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銭形警部(ルパン三世)

登録日:2012/04/29 Sun 12:48:36
更新日:2026/09/15 Tue 12:22:12
所要時間:約 14 分で読めるのですよ。




いえ、奴はとんでもないものを盗んでいきました。

……?

あなたの心です。

(劇場版二作目「カリオストロの城」より)

銭形警部は、『ルパン三世』の登場人物。


プロフィール

フルネーム 銭形(ぜにがた)幸一(こういち)
身長 181cm
体重 73kg
生年月日 1938年12月25日*1
国籍 日本
年齢 他のレギュラーより年上
一人称 私、ワシ、俺
愛銃 コルト・ガバメント
愛称 銭さん、とっつぁん、幸ちゃん
経歴 埼玉県警西大滝町派出所勤務→埼玉県警本部→警視庁→ICPO*2
階級 警部
特技 生け捕り術、投げ手錠、射撃
住所 埼玉県朝霞市・都内の集合住宅・岐阜県高山市の山寺等
資格 柔道五段、警視庁背負い投げ技

演者

声優

●納谷悟朗(初代)
  • TVシリーズ(『第1シリーズ』『第2シリーズ』『PART3』)
  • TVスペシャル(第1作『バイバイ・リバティー・危機一発!』- 第21作『the Last Job』)
  • 劇場版(第1作『ルパンVS複製人間』- 第5作『DEAD OR ALIVE』)
  • OVA(第2作『生きていた魔術師』第3作『GREEN vs RED』第4作『Master File』)

山寺宏一(2代目)
  • TVシリーズ(『-峰不二子という女-』- )
  • TVスペシャル(第22作『血の刻印 〜永遠のMermaid〜』- )
  • 劇場版(コラボ作品『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』- )
  • OVA(第5作『ルパンは今も燃えているか?』)

●その他
  • 近石真介(パイロットフィルム〈シネマスコープ版〉)
  • 大塚周夫(パイロットフィルム〈TV版〉)
  • 加藤精三(風魔一族の陰謀)
  • 岸野幸正(D2 MANGA版)

俳優

  • 伊東四朗(念力珍作戦)
  • 浅野忠信(2014年実写映画版)
  • 鈴木亮平(2017年TVドラマ版)
  • エド山口(ミュージカル版)
  • 夢乃聖夏(宝塚歌劇団版)
  • 市川中車(歌舞伎版)

概要

ルパン三世逮捕を狙う警部。

フルネームは『銭形幸一』。江戸の名岡っ引き銭形平次を先祖に持つ。
ケツアゴとトレンチコートと帽子がトレードマークで、デザインはアメリカの人気コミック『ディック・トレイシー』をモチーフとしたもの。
次元大介とともに、ルパン一味では殆ど作画の変化が見られない。

年齢ははっきりしないが、ルパンよりは年上とされている(参考までに、原作では銭形とルパンは同じ大学に通っており、ルパンが入学した時には4年生だった。ちなみに、銭形警部は法学部)。

人情を解するが悪は許さない性格。
ルパンをどういった経緯で追いかけるようになったかは媒体によって異なり、はっきりとしないがルパン一味とは宿命のライバルのような位置にある。

能力

ルパンにいつも出し抜かれてよく失敗しているためにコミカルなイメージが強いが、作品によって能力、立場は大きく異なる。
武器は拳銃よりも投げ縄付きの手錠や先祖伝来の十手を使うことが多い。
銃の腕前も、敵の手によって自殺願望を持たされるが自分のこめかみを撃てないほどノーコンだったため、弾が外れ助かったこともあれば、遠く離れたヘリコプターからぶら下がっているロープを撃ち抜けるスナイパー級だったりと様々で、次元大介との勝負にも勝ったことがある。
そのため、活躍する時はかなりの実力者で、頭はキレるし戦闘能力も高い。

