ランダム対象攻撃

登録日:2019/10/20 Sun 03:35:17
更新日:2024/03/04 Mon 07:40:24
所要時間:約 8 分で読めます




ランダム対象攻撃とは、攻撃対象がランダムに決定される攻撃のこと。
主にゲーム作品で使われるが、それ以外のフィクションでもたまに出番はある。
効果自体がランダムな技はランダム効果技を参照。

概要

通常、ゲーム作品では攻撃対象は常に選択できるのだが、このタイプの攻撃は「選択できない」という欠点を抱えている。
そのため使いづらい……かと思いきや、「欠点があるだけに基礎性能が優秀」と設定されていることが多く、意外と使いやすい攻撃であることも多い。
特に「ランダムにターゲットを決定して複数回攻撃」タイプは非常に強力であり主力になりやすい。

敵の数が多いと狙った相手に上手く攻撃が飛ばず、中途半端に削るだけに終わることが多いが、事前に敵を減らしておくことで的を絞ることが可能。
特に「複数回ランダム攻撃」の場合、敵が1体だけだと全ての攻撃が敵単体に集中するため、非常に優秀な火力となる。
基本的に単体でしか出現しないボス格の敵に対しては特に有効で、このタイプの攻撃が「ボスキラー」として使われる理由となっている。
ただし、味方まで巻き込むタイプのランダム攻撃だと、味方を殺しておく、耐性をつけておく、対象外にしておくなどの対策がいることもある。
回数がランダムというケースもある。

また、「攻撃対象がランダム」というのを逆に利用することもできる。
通常なら前衛しか殴れない状況でも、ランダム攻撃なら運が良ければ後衛を攻撃できることもあるのだ。
あくまで「ランダム」なので確実性は低いが、「とにかく運任せでも一回攻略できればいい」というなら割と有効。
低確率事象を平気で引き当てる「TASプレイ」では、狙いすましたように的確にターゲットを撃ち抜くスナイププレイを見ることができる。

逆に敵に使われると、「ランダムで柔らかい後衛をぶん殴られる」危険性が常に付きまとうため結構怖い攻撃でもある。
通常なら、AIに従ってターゲットを決める敵でも、こういう攻撃では技の特性の方が優先されるため、戦略をあっさり瓦解させてくる可能性があるのだ。

ターゲットがランダムな攻撃に対して、相手が「かばう」「挑発」のようなターゲット操作能力を使うとどう処理されるかはゲームによって異なるが、
敵のかばうが優先され、散らしたかった攻撃が全てタンク役に吸われてしまうのが特徴として、ターゲット操作と無関係にダメージを与えられる全体攻撃と差別化されることが多いか。
(ダメージ無効のかばうならいいのだが、ダメージを受けるタイプのかばうだと多段ヒットでそのまま死ぬことも…)

なお、対象が味方も含めてランダムに決定されるものに関しては「無差別攻撃」と呼ばれることもあるが、それには「敵味方全員を攻撃する(対象が固定されている)」ものも含まれるため、「ランダム対象攻撃」と「無差別攻撃」は別の括りとなる。

例外として、そもそも攻撃ターゲットを選択することができないゲームもいくつかある。
手数を増やしたり一撃の威力を高めれば有利にはなりえるものの、奇跡や事故を引いて一喜一憂するのもお約束。

