ツチノコ(UMA)

登録日: 2010/10/27(水) 02:45:03
更新日:2025/02/10 Mon 13:32:39
所要時間:約 5 分で読めます






スネーク、ツチノコを捕まえたのね!

なんだって!?

ホントか、スネーク!?

ああ……。

よくやった!
さすがはザ・ボスの弟子だ!

ああ。君を送り込んだ甲斐があったというものだ!

さっさと任務を終わらせてそいつを連れ帰ってきてくれ。
絶対食べたりするんじゃないぞ。いいな!

……。

ツチノコとは、一時期めちゃくちゃ注目を集めた未確認生物『UMA』の一種。

概要

寸胴な太い胴体を持った蛇とされている。
全国各地で多数の目撃談があり、テレビ番組でも「ツチノコはいる派VSいない派」としてディベートされまくった。

目撃談による特徴には以下のような物がある。
  • 普通の蛇より胴部分が太いらしい
  • ジャンプ力がヤバイ。2m~10mくらいジャンプするらしい
  • めちゃくちゃ速い。成人男性が全速力で追いかけても軽く撒く速さらしい
  • 尻尾を銜え体を輪にして転がるという移動手段らしい。これで成人男性を振り切る
  • があるらしい
  • 移動している時にが落ちたような音とを出す。これを聞くと毒に侵されるらしい
  • 日本酒が好きらしい
  • イビキをかくらしい
  • 味噌とかスルメを焼いた時の臭いが好きらしい
  • デカいのだと2mくらいあるらしい
  • 胴が太すぎてとぐろを負けず、尻尾に頭を乗せて眠るらしい

生態を要約すると、スルメ、味噌、日本酒好きで寝るとイビキをかく等ややオヤジ臭いが、
某配管工もビックリのジャンプ力と俊足を持ち、雷の魔法を使うシャイな樽ドル系爬虫類と言ったところか。

よくわからんが縄文時代の石器にツチノコに酷似した蛇型の石器があったり、江戸時代の百科事典にツチノコの解説があったり等、結構日本人とは古馴染みっぽい。
また、記紀神話に登場する野の・カヤノヒメは「野槌」という名も持つ為、ツチノコを指すのではないかという説もある。

「野槌」とは、柄の抜けた横槌のように目鼻がなく口だけがある意味らしく鎌倉時代の仏教説話集『沙石集』では「口だけだった僧侶は口しかない「野槌」に生まれ変わる」とされており、江戸時代の『妖怪仕内評判記』では頭頂部に大きな口の開いたのっぺらぼうのような姿で描かれ、人をとって食うという。(オロチの「チ」と同語源で「蛇」の意、また「霊」の意という説も)
江戸初期の『奇異雑談集』上之三「人の面に目鼻なくして、口、頂上に、ありて物をくふ事」でも同じ姿の男が豪邸の主として登場し、正体も由来も謎のままだが男の妻の話だとどうも二口女の男版のような感じで一緒になったようだ。
『老媼茶話』に収録された同じ話では沙石集の野槌の解説が入るので、これも野槌とされていたようだ。沙石集では「目鼻も手も足もない」ということなのにおもいっきり手足あるけど
同じ『奇異雑談集』に「槌の子」を産んだという話もあり、これはスルーされて次に産まれた鬼子の話題に移っているがおそらくこれらと同じ形態の赤ん坊のことと思われる。
『怪譚破几帳』では山で目鼻のなく額に口のある集団に追われた語り手が付近の村にたどり着くと「それは野槌というものだ」と教えられている。

各地に「ぶつ切りになった大蛇が出て見たものは呪われる、あるいは頭が噛みついてくる」という伝承もあり、明治の『遠野物語』ではこれも野槌と表現されている。
また金沢の 槌子坂 の語源となったのは大正から昭和の初めの「臼ほどの大きさの横槌が転がってきて、見たものは病気になる」という言い伝えだったという。どちらかというと転バシの仲間っぽい

一口に「太い胴体」とはいうものの、江戸時代中期の「野槌」の図は確かに太いものの、蛇とそう変わらない姿で描かれており、江戸時代末期になって短い円筒形に描かれるようになった。
1970年代のツチノコブーム以降はどちらかと言えば「平たい」イメージとなった。
後述のアオジタトカゲが国内に持ち込まれたのもこの頃である。

