遊戯王ARC-V(漫画版)

登録日:2016/10/04 Tue 21:22:31
更新日:2025/03/09 Sun 22:42:46
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お待たせしましたね

オレこそが世界最高のエンタメデュエルを目指すデュエリスト


遊矢だ!



アニメ『遊戯王ARC-V』のコミカライズ作品。『Vジャンプ』2015年10月号から2019年6月号まで連載。
原案・監修:高橋和希/スタジオ・ダイス、ストーリー:吉田伸、漫画:三好直人、デュエル構成:彦久保雅博

【概要】

ストーリーや舞台設定はある程度テレビ本編に沿った内容だった前作ZEXALと違い5D'sのように、完全オリジナル路線となっている。

漫画はアニメARC-Vキャラデザ原案&漫画版『遊戯王ZEXAL』を担当した三好直人氏、
ストーリー構成はアニメ版ARC-Vには関わっていないがカズキングから「原作者であるオレより現在の遊戯王を支えている」と評された吉田伸
そして漫画版では初となるストーリー構成とは別途にデュエル構成担当者としてアニメシリーズ全デュエル構成担当&漫画版5D'sストーリー担当の彦久保雅博、
…となかなかのオールスターによって作成されている。ちなみにコミックスのカバー袖の著者肖像画は3分の2が酒というシュールな絵面。

なお、Vジャンプ2014年7月号に特別読み切り漫画が掲載されていたが今のところ本編とは特にかかわりはない。


以下、ネタバレ注意


●目次


【ストーリー】

近未来…質量を持つ立体幻影の開発により人々はアクションデュエルの時代に突入していた。
そして、ここ「MAIAMI市」では「ソリッド・ヴィジョン」をハッキングするエンタメデュエリスト、
通称「ファントム」である榊遊矢が世界を騒がせていた。
そんな彼を赤馬社長率いるレオ・コーポレーションの決闘者たちが追うのだが……


【登場人物】


ファントム

MAIAMI市のレオ・コーポレーションのソリッド・ヴィジョンをハッキングしている謎のエンタメデュエリストとして、指名手配されている人物。
その正体は榊遊矢と彼に宿る3つの人格である。

3つの人格は遊矢に変わり人格と姿を入れ替える事が出来る。その際、服装は全員アニメ版のものとなるがマントとフードだけは共通する。
なお、アストラル状態でいるときは上記のマントとフードを付けているが、遊矢の精神世界にいる場合は完全にアニメ版の服装となる。

榊遊矢は何時から一緒だったのかは把握できていない『四重人格』であると同時に一部の記憶を失っているが、その理由は不明。
少なくとも最初から四重人格だったわけではなく、幼少時代は遊矢とユーゴ(恐らくユートとユーリも)はそれぞれ別に存在しており多くの思い出があった。
だが、それらの記憶に関しては他の三人(特にDホイールという移動手段を持つユーゴ)が遊矢に隠れて処理を行っている。
曰く「思い出したって悲しいだけ」「この思い出はお前を苦しめ、悲しませるだけ」とのこと。


本編描写と特別編によれば、感覚はZEXALと違い共有しておらず、
入れ替われば他の3人も食べる実感を味わえるが、表に出ていない人格は食べた気にはならないらしい。

またデュエルディスクも遊矢のものしかないため、対立した際に物事を決めるにはデュエルではなくジャンケンになる。
入れ替わったときにデッキが入れ替わるようだが、どういうことになってるのかは永遠の謎。
フィールドと墓地のカードはそのまま維持されるので互いに利用しているが。


榊遊矢

「ファントム」と呼ばれるエンタメデュエリスト。使用デッキは【オッドアイズEM
柊修造に「すぐ後ろ向きになる性格」と指摘されたアニメと違いノリが軽く、精神的に余裕があるような態度をしており、後先考えずに行動する奔放な性格。
同時に常にエンターテイナーとして振る舞う明るい性格だが、勝利後の決め台詞を修造塾の宣伝文句に替えられたときは恥ずかしがっていた。

エンタメデュエルはサーカス的なアニメ版と少し違い奇術師的な傾向を好んでおり、
自在に操れる質量を持つソリッド・ビジョンを使い、移動用の乗り物(紙ヒコーキ)やクックと鳴くポッポちゃんという鳩を召喚、(デュエル内外問わず)活用している。
そのほか、偽造身分証等その手の小道具を作らせたら天才らしい。
唯一の弱点は泳げないこと。