代表的なランダム攻撃

  • ドラクエシリーズ
初出は『4』のトルネコが低確率で使用する「商人呼び」。設定的には後の軍隊系の開祖だが、この当時は「トルネコの攻撃力でランダム3回攻撃」であり、実はばくれつけん系の開祖だったりする。
以降、「軍隊系」と「ばくれつけん系」の主に2系統のランダム攻撃が定番として実装されていく。
「軍隊系」は、基本的にレベルに依存する固定ダメージのランダム4回攻撃、「ばくれつけん系」は使用者の攻撃力依存の(通常攻撃よりやや弱い)ランダム4回攻撃。バイキルトは一撃目のみ乗ったり乗らなかったり。
この手の攻撃が最大限に猛威を振るうのが、特にPS版『7』。 最強の特技はどとうのひつじ ともよく言われる。
また、戦士と踊り子の職歴で簡単に覚えられる「つるぎのまい」が非常に強烈な破壊力を持っており、単体出現のボスならこのどちらかで大抵OK。
流石に自重されたか、『8』以降はどちらの系統の特技も大幅に弱体化されており、あまり頼りにならなくなっている。また、リメイク版『7』では当のどとうのひつじは大幅にダメージが下がった単発全体攻撃に変更され、つるぎのまいも海賊か勇者に就いている間しか使用できなくなった。その一方で「ばくれつけん」は1発あたりの倍率が0.5倍から0.75倍に強化され、モンスター職のプロトキラーを経由すればどの職業でも使用できるようになった。
ちなみに軍隊系で呼び出される諸々は、 軍隊、狼、羊、ヘルワーム、オッサン、バックダンサー、したっぱ、オカマ と移り変わっている。ただしバックダンサーは不思議な竜巻だからか全体攻撃。

なお、敵味方無差別攻撃には「みなごろし」という物騒な特技がある。いきり立って襲い掛かって来て、ランダムな相手に会心の一撃相当のダメージを与える特技。
この手の特技で定番なように自分で使ってもイマイチだが敵に使われるとかなり怖い。*1
自分で使う場合は、精々味方を全員殺しておいて、確実にメタル系を仕留めるのに使うぐらいだろうか。作品によっては自殺することもあるが。

ただし、派生作品であるモンスターズシリーズでは話が変わる。
GB版のモンスターズ2及びPS版1では自分一人の時は敵のみを攻撃するため、一人旅では強力なダメージソースとなる。
またジョーカー2以降の作品(テリワン3Dを除く)では特性により味方への誤爆を無効化できるため、行動消費のリスクこそあるがかなり実用性が高まっている。
同じくジョーカー2からMP全て(最低150以上)を消費し減ったHP分のダメージをランダム1体に与える「じごくの踊り」が、テリワン3DからMP版の「呪いの鉄槌」が登場した。

  • FFシリーズ
状態異常の「バーサク」やジョブの「バーサーカー」の通常攻撃、5のメテオ、ガウの「あばれる」、風水士の「ちけい」、モグの「おどり」、超究武神覇斬等の最強技などがあるが、
目玉にして幕開けとなったのはやはり「乱れ撃ち」という狩人のアビリティだろう。大体の特性はドラクエのばくれつけん系と同じで、一発当たりのダメージが大体半減した4回攻撃となっている。
……要するに、 敵が1体だけなら大体2倍ダメージになる *2ということである。
なお、名前からわかるように弓の技なのだが、 なぜか弓以外の武器でも使える 。というか、弓以外で使われることの方が多い。
手持ち武器なら「投げて手元に戻して……」を4回やっているのかもしれないが、 素手ですら放てる 。一体何を撃っているのだろうか……。
特にFF5やFF6は「二刀流」と組み合わせることが可能なので、 驚異の8回攻撃
FF6では「皆伝の証」というアクセサリでたたかうを乱れ撃ちにするため、防御無視のバリアントナイフやイカサマのダイスなどの他、ガウのあばれるとも併用可能。
ガウに関しては沙悟浄の槍*3二本持たせてストレイキャットで暴れれば二刀流ネコキック乱れ撃ちで実質16倍もの火力が出せる。*4わけがわからないよ。
これらをやると ラスボスも秒で沈む が、皆伝の証はSFC版では一個しか手に入らず誰に使わせるか大変悩ましい。
習得は大変だが、使いこなすと大概バランスブレイカーと化すアビリティになっている。
ちなみにFF7だけは「れんぞくぎり」の発展形なので、剣を持っているキャラはちゃんと剣で乱れ斬りしてくれる。

