登録日:2015/10/12 Mon 20:03:09
更新日:2025/02/20 Thu 19:28:44
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セルゲイ・ヴォルコフ(Sergey Volkov)とは、
遊戯王ARC-Vに登場する決闘者(デュエリスト)である。
CV:遠藤大智
【概要】
かつてシンクロ次元の都市「シティ」を震え上がらせた凶悪犯として知られている。
そのデュエルは文字通り『無茶苦茶』であり、倒した相手を徹底的に叩き潰す事から、「デュエリスト・クラッシャー」という異名で恐れられた。
プロ・アマチュアに関係なく多くのデュエリストを標的にデュエルを仕掛け、標的になったデュエリスト達は再起不能にされ、彼によって道を絶たれている。
あまりに被害を出し過ぎた為にセキュリティに目を付けられるが、逮捕の際には複数の
ゴヨウモンスターが物理的に拘束をして、やっと逮捕出来た程に狂っている。
逮捕後も収容所で30人を病院送りにし、地下送りにされても50人以上の決闘者をぶっ潰した。
この段階でロジェにスカウトされ、以後は別人のように大人しく彼に従っている。
地下デュエル場を仕切るギャラガーによると、
一度死んで蘇ったという噂もあるとか。
ダークシグナーだこれ
筋肉隆々の肉体を持つ巨漢であるが、一方で腰から下が細く、非常にアンバランス。
使用しているDホイールも彼の体格に合わせた大型の重量級である。
そのサイズは
遊戯王5D'sで言えばボマーや
ロットンが使用していたDホイールクラスに匹敵する。
フレンドシップカップでは第一試合でシンジ・ウェーバーの仲間であるデイモン・ロペスとデュエルをするが、あまりに歯ごたえが無く、
防戦一方な闘い方に対戦相手のデイモンや観客達からは甘く見られていた。
だが、多くの人々からのブーイングの中でワンショットキルを仕掛けて勝利する。
この時、デイモンが再起不能(かと思いきや、後に地下施設でデイモンは無事な様子を見せている)になっており、謎の多いデュエルとなっている。
第二試合では
柊柚子と対戦。
彼女の戦術を退屈と評しながら、自身は柚子の攻撃を茨の囚人モンスターの効果で防ぎつつも、そのデメリットの自己バーンダメージに耐える
ドM戦術を取る。
効果発動の際には、
実体化した茨が身体に巻きついて身体を締め上げる演出がなされた。
いや、あえて自分のLPを下げて戦うというデュエルスタイルや
サイキック族のようなLPコストを払って戦うデッキもある。
……あるのだが、こいつに限っては違う。
そう、笑っているのだ。
リアルソリッドビジョンの茨に締め付けられ、汗をたらして「うう…」と喘ぎ声を上げながらニヤニヤ笑っている。どう考えてもアウト。
完璧に深夜42時枠のキャラである。ていうか、こんな逆三角形が喘ぐシーンとか誰得だ。
デイモン戦と同じく防戦一方なデュエルスタイルで、あっと言う間に圧倒的不利な状況に自分を追い込みながら笑う姿は、
対戦相手の柚子はおろか、実況をしているメリッサや観客達に嫌な意味で恐怖を与えていた。何なのこの人…
カード効果で苦しむ姿を見かねた柚子から気遣いを受ける事になったが、
「絶対に勝つ」ではなく「勝った」。そういう顔をしている。
「勝とう」と必死な顔より、「勝った」と確信した顔をぶっ潰す。
彼は追い詰められた自分に声をかけ気遣う柚子の優しさに感動し、そしてそれを破壊する事こそ「最高の美である」と口にした。
耐えて、耐えて、耐えて…耐えて、耐えて、耐えた甲斐あった!
