ボルトガンダム

登録日:2016/03/26 (土) 00:02:40
更新日:2024/04/01 Mon 22:27:33
所要時間:約 4 分で読めます





来い、鳥野郎!フライドチキンにしてやるぜぇ!


ボルトガンダムとは『機動武闘伝Gガンダム』に登場するガンダムファイト用MS=モビルファイター(MF)である。


◇機体概要
登録番号:GF13-013NR
所属:ネオロシア
全高:17.3m
重量:8.9t
装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
     レアメタル・ハイブリッド多層材
武装:グラビトン・ハンマー
   バルカン砲×4
必殺技:炸裂・ガイアクラッシャー
搭乗者:アルゴ・ガルスキー


宇宙海賊の囚人アルゴ・ガルスキーが部下の釈放と引き換えに搭乗することになった、ネオロシアが開発したモビルファイター
黒を基調とした無骨でガッシリとした機体のシルエットが特徴。
お国柄丸出しのイロモノ揃いなモビルファイターの中では遊びの要素に乏しく、『国家間代理戦争の切り札』という軍事的な要素が強めに出ている機体で、
ロシアらしい要素は頭部のコサック帽を模した部分だけになっている。
ちなみに、多くのガンダムに共通した特徴であるマスクの横棒ラインが一本のみという珍しい機体。

名前の「ボルト」は電圧などの「Volt」ではなく工業部品の「Bolt」。「電光」という意味もある。
なぜこの名前が付けられたのかは不明(外観にボルトなどの意匠は見受けられない)。

開発に至るまでの背景は真っ黒であり、
ネオロシアが他国のガンダムファイターを非合法的に拉致して強制収容所へ送り込み、
彼等の所有するガンダムを鹵獲・解析して得た各国の最新技術を技術盗用している

機体の各部にビクトルエンジンと呼ばれる独立駆動機関を内蔵することで圧倒的なパワーを獲得。
簡単に言うと各部に独立したエンジンが存在するということで、極端な話胴体を真っ二つにされてもどちらも動くことが可能となる。(戦えるかは別として。)
その出力は実に平均的モビルファイターの約2倍という凄まじさである。
劇中ではやっていないが、この機関により理論上は機体が上半身と下半身が真っ二つにされても動ける
見た目通り装甲も分厚く、ファイターを務めるアルゴの人間離れしたタフネスも相まって
シャイニングガンダムの攻撃をモロに受けても全くダメージを受けないほどの防御力を備える。

また、ゲーム等では鈍重という扱いをされ、劇中でも素早い動きを見せることはないが、
ビクトルエンジンの恩恵で重装甲にもかかわらず機動性も他のMFに見劣りしないほど安定したものとなっており、
そこに上述の有り余るパワーが加わることで、接近しての力比べでは最強というべき性能を誇っている。
更にアルゴは持ち前の冷静な判断力でそのパワーを最大限に活かしており、回避の際も最低限の動きを取ることも可能。
総合的には第13回大会でも屈指の強豪機といえる。

宇宙海賊がパイロットだけにゴーカイな戦法をメインとしていると言える。


なお、バックパックはコアランダーになるが劇中では使われていない。


【武装】
  • グラビトン・ハンマー
ボルトガンダムのメイン武装となる鉄球型の質量兵器。囚人の重りをイメージしているようにも見える。
左肩部のショルダーに装着(収納)されたこの鉄球を腕部アーマーに収納されているグリップから伸ばしたビームチェーンにつなぎ、
鎖鉄球のように高速で振り回すことで、ありとあらゆるものを粉砕するパワーを発揮する。
純粋な質量攻撃ゆえに防ぎようがなく、まともに叩きつけられればただでは済まない。
無骨ながら敵を無力化するという一点においては下手に技を弄するよりもはるかに確実な手段である。
劇中ではハンマー投げの要領で勢いを増した状態で相手にブチ込んだり、鉄球部分だけを射ち出して防御に使用したりしていた他、
ビームチェーンの特性を利用してハンマーを重りに相手へ巻き付けるなどの応用を見せたこともある。
一方、その質量から生み出される運動エネルギーを制御するのはボルトガンダムのパワーを以てしても決して容易いものではなく、
ドラゴンガンダム戦では鉄球部分をピンポイントで攻撃されたことで動きを乱された結果、片腕を失う状況にまで追い込まれている。

  • バルカン砲
主に牽制として使われるが、デスバーディを撃破するほどの高い威力を誇る。

【必殺技】
  • 炸裂・ガイアクラッシャー
アルゴがギアナ高地での修行を経て明鏡止水の境地に達したことで開眼した、ボルトガンダム初の必殺技。
ボルトガンダムの持ち味であるパワーを活かし、エネルギーを込めた拳を地面に打ちつけることで大地を隆起させるという豪快な技。
隆起した大地で敵の動きを封じる事が出来るのだが、この技の神髄は
あえて敵にこの技を回避させて自身が最も得意とする至近距離まで接近させることにある。
脳筋な力技と見せかけて裏には緻密な計算が隠された、実にアルゴらしい奥義。