ルパンにはその多芸さ故に毎度逃げられるが、ルパンが銭形から逃げるのは別にいちいち相手にしてらんないとか殺したくないとかいう事情ではなく、正面からの戦いになったらルパン達でも手に負えないくらい強いからである。
銭形があくまで刑事として生け捕りを狙っており、且つルパン一味も大体数人がかりで対峙しているお陰で毎度逃げ切れるが、1対1では各個撃破もとい逮捕される可能性が高く、万一職務を逸脱して銭形がなりふり構わず本気で「殺しに」かかった場合、彼らでも倒すどころか生きて逃げられるすら怪しい程である。

アニメ版ではルパンファミリー全員をはるかに上回る能力を持つ描写がある。
具体的には、
  • ユーロトンネルの真ん中で崩落事故に遭っても、ドーバー海峡を泳いでイギリスに上陸
  • 銃撃によって心臓を撃ち抜かれ心停止に陥った状態から「ルパン」の名を聞いた途端息を吹き返す*3
  • 五ェ門によって連結部分を斬られた電車の車両を掴んで自分の方に引き戻しかける
  • F15戦闘機を対Gスーツ未着用で平然と操縦する

など、最早完全に人間を超越しており、アニメ、漫画に登場する警察官としては某公園前派出所の繋がり眉毛の巡査長と並んで最強クラスの能力を誇る。

また、アニメ版では彼本人(+現場の警官達)がルパンを追い掛け回すのがお約束と化しており「馬鹿の一つ覚えみたいに律儀に追い掛け回さずとも、国際指名手配なりして世界中の警察と連携すりゃいいだろ」と突っ込まれることもあるが、
  • ルパンは基本的に(自分に繋がる)証拠を一切残さない。
  • 盗む品も美術的価値こそ高いが所謂「訳あり」「曰く付き」の品ばかり。
  • 善人や貧乏人などの罪なき弱者からは絶対に盗まず、基本的に警察に腹を探られると困る悪人からしか盗まないので、被害届が出されない。

などの理由がある故、指名手配や通常逮捕などが出来ず現行犯で取り押さえるしかないためである*4
決してプライドのためとか、何も考えず滑稽に追いかけ回しているのではないのである。

これだけ本気で追いかけてくる銭形だからこそ「とっつぁん」と気軽に呼ぶルパンも本気で盗みにかかる醍醐味があるというものなのだろう。
実際、銭形が解任された後の後任は最終的にはルパン一味に軒並み敗北し、そのあと別件逮捕や最悪死亡するなどしており『一味を追えるのは銭形しかいない』というのが様々な作品を通して伺える共通認識である。

また、意外なところでは音楽関係の才能にも恵まれているようであり、後述の通り原作では交響曲を作曲した上でオーケストラの指揮者も見事にやってのけた他『お宝返却大作戦』ではルパン達を追いかけてショーの真っ最中のムーラン・ルージュの舞台上に躍り出てしまった結果、その直前に色々あってダンサーの衣装を着用してしまっていた事も相まってかラインダンスに巻き込まれてそのままダンサー達の踊りの列に加わる羽目になってしまうも(半泣きになりつつ)なんだかんだその場にいた他のダンサー達にも引けを取らない見事な(?)フレンチカンカンを披露している。

人物

大体の共通点は上記の通りだが、銭形警部は原作者が苦言したこともある程、原作とアニメとで設定が異なる。

以下、原作とアニメに分けて記述。

原作の銭形警部

クールなとっつぁん、もとい「銭さん」。
原作だとルパン達はとっつぁんとは呼ばずに銭さんと呼ぶ。

こちらはかなりの切れ者で頭脳明晰。小細工もあっさり見破る程鋭く、相当の実力者として描かれている。
更にかなり黒い部分もあり、暗殺集団を雇ったりあらゆる物が火薬で出来た島を作る等手段を選ばない。
また、ルパン達に匹敵する変装の名人であり、意外な人物の正体が銭形だったなんてこともよくある。
ルパンと次元があるコンサートに演奏者として潜入した際、演奏していた協奏曲の指揮者が銭形だったという恐怖のニアミスも存在する。
そのようなこともあって、ルパン達は銭形と遭遇しないこと前提で事を進める程、銭さんを恐れている。

