登録日:2018/01/11 Thu 07:26:16
更新日:2025/04/26 Sat 00:46:33NEW!
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【概要】
ウソップの故郷であるシロップ村に住む大富豪カヤの
執事。フルネームはクラハドール。
外見は黒髪の
オールバックに眼鏡をかけている。
メガネがずり落ちかけると、指先ではなく手のひらの根元であげる妙な癖の持ち主。
かつては船乗りだったが、起こしたミスからクビになり船を下ろされてしまい、路頭に迷っていたところをカヤの父に助けられ、そのままカヤの家の執事として迎えられた。
本編の一年前にカヤの両親が相次いで死亡した後も、執事としてカヤに仕えている。
【人物】
真面目で実直な性格から主人のカヤや村人達からの信頼は厚い。
亡き恩人の娘であるカヤをとても大切に思っており、
海賊の息子であり村の鼻つまみ者のウソップがカヤと親しくするのを苦々しく思っている。
その正体はクロネコ海賊団の初代船長
『百計のクロ』。
元
懸賞金1600万ベリーの海賊(これは東の海の覇者とうたわれた
首領クリークに次ぐ額)。
緻密な計画の下に犯罪・略奪を行う知能犯として有名だった。
●目次
本名:クロ
別名:クラハドール
異名:百計のクロ
年齢:33歳→35歳
身長:207cm
懸賞金:1600万ベリー
所属:クロネコ海賊団船長→カヤの家の執事
出身地:東の海
誕生日:4月22日(4←し,2←つ,2←じ)
星座:牡牛座
血液型:X型(現実だとA型)
初登場・単行本3巻・第23話・『キャプテン・ウソップ登場』
好物:
バナナ
CV:橋本晃一 (ドレスローザ編では
八宝水軍棟梁サイを担当)
ドラマ版:アレクサンダー・マニアティス
【本性】
上記の経歴や性格も全てはカヤを抹殺し財産を奪い取る為の演技。
実際の彼は長年一緒に戦ってきた仲間でも躊躇なく殺せるほどの冷酷非情な性格の持ち主。
前述のように計略のもとで生きる知能犯なのだが、彼の最大の特徴はその頭脳ゆえの異常に高いプライド。
己の作戦のためならその本性を隠せることもあるが、カヤの執事であったことについて執事の振りをして小娘に媚びへつらうことに内心腹を立てていたと語ったり、
部下達が(ルフィ達の妨害で)予定時間を守らず自分の計画通りに動かないと激昂、更には時間内にルフィ達を倒せなければ部下の処刑を宣言したりしていた。
他の海賊と比べても、クロの野望はかなり特殊かつ地味で、その目的は『
政府に追われることなく大金を手にした上で、
豊かで平穏な生活を送る』こと。
「お前なんで海賊になったんだよ!」と思わず突っ込みたくなるが、前述のように異様にプライドが高いため、誰かに従うような組織人としての生き方を嫌っている様子。本人もそれに見合っただけの頭脳と戦闘力を有してもいた。
しかし作中で「性に合わねえらしい」「もうウンザリだ」と発言していることから、当初は別の海賊らしい野心を持って旗揚げしたが、やってみるとどうも海賊業になじめず心変わりしたというところか。早い話が進路選択や人生設計をミスって転職をしたようなもんである。
あるいは必要なだけ略奪で金品をせしめてからそれを元手に悠々自適な隠遁生活を送るプランでも立てていたが、賞金首に成り果てたので『身代わりを用意して“キャプテン・クロ”を社会から消し、自身は困窮したふりをし人のいい金持ちにすり寄って資産のすべてを乗っ取る』という作戦に路線変更したものと思われる。
また、望む平穏が手に入るなら、たとえそれがかつての仲間であっても抹殺しようとするなど、ある意味では実に海賊らしい海賊。
尤も、主人公の
モンキー・D・ルフィからは
「名を上げるのが怖くて海から逃げだしただけ」と看破されており、
