美剣サキ

登録日:2019/01/24 Thu 22:32:16
更新日:2023/05/26 Fri 13:11:37
所要時間:約 7 分で読めます




※推奨BGM:戦い 優勢


アサヒが出会った謎の女性、その名は「美剣サキ」

ていうかなんでその女がルーブクリスタルを持ってんだよ?

しかもまた新しい怪獣も出現するし、一体どうなってんだ?

次回 ウルトラマンRB


お前は誰だ


俺色に染め上げろ!ルーブ!!












古き友は言った────

ほとんどの人間はニセモノだ。無論、あのウルトラマン達も。

彼らの思考は誰かの意見、彼らの人生は模倣、

そして彼らの情熱は引用だ。



ウルトラマンR/B』に登場するキャラクター。漢字表記は「美剣沙姫」とされる。

演:木下彩音


【人物像】

黒とオレンジの衣装に身を包む碧眼の謎の女性で、感情の起伏に乏しく無表情。
第11話「アイゼン狂騒曲」から登場し、湊兄弟や愛染マコトとは模様が違った「オリジナルのジャイロ」を手にして怪獣を召喚する。
愛染に看護師として近づいてから社長の地位を奪い、その地位とアイゼンテックの技術力や設備を使って何かをしようと企んでいる。

「古き友は言った」と称し、世界の過去の偉人の格言を引用する。
特にオスカー・ワイルドの格言がお気に入りのようで何回も登場した。
フルネームの「オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド」をウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツと同じくらい長くて呼び辛いのにいちいち略さずに言うのも特徴。
しかし後の発言からすると、本当は古き友なんていなかったのかもしれない。

また、ウルトラマンウルトラマンベリアルのルーブクリスタルを所持しており、 湊アサヒ を介して湊兄弟に渡している。
しかし、当の湊兄弟・ 湊カツミ ウルトラマンロッソ 湊イサミ ウルトラマンブルの事は「偽物のウルトラマン」と呼び憎悪しており、彼らと対面する時は常に敵意を隠すことは無い。

全体的に言動がネガティブであり、チェレーザが「ウルトラマンの真似」ならばこちらは「人間の真似」というべきズレた行動が多い。
アサヒと出逢ってからは彼女の影響をモロに受けており、グルジオキングをバックに自撮りする、女子高生らしい口調をまんま真似るなどしているが、
発言の場所や内容が一般とはズレていることが彼女の不気味さを際立たせている。

  • ロッソとブルがグルジオキングに当てた攻撃を見て「こんな時女子高生ならどう言う?」
    ダーリン「『超スゴーい!ありえなーい!』とか?」
    「そんな貧弱な攻撃マジウ~ケ~る~!!」
    →ダーリンドン引き
  • 可愛く頼めばなんでも通る
    「怪獣の到達予測は2か月後!それに対し私たちは殲滅活動を実施します!その作戦を実行した結果、地球は木っ端微塵になりま~す♪」
  • 頼みごとをするときは礼を尽くす
    →あやかほし饅頭を持ってきてカツミとイサミに「死んでくれ」
  • クリスタルの力に対してゲキアツ、マジヤバなど4文字で表現
…など

その一方でザラブ星人が化けたにせ美剣サキを見て、「私はあんなツリ目じゃない」と怒ったり、
あやかほし饅頭のCMを踊りだした湊家一同に困惑するなど、妙に人間味ある対応をすることもある。

基本的に周囲の人物と親しくすることはなかったようだが、アサヒにはかなり激甘であり、
作戦遂行の準備中に電話で呼ばれたら素直に会いに行って悩み事を聞く、
少し付き合って欲しいと頼まれたら拒否しつつ付き合うなどなど、断りきれない。
態度は終始淡々としていたものの、アサヒのことは大切な友達だと思っていた。
ダーリンが乗っ取られ、アサヒがキングジョーに捕まった際にはカツミ、イサミと一時的に協力している。
最後は地球を爆破したとしても、アサヒだけは生き延びて欲しいという思いを遠回しに表現していた。

ちなみに美剣サキという名前はアサヒと接触した際に咄嗟に名乗った偽名であり、彼女からは「ツルちゃん」というあだ名をつけられている。

なぜか劇中ではコスプレする機会が多い(看護師、女子高生、ガッツ星人、セーラー服など)。


【劇中の主な行動】

第11話「アイゼン狂騒曲」の終盤に登場し、ロッソ、ブル、オーブダークの3人による争いの最中、2足歩行に変化したホロボロスを召喚する。
最終的にホロボロスがロッソとブルに倒されると愛染と接触。
ウルトラマンとベリアルのクリスタルをアサヒ経由で兄弟に渡し、一方で愛染を自らのジャイロでグルジオキングに変身させる。
力に飲まれて暴走したグルジオキングへの対怪獣拘束システムの使用と解除を利用し、
綾香市民のアイゼンテックへの信用を失墜させるとチェレーザを愛染マコトから追放。
正気を取り戻した愛染は自転車旅行に行ってしまい*1、まんまと自らが二代目社長に就任した。