特にルパンに対しては、「食うや食わずの状況で止む無く犯罪に手を染めた」なんて同情的な境遇とは対極に、
「その類稀な才能を(幾らでも世の中のためになる使い道があるのに)犯罪に、しかも完全な趣味として費やし続けるとんでもない人間」でもあるため、彼の逮捕に並々ならぬ執念を燃やす。
ルパンを「苦しませて処刑させる」ことを目的としており、悪に対しては容赦ない。
ルパンに本気で発砲したこともあり、ルパンとの戦いは殺し合いの様相を呈する等「暗殺指令」のキースも真っ青なデッドオアアライブを地で行っている。
自分とルパンがいわゆる「好敵手」の関係にあることは認めているものの、アニメのようにルパンと馴れ合うことは無いが、ルパンに令嬢誘拐の疑いがかけられた時には「ルパンはそんなことをする奴ではないはずですがね」と眉をひそめたり、ルパンの死刑執行の場面に立ち会った際には「この世で惜しみなく天才という言葉を贈れるのはお前だけだったよ」と静かに涙を流す*5等、ごくまれに単なる敵愾心以上の感情を垣間見せることもあった。

また、第73話『キミが殺れ 俺が葬る』において反体制派の学生グループによる核爆弾を用いた自爆テロという未曾有の危機的状況に直面した際には流石にそれを阻止すべくルパンとの共闘を選択しており、これが原作における唯一の共闘の機会となった。

新ルパン三世では奇術を大得意とする冷酷な刑事「刑事メロン(本名:メロン奇一)」が銭形の相棒となる。

峰不二子という女』に始まる『LUPIN THE IIIRD』シリーズの銭形警部は今までのアニメのコミカルな彼より、こちらの要素が強く出ている。
あのシリーズの警部は色々な意味で『ヤリ手』であることを証明しているが『銭形と2人のルパン』における強い信念を秘めた銭形は、彼のファンなら必見。

DEAD OR ALIVE』も原作者が直々に監督を務めたというだけあって原作寄りなキャラクターになっており、事前に用意した策でルパンをまんまと罠に嵌める、現地の警察複数人に襲われた際も鎧袖一触に蹴散らすなど、アニメ作品とはかなり毛色が異なる切れ者の感が強い。

アニメシリーズの銭形警部

恐らく最も馴染みのある方。納谷悟朗が演じていた時代の大半がこのパターンである。

作品によって大分設定が違う。原作準拠だったり、ややお間抜けだったり。
しかし、単なる無能として描かれることはなく、やるときはやる男でもある。
お間抜けでも相手がルパン達だからそう見えてるだけで、普通の犯罪者や悪党なんかでは相手にもならないなんてことも。
彼の開発した「夜も寝ないで昼寝して作った」という手錠は非常に興味深い仕組みで毎回ルパンの手首を捕らえている。

第1シリーズでは日本警視庁所属だった。
このシリーズの初期では原作に近い性格で、演技も全く違っているが、後半から後々までの“とっつぁん”に変化している。
特筆すべきはその手腕。何と僅か23話の間に、二度もルパンを完璧な罠に嵌めて逮捕しているが、死刑執行寸前に一泡吹かされたり相手側の油断から結局まんまと逃げられてしまっており、この設定は以降にも引き継がれた。
彼の手腕は上司の警視総監も高く評価しており、最終回で辞表を叩きつけられた際には大慌てで引き留めている。