ただし開発側で対策を取っていないわけではなく、FF5ではこれらの対策を兼ねて一部のボス敵にダミーターゲットという戦闘の勝敗に影響しないが無敵状態のランダム攻撃を吸うためだけの敵が設定されている。
ランダム攻撃を使用した際にこれらに当たるとダメージが目減りしてしまい、酷い時にはノーダメージということもある。メテオはとんだとばっちりである。
しかし以降の作品でこのような敵が出て来ることはなかったので、仕様としてはイマイチだったようだ。

また、「死のルーレット」は敵味方ランダムで即死させる。
FF6でガウがアーリマンで暴れるとカーソルルーレットが行われずに敵が即死するイカサマ仕様になる。

FF8でもランダム対象攻撃として「メテオ」(敵全体からランダムに10回攻撃、敵が1体の場合は同じ敵に10回当たる)が存在する。
今作にはFF5のような「ダミーターゲット」こそ存在しないが一部のボス敵が「本体といくらダメージを与えても倒せないパーツ」「ボス本体と、倒すとゲームオーバーになってしまうターゲット」という構図になっており、それらの戦いではメテオの使い勝手が大きく悪化する。
また、隠しボスであるオメガウェポンの「テラ・ブレイク」も同じ仕様で、超火力の防御無視物理攻撃がランダム対象に16発飛んでくるという無策で食らえば全滅必至の攻撃となっている。

FFTには「真言」「裏真言」「ホーリーブレス」というSRPGには珍しいランダム攻撃が存在。
範囲を指定してのランダム攻撃なので、正確に言えば上下左右1マスの誤差が出る攻撃といったところか。
最大6回(PSPでは10回)攻撃を行うが、命中しなくても1回は1回で数えられてしまうため非常に扱い難い。
一方、敵側ではヒュドラ系の上位種であるハイドラとティアマットが同様の技を使うのだが、真言・裏真言と比較して一発当たるだけで死亡級の高威力かつ攻撃範囲を狭めやすい(=命中率が高い)と、非常に恐ろしい性能をしている。

なお、真言・裏真言もPSP版では威力の上方修正+中央への命中率アップと強化されており、愛さえあれば使えなくもない範囲にはなっている。

「召喚魔法」という最上位の攻撃魔法が存在。「サラマンダー」「フェンリル」「ノーム」「サンダーバード」の4属性と闇属性の「ダークロア」がある。
範囲内の敵全てにランダムで魔力に依存した攻撃回数(最大10回)の攻撃を叩き込む。範囲内に味方がいてもしっかり味方は避けて敵だけ殴ってくれる親切使用。真言もこれなら良かったのに。*5
攻撃ポイントは、誰もいない場所を指定してもいいので、攻撃範囲の調整が非常に容易であり、狙った相手1体に全攻撃を集中させるのも楽な大変便利な技。
消費MPがやたらデカい、という難点はあるが本作では「チャージスペル」というぶっ壊れMP補充魔法があるので、初手から使うのも割と楽。習得すればかなり戦闘が楽になる。
ただし、いずれの魔法書も一品ものであり、さらに入手には敵リーダーでないユニットを逃さず倒す必要があるので、取り逃す可能性があるのには注意。

なお、ダークロアだけは通常ダメージではなく、「相手の現HPの20%ダメージ」という特殊仕様。絶対にトドメを刺せないので説得時に便利。ただし、早期に入手するには重要キャラのシェリーを抹殺する必要がある。

  • ポケットモンスターシリーズ
この項目の定義では「あばれる」「はなびらのまい」「げきりん」「『ゆびをふる』で出た技」が該当する。*6
いずれもシングルバトルではランダム性が発揮されないが、ダブルバトルやバトルロイヤルでは技の動作中は攻撃対象を定めることができないのが特徴。
しかし、普通の技の方が誤爆のリスクもなく、任意のパーティアタックによる特性発動なども狙いやすいので、これらのルールで「あばれる」系の技を使うプレイヤーはまず見かけない。「げきりん」に至ってはドラゴンタイプの高威力物理技がこれしかないため、物理型ドラゴンタイプ自体がダブルバトルであまり使用されない傾向にある。
「あばれる」系の使用中はポケモン交代が使えないリスクもあってか、同じランダム性でも攻撃回数が変化する技の方がロマンと実利の両面で好まれている。
これらの技を「Zワザ」に変化させれば、1度きりだが通常攻撃(ついでに威力も上昇)として使用できる。

