宇宙忍者ゴームズ

登録日:2012/05/25 Fri 22:08:31
更新日:2025/04/22 Tue 09:51:53
所要時間:約 5 分で読めます






宇宙忍者、ゴーーーームズ!!



『宇宙忍者ゴームズ』とは、1967年にアメリカで放送された、ハンナ・バーベラプロダクションのカートゥーン作品「ファンタスティック・フォー」の邦題である。

概要

当時の日本に合わせて忠実に訳した結果、全体を通してひどいカオスアニメになってしまった。そしてオープニングのナレーションを担当したのはキンキンこと愛川欽也である。

日本では1969年にNET(現テレビ朝日)系で放送された。
また、2000年代ではCSのカートゥーン・ネットワークで何度か再放送されているため、小学生の頃に見たという10~20代の方も多いだろう。

本国アメリカでは全20話が放送され、日本でも初回放送時は全話放送された。しかし何故か再放送時は全13話となっている。初回放送の時期はVHS普及以前のため、発掘は絶望的。そのため残り7話分はオリジナルの英語版でのみしか見られない。

見どころは以下の通り。
  • 子供好みにした結果、「宇宙」と噛み合ってないタイトル。
  • 忍者要素はない。
  • 日本的に訳したためか、名前が色々とヒドい。
  • 開始数十秒から話が大きく進む。
  • OPの映像と声が食い違っている。
  • 必ず1人は強引な性格になり、1人はロクな目に合わない。
  • ほとんどの悪役の声は当時の人気コメディアンや俳優が担当。
  • そのためか悪役がどこか憎めない。
  • ゴームズの考えがかなり曖昧。

ざっと上げても、当時のアニメらしさを感じさせるシュールな要素が満載。
シュールアニメ好きには欠かせない一品。


【登場人物】

【ファンタスティック・フォー】

  • ゴームズ
CV:小林修
「のびろ!ゴームズ!」
原語版での名前:Mr.ファンタスティック/リード・リチャーズ
4人のリーダー格であり、身体がゴムのように伸びる。悪魔の実は食べていない。
天才的な科学者なのだが、質問に対して曖昧な回答をする事もしばしば。

[例]
ガンロック「これはどういう事なんだ!?」(二つになった太陽を見て)
ゴームズ「あぁ、宇宙に何か起きたらしい」

あとネーミングセンスがかなり適当。
名前の由来はゴム+ホームズ。

  • スージー
CV:増山江威子
「消えろ!スージー!」
原語版での名前:インビジブル・ウーマン/スーザン・ストーム
テレパシー、透明バリア、透明化といった能力を持つ宇宙忍者の紅一点。そしてゴームズの嫁。
しかし特殊能力が透明化とはいえ、オープニングで「消えろ!」はあんまりである。
名前の由来は透明化すると白い筋が残るから。一応、原語版およびアメコミでもスージーという愛称で呼ばれることもあるが…。

  • ファイヤーボーイ
CV:前川功人
「燃えろ!ファイヤーボーイ!」
原語版での名前:ヒューマン・トーチ/ジョニー・ストーム
スージーの弟。
全身から炎を出し、火の玉のように突撃したり壁を溶かしたりする事ができる。
飛行能力を持つが、何故か燃えたまま宇宙も飛べる。
真っ先に敵にやられたり、宇宙の彼方に飛ばされてハブられたりとなかなか不遇。
閉じ込められる→「ファイヤー!」→脱出はよくある流れ。たまに顔が老ける。

  • ガンロック
CV:関敬六
「壊せ!ガンロック!」
原語版での名前:ザ・シング/ベン・グリム
岩のような肌をした怪力男で愛すべきバカ。
4人の中では一番悲惨な目に遭っているにもかかわらず、中の人のお陰でコミカルで愛嬌のあるキャラとなっている。
特徴的なかけ声「ムッシュ!ムラムラー!」は中の人の持ちギャグ。
ある回ではOKと頑なに言わず、「おつけい」で通した。
一度悪魔博士の手により元の姿に戻った事がある。

【ヴィラン(敵キャラクター)】

ゴームズ達の前に立ちはだかる色んな意味で個性的な方々。

CV:南利明
原語版での名前:Dr.ドゥーム
名古屋弁で話すゴームズ最大の敵。
詳しくは該当項目に書いてあるでよ。

  • テッカーメン
CV:コロムビア・トップ
原語版での名前:ギャラクタス
アメコミよりかなり小さめに描かれている。
地球のエネルギーを吸いとろうとやって来るが、シルバーサーフィンに裏切られた上にゴームズ達やデッカチーに邪魔される。
アルティメットヌルファイアーを奪われてオロオロした時の彼は必見。
事が殆ど屋上で済んでいるため迫力が足りないが、彼自身はアメコミでも指折りの強キャラであり、アルティメットヌルファイアーは超強力兵器。

おおおい!やめろよせ!
そらどっから取って来た!?
どこで手に入れてきたの!?
そんな危険な物を振り回すのはやめろ!おい!
それは銀河系を破壊できるぐらいの力があるんだ!
そんな危ない物は早く下に置け!