ICPOの設定は第2シリーズから。
「ルパン三世専任捜査官」であり、ルパン三世逮捕を目的とする限り多大な権限を持っている。
その規模たるや不二子が「ルパンが絡む限り天下御免で出動できる。」と述べた他『ルパン三世vs名探偵コナン』で目暮警部が「ルパン逮捕目的に限りどの国でも捜査権がある。」と称するなど破格。
ファーストコンタクト』ではICPOに志願した経緯が語られており、それによると、一度はルパン逮捕に失敗しながらも捜査を続ける事を決意した銭形に対し、当時の相棒から、「ICPOの肩書があれば世界中どこでも追跡できる。」と勧められたためとされている*6
尤も、ICPOの権限については何処か勘違いしている節があり、劇中では空気を読まない言動するのは勿論のこと、その際に起きる法律や倫理、周囲への損害も大抵無視であり、そのことで上層部から非を指摘されても、結論は「ルパン逮捕(すれば良い)」と全く省みようとしないこともある。
挙句の果てに関与の証拠や論理が一切無いにも拘らずルパンの犯行であると言い掛かりを付けるなど、当のルパンすら呆れるほどの荒唐無稽な行動に出ることも多く、行動が別の事件に向き合う単なる第三者の妨害にしかならなかったり、間が悪く被害を喰らったり、早々に退場させられ、総登場時間数分程しかないなどと所謂「道化役」として扱われるなどぞんざいな扱われ方をされることもしばしばある。

だが、その一方で作品によっては警察官としてルパン以外の巨悪による悪事の摘発を優先することもあり『炎の記憶 ~TOKYO CRISIS~』では自作自演によって日本政府から多額の身代金を奪わんとする黒幕の野望を阻止する為に孤軍奮闘した他『ワルサーP38』では終始ルパンではなくルパンや自らの生命を狙った各国から裏で支援を受ける世界的な暗殺組織を追っており『カリオストロの城』でも中世以降数百年に渡って世界の裏側で暗躍してきた国家ぐるみでの偽札製造を暴くなど数々の巨悪に立ち向かい、時には古巣である警視庁や自らが所属するICPO、そしてその背後にいる世界各国の要人とすら対立したとしても最終的にはいずれも白日の元に晒す事に成功している。
その過程において本来は好敵手であるルパンと一時休戦して手を組み、抜群のコンビネーションを披露する事もあるが、それらの悪事を打ち砕いた後にはまたルパンを地の果てまで追いかけるのがお約束。


ちなみに、作者を嘆かせた間抜けな銭形像(と、物真似のネタになるような喋り口調)は初代担当声優である納谷悟朗のアイディアを取り入れたものだったという*7

原作者から「単なる狂言回しの馬鹿になってしまった」と嘆かれた彼だが、コメディリリーフ的な側面が特に強かった第2シリーズでも時には有能な一面を見せている。
事実、ルパンや次元・五ェ門を相手にタイマンの一騎打ち勝負をした際には、それぞれを見事に罠にかけて生捕にしている。
さらに言えば、照樹務こと宮崎駿が手がけた『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』の銭形は、それまでの道化役的なイメージを覆すシリアス寄りな性格で描かれている。

声優が山寺宏一になって以降は、それまでのコミカルな描写や無鉄砲な面は残しつつも、ルパンの犯行であると即座に見抜く、若しくはルパンの犯行ではないと見抜いて弁護するなど、より落ち着きのある切れ者といった描写になっている。

また、ルパンを追っかける内に、ルパン一味との間に奇妙な友情が芽生えている。
実際、利害関係の一致や巨悪に対抗するべく、ルパンと手を組む事も多々あり、見事なコンビネーションを見せる。
そして『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』ではルパンとはメル友という衝撃の事実が発覚。ルパンに返信できない一方通行のメールではあるが、二人の利害が一致すると連絡が来る模様。

話の展開上、ルパン捜査を解任されてしまうこともしばしばある。
解任の理由は警察あるいはICPOへの手引きにより事件の黒幕となるような人物を後釜に据えるためであったり、あるいは『暗殺指令』のように単純に超長期に亘ってルパン一味を逮捕出来なかった事による解任*8であったり『炎の記憶』のように彼の行動に端を発した重大事故に対する懲戒処分だったりと様々。
そんな際に手柄を取らせて復帰させてやろうとしたりするのも、宿敵にして戦友であるルパン達なのである。