その後も怪獣を召喚・変身し、湊兄弟と対立していくが彼女の目的が判明していく。

【その正体と目的】

ウルトラマンオーブクレナイ ガイ同様、彼女もまた惑星O-50から力を授かった異星人の一人であり、先代ロッソ&ブルの妹。
そしてグルジオボーンの本来の変身者であった。
当時の服装はガイやジャグラーとも似ている(出身自体はO-50とは別の惑星)。
ジャグラーに引き続き闇落ちさせてしまった惑星O-50……

1300年前、大怪獣ルーゴサイトを倒すために惑星O-50を訪れ、力を授かって地球に来た。
が、肝心のルーゴサイトのあまりの強さに歯が立たず、兄たちが命と引き換えに1300年周期の衛星軌道に放逐するのが限界だった。
このことからルーゴサイトの撃滅に執拗にこだわり、そのために地球を巻き添えにすることも厭わないなど「残された者」として自らを追い込みながら動いている。

しかしそれは結局のところ、兄たちが命を捨てて守った星を、その元凶を倒すために滅ぼすという本末転倒以外の何物でもない暴走であり、
湊兄弟との協力も一貫して拒絶している。
彼女と兄達はO-50の戦士としてジャイロに選ばれたのに対し、
湊兄弟はただの一市民でありながら成り行きでジャイロに選ばれているのも敵意を向けている一因である。*2
彼女からしてみれば、なんの努力もせずにウルトラマンになった人物より自分が劣っているなど認めたくない話という事情もある。

もっとも実際の実力は湊兄弟もそれなりに高く、特にコンビネーションによる戦術に長けている。
ウルトラマンルーブに至っては先代のロッソとブルが発動できなかった形態である。
その実態を目の当たりにしてもなお、自分が劣っていることは決して認めず、あくまでも1人で戦い続けようとしている。

目的のために他者を犠牲にすることを躊躇わないその姿は、方向性こそ違えどエゴによって他を脅かしたオーブダークと同じものであり、
惑星O-50の力を授かりながら一人だけ怪獣にしか変身できないのは、ウルトラマンにとって絶対に欠けてはならない
「他者を守ろうとする心」が足りなかったからだとも取れる。

対立していた湊兄弟が湊カツミ、イサミとしてまずは家族・妹を守るとウルトラマンの力を自分たちなりに解釈すると、
彼らにはアサヒの友人であるサキも含めて地球をルーゴサイトから守ると宣言される。

湊ミオの帰還後にはルーゴサイトを異次元に追放しようとする湊一家と対立し、
地球ごと爆破することに固執したままグルジオレギーナに変身して兄弟を撃破する。
しかし、クリスタルに封印されていたルーゴサイトがクリスタルの中からジャイロを遠隔操作、
自身を召喚するというウルトラCをかましたことで復活を許してしまう。

直接対決に持ち込み、自爆によって地球もろとも撃破せんとしたところに復活した兄弟が乱入。
その姿に兄たち2人の姿が重なり、最後にはルーゴサイトの攻撃から2人を庇って変身を解かれてしまう。
そしてアサヒに自らの本名・グリージョを明かし、ジャイロを渡しながら「3人が力を合わせれば出来る」、「私はハッピー」と言い遺し、消滅してしまった。

その後、ルーゴサイトとの再戦でも押されるルーブであったが、アサヒがその正体であるマコトクリスタルを明かし、遺言の通り、兄妹3人の力を合わせたシン・ボルテックバスターでルーゴサイトを撃破するのだった。

最期の瞬間に「誰かを守る」という意志を芽生えさせた彼女は、その時初めてウルトラマン足りえたのかもしれない。


蒼い瞳の少女は灰色と名乗った

本編の前日譚として、R/Bの地球へ来る前の彼女と兄たちの話が展開されている。
誰一人として犠牲を生まない平和を望んでおり、惑星O-50に授けられたウルトラマンではない怪獣の力も悩みながら意味を見出したが、
ルーゴサイトに兄たちを奪われ、平和への考えも歪んでしまう。