その瞬間、頭に仕込まれていたリミッターが外れてしまい、抑えこまれていた狂気を爆発させる。
顔はより凶悪な面構えになり、喋りも自分の独特な美学を語るほど饒舌になった。
柊柚子の取った気遣いと言った行動はセルゲイの中の美学を触発させてしまっていたのである。
こうなっては最早デュエルが終了して感情が落ちつくまで誰も止める事はできなくなる。
最終的にシンクロ召喚と融合召喚を披露し、柊柚子にもワンショットキルを決める上に、
彼女がアクションカードを取ろうと足掻いた際には「その足掻きは美しい」と言いつつも、「だが……見苦しい!」と断じ、
アクションカードの入手をDホイールによるラフプレイで妨害、その勢いで彼女をDホイール諸共デュエルレーン外のビルへ吹き飛ばすという暴挙にまで及んだ。
その後もデュエル終了後にはビルに飛ばされた柚子を見て「美しい……」と言い残している。
そのままスタジアムに高笑いしながら凱旋。
さらなる問題発言をかました。
放送時に当てられた字幕は本当に「イッた」だった。こいつ夕方アニメに出してよかったのか。
さすがのシンクロ次元民もドン引きする中、長官が派遣したセキュリティに改めて確保。再び調整を受けることになった。
拘束された時も変わらず笑顔…というかアヘ顔を晒していた。こいつ本当に夕方アニメに(ry
屈折した美学を持つ彼ではあるが「勝ったと確信した顔」の相手にも強いこだわりがあり、
勝利間近で慢心して相手を侮ったデイモンの事は「あれは、駄目だ……少しも美しくない!」と言い切っている事から、
柚子のような勝利を確信しながらも相手を思いやれる清廉潔白な精神を持つ者にのみ美しさを感じており、
「それを理解した上で」そういう者達を徹底的に叩き潰す事に無上の喜びを見せている。
つまりリスペクト・キラーである。
試合後は長官の命により再調整を施される。
脳に手術で制御用チップが埋め込んであり、そのチップの性能も向上させたらしい。…遊戯王だからね。
ちなみに、長官は遊矢にも同じ処置をしようと企んでいたが、状況の急変で時間が足りず断念している。
再調整されたセルゲイは最高評議会及び
赤馬零児の抹殺のために送られる予定だったが、
突入直前に
オベリスク・フォースが襲来、急遽そちらの迎撃に回された。
その後、オベリスク・フォースの信号弾からセレナを追い、遊矢とバレットのデュエルに乱入。
乱入ペナルティの2000ポイントダメージで悦ぶかと思われたが別にそんなことはなかった。再改造の調整はうまくいったようだ
邪魔者扱いするバレットの言葉をガン無視しながら、新カード
地縛戒隷を使用。
融合とシンクロを同時に行い、バレットを一蹴。さらには遊矢のオベリオンをも下す。
体の各部に仕込んだブースターで突撃し、庇う素良や月影を吹き飛ばして柚子を確保。
走り出せ、その足で
その推進力のまま天井を突き破ってどこかへ飛んでいった。
脳に制御チップ埋め込んだり、左目に機械仕掛けの義眼を仕込まれていたり、身体にブースター仕込んだり。
ロジェはセルゲイをどうしたいんだ。
変態的な言動に、一度死んだと言うギャラガーのセリフに地縛
神戒隷を操る事からダークシグナー要素を持ち、さらには身体を改造。
次は
Dホイールと合体するのだろうか。
やっぱり奴は弾けた・・・。
コモンズが暴動を起こす中、急遽組み合わせ変更された準決勝でジャックと対戦。
苦悶の表情から絶叫へと移り、多くの視聴者が「一体何が起こるんだ・・・?(はいはい合体、合体)」と思っている中、
ソリッドビジョンの網で拘束されて、変形したDホイールに食われたように取り込まれる奇行機巧を経て、拘束されたままのセルゲイの上半身が抜け出し、操縦にはバランスを取る事に全てを費やしそうな、例の未来サイボーグ達も蒼白するような姿へと変形・合体。
「我はスピードと一体となった!見ろ!この美しいフォルムを!!」と迷言をかましている。
下半身が一輪車と合体とでも言うしかない見た目への衝撃が、視聴者全員の腹筋にダイレクトアタックした事だろう。
一方で「またかよ」という冷めた意見もあったが。 人と
バイクが突然合体してこの反応って。
当のジャックは「つまらん芸」と一蹴。そのまま
スルーされ、デュエルは続行された。
パラレルワールドの記憶を持ち越してるかと思うほどの冷静さ。
合体でジャックすら寄せ付けぬ速度に加速。
拾ったアクションカードを除外するごとに相手にダメージ+攻撃力ダウンさせるフィールド魔法『地縛原』の効果で、ジャックとレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを追い込んでいくも、ジャックは「王の前を走る露払い」「衛兵ごとき」と切り捨て全く怯まず。
「つまらん」とデュエルレーンを破壊してリアルダイレクトアタックしたり、スカーライトの破壊するか否かを選択させたりするが、ジャックはあくまで己の魂スカーライトを守り抜く。