  • 零距離ガイアクラッシャー
炸裂・ガイアクラッシャーによる攻撃を回避した敵に、至近距離からガイアクラッシャーのエネルギーを込めた両拳を叩き込つけ木っ端微塵に粉砕する荒技。
スーパーロボット大戦で命名された技であり、原作では「ここからがガイアクラッシャーの真の威力だ!」と言っていることからある意味真・ガイアクラッシャーなのかもしれない。
要するに何もかもかなぐり捨ててただ思いっきり零距離からぶち込む全力パンチである。
あまりピックアップされないが、劇中ではボルトガンダムの頭を捉えたゴッドフィンガーに真っ向からぶつかりあってほぼ無力化している。
よって胡蝶剣に続くゴッドフィンガー破りに(ある程度)成功した技であり、いかにその威力が凄まじかったかがわかる。
しかし長時間の明鏡止水(ハイパーモード)の維持は機体への、特に膝関節にあたるパーツへの負荷が大きいという致命的な弱点が存在する。
命名元のスパロボでは、ガイアクラッシャーによる大地の隆起で相手を封じ込めたうえで、相手の身体を直接両腕で挟み潰すという構成となっている。

  • トリプルガイアクラッシャー
ゴッドガンダム、ドラゴンガンダムと協力して放つ合同必殺技。これによってアルゴ達はドモンを先に進ませるためのトンネルを作った。
余談だが並び順が左からドラゴン→ゴッド→ボルトであり、何故かボルトが中心ではない。
ボルトが中心でないことに加え、ボルト念願の必殺技を他のメンツも使えていることを突っ込まれがちだが、
よく見るとボルトガンダムが拳を地面に打ち付けてからトンネルを作り出す隆起が飛び出している。
加えて放つ前のアルゴの「力を貸せ!」という発言からも「ボルトの放つガイアクラッシャーに二人が力添えをしている技」だと思われる。


  • シャッフルハンマー
ときた漫画版で使用した技。
ハイパーモードとなりブラック・ジョーカーの紋章が浮かんだグラビトンハンマーを敵に叩き込む。


【劇中の活躍】
初登場は第5話から。シャイニングガンダムのパンチをものともせず、
逆にその左腕を軽くへし折ってしまうなど、序盤からその強大なパワーによってドモンを苦しめた。
後にアルゴによって(事故とはいえ)妻を失ってしまったネオカナダのファイター:アンドリュー・グラハムの操る
ランバーガンダムとの戦いでは戦いの最中崖から2機とも落ちそうになってしまうものの、
アルゴ自身が彼を助けたことで結果的に双方とも無事だった。

中盤でDG細胞に感染してしまうものの、先代シャッフル同盟の一人ブラック・ジョーカー(トリス・スルゲイレフ)によって浄化され、
その紋章と称号を受け継ぐことになる。

ギアナ高地にて誤解からサイ・サイシーが駆るドラゴンガンダムとの激闘を繰り広げる。
結果は引き分けとなり誤解も解け互いを強者と認め合う。
後のランタオ島での決勝戦ではこの時の決着をつけるべく再び激突している。

決勝リーグではバーサーカーモードを発動したノーベルガンダムにわずか48秒で倒されるという情けない部分があったが、
これもトーナメントモノにありがちな大物食い描写としてアルゴの強さが前提となっているイベントではある。
ロシア人の囚人巨漢とかバキシリーズだとダブル厄満だしな…
後にランバーガンダムとタッグを組み、ゴッドガンダムとノーベルガンダムのタッグを苦しめた。

そのタッグ戦ではゴッドガンダム相手に爆熱ゴッドフィンガーをガイアクラッシャーの両の拳で殴りつけ押し潰すという捨て身の戦術を採るなど激戦を繰り広げるが、
上述のガイアクラッシャーの弱点を見抜かれ「ゴッドフィールド・ダッシュ」のパワーに押し切られ、敗北した。

その後はドモンを先に行かせるためにドラゴンガンダムと共闘してガンダムヘブンズソードと対決。
激戦の末、大地へ叩き落しその頭部を破壊することで勝利を掴む。
しかし直後にヘブンズソードが起こした大爆発に巻き込まれてしまいドラゴンガンダム共々ガンダムファイト決勝戦を敗退してしまう。
後は他のシャッフル同盟同様、デビルガンダム撃破の為にドモンをサポートしている。


【関連機体】

■ガンダムボルトクラッシュ

ボルトガンダム…じゃねえ!!