  • MOTHERシリーズ
MOTHER2、3のPKサンダーが該当。‪α‬、β、γ、Ωの4種が存在し、段階によって1〜4回の対象ランダムの単体攻撃を行う。2のみγ、Ωの単発のダメージが上昇する。
敵のシールドを無効化するため使い勝手が良く、この手の技の例に漏れず全弾が単体に命中した場合の火力は凄まじいが、敵の数によって命中率が変化するため敵が1体の時は1発も当たらないことも。

オルベリク(剣士)の「千本槍」、ハンイット(狩人)の「さみだれ矢」が該当。
いずれも威力はおそろしく低く、はっきり言って雀の涙。おまけに命中精度もかなり悪く、何回か技を外してしまう。

……しかし、このゲームは「相手の弱点となる属性で一定回数殴ると敵モンスターを気絶させる事ができる」というシステムがある。
気絶中(ブレイク状態)にはあらゆる攻撃での与ダメージを増やすことができるし、気絶させることで相手のラッシュを阻止することにもつながるので、戦況をひっくり返す重要な要素となっている。
そして大抵の技は1〜2回しか攻撃できない一方で、これらの技は驚異の5〜8回攻撃。敵を一気にブレイク状態へと持ち込める事から、さまざまな場面で重宝する。
特に、対象が一体の時に使えば「ランダム対象」という弱点も克服されるし、最低でも3回は命中保障がかかっているのも心強い。
どちらかというと、ヒット数を重視したサポート向けの技である。

敵も味方もよく使う技であり、どちらにしても命中がやや低め~極低と「数撃てば当たる」といった傾向に、後発のシリーズ作品になるほどある。
低命中でも一発の威力そのものは重いことは往々にあり「回避不能」になる状態異常や脚封じにしてから確実にHITさせるコンボがやはり敵味方共に定石。
当然、ボス敵やFOEの高ステータスからそんな技をモロに喰らおうものなら即死する。

初代はボス敵が使う技で「踏み袈裟改」「デモンズラッシュ」など。
2はスキュレーが使う「クライソウル」のインパクトが強い。また、冒険者側もガンナーが「跳弾」としてこの手の攻撃が使えるようになった。
3からは冒険者側のこの手のスキルがグッと増え「クセは強いが使いこなせば強力な必殺技的存在」として定番になっていく。

代表的な使い手で言えば、先に挙げたのを除けば敵では赤竜の「ドラゴンビート」。アルルーナの「テンタクルビート」。3の裏ボスの「デモンレイジング」あたりか。
新Ⅱでは「高命中+超威力」という「撃たれてしまえば攻撃無効スキルを使わない限りほぼhage確定」という文字通りの「必殺技」すらある。
冒険者側で代表的な使い手を挙げればシノビの「多元抜刀」。スナイパーの「スコールショット」。レンジャーの「五月雨撃ち」。ハウンドの「ミリオンショット」あたりか。
とくに「多元抜刀」はシリーズ全体で見ても異例の大技で「パーティーの空枠に召喚できる分身」をまず呼び出しその「分身」を「全消去」して「呼び出していた分身の数が多いほど威力が倍々に跳ね上がる」という超特殊仕様のソロ運用特化スキルである。