一瞬のスキを突かれて先攻を許し、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを守り、王としての矜持を見せるジャックについに、自我を取り戻して顔芸と共に「美しい」と認めた。ロジェ長官の絶叫が響きはじめた。
激闘の末、敗北してレーンアウトするが、ジャックはレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを救出に向かわせるもその手を振り払い、自身の美しい散り様を守り抜き、破滅の美学を貫いて落下していった。
これで退場かと思いきや、次話でボロボロの身体で登場。千切れた左腕に加え、剥がれた顔の皮膚から機械が晒されていた(もはや映画終盤の
ターミネーターである)。満身創痍かつまともに機能していないようで不気味な笑みを浮かべながら這いずり回っていた。
その姿を見つけたコモンズの住民たちは、その化け物じみた姿、セルゲイがかつて「デュエリストクラッシャー」と呼ばれた重犯罪者だったこと、セルゲイがトップスに従うものとみなされたこと、暴動の最中の恐慌状態だったこともあり、セルゲイを完全に破壊しようとしていた。
セルゲイの最期は定かではないが、ロジェへの通信は途絶し、完全に機能停止が伝達された。
【使用カード】
茨で出来た拷問器具へ磔にされた悪魔族のモンスター達を使用している。
イラストからしてすでにギリギリ。
モンスターの種別ごとに表記が違い、共通するのは少なくとも「茨の」シリーズと言ったところであり、
メインデッキのモンスターは「茨の囚人」、シンクロモンスターは「茨の戒人」、
融合モンスターは「茨の超越戒人」となっている。
共通して攻撃力は0であり、効果の発動の際にはライフポイントを必要とする特徴を持つ。
エースモンスターは融合モンスター「茨の超越戒人ヴァン・ダーリ・ズーマ」。
遊戯王名物の「素材モンスターをそのままごちゃまぜにした外見」となっている(ヴァンとダーリ、ズーマが組み体操の「扇」の様な格好で手を繋いでいるだけ)。
が、見た目に反してその効果はなかなかやっかい。
自身の攻撃力を2500から自分のライフを引いた数値×2の数値にする効果を持つ。
効果発動時のライフをXとして数式で表せば(2500-X)×2、展開して5000-2Xとなる。
つまりライフが500を下回っていればアニメの初期ライフ4000を超えワンショットキルが可能になるのだ。
この効果を最大限に活かす為に自分のライフを削っていくのがセルゲイの戦術。
ちなみにこのカード名の元ネタはおそらくヴァンダリズム/vandalismだろう。美しいものや尊ぶべきものを破壊・汚染する行為を指す言葉である。
柚子の気遣いを美しいと評した上でボロボロに叩き潰し、そのことに快感を見せる姿はまさしくヴァンダリズム的な行動と言える。
彼もシンクロ・融合の際には専用のセリフを喋ったが
- 「茨の超越戒人ヴァン・ダーリ・ズーマ」
「辛苦、痛み、凡庸なる価値を骸とし、全て脱ぎ去り!今!茨の道を越えよ!」
口上もかなり変態チック。
このデッキ及びカードの効果で自身を追いこむセルゲイの姿を見た赤馬零児は「肉を切らせて骨を断つ……いや、それ以上に」と眉をひそめるような発言をしている。
もっとも赤馬零児じゃなくても不快感を表すだろう。
遊矢とバレットのデュエルに乱入した際には新たなデッキを使用しており、
茨モンスターとは打って変わってオカルトめいた【地縛戒隷】デッキである。
え、地縛って・・・?
ロジェ長官曰く融合召喚とシンクロ召喚のハイブリッドとなっている。
モンスターの種別ごとに表記が違い、共通するのは少なくとも「地縛」シリーズと言ったところであり、
メインデッキのモンスターは「地縛囚人」、融合モンスター・シンクロモンスターは「地縛戒隷」となっている。
作中では「地縛」と名のつく2種類のフィールド魔法を使用している。
ちなみにARC-Vにおいてアクションデュエル中に自前のフィールド魔法を発動した事が"確認"できるのは彼が初である(柚子の「天空の聖域」は使用したという確証が無いのでノーカウント)。
通常のデュエルでは『地縛牢』を、アクションデュエルでは同デュエル方式に合わせた『地縛原』を使用し、特に後者は遊戯王5D'sの2期においてダークシグナーとのライディングデュエルを意識しており、不気味な炎で地上絵を再現した特殊なコースを作り上げている。また、アクションデュエルのルールそのものにも介入しており、異質なフィールド魔法である事が際立っている。
【余談】
第92話において、デュエルでほぼ絶望的だった遊矢が希望と発した直後にまさかの乱入。
しかも、遊矢を拘束していた紅鎖の獣闘機勲章を破壊する等の活躍を見せるという…良くも悪くも希望の人であった。
もちろん彼の目的は長官ロジェの為に柊柚子を確保することであり、これを見事に成功させ、ロジェに希望を与えた…あれ?