赤馬零児によるといずれ世界を滅ぼす「運命の因子」、蓮からは「アダムの因子」を持つと言われている(両者は直接=ではないようだ)。

レオ・コーポレーションにハッキングを仕掛けた目的はグルメ界に存在する未来を決めるカード「G・O・D(ジェネシス・オメガ・ドラゴン)」を探し出す為。
そのために場所は不明だが、研究所のような巨大なコンピュータを有する施設をアジトにして活動を行っている。

特別編で食べようとしていた昼食は「全部乗せ大盛りラーメン

エースモンスターはペンデュラムモンスターの「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン」「オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン」


ユート

遊斗
「ファントム」の一人。使用デッキは【幻影騎士団
遊矢…というかファントム3人の保護者的なキャラで、何かと奔放な遊矢に苦言を呈している。とはいえプライベートでは自分も少し暴走する。

アニメと違い一人称が「私」で闇遊戯のような感じで意思疎通も可能なため完全にナストラル
また融合次元編まで若干無愛想気味だったアニメ版と違い最初から感情や表情が豊かになっている。
スーツ姿を「できるビジネスマンって感じ」と遊矢に褒められた際には喜んでいた。

特別編で食べようとしていた昼食は「カレー」 騙されないぞ! CoCo壱次元の回し者めッ!

エースモンスターはエクシーズ・ペンデュラムモンスターの「ダーク・アンセリオン・ドラゴン」
また「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」も使用したことがある。


ユーゴ

遊吾
「ファントム」の一人。ユートと同じく遊矢とは一体化している。使用デッキは【スピードロイド
ファントムの中では一番アニメ版に近いキャラクタライズだが、一人称で「俺」以外に「俺様」を使用するなど、より大仰になっている。
彼が表に出てくると服装変化以外にDホイールが出現する。

まだ遊矢と別れていた当時は連曰く「シティチャンプの駆け出しだった」らしい。
また彼のDホイールは『TK2000PS』という量産型だと明言されている。名車らしい。

特別編で食べようとしていた昼食は「油こってりのトンカツ」 味覚共有できればユートとカツカレーで妥協できたかもしれない

エースモンスターはシンクロ・ペンデュラムモンスターの「クリアウィング・ファスト・ドラゴン


ユーリ

遊里
「ファントム」の一人。使用デッキは【捕食植物
冷酷な敵として扱われているアニメ版と違い完全な味方サイド。ファントム内では特にユーゴと行動を共にする。

普段は基本的に敬語で喋る*1穏やかな性格だが、自他ともに認める「ゲス」であり、身内以外には容赦しないタイプのようで、
特に素良戦で見せた「僕には病気の妹が……」「関係ねぇよ! 妹と一緒に地獄に逝け!!というセリフとアオリ文の「関係なかった!!!」は読者に強いインパクトを与えた。
…ゲスというよりは、単に遊矢に対して過保護すぎてモンペ気味になっているだけの様にも見えるが。

特別編では遊矢が運動不足なので、美と健康のため昼食を抜いてダイエットしようとした。
これも含めて、遊矢と交代する際に柚子を理由に容姿の優れた自分が下がる事を躊躇う理由にするなど、ナルシスト成分が強め。
なお、柚子はEMモンスターをイケメンとは評したが、ユーリに関しては特に何も言っていなかったりする。

エースモンスターは融合・ペンデュラムモンスターの「スターヴ・ヴェネミー・ドラゴン」「スターヴ・ヴェネミー・リーサルドーズ・ドラゴン」

修造塾

柊柚子

「修造塾」の一人娘。
アニメと性格がかなり違う人物の一人であり、
「修造塾」の経営状態もまたアニメと違ってあまりに悲惨なため、お金に対してがめつく、軽くて小狡い性格となっている。目はよく¥マークに。

そのほか、三好先生の欲望が詰まった女性型モンスターのEMを召喚した場合は憤り、
逆に男性型でイケメンのEMを召喚させた時は、デュエルの内容より目の保養を楽しんでいた。
さらにそのイケメン二体をキメラフレシアに融合したユーリには泣いて抗議した。
この変更にデュエリストたちは問題とするどころか、アニメがハードな展開なために「幸せになってほしい」と好意的な模様。



レオ・コーポレーション

赤馬零児
MAIAMI市を支える大企業、レオ・コーポレーションの社長。「ファントム」を追っている。こちらでもやはり、履いてない
使用デッキは【DDD】。アニメと違い融合・シンクロ・エクシーズは見られず純粋なペンデュラムデッキとなっている。

基本的にアニメと設定は変わりないが、性格はより感情的。

遊矢の事を「我々の運命を握る」あるいは「世界を滅ぼす」であろう『運命の因子』と称し、
また「唯一この世界に生きる私と二人だけのオリジナル」と呼ぶなど、何かを知っていながら隠している様子を見せる。