あるTVスペシャルなどで銭形警部が命を落としたとされた際には一味の誰もがその死を悼み、テロリストの人質にされてICPOから見捨てられた際に救助に立ち上がったのもルパン達であった。
またルパンに「銭形を殺害した」と言う濡れ衣が着せられた際には、ルパンと次元や五ェ門は勿論、峰不二子ですらも激昂し、真偽を確かめる前にルパンとの絶交を宣言するという感情をむき出しにした姿を見せた*9

一方の銭形も、ルパンを殺害することは例えそれがICPOの命令であっても決して許さず、ルパンの死に対しては最も悲しむ人物の一人である。

また、PS2ゲーム『ルパンには死を、銭形には恋を』ではアルセーヌ幸一なるルパンとの合体形態を披露。
背中合わせに縛られたシュールな姿のまま、敵を翻弄し、叩き潰す様は必見である。足しか使えない状態にもかかわらず、息が合いすぎてむしろ単体の時より強い。

近年では象でも眠らせれる麻酔銃を受けても何事もなかったかのようにリアル放送時間で30秒程度で起きたり、火葬されたり、崖から数百メートルはあろうかという空中に自転車で飛び上がりそれを踏み台にして更なる大ジャンプをするなど段々と超人化してきている。

独身男性として描かれることが多いが、ごく一部の作品に限り既婚者として描かれることもある。いちおう公式設定では独身という設定がスタンダードとなっており、様々な作品で女性との恋模様(?)が描かれている。


この窃盗以外にも、ルパンを追うためとはいえ無関係の一般市民に銃を突き付けて車から引きずりおろして強奪したり、
結婚式後新婚旅行に出ようとするカップルの車をそれと知りつつカージャックしたり、言葉の通じない現地の漁師に「追え!」と命じたり、挙げ句の果てには「逮捕するぞ!」と脅すなど、ともすれば懲戒レベルの犯罪は結構犯している。

近年では『カリオストロの城』や『第2シリーズ』第145話『死の翼アルバトロス』で乗っていた日産ブルーバード(2代目前期型)の日本警察仕様のパトカーが愛車として定着している。

TVSP版では度々彼の相棒や協力者となる刑事が現れるが、その相棒や協力者が敵組織の黒幕であることも多々あり「TVSP版の銭形は相棒に恵まれない」と言うジンクスを持つ*10
また『峰不二子という女』や『PART5』ではそれぞれオスカー警部補・八咫烏五郎という相棒が設定された。
特に八咫烏五郎は定番に育てる意向で設定されたキャラクターのため、その後のTVSPや『Part6』にも登場している。
第1シリーズ放映前に制作されたパイロットフィルム版では警察の古株の名探偵である明智小五郎が協力者として設定されていたが、テレビ放映版ではオミットされてしまっている。

また、劇場版『ルパンVS複製人間』では、
映画開始直ぐにルパンに当てる気で銃を撃ち、度々ルパンを殺す事を公言し、終いには警視総監の帰国命令を破って、個人の資格でルパンを追い詰めようとするなど、狂気まで漂うような執念を見せており、現在のイメージをかなり極端にしたようなキャラ付けがなされている。

スピンオフの銭形警部

岡田鯛によるスピンオフ漫画『警部銭形』では原作ともアニメとも少し違ったキャラ付けとなっている。
ストーリーはいわゆる倒叙物のミステリーであり、毎回犯人が事件に恰もルパン一味が関わっているかの様な偽装を施し、その関係で銭形警部が借り出されるがいつものやり口と違う現場に不信感を抱き…、というのがお決まりのパターン。
性格は一言で言うと『飄々とした切者』。コミカルなシーンも多いが、アニメの様なギャグは少ない。
いわゆる『言動は一見残念に見えるが実は優秀』という倒叙物の基本を押さえたキャラとなっている(そもそもタイトル自体が『刑事コロンボ』や『警部補 古畑任三郎』のオマージュと思われる)。
例え殺人犯であろうと尊敬出来る相手には常に一定の敬意を払って接し、何処か憎めない犯人と不思議な友情を築きあげる事も少なくない。
その一方で、屑な犯人に対してはまったくと言っていいほど容赦が無いが、相手が若者の場合は更生するように諭すなど厳格一辺倒という訳でもない。