基本的に各キャラクターの攻撃可能範囲が固定されている都合上、そういったルールを無視できるランダム攻撃キャラは他のゲーム以上に優秀で使いやすい傾向にある。
実装キャラ中トップクラスの魔法攻撃力を持ち、通常スキル・ユニオンバーストの両方でランダム攻撃が可能な「マホ(サマー)」が代表格。
一度でも☆3クリア(全キャラ生存でクリア)してしまえば、後はスキップチケットで高速周回できる、「運任せでもとにかく一回だけ☆3でクリア」が有用なゲームデザインもその理由の一つ。
全体攻撃を持つキャラでも似たようなことは出来るが、攻撃範囲が広い代わりに火力は控えめというキャラがほとんどなため、
単発火力が高く、運次第で一気に相手の戦線を瓦解させられるランダム攻撃の方が(特に壁役が硬い敵編成の場合)有効なこともある。
PvPコンテンツでも、運が悪ければ中衛や後衛のアタッカー・ヒーラーを真っ先に仕留められてパーティーが崩壊してしまうので、(敵編成にいれば)要対策のキャラとなっている。
また、敵が一体しか出てこないボス戦でも、単発高火力の攻撃を(当然ながら)ボス一体に集中して叩き付けられるためにアタッカーとしては優秀である。

  • モンスターストライク
カタストロフィや向日葵の持つ友情コンボ「シャイニングピラー」が該当。フィールドのランダムな場所に光の柱が出現して敵を攻撃する。威力は高いが、ランダム故に全く当たらないことも。

  • ロックマンエグゼ&流星のロックマンシリーズ
同作のバトルチップやバトルカードの中には、相手側のエリアからランダムで選ばれたマスに対して攻撃するタイプのものが存在する。
「エリアスチール」系や「エリアイーター」系で相手側エリアを狭めて、ランダムで選ばれるマスの数を絞ることによって、命中率や集中ヒット率を上げることができる。

  • サモンズボード
追尾ダメージが該当する。
スキル欄では「n回追尾の○○ダメージ」と表記されている。
エリア内の敵から攻撃対象をn回抽選し、敵の数が少なければ余った分さらに抽選される。抽選回数が多ければほぼ全体ダメージになる。
場所取りが戦略そのものであるこのゲームにおいて動かないで攻撃できることは重要な意味を持ち、特に適当に移動&スキルぶっぱなオートモードにおいてはハザンやジェレミアなど開幕で多段追尾ダメージスキルを繰り出せる駒が雑魚狩りに重宝される。*7
反面、ダメージスキルを受けることで最大6倍まで増幅するスキル共鳴柱は追尾の対象にならないので強敵相手には力不足になりがち。
コラボでたまにある1回追尾+当たった時に誘爆ダメージは、追尾が当たった相手にはそれしかダメージが入らないので割と微妙。

「範囲攻撃かつ多段ヒット」の技はすべて、範囲内にランダム対象攻撃になる。
雑魚戦で敵の数が多い場合使いにくいこともあるが、ボス戦はだいたいボス敵一体なので重宝する(といっても幕末編のように障害物の「燭台」が罠として設置してあるボス戦もある)。
オリジナル版ではデバフが強力な「砂ジンの術」や、ラスボスにすらヒット数次第でカンストの999ダメージが出せる「ハリケンショット」が猛威を振るったのだが、強すぎるためかリメイク版では威力や命中率が下方修正された。

カードゲームにおいて

ターゲットが定まらない性質上、「敵に使われると厄介だが、自分で使うと不安定」というギャンブル系カード特有のデメリットが目立ち、あまり積極的に使われることはない。
RPGなら能力差とかでゴリ押せても、「敵も味方も同じ土俵で戦う」カードゲームだと、どうしても不安定さが露出してしまうのが欠陥か。
しかし効果は豪快なので、好んで使う人は好んで使うタイプのカードでもある。

Shadowverseなどでは、「潜伏」や「効果の対象にならない」のような「選択能力の対象に選べない」能力持ちがいるため、そういったカードへのピンポイントメタとしては優秀だが、やはり不安定さがネック。

