしたのか、戦闘では「こんな事をして何の得があるってんだ!?」と激昂していた。「二重の極み」を伝授した恩人も時雨と同じような過ちを犯していたのが皮肉と言える。


本作では父親が彰義隊の一員だった設定が生かされ、時雨達の仲間であり同じ境遇の武蔵野を慕い、時雨達に加わろうとするが最終的に時雨に止められる。その際、剣心達の元を長く離れていたため心配された。


時雨達の動向を陰ながら追っており、剣心に時雨の事について警告した。京都編ラストで(剣心達の視点で)行方不明になっているためか、本作では剣心以外のメインキャラ達とは顔を合わせていない。
戦闘シーンも殆どないが、最後の最後で時雨達の裏切者であった加治木を始末するという一番おいしいところを持っていく。


  • 時雨滝魅
CV:井上和彦
元会津藩士。横浜で剣心達と出会う。高槻厳達とは無二の親友であり、自分の判断ミスが彼を死なせてしまったと考えその罪滅ぼしのために「新・維新」を起こそうと画策していた。
斎鬼鹿沼流の使い手であり、「鹿沼三羽烏」の一人として厳達よりも強いと言った通り刀と鉄拵えの鞘を使った二刀流で剣心を苦しめた。剣心との決着後、田母野が陸軍に撃たせた銃弾から朱鷺を庇い、息を引き取る。
ちなみに厳達が倒された瞬間を目撃した際に龍槌閃を見ており、それが脳裏から離れなかったため剣心の太刀筋のほとんどを見切っていた。青龍かお前は
ちなみに中の人はドラマCD版では相良総三を演じていた。


  • 高槻朱鷺
CV:宮村優子
厳達の妹。厳達が戦死した時は四歳だった。現在は東京で時雨と共に暮らしている。真似事で塾を開いており子供たちからも慕われている。また料理も上手い。
事件後、剣心から厳達を斬ったのは自分であり、人斬り抜刀斎だった事を知らされるが剣心を責めることなく「信じる者のために戦った」と事実を受け入れた。その後、時雨の供養のため会津に旅立っていった。


  • 武蔵野泰春
CV:山口勝平
時雨達の同志の一人。容姿がどことなく瀬田宗次郎に似ている。
父親が彰義隊の一員であり、弥彦から特に慕われていた。決起の際には時雨を陸軍の銃弾から庇い戦死。弥彦は彼の亡骸を見て号泣した。


  • 加治木貞史郎
CV:子安武人
元会津藩士。幕末の頃から時雨や厳達と行動を共にしており、現在でも時雨達の同志の一人。だが実は政府高官の地位を得ようと時雨を裏切り、田母野に取り入っていた。
最終的に田母野に見捨てられ逃亡するが斎藤に始末された。絶命する瞬間、目の前の人物が新選組の斎藤一であったことに気づいた。
ちなみに「鹿沼三羽烏」は時雨と厳達以外もう一人いるはずだが、本編中その正体は明かされない。…多分斎藤に騙し討ちしようとしてあっさり返り討ちにあったこいつではないだろう。
中の人はドラマCD版では横暴な剣客警官の宇治木を演じていた。またこの映画の後に放送された「風水編」では剣心達の味方である陣風役で出演している。


  • 田母野鋭敏
CV:小杉十郎太
明治政府の軍人。男爵の位を持つ。山県有朋を失脚させ陸軍卿の座を得ようとしており加治木を利用して陸軍の武器を時雨達に横流しした。
剣心と時雨の決着がついた後彼らを全員始末しようとし陸軍に発砲を命じ、これが原因で時雨が死亡。直後怒りの剣心に一瞬の内に倒され、警察に拘束された。


  • 高槻厳達
CV:佐々木望
会津藩士。「鹿沼三羽烏」の一人であり時雨とは無二の親友だった。薩長同盟の会談場所を護衛していた抜刀斎と交戦し、傷を負わせるも最終的には龍槌閃を喰らい戦死した。
「人斬り厳達」の異名を持っていたが本人は家族や知人の幸せのために戦っていた。彼の死が本作の事件のきっかけとなる。
中の人は後に「追憶編」「星霜編」である意味朱鷺のポジションとも言える雪代縁を演じている。


  • 桂小五郎
回想場面で一瞬だけ登場。台詞なし。
なお、劇場公開時はジャンプ誌上では追憶編と同時期。結構ギリギリの制作状況だったと思われるがちゃんと追憶編準拠になっている。


CV:佐々木望(坂本)
回想場面で一瞬だけ登場。西郷は台詞なし。
こちらは原作には登場しない劇場版オリジナル。


説明不要の幕末時代の剣心。回想場面で登場。
薩長同盟の会談の際に桂の護衛として同席するという大役を務めていた事が判明した。
桂としても腹心と言えるほど信頼している抜刀斎が来てくれれば、幕府側の襲撃や会談決裂による薩摩側の攻撃があったとしても身の回りは安全だし、
抜刀斎としても自分が出席しなかったために大惨事になった池田屋事件の苦い思い出があるので、たとえ言われなくても桂の護衛に立候補していたであろう。





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最終更新:2025年04月02日 21:32