紫雲院素良の発言から少なくとも「いつからか突然現れ、レオ・コーポレーションを瞬く間に掌握した」らしく、
本人や遊矢の言葉によればどうやら未来(およそ20年後)から来たタイムトラベラーに当たる存在らしい。

アニメと打って変わり、父親の赤馬零王とは仲は良好で、
大学のテストを白紙で出して父親の気を引こうとしたり、一緒に食事に行ったりしている。
また上記の行動は父の意志を継ごうとしている模様。

それ以外でも境遇がアニメ版とまるで違うらしく、榊遊勝のことをアクションデュエルの先駆者として尊敬していたアニメ版と違い、
榊遊勝を憎み、榊遊矢の打倒を目指しており、零児は遊勝の作ったアクションデュエルを認めていない。


沢渡慎吾
レオ・コーポレーションの刺客な沢渡さん。漫画版では漢字表記。
漫画ではアニメで二度目のデュエルで使っていた【帝】を使用。ダーツなんてなかった
アニメ同様に尊大ではあるがひたむきな努力家。


黒咲隼
ヘルカイザーとセルゲイを超融合して誕生した元地下デュエル場の王者。使用デッキは【RR】
デュエルスタイルはダメージを極限まで受けてライフのギリギリまで削り、敢えて極限状態に追い込まれながらも、そこから生還するかの如く相手を倒す。
根っからの悪人ではないが行動は若干過激と言えば過激。


紫雲院素良
3人目のレオ・コーポレーションの刺客。使用デッキは【ファーニマル】
「ファントム」を捕らえる必要があるのか疑問に感じている。
妹が零児に捕まっていると嘘をつき遊矢相手に優勢になるもユーリに看破されてしまう。やはり「院ゲス」。
本人が自覚しているかは不明だが、後述するEVEサイドに属する存在のようだが……。



その他

◇榊遊勝
現在、回想のみ登場。
リアルソリッドビジョンの開発責任者として友人の赤馬零王と共に研究に携わっていたが、近い将来リアルソリッドビジョンが軍事利用されることを危惧し、
開発責任者を零王に任せる形で娯楽のデュエルモンスターズとの融合を狙って完成後に研究者から決闘者に転向した。
赤馬零王と共にワールドイリュージョンを引き起こしたとされる。


◇赤馬零王
零児の回想で初登場。アニメと違い親子仲はかなり良好だった様子。
友人の榊遊勝と共にリアルソリッドビジョンの研究を完成させている。
その後、開発チームを降りた遊勝と共にデュエルモンスターズとソリッドビジョンの融合の研究をしていたが、
榊遊勝とは異なり、デュエルモンスターズは神の領域への入り口かもしれないと考えている。
榊遊勝と共にワールドイリュージョンを引き起こしたとされている。


漫画オリジナルキャラクター

◇EVE
謎の空間に居を置く謎の人物。んもー! また三好先生はおっぱいなボスキャラ描いてー!



◇蓮
EVEに従う仮面の人物。使用デッキは【ホワイト】
彼の使うシンクロモンスターは破壊されてもチューナーとして復活し、それを使ってより大型のシンクロモンスターを出す「輪廻シンクロ」を得意とする。
Dホイールを操るデュエリストで、ライディングデュエルの経験は豊富らしい。
ただし、かつて右コーナーでクラッシュした記憶から、右の突っ込みに僅かな隙ができる癖がある。

「コンチネル・サーカスの頂点まで上り詰めた男」を自称し、あらゆるタイプのDホイールを持っているとのこと。
ユーゴとの対決ではハンディとして彼のDホイールと同程度の性能のDホイールを使用し、
数秒スタートを遅らせてデュエルを開始したが、すぐさまその差を縮めていた(おそらくこのハンディと遊矢の手助けがなければユーゴは負けていた)。
ユーリの発言では、使用したDホイールはユーゴのものと比べてかなりの未来のものと言われており、
遊矢達の世界より高度の技術を持っている時代の人間であると憶測されている、

人気が高く彼のカードはOCGでも数多く登場しており、水属性のまとまりの良さもあって扱いやすい。


◇アイザック
EVEに従う科学者。使用デッキは【ミラーイマジン】

モンスターコンボに比重を置いており、
「攻撃力を半分にする効果を2回使った後、攻撃力を1000下げ相手の攻撃を封殺」「攻撃力を600上げる効果×3と800上げる効果×3を使い大幅に攻撃力をアップ」
といったコンボを披露。
さらに切り札の《ミラーイマジン・カタディオプトリッカー7》に「魔法の効果を受けない」「罠の効果を受けない」「ミラーイマジンモンスター以外のモンスター効果を受けない」と完全耐性を付けて攻撃をしかけるも
プレイヤーを対象にした効果、ミラーイマジンモンスターの効果なら通用するという盲点を突かれ敗北する。