「野望のでかさなら、おれの方が上だ!!!」と、その“器”の差について言及され、“勇敢なる海の戦士”=海賊になる夢を持つウソップにも及ばないと評している。
実際問題海賊稼業を送るとならば、
海軍や
賞金稼ぎから追われるようになることなど少し考えれば分かることであり、その辺りの覚悟や考えは甘かったとしか言い様がない。
大それた野心・夢や大望を持たないという意味では、ジャヤ編で初登場した際の
ハイエナのベラミーと似たところがあるとも言える。
【戦闘能力】
指先に1本ずつ、合わせて10の刀の刃がついた手袋「猫の手」を武器としている。
前述の、メガネのズレを手のひらで直すという癖は、この「猫の手」で顔を傷つけないように身に着けたもの。
多分メガネをかけていて真似した読者は多いはず。
クロと再会したジャンゴは、この動作を見て「まだ戦いを忘れていない証拠」として戦慄していた。
最大の特徴は身のこなしの軽さと速度。
『
抜き足』と名付けられた、超高速移動で敵に目視される暇もなく切り刻む。
ルフィの『
ゴムゴムの銃』を避けながら、その腕に乗る芸当を披露している。
過去にはたった一人で、支部とはいえ軍艦一隻と海軍の精鋭を全滅させたこともある。
弱点は、戦闘のほとんどを持ち前のスピードを活かして相手の攻撃を受けずに終わらせるため、防御力はあまり優れていない点。
ルフィにはスピードが落ちた・止められたところに攻撃を喰らってダメージを喰らっている。
なお、執事として身を隠していた間は全く戦闘しなかったせいで実力が多少鈍っているらしい。
もしも三年前相応のコンディションならルフィはより苦戦していただろう。
更に言えばコンディションが落ちた状態ですら、
常人ならば良くても指の骨折待ったなしな負荷がかかる猫の手を、脚力により更に凄まじい負荷がかかるにも関わらず使いこなせる。
猫の手自体驚異的な切れ味を誇るとはいえ、指や手首などの強さも驚異的と言って過言ではないだろう。
技
目にも留まらぬ速さで、音も無く移動する技。
ゴムゴムの銃を遥かに凌駕し、暗殺者を50人集めても気配を感じる間もなく全員が殺されるという。
クロ自身の
100m4秒台という超人的なスピードが成す技で、そのスピードは
世界政府の格闘術
『六式』の剃に匹敵する。
まあ六式の性能は使い手によって大きく変わるので目安程度の評価ではあるが、最初期のキャラにしては破格の評価なのは確かだろう。
「侮辱されたもんだ…!!! 本物の海賊がそんなに知りたかったんなら、教えてやるとも。その怖さをだ……!!!!」
「幾度と無く死線を越えた、海賊の恐ろしさを……!!」
『抜き足』を発展させたクロの
必殺技。
腕を前に垂らしブラブラさせ脱力した構えを取った後、無音の移動術「抜き足」を極限まで高めて辺り一帯を切り刻む無差別攻撃。
発動中のクロを視認することはほぼ不可能に近く、いつどこから攻撃が来るのかが判断できず一方的に切り刻まれてしまう。
しかし、そのあまりの速度ゆえにクロ自身は
自分が何を斬っているのかがまったくわからないという欠点がある。
上述の通り「剃」レベルの速度で縦横無尽に動けるとはいえ、その動きを制御しきれていないという点では六式使いに劣る。
人に限らず、壁や地面など近くのものを手当たり次第に攻撃するため、味方が近くにいれば巻き込まれてしまう。
この技を止めるにはクロ自身の体力が尽きるか、ダメージを承知で強制的に捕らえるかしかない。
ただ船上などの複雑な地形でも使用可能&何かにぶつかるなどもないため、
(足場も含めて)障害物は回避可能で、足がもたつくことなく衝突も回避しているということは「足場を避けたり注意して移動可能」「近くに何かあるとは認識できるのですれ違い様に斬る」ぐらいには判別可能が正しいと思われる。
障害物の回避や移動に合わせて相手を斬れることからも、猫の手の使い方も完全に無軌道ではなく多少は制御出来ている方が自然。