因みに岐阜県には「つちのこ神社」なるものがあり、毎年5月には「つちのこフェスタ」というツチノコを探すイベントも開催されている。ツチノコを見つけた場合は多額の懸賞金も支払われるので是非捜索しに行ってほしい。
兵庫県には「つちのこ飼育庭園」があり、千種町(現穴栗市)はツチノコに2億円と言う最高額の懸賞金をかけた。

一方で、こんなユニークで素敵生物の存在を真っ向から否定するロマンの欠片もない人達もいる。その人達によると、

  • そんなジャンプ出来るわけねぇじゃん
  • 雷? アホくさ
  • ツチノコ発見されたらしいけど、妊娠したただのヘビだったじゃんww
  • ツチノコに似た石器ってそれ石棒だろww
  • 捕獲成功とか言ったのに、持って来いって言ったら逃げられたとかも大概にしろよ

等と心無い見解を出している。

ツチノコの存在を信じる者は意外なところにもいて、某少女漫画誌の編集者は態々取材の名目で経費でツチノコ探しに行き、
あまつさえその様子を無理矢理同行させた漫画家にレポート漫画にして描かせた。
ピーチガールと同じ雑誌に乗せられたその漫画の読者プレゼントであるツチノコ人形は、今も全て編集部の片隅に息を潜めているという。

因みに富士急ハイランドでも目撃されている。
富士急ハイランドに行った時は探そう。

目撃談、発見例

全て紹介しようとすると膨大になるので、ここでは代表的なもののみ記載。ツチノコではないと判明してしまったものもあるが、そのへんはご容赦いただきたい。

1961年
滋賀県神崎郡永源寺町(当時)で、古い炭焼窯の中にいた謎の生物が捕獲される。それは三角形の頭に太くて短い胴体を持っており、蛇によく似ていた。捕獲後、愛知県名古屋市の業者に買い取られるも、エサを全く食べず、数日で死亡。

1969年
長野県下高井郡山ノ内町にて、男性が炭焼窯の中から謎の生物を発見し、生け捕りにする。その生物は太い胴体にネズミのように細い尾を持ち、背中には黒っぽい斑紋が並んでいた。その後、男性は一週間後にこの生物を食べてしまったという。ちなみに、味はマムシに似ていたらしい。それただのマムシじゃねぇのとか言うな。

1984年
奈良県吉野郡下北山村にて、山で山菜取りをしていた女性が、ツチノコらしき謎の生物を発見。体長はおよそ30cmほどで、頭は三角形。しばらく観察していると、なんと頭から角のようなものを出したという。

1987年
奈良県吉野郡下北山村にて、体長50cmほどで三角形の頭を持ち、ナマズのようにヌメヌメした鱗で覆われた生物が目撃された。目撃者に気づくと、滑るように逃げ出したらしい。なお、下北山村では他にもツチノコの目撃談がある。

1992年
岐阜県中津川市で、ツチノコのような生物の死骸が発見されたが、鑑定の結果、『マツカサトカゲ』というトカゲの一種で、ペットが逃げ出したか捨てられたものだろうと結論づけられた。

2004年
兵庫県美方町(当時)で、ツチノコのような外見をした蛇が捕獲され、「ツーちゃん」と名付けられ飼育される。しかし、その正体は卵を身ごもって太ったただのヤマカガシであることが判明してしまった。なお、後にツーちゃんは猛暑の影響で死亡。

2007年
山形県最上郡大蔵村の牧草の中から、ツチノコのような蛇の死骸が見つかる。しかし、牧草がオーストラリア産だったこともあり、その正体はオーストラリア固有の毒蛇『デスアダー』ではないかと見られている。

2014年
滋賀県近江八幡市で、シロアリ駆除業者が古民家の床下から謎の死骸を発見。大きな三角形の頭部があったが、ほとんど白骨化した状態で、正体は不明。



正体

ツチノコの正体は『アオジタトカゲ』という説が有力である。
このアオジタトカゲはツチノコの外見的特徴を殆ど持っており、足が見えなきゃツチノコそっくりであり、
アオジタトカゲを見間違えたのでは?ということである。

…と言われているものの、いわゆる典型的なツチノコの姿はアオジタトカゲが持ち込まれる以前にも各地で伝えられているなど不可解な点もいくつかあり*1、現在は「特定の何かを誤認したのではなく、獲物を呑み込んだ直後の蛇などアオジタトカゲではない物の誤認などの話が複数纏められてゆき、現在のツチノコ像が次第に形成されたのではないか」とする説も唱えられている。


が……ツチノコはいるよ! 絶対にいるよ!