地球に降り立った後にはオスカー・ワイルドと実際に会っていたことも判明している。


【関連アイテム・用語】

〇ルーブジャイロ(美剣サキ仕様)
湊兄弟のジャイロやAZジャイロとは配色が異なり、オレンジ色のラインが引かれている。
このジャイロがオリジナルのようで、召喚したホロボロスが2足歩行に強化されるなどの違いがある。
彼女の死後は形見としてアサヒに受け継がれた。
玩具版はプレミアムバンダイ限定発売で通常のジャイロから追加された新音声と美剣サキの台詞も収録されている。

〇レイエネルギー
湊兄弟のジャイロの力に代わってルーゴサイトを実体化させるために集められていたエネルギー。
1300年前の戦いにおける敗北が影響して地球上に散らばっており、美剣が各地に植えていた宇宙樹から再び日本に集められていた。
美剣自身が起爆剤となり地球ごと爆発させるつもりであったが、異次元から現れたカミソリデマーガに狙われてしまう。


【変身形態】

詳細は各項目参照。

火炎骨獣 グルジオボーン

身長:60メートル
体重:6万2千トン
1300年前に変身していた姿。
ロッソとブルが敗れたかに思われていた第1話のビジョンは兄たちを失った彼女の悲しみのシーンだった。
『蒼い瞳の少女は灰色と名乗った』では戦いを経てグルジオキング、グルジオレギーナのクリスタルも入手し、変身している。

超弩級怪獣 グランドキングメガロス


警告します!貴女自身が戦えば、更に命を削ることに…!


構わん。


\グランドキング メガロス!/

身長:78メートル
体重:21万7千トン
第20~21話にて変身した姿。
攻撃、防御共に強力だがその力に飲まれ、暴走してしまうというチェレーザと同様の結果に陥ってしまった。

豪烈暴獣 ホロボロス

身長:56メートル
体重:4万4千トン
第21~22話にて変身した姿。
2足歩行の姿で、素早い身のこなしではあるが、双方の精神面の変化、連戦による疲労もありウルトラマンルーブやカミソリデマーガには圧倒されてしまう。

超鎧装獣 グルジオレギーナ


ならば、力づくで止めてみろ!


\グルジオボーン!/

カチャッ(クリスタルを外す)


\強化!グルジオキング!/


カチャッ(クリスタルを外す)


\進化!グルジオレギーナ!/

身長:65メートル
体重:9万1千トン
第23~24話にて変身した姿でグルジオの最強形態。
強固な装甲や破壊光線でルーブを撃破している。



本編登場後、『R/B』公式Twitterでは「美剣サキの古き友」のコーナーが開かれていたが、最終回後には以下の格言が載せられた。



美剣サキの、真の友は言った────

ハッピーは、地球を救う!と─────

本編終了後もウルトラヒーローズEXPO2019のバトルステージ「朝日が昇る時空」や「劇場版 ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」で心が折れかけたり決意を固めたりしたアサヒの前にイメージとして現れたり、声をかけたりしてアサヒがウルトラウーマングリージョになるのを手助けしている。

ちなみにバトルステージで披露された格言は円谷英二の「出来ると言ってみる。話はそれからだ」、
劇場版の格言はフローレンス・ナイチンゲールの「天使は、苦悩する者の為に戦う」。


【余談】

ウルトラ怪獣擬人化計画の漫画作品『ギャラクシー☆デイズ』では連載最終話にルーゴサイトが登場するのだが、その姿はどう控えめに見ても(少なくとも髪型は)美剣サキそのものだったりする。
残念ながら漫画の完結から程なくして擬人化計画の展開自体が終了したため、公式なイラストが世に発表されることは無かった。



そんな貧弱な追記・修正マジウ~ケ~る~!!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 美剣サキ
  • ウルトラマンR/B
  • アイゼンテック
  • JK社長
  • 惑星O-50
  • グリージョ
  • 古き友は言った
  • 木下彩音
  • ツルちゃん
  • ダークヒロイン
  • 社長
  • クールビューティー
  • 頑固
  • ジャグジャグ枠
  • 実は苦労人
  • トレギア被害者の会
  • 結構暗い過去持ち
  • 復讐鬼
  • 本当は優しい人
  • 哀しき悪役
  • かわいい
  • ウルトライバル

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年05月26日 13:11

*1 余談だが、放映当時は刑務所から脱走した窃盗犯が自転車旅行客に扮して逃走していた所を逮捕される事件があったため一部で話題になった。

*2 ただし劇中の描写を見る限り湊兄弟を後継者に選んだのは他でもない兄達の意思によるもの。