作中での異名である「デュエリスト・クラッシャー」は、
遊戯王マスターデュエルにおいて、2025/02/17~27に開催されたイベント「フュージョン × シンクロ フェスティバル」の報酬(称号)として実装された。
彼が使った【地縛】は融合とシンクロの同時展開が持ち味で、【
ウィッチクラフト】【
P.U.N.K.】と共にレンタルデッキの1つとしてもチョイスされていた。
因みに、
同姓同名のサッカーとスキー、スケートの選手、
チェスプレーヤーと宇宙飛行士が実在する(ロシア語:Сергей Волков)。
また、彼の使用カード「茨の囚人-ダーリ」のダーリ(Даль:ロシア語で遠方の意味)もロシア人の姓である事等から、ロシア系の人物だと思われる。
この記事…少しも美しくないッ!
だが、追記修正は違う。最高に美しい…
- コメント欄リセットしました。誹謗中傷や暴言のないようお願いいたします。 -- 名無しさん (2016-03-03 17:32:40)
- ジャックに敗北後、コモンズ達に引導を渡される最後は多くの決闘者達を再起不能に追いやってきた彼への因果応報だったと言えるだろう・・・ -- 名無しさん (2016-03-06 14:27:42)
- ホントに5D'sファンへのファンサービスの塊。地縛まで使うとは思わなかった -- 名無しさん (2016-03-11 03:26:49)
- ↑2 ジオグラシャカッコよかったな -- 名無しさん (2016-03-19 19:36:20)
- ネタキャラかと思いきや悪役としての潔さも持ってるのが良いよね。ジャック戦回終盤は不覚にも燃えた -- 名無しさん (2016-03-19 21:26:14)
- ↑「俺の美しい散りざまを邪魔するな!」とか彼なりの信念が感じられた -- 名無しさん (2016-04-13 18:25:46)
- イバラという在りし日のアキさんを思わせるテーマ、地縛というダークシグナーを思わせる要素、ロボットと言っていいレベルまでに機械化されて乗り物とすら合体可能な肉体はまるでイリアステル…ゴッズの悪役のチャンポンだなこいつは -- 名無しさん (2016-06-21 20:23:25)
- 地縛使ったのは自縛とかけてたりして -- 名無しさん (2016-07-11 11:46:55)
- 地縛戒隷モンスターって全部ジオグリフ(地上絵)っぽい響きの名前になってるんだね -- 名無しさん (2016-07-11 17:52:49)
- これマジ?上半身に対して下半身が貧弱過ぎるだろ… -- 名無しさん (2016-10-27 02:24:03)
- 海外ではそのままでは放送できないんだろうなぁ -- 名無しさん (2016-10-27 02:35:40)
- いろいろ言われてもしょうがないキャラだけどもそれでもジャックとのデュエルと美学のこだわりが好き -- 名無しさん (2016-11-15 00:00:05)
- バイオハザードのセルゲイもドMだったなあ… -- 名無しさん (2017-01-20 20:42:05)
- (自分で)追い詰めて、追い詰められて、そして最後の最後はパッと見低攻撃力のやつで反撃ワンキルで倒すスタイル・・・・。ある意味エンタメ性あるデュエルの完成形なのかもしれない -- 名無しさん (2017-02-16 07:37:51)
- シンクロ次元編では割と重要キャラだったけど、1枚もOCG化されてないな。地縛シリーズとかちょっと面白そうなんだけど -- 名無しさん (2018-06-19 21:33:07)
- 再起不能にさせたのは自分の美学に合うデュエリストだけだったのかもしれない -- 名無しさん (2020-06-12 00:55:54)
- 因果応報だけど何か可哀想な奴 -- 名無しさん (2022-01-01 09:08:24)
- ↑↑↑自縛シリーズのカード化フラグがこっそり立ってるよ(アニクロ2023のパッケ絵にジオグラシャラボラスがいる) -- 名無しさん (2023-05-04 11:16:33)
- OCG化おめでとう -- 名無しさん (2023-07-09 22:13:01)
- 地縛戒隷全OCG化おめでとう!下級少ないのどうにかなれば… -- 名無しさん (2023-07-09 22:45:24)
- DCで環境デッキに勝った時セルゲイになっちまうぜ... -- 名無しさん (2024-12-13 06:00:06)
最終更新:2025年02月20日 19:28