類似例

フープ・スネーク
北米からオーストラリアの民間伝承に登場する伝説の生物。
自分の尾に噛みついて、フープ(輪)状になり斜面を転がり落ちる。
タッツェルブルム
アルプス山脈に住むとされる未確認生物。
足のあるワーム(ミミズ又は爬虫類)という意味の名で、大きさは60センチほどで体形は葉巻状、
全体が鱗に覆われ、尻尾は短く千切れたようで足も委縮したような状態。蛇のような声を上げるという。
猪豚蛇
古代中国の神話に登場する伝説の生物。
長さ三尺ほどで杵くらいの太さ、足が四本あり、全身が長い毛に覆われている。
宋代に兵士の訓練場に現れ、豚のように鳴きながら大口を開けて兵士を追い回したが、
隙を突かれてタライをかぶせられ、駆けつけてきた妖術使いの上官によって退治された。

ツチノコを扱った作品

特に有名な未確認生物のためかチョコチョコ取り上げられる。捕獲したら賞金という設定も鉄板。

「ツチノコみつけた!」というエピソードがあり、ジャイアンが第一発見者になっている。

ノコッチおよびその進化系ノココッチのモチーフ。

登場人物の英によれば「デブネコを見間違えたのでは」との事。
どこかに発表出来ないかと画策している……らしい。

「まぼろしのツチノコ株式会社」というエピソードがある。

  • 『幻の怪蛇バチヘビ』
『釣りキチ三平』で有名な矢口高雄が、スタッフと一緒に秋田県南部で「バチヘビ」と呼ばれる未確認生物を探す物語。
日本中で「ツチノコブーム」が起こる切っ掛けとなる。

収集要素の一つ『環境生物』の一種として存在している。
特定のフィールドの限られた候補地から極低確率でランダム出現という圧倒的な捕獲難易度を有する。

周期性例外事象……いわゆるゲームなどのバグを想像してもらいたい。空中を歩けるようになったり、どんな人でも迷子になったりと様々なバグが起こる作品だが、ツチノコが生まれるバグも起きた。
なお厳密にはツチノコが生まれるバグではなく、観測者の正体不明生物イメージが具現化するバグであり、日本の人々にとってU.M.Aの代表例がツチノコだったに過ぎない。
そのためツチノコには実は脚がある、実は恥ずかしがり屋、大きな音には死んだフリをする、翼が生えて飛ぶなどなど、嘘の情報を伝えられた場合そのイメージ通りにツチノコが変質していき、作中でも最後にはコウモリのような翼を広げて飛び立ってしまう。空を舞うツチノコは珍しいだろう。


「私が下北沢のツチノコです」ノコノコ
陰キャ極まった存在である主人公後藤ひとりを擬人化ならぬ擬ツチノコ化した全身ピンクのツチノコが登場。陰キャ女子高生の希少性がツチノコと同レベルと言っているが、流石にツチノコの方がレア物だろう。
出番も一度きりであり、それだけならこの記事に書くほどでもないのだが……
アニメ化以降何故かコアな人気キャラになり、公式からもフィギュアやぬいぐるみにステッカー、マイクロファイバークロス、靴下、マグカップ、お饅頭など大量にグッズが販売され、まるで作品のマスコットキャラクター並の扱いを受けている。


ツチノコという名称こそ使われていないが、見た目がツチノコそのものの妖怪が登場した。
正体は妖怪野槌で、ぬーべーや生徒達を飲み込んでしまう。
だが腹の中には広大な空間が広がっており、しかもそこはイメージしたものがなんでも実体化する空間だった。
生徒達はそこでイメージ通りの遊園地を作り出して楽しく遊ぶ...のだが、野槌の真の目的は冬眠のための餌を溜め込むことであり、腹の中の空間も飲み込んだ餌を逃さないための疑似餌でしかなかった。
消化が始まってしまいぬーべー達もあわや溶かされるかと思われたが、ぬーべーが鬼の手の力を開放したことで凶悪な鬼を飲み込んでしまったと思った野槌は生徒達を全員吐き出す。
そしてぬーべーに「人畜無害に見えてとんでもない奴だ」と握りつぶされた。

追記・修正はツチノコを発見した方にお願いします。


スネーク『で、味は?』

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最終更新:2025年02月10日 13:32

*1 例えば1886年出版の井手道貞の著作「信濃奇勝録」には現在とほぼ変わらない見た目のツチノコの図が描かれている