ただ、そんなランダム攻撃系カードでも一時代を築くこともあり……

最強のぶっ壊れカードこと、「サンダーLv68」が有名。
自分以外の場のランダムなポケモンに70ダメージ (本作の最大HPは120なのでどんなポケモンでも2発耐えることは不可能)という超火力技「ビッグサンダー」を持つ。
一見すると、味方にも飛んでくるのが欠点であり、実際普通のデッキに入れても不安定すぎて使い勝手は悪い。
しかし、本作のルールには デッキにたねポケモンが1枚だけでも何度でも手札を引き直せる というものがあるため、
「デッキにサンダーLv68を1枚だけ入れる→後はエネルギーカードと大量のトレーナーカード→何度でもマリガンしてサンダーサーチ→雷エネルギーを3個付けてビッグサンダー発動!」……というトンデモデッキが開発されてしまった。
大量のトレーナーカードのサポートを受けたサンダーを雷エネルギーが3個付く前に倒すのはまず不可能であり、後はビッグサンダーで悠々と仕留めればいい……という戦略もクソもあったものではないぶっ壊れデッキなのである。
一応弱点もあるが、その弱点も容易にカバーできたため間違いなく本作における最強デッキである。
続編であるGB2でももちろん大暴れした。

なお、諸悪の根源である「マリガン無制限ルール」は現行ルールでは撤廃されている。

  • 三国志大戦
蜀軍固有のダメージ計略として、前方小円の範囲内の敵に対してランダムに雷を複数回落として知力ダメージを与える「落雷」系統がある。
範囲内に多くの敵が入るほど狙った相手にダメージを届かせ難くなるので、なるべく狙った相手にピンポイントで落とすことが要求される。逆に対策は複数部隊をまとまって運用して、低知力武将がピンポイントで狙われないようにすること。
バリエーションとして一発+デバフの「静かなる落雷」、範囲内全体に一発+デバフの「天女の錯雷」、漢軍固有特技である漢鳴のレベルに応じて威力と本数が増える「漢鳴の落雷」がある。

過去作では、最初期は他国のダメージ計略と同じ士気7でかつ威力も高かったため、威力が上がり消費士気が下がる降雨と組み合わせる降雨落雷がそれなりに市民権を得ていた。
だが後になるにつれ威力も下がり、現在は3本で知力の低い相手を潰すのがやっとぐらいにまでなっている。
それでも所持者らのスペックの高さや、仮想敵の厄介さもあって有用性は失われていない。主に前者のせいで性能が下げられているのだが
他のバリエーションとして対象が自陣全体で5本の雷を落とす「守護の剛雷」と対になる敵陣全体の「破壊の剛雷」、「静かなる落雷」の原型とも言えるデバフもなく一本の雷を落とすだけの「小さき落雷」もあった。

歴史の長いゲームなので、無作為に選ばせるものも多数ある。

Goblin Test Pilot / ゴブリンの試験操縦士 (1)(青)(赤)
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 操縦士(Pilot) ウィザード(Wizard)
飛行
(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を無作為に選んで対象とする。ゴブリンの試験操縦士はそれに2点のダメージを与える。

0/2
タップすると、およそダメージを与えられそうな物をランダムに選んで2点食らわせる。更地にこいつだけいれば、1/3で対戦相手に2点与えられる。もちろん1/3の確率で主人に牙を剥くが…え? 残り1/3はどうしたって?

操縦士ならびに試作機は全損。甚大な二次的被害を誘発。結論:完全無欠の設計。
―メーレクの手順書

…そういうことである。


Grip of Chaos/混沌の掌握 (4)(赤)(赤)
エンチャント
呪文や能力がスタックに積まれるたび、それが単一の対象を持つ場合、その対象を無作為に選び直す。
全ての対象を取る呪文をランダム攻撃にしてしまうエンチャント。もちろん自分の呪文もランダムになる。
これを使う時は、ランダムに選ぶ手段を自分で用意しておこう。でないと顰蹙を買う。