Byドモン

原作を元に再構成された漫画作品『超級!機動武闘伝Gガンダム 爆熱・ネオホンコン!』にて
初登場した本作オリジナルのボルトガンダムの後継機。
ネオロシアが第13回ガンダムファイト決勝大会用に開発した機体で、型式番号はGF13-013NRⅡ。
名前はボルトガンダムクラッシュ…じゃねえ!!ガンダムボルトクラッシュである。

デザインはオリジナル同様大河原邦夫氏が手掛けている。
全体的なシルエットはそのままに、より重厚さを増しており、
マスクのラインは一般的なガンダムらしく二本に変更されている。

最大の特徴は両肩アーマーと肘関節部から飛び出した特大のボルト状のパーツ。
これに伴い肩に装着していたグラビトンハンマー用の鉄球は
バスケの選手がボールを掴むかのようなポジションで右腕の掌直下にマウント位置を変更されている。
これで名実ともにボルトガンダムになったわけだが、これらはただの飾りではなく、
強力な電撃を放出し、ハンマーの鉄球を制御するために用いられる。
縦に長い頭部や他のシャッフル同盟のガンダムよりも一回りは大きい巨躯も相まって、
その威容は完全に鋼鉄のフランケンシュタインズ・モンスター。

また、他国の機体を鹵獲して強さの秘密を奪い取るというドス黒い開発理念
全く改善されておらず、「凶悪な破壊力で他国のガンダムをブチ壊す」「レベルを上げて物理で殴ればいい」
と言わんばかりの暴力的なスペック向上が図られており、
作画の島本和彦氏からも「無慈悲なネオロシアの考え方に背筋が凍る」と評されている。

そのパワーは圧倒的で強豪・ゼウスガンダムをほぼ一方的に叩き潰す程だが、
実はあれもこれもと他国のデータを無理やり詰め込んでフィードバックさせた結果、
当のアルゴの戦闘スタイルと齟齬を生じさせてしまっており、
乗り手を無視して充分な洗練がされていないというある意味
ガンダムでよく聞くタイプの欠点を抱えた機体となってしまっている。

人機一体の境地を真髄とするガンダムファイトにおいて、
達人同士の勝負ではその微妙な誤差が命取りであり、そうした弱点を悟られないためにも、
格が違うと見誤るほどの圧倒的な勝ち方を…強いられているんだ!!

…以上の事情から、ネオロシア陣営はボルトクラッシュの再調整が完了するまで
旧型のボルトガンダムを併用して決勝大会を戦い抜かねばならないという珍しい事態になってしまい、
結果その初戦となったノーベルガンダム戦で秒殺される……という流れになっている。

なおその後調整に成功してからのゴッドガンダムとのタッグ戦では、仇敵のランバーガンダムと協力して、
ランバーガンダム自体を巨大アックスとして変形させることでゴッドとノーベルを完全に圧倒した。
アクシデントにより試合の決着は有耶無耶になるが、恐らくあのままであればボルトクラッシュ一体によって敗北していただろう。


【余談】
上述のビクトルエンジンのパワーはなんと本編屈指のチート機体マスターガンダムを一時的に押さえつけるほどで、
小説版では設定が大きく異なるとはいえ石破天驚拳を食らってもなお、マスターアジアへ必死に食らい着いている。
上述の『超級!機動武闘伝Gガンダム』ではTV版におけるスーパーモードにあたる「パイレーツモード」が登場している。

【立体化】
ガンプラは1/144のみ。低価格に合わせるためか正直プロポーションは頭でっかちで微妙。可動も恐ろしく狭い。
グラビトン・ハンマー用の柄&ビームチェーンの黄色のパーツが付属するが、武器セットのメタルチェーンと入れ替え可能。
残念ながら放送当時の1/100でもBB戦士はおろか廉価版キットのメカコレクションでも発売されることはなく(ボルトをモチーフにした武者冒流刀は発売されたが)、HGFCやMGでも音沙汰なし。
(放送当時に関しては、当時の子供向け漫画やアニメでは悪役やかませ役が多かったパワーファイター、パイロットがおっさんと子供受けが悪い要素がそろっているため仕方ないとも言えるが)

なぜかGガンが異様に充実したMIAでは当然ながら発売されている。
こちらはプロポーションはマシになっているが、やはり可動は狭い。
グラビトン・ハンマーのビームチェーンは本編と同じく青色のパーツになっている。



来い、クソ項目野郎!追記・修正してやるぜぇ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • Gガンダム
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • MF
  • モビルファイター
  • ネオロシア
  • 囚人
  • 申し訳程度のロシア要素
  • 海賊
  • ゴリマッチョ
  • ゴーカイなパワーファイター
  • シャッフル同盟
  • ブラック・ジョーカー
  • おそロシア
  • 鉄球
  • 素手で地割れを起こすガンダム
  • ガンダムハンマー
  • ボルトガンダム
  • アルゴ・ガルスキー
  • ロシア
  • ガンダム

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月01日 22:27