ちなみに、事件の裏で本物のルパンが動いていたことに気付き殺人犯を部下に押し付けて嬉しそうな顔で走り出す、逃走したルパンを狂気がかった物凄く良い笑顔で追跡するなど、本物のルパンが関わると本気で人が変わる。
特にルパン一味との本格的な対決を描いたWEB版の初期エピソード『宿敵編』では普段の飄々とした姿は鳴りを潜め、ルパン確保に異常なまでの執着を見せる鬼刑事として描かれている。
また、ルパンの犯行を完全に再現しようとしたルパンの研究者と対決した際は、ほぼルパンへの理解度だけで相手を精神的に敗北させ自首に追い込んでいる。
他にも「コンビ」というキーワードからルパンを想像する「ルパンが宿敵」という指摘に対して意味深な表情で肯定も否定もしないなど、他媒体と比べてかなり複雑な関係であることが窺える。
とりあえず、原作程殺伐とした関係では無さそうだが…。

ちなみに、作品の性質上、毎回のように死者が出るため、本物のルパンと対決した雑誌版最終エピソードでは死者が出ていない事に驚くという微妙にメタなネタをかますことになった。

余談

  • 元々の下の名前は銭形平次に因んで「平一」だったが、雑誌掲載時に誤植で幸一となってしまい、原作者モンキー・パンチが「今更面倒くさい」と思って幸一に決めた。
    だが、話が進んで大学時代が語られた時、作者が名前を付けていたことを忘れていて新たに「平太郎」と名付けてしまったり『ルパンVS複製人間』では「平次」になってしまったこともあった。
    何故忘れていたかというと、銭形警部は名前を出す機会が滅多に無いから。本当の名前は幸一である。ちなみに、このことはトリビアの泉で取り上げられた。
    現在では銭形自身も「ICPOの銭形幸一」と自己紹介したり、クレジットカードの名前に「コウイチ ゼニガタ」と書いてあったり、自宅の集合住宅の大家から「こうちゃん」と呼ばれたりと、ほぼ「幸一」が正式名称となっている。
  • ちなみに、名前や家族構成と共に給料の額も33万8363円だったり18万285円だったりとコロコロ変わる。
    どちらにせよ、ルパン三世という大泥棒を世界を股にかけて追跡し続け、それによって生命の危機にもしはしば晒される恐れのある職務という事を鑑みると異常な程の安月給であり、それだけの安月給でありながら酷い時には出張経費までカットされ、カップラーメンのみの食生活を余儀なくされる場合もある。
    これまで銭形は何度か警視庁と各県警を跨いだ人事を経験していることからキャリア組であるのは確実と思われるのだが、現実の警察官の場合はキャリア組の月収は初任給で諸手当含めて約29万円、30代後半になる頃には60万から70万円程、年収は1000万円前後にもなり、生涯年収は数億円にも上るとされる一方で銭形の場合『カリオストロの城』の劇中にて『昭和一桁』と称されている事と劇中の描写から推測される大凡の年代からして年齢は40代半ば〜50代前半であると推測され、その他の作品でも基本的には作中の大凡の設定年代に併せて生年のみスライドした上でほぼ同程度の年齢に固定されていると推定される。
    その推定上の年齢とキャリア組の警察官である事を鑑みても、やはりとてつもない安月給である。
  • 全くの偶然だが、2011年からは漢字は違うものの、名前の読みが同じである山寺宏一が声優になっている。
  • モンキー・パンチが描いた幻の番外編では銭形警部は殉職している(あまりにパラレル色が強すぎたためか、この番外編は単行本に収録されていない)。
  • 名探偵コナン』の名探偵図鑑で名刑事の一人として紹介された事がある。
  • 平成の漫画版ではとある女性と深く関わる。

