上原由衣

登録日:2016/02/26 Fri 17:23:16
更新日:2025/04/22 Tue 09:26:21
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上原由衣とは、漫画名探偵コナン』の登場人物。



□概要

長野県警刑事部捜査一課に配属されている刑事。年齢は29歳。
実はレギュラーキャラクターでは数少ない女性刑事の一人。
名前の由来は、武田信玄の側室・諏訪御料人*1と、長野にある山城・上原城から。

一人称は「私」。
二人称は大和に対しては後述の通りで、それ以外の大体の相手には「あなた」や苗字に「さん」付け、目下には名前に「くん」「ちゃん」付け。
黒の長髪を後ろで結い、前髪を左右に分けて垂らしている美人。
服装は登場する度に変わっており、ブラウスにスカートだったりレディースのパンツスーツだったりと様々。
登場当初は冷静で落ち着いた女性として描かれていたが、後に再登場した際には明るい一面も見せるようになる。

同じ長野県警に所属する大和敢助警部は上司にして幼なじみ
たまに捜査中に大和の事を昔の癖で「敢ちゃん」と呼んでしまう事があるが、その度に「俺は今お前の上司だ、敢ちゃんはやめろ」とたしなめられている。
階級は作中では不明で、警部である大和から前述のように言われている以上は警部補より下と見られていたところ、『SDB』で警部補と明言された。
尚、大和のライバルである諸伏高明警部も小学校時代の幼なじみであるが、現在は諸伏の事は「諸伏警部」と呼んでいる。なお大和同様にたまにタメ口気味になる。

大和や諸伏には多少劣るものの、彼女もまた頭脳明晰な刑事であり、洞察力も優れている。
『危険な二人連れ』で長野から東京に向かっていた途中、たまたま阿笠博士灰原哀を拾った時は、彼らがエンストで立ち往生して困っていた事を見抜き阿笠を感心させていた。
しかし、その直後に車内で血の跡や弾痕を発見された事で、灰原から「組織の一員?」と疑いの目を向けられてしまっていた(なお、それらの跡は逮捕した被疑者が暴れた際の「置き土産」というオチ)。
その他、大和の名前が戦国武将の「山本勘助」に似ているからか、彼に関してやけに詳しい。

しかし洞察力が鋭い反面、データだけに頼った推理は苦手らしく、『赤い女の惨劇』では15年前のとある事件に関する報告書に記入ミスがあったが、それが意味する重大な事実に気づく事が出来なかった。
また毛利蘭遠山和葉と同様に怖い話が苦手らしく、世良真純の「もしかしたらこの森には何か(得体の知れないもの)が潜んでいるのかも……」という冗談を真に受けて思わず青ざめた事も。
加えて、大和からは「マズいコーヒー」だとよく言われているが、それでも前捜査一課長には好評だったらしいので単なる憎まれ口かもしれない。

上司であり幼馴染でもある大和に好意を抱いていたが、彼がある事件で雪崩に遭った事で彼が死亡したものと勘違いしてしまう。
丁度その頃は、幼少期に憧れの存在だった巡査・甲斐玄人の死亡事故の真相を突き止めようと奮起していた時期でもあり、一緒にその事件を追っていた大和のためにも真相を暴こうとして、事件の関係者が多くいる虎田家へと嫁ぎ一時休職。つまり一時期人妻だった。
しかし夫である義郎への愛は本物だった様子で、彼からもまた同じように愛されていた。
このため、後に再会した大和に自分の素直な気持ちをぶつけた時には、「こんな事言ったら主人(義郎)に悪いわね…」と複雑そうな表情を浮かべていた。
長野県警に復帰し大和の部下となった後は、彼との仲も少しだけ改善したようである。


□主な活躍

初登場は第59巻収録の『風林火山 迷宮の鎧武者』。
この頃には既に虎田家へ嫁いでいたため、名字は「虎田」となっている。
殺人事件の関係者であるが故に大和からは「奥さん」と呼ばれ、乱暴な聞き込みをされる。
なので大和を見つめながら「もう昔のように名前で呼んでくれないのね…」と寂しげな表情でつぶやく場面もあった。
後に自力で殺人事件の真相を暴き、最後の標的である龍尾景の命を守るために彼の元に向かう。
江戸川コナン服部平次、そして大和の力を借りて犯人を逮捕した後は前述どおり大和に自分の想いを告白。
その後は虎田家を出る事を決意し、名前を旧姓の「上原」に戻す。
そして大和の勧めで長野県警に復帰し、再び彼の部下となった。

なお、この事件の時に恋を信玄の軍略「風林火山」にたとえ、それを蘭と和葉に教えた事で彼女たちに多大な影響を与えるようになる。
彼女たちからも「由衣刑事」と呼ばれ慕われており、群馬と長野の県境付近で起きた一件がギリギリ群馬県警の管轄だったためにヘッポコ山村ミサオが出動した際には「由衣刑事に会えると思ったのに」と、面と向かって文句を言っていたほど。
和葉とは電話番号を交換していて、大和との恋に進展があれば彼女に教える約束をしているらしい。

2025年公開の『隻眼の残像』では、本作のヒロインとして活躍する。

□余談

  • 作者によれば、『風林火山』事件の執筆当初、由衣は事件の犯人という構想になっていた。
    しかし、名前を諏訪御料人に基づく「由衣」と設定したところ、「なんかこの子…事件のヒロインにしたくなっちゃったなあ…」と感じたため、2時間かけて一話目のセリフを手直ししたという。

  • 字幕放送では「由衣」と表示されているが、2021年4月24日に放送された『36マスの完全犯罪』の前編では「由」と表示されていた。

  • 由衣の初登場エピソードである上述の『風林火山』事件は2008年に放送されたものだが、由衣役である小清水亜美の年齢は放送当時22歳で、キャラクターよりも年齢が下だった。


追記・修正は、コーヒーをうまく淹れられるようになってからお願いします。

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最終更新:2025年04月22日 09:26

*1 この人物は、井上靖の小説「風林火山」では「由布姫」、新田次郎の小説「武田信玄」では「湖衣姫」と呼ばれている。