メガヌロン/メガギラス

登録日:2011/06/10(金) 07:30:08
更新日:2025/02/01 Sat 00:03:48
所要時間:約 4 分で読めます





東宝の特撮映画『空の大怪獣ラドン』及び『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』に登場した怪獣。


□メガヌロン

『空の大怪獣ラドン』

体長:8メートル
体重:1トン

阿蘇山の近くの炭坑から出現した巨大な古代の昆虫。
トンボの幼体である「ヤゴ」の化け物だが、前腕がハサミになっている。

当初は炭坑内で人をハサミで切り裂いて惨殺していたが、遂には麓の炭坑夫たちの住む町屋に出現。
庭から居間に上り込み警官を殺害し、人々を恐怖に落としいれた。一家団欒している最中に外を見るとこいつが現れるのだから余計後味が悪い。



このシーンは非常に怖く、「ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ」という鳴き声共々トラウマになった子どもも多い。

そのまま、炭坑夫や警官隊に炭鉱内に追い詰められ自衛隊機関銃でメッタ撃ちにされるも効果はなく、炭坑の奥に逃亡。
しかし、炭坑技師の河村に石炭を満載した猛スピードのトロッコをぶつけられてようやく倒された。


その後、炭坑の奥で大量に見つかるが全て孵化したてのラドンに喰われてしまった。

今作のメガヌロンに対し、後年のメガニューラやメガギラスに相当する成虫の設定があったかは不明。


『ゴジラ×メガギラス』

体長:2メートル
体重:500kg


山梨の山中で行われた対ゴジラ用プラズマ式マイクロブラックホール砲の威力実験の際に生じた「時空の歪み」により、
石炭紀と繋がったため成虫メガニューラにより現代に卵が運びこまれた。

それを近所に住む早坂少年が拾ってしまい、
更に早坂少年が卵を持ったまま東京に引っ越してしまい処分に困りはて、排水口に卵を遺棄。

下水道内で分裂して大量発生。カップルなど人間を襲い捕食。更に地下水脈などを破壊して渋谷中心部を水没させた。完全に早坂少年のせいである。

自衛隊により湖底もろとも爆破される計画が実施されるが、爆破寸前に渋東シネタワーから一斉に成虫に羽化した。



よりヤゴに近い生物感溢れるデザインとなったが、
若いカップルを鯖折りで殺してから喰らうなど相変わらずのメシウマ……もといトラウマメーカー。

アニゴジ

小説第2作『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』に登場(後述する通りメガギラスが小説版第1作に登場しているので、それ以前に復活していたと思われる)。
ヒマラヤ山中に巣を作り、「オペレーション・グレートウォール」に強制参加させられた囚人や反連合思想者たちを次から次に食いまくっていた。
最初に出現した個体は、軍に討伐されるまで20人もの労働者を食い殺している。
ほぼ光が差さない中で次から次に仲間が食われる恐怖におびえ、労働者たちは暗闇そのものに強烈なトラウマを植え付けられてしまった。
そんなメガヌロンであったが、最後は労働者の護衛をしていた兵隊を皆殺しにして坑道に首を突っ込んできたラドンにすべて食い尽くされてしまった。

ゴジラ S.P<シンギュラポイント>

正確にはメガヌロンかどうかは不明だが、ゴジラ・ウルティマの体表にそれらしき昆虫型怪獣が寄生しており
ある作戦を実行すべくゴジラの背に乗り込んだ主人公の有川ユンに襲い掛かろうとした。


□メガニューラ

翼長:5m
体重:1t
飛行速度:マッハ2

「メガヌロン」の成虫である巨大トンボ。4枚の羽根を持ち猛スピードで飛行する。
また尻尾が巨大な針になっており、これを相手に突き刺してエネルギーを吸収する。

Gグラスパーにより大平洋上の無人島「奇岩島」に上陸したゴジラを何千匹もの群れで襲撃。ゴジラにたかりエネルギーを吸い取った。

しかしGグラスパーが放ったブラックホール砲「ディメンション・タイド」により殆どが消滅
生き残った群れも渋谷湖底の巨大メガヌロンに全エネルギーを与え、そのまま水死した。

尚、群れにはメガギラスにエネルギーを与える役目を負ったメガニューラと、
産卵の役目を負ったメガニューラの二種がおり、その比率は1000:1であるといわれる。

群衆がゴジラに一斉に敵に攻撃を仕掛けるのはウルトラマンバルタン星人(二代目)のミニバルタンが、
ウルトラマンを襲う未撮影のアイディアを再起用したものである。

劇中で淳の所持していた図鑑によれば3億5000年前に生きていたとされ、中国で化石が1か所から大量に発見されたと書かれている。
また図鑑によれば化石は「メガニューラ・ルイザエ」と命名されているらしい。



□メガギラス

全長:50メートル
翼長:80メートル
体重:1万2千トン
飛行速度:マッハ4

別名:超翔龍

無数のメガニューラに大量のエネルギーを送りこまれた巨大メガヌロンが羽化した姿でメガヌロンたちのボス。
極めて凶暴な性格で、敵となる生物を徹底的に叩き自らのテリトリーを広げていく。

元々はメガヌロンの天敵となる生物たちに立ち向かうための存在らしい。
元の時代では大型の肉食恐竜等からエネルギーを吸収していたと考えられており、その時はさすがに本編ほどの体格ではなかったようだ。