◇アダム
未来でG・O・Dを発見した科学者。その研究中に…。
ちなみにデュエルはしない。本人曰くすごく弱いらしい。



【用語】

MAIAMI市

アニメでの舞網市。正直読みにくい
デュエル“のみ”が発達したとされるアニメ版と違って、質量を持つ立体幻影システムを町全体に張り巡らすことで災害復興などにも使用している。
ただしリアルソリッドヴィジョンはレオ・コーポレーションがシステムの権利を持っているため、
レオ・コーポレーション主催の大会でないとリアルソリッドヴィジョンのモンスターは見ることができないらしい。


G・O・D(ジェネシス・オメガ・ドラゴン)

ファントムこと遊矢が現在探しているカード。レオ・コーポレーションにハッキングを仕掛けていた目的もこのカードのためである。
遊矢曰く「世界の未来を決めるカード」「ソリッド・ヴィジョンを実体化させるシステムを悪用した究極のモンスター」。
遊矢がこのカードを探しているのは「近い未来にG・O・Dを手に入れたものが世界を滅ぼす」という予兆のような夢を見た為。

現在のところその詳しい正体は判明していない。
リアルソリッドビジョンの実験中に開いたワームホールが別の次元と繋がった際に出現したと憶測されている。
遊勝は研究の末に人工的に作られたものである事が判明しており、このカードの力が暴走した際のエネルギーをワールドイリュージョンという形に抑え込んでいる。

蓮の台詞から現在のG・O・Dは命が吹き込まれていないとの事、命を吹き込めるものは「アダムの因子」を持つとされる。

遊矢がこのカードを持っている存在の手で世界を滅ぼす様子を夢で見ている。
そしてユーゴ、ユート、ユーリの3人が「遊矢を苦しめ、悲しませるだけ」と考えクリアウィング・ファスト・ドラゴンで破壊させた記憶があることを考えると……。

零児曰く「榊遊矢はいずれ世界を滅ぼす『運命の因子』」との事だが、これは遊勝がG・O・Dを使ってワールドイリュージョンを引き起こした事が一番の決め手らしい。

アニメ版では漫画版でのコイツに当たるであろう「覇王龍ズァーク」の存在が語られている。
これもG・O・Dと大体同じような背景持ち(質量を持つソリッドビジョンを利用している、世界を滅ぼしているなど)。



アクションデュエル

エンターテイメントデュエルの生みの親「榊遊勝」が考案したデュエル。
アニメ版同様アクションカードを使用するデュエルで、モンスターを使った妨害なども戦術となる。
未来で考案されたデュエルのようだが……。


ライディングデュエル


ライディングデュエルこそ

運動神経  動体視力  反射神経  集中力  直観力

その全てを兼ね備えなければ頂点を極められない

究極のアクションデュエルだ!!

漫画版5D's同様ノーヘル。だがなぜかバイク搭乗の場合はヘルメットをきちんと着用している。正しいのは後者
また漫画版5D'sと違いデュエリストの呼称は「Dホイーラー」となっている。

複雑なコースを最高速300キロ以上のスピードで走りながらデュエルを行うが、やっぱりノーヘルは危険すぎるって!
当然、コースは1本道の場合は対戦相手より前に出ないとアクションカードが拾えない。
またアクションカードは手で拾わず、レースゲームのパネルのようになっているアクションカードを踏むことで手札に加わる。

蓮曰く「複雑なコンボで相手のライディングへの集中を削ぐ」のがライディングデュエルの上級テクニックで、プロの世界では常套手段らしい。
やはり不動性ソリティア理論は正しかった


ワールドイリュージョン

蓮曰く榊遊勝と赤馬零王が起こしたらしい現象。
遊矢たちはこれが起こった後、未来から流れ着いたとのことだが……。




「坊や お菓子は甘いけど僕は遊矢ほど甘くありませんよ」


「でも ボクには追記・修正しなきゃいけない項目が…」


「関係ねぇよ! クソ項目と一緒に地獄に逝け!!」


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  • 2015年
最終更新:2025年03月09日 22:42

*1 序盤はキャラが定まっていなかったのかアニメに近い口調だったが、コミックスでは修正された