以上のことから、完全に何もかも判別も制御できない技でもないと思われる。結局無差別に斬っていたことには変わりないが
【来歴】
◆過去
元はクロネコ海賊団の船長であったが、
海軍や
賞金稼ぎに追われる海賊生活に嫌気がさし、船を降りることを計画。
当時は軍曹だった
モーガンの乗っていた海軍船を襲い、モーガン以外を皆殺しにした。
顎が砕けてかろうじて生き残りながらも啖呵を切り
命乞いも一切しなかったモーガンに、己と似た“野心・出世欲”を感じ、
部下とモーガンをジャンゴの催眠術で計画通りに動かし、部下を身代わりとして処刑させることで自らを死んだことにさせ、船を降りた。
モーガンはこの時の催眠術が影響で地位にこだわる人間に変貌してしまった様子。
船を降りた後は、金と平穏を手に入れる為に、「クラハドール」と名乗りシロップ村でカヤの家の執事になる。
しかしその真意は彼女の家・資産・立場を盗み取ることにあった。
3年を掛けてカヤに信頼される誠実な執事として周囲の信頼を得ていったのも、全てはそのための策略に過ぎない。
ただしカヤの両親が死亡したのは本当に事故であり、クロにとっても計算外だった模様。どのみち生きていても計画の上で殺す事になっただろうが……
◆シロップ村
計画の最終段階として、元部下達を呼び込んでカヤを暗殺。カヤに遺言状を書かせて財産を簒奪する計画を実行。
その時点でカヤを含むシロップ村の住人は完全にクロを信用しきっており、計画を知ったウソップが真相を知らせても誰も耳を貸さず、カヤに至っては「とんでもない悪党はあなたじゃないの!」とウソップに平手打ちを食らわせていた。
三日月の夜にカヤから
記念日祝いとして貰った新品の眼鏡を踏み砕き、本性を知った同僚のメリーを口封じのため斬り捨てて重傷を負わせる。
クロの計画ではジャンゴの催眠術でカヤに「執事クラハドールに私の財産を全て譲る」という遺言を書かせたうえでクロネコ海賊団にシロップ村を襲撃させ、
そのどさくさに紛れてカヤを暗殺、更に口封じを兼ねて事実を知るクロネコ海賊団を皆殺しにする積りだった。
むしろ船長の策が無ければ効率良く動けない部下達には日頃からウンザリしていたようであり、前述の目的を部下達の前で語る際には
「暴れることしか頭にねェてめェらバカども」と罵倒していた。
だが、クロネコ海賊団はシロップ村を襲撃する前に北の海岸でウソップと
麦わらの一味に撃退される。
クロ自身も最初こそスピード差で優位に立ったものの、ルフィにその速度に慣れられて捕らわれるなど苦戦し、最終的に「杓死」を発動する隙を突かれて「ゴムゴムの鐘」で敗北。
気絶したところをルフィによって部下に投げつけられ、部下にその身柄を抱えられながらシロップ村を撤退した。
その後の消息は不明。
アニメ45話ではジャンゴの不在もあってか再び船長に納まっており、ルフィが賞金首になったことを部下から知らされていた。
シロップ村編を最初から読み返せばお分かり頂けるだろうが、
「キャプテン・クロ」が社会的に死んで海軍に追われる心配が無くなり、そして「村人からもお嬢様からも信頼され慕われる、厳しくも優しい執事」という立場に収まった時点で、彼が望んでいた「平穏な暮らし」は既に手に入っていた。
にもかかわらず「遺産を横取りする」という計画に固執し、「小娘に頭を下げるのが我慢ならなかった」というプライドからそれを全て台無しにしてしまったのである。そもそもカヤの死と無関係を主張するつもりだったにしても、海賊に襲われた村で今までの通りの生活をするのは不可能であろう。
「俺に海賊は性に合わない」と語りはしたものの、その本質は堅気の世界で生きられない略奪者=海賊そのものだったのは何という皮肉か。
アニメ版ではゴムゴムの鐘を食らう刹那、カヤ達と過ごした日々が走馬灯のように頭をよぎっている。
最後の最後で、本人もその事に気付いたのだろうか……?