  • シルバーサーフィン
CV:原田一夫
原語版の名前:シルバーサーファー
珍しく名前がそんなに変わってない。
テッカーメンと共に地球に飛来したが、登場早々ガンロックにブン殴られて気絶。
そして介抱してくれたスージーの洗の…説得を受けてテッカーメンを裏切る決意をする。
光線を出す時「シルバアアアアアアアっ!!」と高らかに叫ぶ。

CV:大泉滉
原語版の名前:ドクタークロー
ハイテンションで歌いながら空から降りてくるという衝撃的な登場シーンを見せつけた。
\ほい到着だ!/
話し方がオカマ口調。
そしてテンションがおかしい。
ゴームズとファイヤーボーイにリンチされて気絶した。

CV:相模太郎
原語版の名前:レッドゴースト
悪名高いロケット科学者。
サル、ゴリラ、オランウータンを従えての征服を企むが、ゴームズ達に妨害される。
「エネルギーがどんどん溜まってきたぞ。溜まってきた!溜まってキタ!!(ドヤ顔)」

CV:谷幹一
原語版の名前:モールマン
地底に住む3Dメガネのようなものをかけてる白髪頭の怪人。
地底人を大量に従えている。

  • ガンマー博士
CV:辻村真人
原語版の名前:プロフェッサーガンマー
ハゲチャビーンに次ぐ、悪の科学者。
どういうわけか放射能の浴びて怪物の姿になってしまった。ファイヤーボーイが起こした竜巻に吹き飛ばされた時は何故かテンションが高い。そして最後はゴームズ達に復讐することを誓うが、それ以降は全く登場しなくなった。
シルバーサーフィンに続き、名前は原語に近い。
実はアニオリキャラ。

CV:鈴木やすし
原語版の名前:カーゴ
アンドロメダ星の支配者で、手の先から光線を出せる。
風貌は頭でっかちで、背が低い。自分が支配する星に彗星が衝突しそうだというのに「このままじゃアンドロメダじゃなくてアンドロダメになっちゃう」とダジャレを言ってるくらい緊張感が全くない。最後は部下であるロボットにも見放され、彗星が迫るアンドロメダ星に一人置いてけぼりにされる。

CV:石川進
原語版の名前:モルキュールマン
人々を集めてビルを浮かせてみたり、現れたゴームズ達にいきなり自分語りをしたりと厚かましい悪役。
口調がやけに可愛いため、どうにも憎めない。ちなみにアメコミでは最凶キャラの一人。

CV:由利徹
原語版の名前:アットゥマ(アチューマ)
東北弁で話す暗闇王国の支配者。
宮城県の民謡である斎太郎節を歌いながら登場するという衝撃的なシーンを見せつけた。の底にある平和王国を支配しようとした。

CV:コロムビア・トップ
原語版の名前:スーパースクラル
デコボコ星(スクラル帝国)の宇宙人達が、宇宙忍者4人組を倒す為に造ったロボット
宇宙忍者4人の能力を全て持っており、更に目玉から光線を出したり、変身能力まで持った強敵。
凶悪な能力で散々好き勝手暴れたものの、能力が使えなくなると途端にヘタレ化した。

「俺、あの、故障したから。勘弁して。」

CV:トニー谷
原語版の名前:ディアボロ
古城に封印されていた悪魔
夜中にガンロックをおびき出して脱出に成功する。
不思議な薬を使ってガンロックをイケメンにしたりゴームズ達と戦ったりした。
ヤバくなるとオカマ口調になる。
ディスク・ウォーズ:アベンジャーズに出演したため、そこそこ知名度が高い。


【ゴームズの協力者・味方】

  • リッパダー
CV:原田一夫
原語版の名前:トリトン
海の底にある「平和王国」*1の王。
戦時は自ら率先して前線に立ち、己の拳一つで一騎当千の働きを見せる。
戦争の被害が広がることを嫌ってワリーダに正々堂々の一騎打ちを挑み、決着後は敵軍の兵士たちを罰することなく恩赦を与えるなど精神も高潔。
ふざけた台詞もなく、メンヘラ売国奴を婚約者に持つ点を除けば、非の打ち所がない君主の鑑である。

実は原作コミックの「ネイモア・ザ・サブマリナー」とのコラボ回をアニメ化するにあたって権利が拗れたため*2代役として作られたキャラクター。

  • デッカチー
CV:坊屋三郎
原語版の名前:ウォッチャー
ゴームズ達の前に突然現れ、地球にテッカーメンが迫っていることを告げた宇宙の科学者。
頭でっかちだけでなく体もデカい。
宇宙的存在のテッカーメンを説得したり、ファイヤーボーイを銀河の彼方に飛ばしたりと本作内の描写でも薄々察せる通り、原作ではチート級上位存在の一人でMCUでは狂言回しを務める作品が作られたりもしている。
「テッカーメンに合図をしている!もうおしまいだ!」←語開始3分後のセリフ



追記、修正で荒らし達をやっつけろ!

僕らの味方、宇宙忍者ゴームズ!

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最終更新:2025年04月22日 09:51

*1 原語版の名前は「Pacifica」……太平洋にあるのだろうか

*2 別のアニメ会社が製作した「マーベル・スーパーヒーローズ」にネイモアがレギュラー出演していたのが原因とされる