Ruhan of the Fomori / フォモーリのルーハン (1)(青)(赤)(白)
伝説のクリーチャー — 巨人(Giant) 戦士(Warrior)
あなたのターンの戦闘の開始時に、対戦相手1人を無作為に選ぶ。フォモーリのルーハンは可能ならこの戦闘でそのプレイヤーを攻撃する。

7/7
4マナ7/7という圧倒的なサイズ*8を誇るが、誰を襲うかはランダムに決まる。初出である統率者特有のデザインであるといえる。タイマンなら強制攻撃という些細なデメリットがあるだけになっちゃうし。


Chaos Confetti (4)
アーティファクト
(4),(T):Chaos Confettiをバラバラにちぎる。これらの紙片をプレイしている場所から少なくとも5フィート離れた所からプレイしている場所に放り投げる。紙片が触れたすべてのカードを破壊する。その後それらの紙片を追放する。
ご存知ジョークカードセット「アングル―ド」の中の1枚である。

実はこのカード、MTGのとある都市伝説から生まれた。
アンリミテッド(第2版)まで収録された「Chaos orb」。このカードは1フィート(約30cm)の高さから落として、触れているカードをすべて破壊するという効果があったのだが、このカードをビリビリに破いて一気に全滅させようとした人がいたとか。
なお、対抗策としてカードを壁に張った猛者もいた模様。そういうゲームじゃねぇから!!

ボードゲームにおいて

パーティーゲームでもあるため、ヘイトを減らすためにあえて対象をランダムにしていることも多い。

ゲーム以外の作品において

「広範囲攻撃による敵味方無差別攻撃」というのは頻繁に登場するが、「単体攻撃による敵味方ランダム攻撃」はあまり出てこない。
攻撃対象がランダムなのはあくまで「ゲーム的な仕様」であり、実際攻撃する際に「敵を攻撃しているのか味方を攻撃しているのか」わからなくなることはそうそうないためだろう。
ただ、いわゆる「バーサク」状態のキャラがそういう攻撃を仕掛けてくる他、あえての敵味方ランダム攻撃というのもごく少数ある。

超高速の移動術「抜き足」を得意とし、両手に装備する「猫の手」を武器とする海賊。必殺技は抜き足で超高速移動しながら触れたものを全て切り裂く「杓死」。
ただし速すぎて本人にも何を斬っているのかは全くわからない 。とにかく触れたら全て斬るのみである。
攻撃範囲はあくまで「猫の手」で切り裂ける範疇の単体攻撃だが、そのスピード故にランダム攻撃になる、という割と珍しいパターン。


追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ランダム攻撃
  • 無差別攻撃
  • ターゲット不確定
  • 運任せ
  • 技項目
  • ゲーム用語
  • ランダム
  • どとうのひつじ
  • 乱れ撃ち
  • バランスブレイカー
  • つるぎのまい(DQ)
  • ばくれつけん
  • げきりん
最終更新:2024年03月04日 07:40

*1 対象のランダム性以上に、属性と敵の耐性のせいでヒットすらしてくれないという踏んだり蹴ったりなケースさえあった。

*2 実際はダメージ上限や回避率・防御力無視効果のせいで2倍どころか4倍近くまで狙える。

*3 カッパ状態で装備すると驚異的な性能だが、そうでなければ攻撃力+1というネタ武器。しかし誰でも装備できるうえ、ガウは素の攻撃力が高いのでこういう使い方がある。

*4 ネコキックは4倍もの威力でたたかうを行う。ただしあばれる時は25%たたかう75%固有攻撃となっているため、期待値は12倍

*5 FFTの開発にはタクティクスオウガの主要スタッフが関わっており、むしろここでの暴れっぷりを考慮して下方修正され(すぎ)たと言った方が近い

*6 「ゆびをふる」経由は相手側からランダム選択だが、「あばれる」系3つは無差別攻撃なので相方を殴ってしまう恐れがある。

*7 似たことはアーチャー(Fate)でもできるが、バリア持ちには連続ダメージの方が効く

*8 4マナであれば3/3~4/3or3/4が標準的