大和敢助

登録日:2015/07/10 Fri 07:53:36
更新日:2025/04/23 Wed 12:07:41
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名探偵コナン』の登場人物。

CV:高田裕司


□概要

長野県警刑事部捜査一課の所属で階級は警部。年齢は35歳。
色黒で無精髭を生やし、やや伸びた長髪を後ろで束ねている。


幼少期は長野のとある村で育ち、当時村交番の巡査だった甲斐玄人に憧れて警察官となる。
長野県警に入った直後に甲斐が不審死を遂げ、彼の死の真相に迫る為に雪山に逃亡した犯人を追う。だが捜査中に発生した雪崩に巻き込まれ、それが原因で左目と左足を負傷すると共に、左目を失明。
その後遺症で、杖を突かなければ歩けない身体になるが、主治医の話ではもうすぐ杖なしで歩けるほど順調に回復へと向かっているらしい。
雪崩で半年間意識不明となり行方が掴めなかったが、同僚の諸伏高明警部が彼の入院している病院を突き止めたおかげで生存が確認され、
退院後に県警本部に復帰する事ができた*1
名前の由来は、戦国武将武田信玄の軍師・山本勘助から。ちなみに初登場当時は山本勘助が主役のNHK大河ドラマ「風林火山」が放送されていた*2

作中に登場する刑事の中でもトップクラスの推理力を持っており、初登場の事件でも江戸川コナン服部平次を差し置いて
真犯人の最後の犯行を防ぐべく部屋で待ち伏せをしていた。
なのでコナンの介入なしに事件の真相に辿りつく事も多く、現場に入るなりトリックを瞬時に見破ったり、元警官への聞き込みだけで報告書の記入ミスに気づいたりなどの活躍を度々見せている。
隣県で同じ警部をしている某へっぽこさんとはえらい違いである。どこでこんなに差がついたのか……?
また勘も鋭く、知り合って間もないコナンの事を「眠りの小五郎を牛耳っているのはあの小僧(コナン)だ。とんだ化け物だぜ…」と、
彼が普通の子供でない事を見破っている。
もし工藤新一と面識があれば、「コナン=新一」だとすぐに気づいた事だろう。
一方で毛利小五郎の事は「ズクナシ*3」と思っており、あまり頼りにしていない。

だが強面なうえに乱暴な口調でもあるため、初対面の人間には何かと誤解されやすく、灰原哀阿笠博士を車に乗せた時には「黒の組織の一員」「コナン達を半殺しにしようとしている危険人物」なのではと疑われ逃げられている。
ぼた餅を「半殺し*4」と呼ぶ等、 物騒 な言葉を好んで使う。そのせいで前述のような勘違いをされる事もある。
足が不自由なものの身体能力は高く、初登場の事件ではコナンや平次に混じって犯人一味と大捕り物を繰り広げていた。
そんな彼も家庭的な一面があり、祖母から教わったという牡丹餅が得意料理である。

プライベート時には部下にして幼なじみである上原由衣の事を「由衣」と呼んでいるものの、長きに渡り作中でそのように呼んでいる場面は描かれていなかった。第102巻収録の『群馬と長野 県境の遺体』で発生した事件の解決後に「由衣」と呼ぶ場面が初めて描かれた。
由衣からは「敢ちゃん」と呼ばれる事があるが、仕事中だと「俺はお前の上司だからその呼び方はやめろ」と諭すのがお約束となっている。

諸伏とは小学校からの同級生でライバル
何かにつけて競い合っていたようだが、彼相手だとつい冷静さを失って空回りしてしまいほとんど勝った事がないらしい。
一見諸伏とは険悪な関係のようだが実際は互いに厚い信頼関係にあり、彼と示し合わせて犯人を油断させるための罠を仕掛けた事もあった。


□主な活躍

初登場は第59巻収録の『風林火山 迷宮の鎧武者』事件。
ある村の名家で起きた連続殺人を担当している時にコナンたちと知り合う。
この事件では当時虎田家に嫁いでいた由衣が容疑者の1人となっていたが、それでも容赦なく彼女に対し強引な聞き込みをしていた。

「捜査に私情は挟まない」という捜査方針の表れなのだろうが、ふとした時に彼女の事を旧姓の「上原」で呼ぶ場面もあった。
事件が解決した時にはさりげなく由衣に復職をすすめ、少しだけ2人の関係も改善された様子。

『死亡の館、赤い壁』では新野署へ異動となっていた諸伏を県警本部に復帰させようとコナンの力を借りるが、その思惑を諸伏本人には見破られており、事件解決後にイヤミを言われてしまい腹を立てていた(内心はコナンに会わせてくれた事に感謝していたようだが)。
その後諸伏は自力で県警本部に復帰し、大和の捜査班に配属される。

劇場版『漆黒の追跡者』にも登場。
映画のパンフレットの人物紹介には「コナン級の推理力を持つ捜査官」と記されていたのだが、その設定が劇中ではあまり生かされていなかった。

長野県警にスポットが当たった劇場版『隻眼の残像』では、由衣や諸伏共々メインキャラに大抜擢。
前述の雪崩事件の真相が明かされるストーリーになっており、中でも大和は物語の核を担う存在となっている。


□余談

その優秀さから作者が長野県警に取材した際、長野県に優秀な警部を出してくれたことに感謝されていた。
…相手が群馬県警でなくてよかった。

上記にもあるとおり、一度黒の組織のメンバーだと疑われた事があるが、
現在はコナンから密かに「大和は組織の一員の“ラム”ではないか?」と疑われている。
そのラムの特徴が、「長髪で大柄な老人のように見える男で、左右どちらかの眼球が義眼になっている」というもので、
大和にはその特徴がほぼ全て当てはまっていた。
なのでコナンから警戒されていたが、後にもっと疑わしい人物達が登場したため今でも疑われているかは不明である。
ちなみに「大和=ラム」説は、後に作者自身がきっぱりと否定しており、特徴が当てはまったのはミスリードであったことになる。





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最終更新:2025年04月23日 12:07

*1 諸伏のほうは、その時の強引な捜査の責任を問われて新野署へ異動となった

*2 なお、このドラマで山本勘助を演じた内野聖陽はのちに『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』でゲストキャラのアラン・スミシーを演じている。

*3 「ずく」とは長野県の方言で「根性」や「気力」というニュアンス。つまり「ずくなし」は「怠け者」「役立たず」といった意味で使われる。

*4 長野県や徳島県で使われる方言。