また、成長段階で吸収したエネルギーの提供主に姿が似るという性質があり、
昆虫怪獣にも関わらず爬虫類系の顔をしているのはそのためである。

武器は両手のハサミと尻尾の先の巨大な針。
また凄まじい超スピードで飛行が可能で、その際には強力な高周波が発生し周囲の物質を文字通り「粉砕」する。
高周波はホバリングで発生させることも可能で、翅で扇ぐようにして撃ち出す胴体よりも大きなエネルギー光弾は着弾と同時に爆発する。

意図的な武器ではないが羽化直前には強力な磁場を発生させており、Gグラスパーの機器に故障が続出したり通信が不調になったりと水底に何かがいることに気付かれ始めていた。

真夜中に羽化し渋谷を破壊し尽くした。その後東京お台場に上陸したゴジラと対決。

超音速飛行でゴジラを翻弄し、ゴジラの熱線を発射直前に尻尾で全て吸収してみせた挙げ句ゴジラをビルに叩きつけ、
「ニヤリ」と笑みを浮かべながら偽フジテレビの八面体展望台をぶつけて執拗にいたぶる嗜虐性を見せた。


しかしゴジラは復活し、その鋭利な背鰭で左手を切り落とされ、フライングボディプレスをくらう。

それでも必殺技である「エネルギー光弾」でゴジラをダウンさせ、
尻尾の巨大針でトドメを刺そうとするもゴジラに「真剣白止め」を喰らい、そのまま針を噛み砕かれた。


最後の武器を失い、今までの強さが嘘だったかのように弱体化し最期は逃げ出したところにゴジラの熱線の直撃を受け炎上。
墜落した所で、トドメにもう一発熱線を受け大爆発を起こした。 

ゴジラが尻尾の針を噛み砕いた際、ゴジラは完全に勝ち誇った笑みを浮かべていた。

アニゴジ

小説版第1作『GODZILLA 怪獣惑星』においてはロシアに出現した野良怪獣として登場。
ラドンと先を競うかの如く、ゴジラに滅ぼされたヨーロッパから亡命してきた難民たちを次から次に食い殺していた。


□メガギラスVSラドン もし戦わば

上述しているが、メガギラスは『空の大怪獣ラドン』に登場しラドンに捕食されたメガヌロンを元に生み出されたキャラクターであるが、
戦闘形態であるメガギラスであればラドンとかなり良い勝負ができるのではないかと考えているファンは結構多い*1


大きさこそ昭和ラドンに若干負けているものの、マッハ4というスピードに加えて、
ホバリング状態での超高速機動、高周波、エネルギー吸収などのメガギラス独自の特殊能力があり、総合スペックはほぼ互角と見れる。
また昭和ゴジラよりも重いギラゴジを持ち上げて飛んでいるため、持てる重量面でも極端な差異はないと思われる。

ラドンの武器としては身体からのジェット噴射による衝撃波があるが、
メガギラスはダウンした状態から一瞬で態勢を整えてる描写があるため直撃を避ければリカバリーは不可能ではないと推測できる。

攻撃力と耐久力ではラドン、飛行能力と技の多さではメガギラスといったところ。
搦め手の多さを見てもヒットアンドアウェイ戦術がメガギラスに向いている、といったところか。


ただ作中で見せた防御力の低さから光線という飛び道具を持っているファイヤーラドンには大きさをそろえても不利という意見は多め。
昭和ラドンは一応、口からガス状の何かを放っているシーンがあるが、仮に威力があったとしてもさすがにメガギラスにまともに当たるとは思えない。


また今作に登場したメガギラスはゴジラのエネルギーにより古代よりも確実に強くなった個体であるものの、
ゴジラのエネルギーを吸収したメガニューラのほとんどがディメンション・タイドによって消滅していたため、
本来であればもっと強力な個体へと成長していたのではないか?という指摘もある。

ここを含めると議論が「そもそもの準備段階としてエネルギー源が誰か」「エネルギー源によって能力の幅はあるのか」まで範囲が広がってしまうものの、
それだけメガギラスとラドンの対決には様々な可能性があると言えるかもしれない*2



□余談

◆『ウルトラマン80』にギラスなる怪獣がいるが全く関係はない。

◆『ゴジラvsモスラ』の原型になった『ゴジラVSギガモス』ではメガヌロンが進化したという想定でギガモスAタイプが描かれており、メガギラスの基になったとも言える。

◆『ゴジラ FINAL WARS』の冒頭では、過去に出現した怪獣の一体としてメガギラスが紹介されていた。

◆ちなみにアトラクション用の着ぐるみが存在し、
それには足が生え仮面ライダーシリーズの怪人のようなスタイリッシュな姿となっている。誰だお前
映像作品としては2001年公開された東宝のコメディ映画『みんなのいえ』のお披露目のシーンのリビングで皆が見る主人公が関わったバラエティ番組の登場人物として登場している。
(ちなみに映画冒頭で同番組にゴジラも登場しており主人公や視聴者の台詞によれば怪獣乱入オチのワンパターンに陥っているらしい)

◆元ネタは約3億年前の石炭紀末期からペルム紀初期にかけて生息していた超巨大トンボ「メガネウラ」。
流石にメガニューラ程巨大ではないが、それでも全長約70cmというビッグスケールであった。
なお、ヤゴの化石は発見されておらず、メガヌロン(仮)が実在していたかは定かではない。




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最終更新:2025年02月01日 00:03

*1 メガギラスは上述したように天敵に対する戦闘形態であり、メガヌロンの天敵であるラドンとの対決が考えられるのはある種当然である

*2 ファンとしても成長段階でのエネルギー源で強さが左右される点は