◆原作以外
GBソフト『夢のルフィ海賊団誕生!』においては、条件を満たすことでバギーやクリークといった原作の強敵たちをも仲間にできるSRPG
ゲームなのだが、同作におけるクロはその中でもかなりの性能を誇るキャラの1人となっている。
- 群を抜いて移動力、地形適応力が高いため、単独でどんどん敵に切り込んで行ける。
- 必殺技もオーソドックスで使いやすい「猫の手」、攻撃後に唯一緊急移動が可能な「抜き足」、味方の配置にさえ気をつければ周囲多数の敵を纏めて攻撃できる「杓死」と有用揃い。
- 更にはバギーとの組み合わせで作中でもトップクラスの火力を叩き出す合体必殺技「キャプテンコンボ」を使用可能。
各種シナリオにおいても、とある海域の幽霊騒ぎにおいて「幽霊などいるわけない」とその手の現象については否定派だったり、シロップ村のその後のイベントではカヤやメリーと再会してギスギスした空気を醸しだしたかと思いきや、村民には相変わらず物腰穏やかな元執事、クラハドールとしての姿を演じきっていたり、
更にはフーシャ村に一時帰還した際にはマキノの酒場においてルフィに対してテーブルマナーを説いてドタバタ騒ぎになったりと、本編の姿からは考えられないような一面をいくつも見られるため必見。
季刊誌『ONE PIECE magazine Vol.7』で掲載された、『
磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』作者によるショートギャグ漫画では、どこかで望み通りの隠遁生活をテンション穏やかに過ごしていた。
が、『
海賊万博』の知らせを受けて少しテンションが上がってしまい、でも穏やかな暮らしはしたいので結局家の中で“杓死”をしていた。
実写ドラマ版においてはアレクサンダー・マニアティス氏が演じる事となる。
夜明けの海辺ではなく夜中の屋敷内での戦闘となり、メリーを明確に殺害しているなどホラーテイストな戦いとなっている。
また、ルフィ達がメリー号を手に入れた後に一人いそいそとボートを漕いでいる姿が描かれた。
【クロネコ海賊団】
かつてクロが率いていた海賊団。船員はクロとジャンゴを除く全員が頭に黒猫の耳をモチーフとした角をつけているのが特徴。
クロが船を降りた後は副船長だったジャンゴが船長をしている。
クロネコ海賊団の船長。
元は副船長だったが、クロが船を降りたため船長に就任。
クロネコ海賊団の敗北後は島に置き去りにされ、数奇な運命の末、
海軍に入隊した。
詳細は当該項目を参照。
年齢:21歳→23歳
身長:201cm
懸賞金:700万ベリー
出身:東の海
誕生日:4月19日(シャム→4、シャ→S→アルファベット19番)
星座:牡羊座
血液型:X型
好物:
焼き魚
CV:
小野坂昌也
クロネコ海賊団の船の番人。相棒のブチと共に"ニャーバン・兄弟"と呼ばれている。
見た目は貧弱だが高い戦闘能力を秘めており、だまし討ちを得意とする策略家。
なお、ドラマでは女性キャラとなっており、クロと同じくカヤの屋敷で(給仕係として)潜伏していた。
ネコババ
目にも留まらぬスピードとテクニックで、相手の武器を奪う技。
作中では
ゾロの
刀を奪い取った。
年齢:21歳→23歳
身長:216cm
懸賞金:700万ベリー
誕生日:2月7日(ブチ=2,7)
星座:水瓶座
血液型:X型
好物:フィッシュアンドチップス
出身地:東の海
CV:高戸靖広
クロネコ海賊団の船の番人。相棒のシャムと共に"ニャーバン・兄弟"と呼ばれている。
巨体の割に俊敏で驚異的なジャンプ力を誇る。
ドラマではクロと同じくカヤの屋敷で(
料理人として)潜伏していた。
猫殺‼キャット・ザ・フンジャッタ
高くジャンプをしてから相手を思いっきり踏み付ける技。
その威力は下の地面にヒビが入るほど。
ネコ柳大行進
ブチとシャムが二人がかりで、手につけた爪を使い連続で引っかく技。
一刀流だったとはいえ、一時ゾロを圧倒していた。
クロネコ海賊団の船大工。
三年前ジャンゴの催眠術によって、自分がキャプテン・クロだと思い込まされた上で、クロの身代わりとして海軍に捕まり処刑された。
外見が眼鏡に黒髪のオールバックと、クロと背格好が似ていたため、身代わりに選ばれた模様。
アニメ版では少しだけ出番が増えており、ジャンゴから「短けぇ付き合いだったな…」と遠回しに死を告げられ、連行後は磔にされた後に銃殺刑で処刑されるシーンも描かれている等、不運さが強調されている。
書くまでも無く名前は「濡れ衣イヤ」のアナグラム。
【余談】
前日譚『炎を統べる』では
十本刀の一人「
刀狩の張」が猫の手らしき暗器を入手している。
知っての通り、『るろ剣』作者の和月伸宏は『ワンピース』の作者
尾田栄一郎の師匠であり、『るろ剣』内でも麦わらマークの爆弾などが登場している。
読者「なんでクラハドールの服に
うんこついてるんですか?」
尾田っち「気づかなかった、うんこですね!」
追記・修正は、眼鏡を手の平で上げながらお願いします。
最終更新:2025年04月26日 00:46