名言集

  • 「待~て~!ル~パ~ン!」
  • 「惚れたら火傷するぞ。」
  • 「ルパンあるところに峰不二子ありだ!」
  • 「相手が誰であろうと悪党にはワッパをかける。それが俺の主義なんだよ。」
  • 「ルパンという人間がいる限り、私は日夜永遠に追い続ける義務があるのだよ。」
  • 「ルパンを捕まえて、カニカニしよう♪」
  • 「だが物事にはな、限りってものがあるんだ!」
  • 「奴は……奴ぁ……奴ぁ本物だ!生きてやがった、生きてやがったんだ!アッハハハハハ!」
  • 「貴様が死なんなら俺も死なん。こうなったら終わりは無いぞ!地獄の底まで追いかけてやる!」
  • 「キサマの骨にこの手で、戒名を刻んでやるぞ~!」(フフフフフ……例えカキの如く身をやつそうとも、必ずやルパンめの息の根を止めてやるぞ。)
  • 「奴なら地獄へでも盗みに来るんだ。」
  • 「風邪引くぞルパン……暖かい取調室でカツ丼でも食おうじゃないか。」
  • 「ルパーン、俺が捕まえるまでくたばるなよ~!」
  • 「ありゃ~!こりゃ日本の札、これは偽札だ~!」
  • 「見てくれ~世界中の偽札だ!ルパンを追っていてとんでもないものを見つけてしまった~!どぉ~しよう?」
  • 「自分の手下を使って自作自演、日本政府を脅迫して身代金を巻き上げる。わしにはさっぱり理解できん計画だな…だがな!そんな奴をのさばらせておいたんじゃ、ご先祖様に申し訳が立たねぇんだ!!」
  • いえ、奴はとんでもないものを盗んでいきました…。あなたの心です。





なにぃ?ルパンが現れたぁ~?
ワシの項目が荒らされる前に追記・修正だ!

よぉ、とっつぁん!!
ルパンめぇ~!俺の項目にまで来やがって!
おお~コワいコワい。んじゃさいなら~!
待~て~!ル~パ~ン!!ワシの項目に追記・修正していけ~!!
あばよ~♪とっつ~ぁん!

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最終更新:2026年09月15日 12:22

*1 (『バイバイ・リバティー・危機一発!』冒頭より。ただし『カリオストロの城』『死の翼アルバトロス』ではルパンに「昭和一桁」と言われている(即ち、1926年12月25日から1934年生まれ)ため、この設定も不動のものではないことは留意されたし。

*2 (時々左遷・異動されており、『バイバイ・リバティー・危機一発!』冒頭によると、長野県警信州高畑村駐在所等に左遷されかかったこともあるが、駐在所勤務はしたことが無いらしい。

*3 一応、銃弾が胸ポケットに入れていた警察手帳を貫通する形で着弾した為に直接銃弾が命中するよりも少ないダメージで済んだという理由があるが、それにしてもとてつもない生命力である。

*4 『バイバイリバティー』ではグランドキャニオンでやっと逮捕に成功しているが、この時ルパンは自由の女神像を盗みこそすれ予告状を含んだ証拠も無ければ現行犯でもなく、銭形はルパンが連れていた少年のマイケルのことを「とうとう落ちぶれてルパンが誘拐に手を出した」と思っていたため、恐らく誘拐或いは拉致の現行犯扱いと思われる。

*5 無論、この後にあるトリックを使われて逃げられているのだが。

*6 ただし、只でさえルパン三世は設定が曖昧であったり一話限りの設定が多い上に『ファーストコンタクト』で語られたエピソードは事実性が故意にぼかされているため、これが真相であるとは限らない。

*7 ルパンや次元などレギュラーキャラが皆クール寄りなキャラ付け(第1シリーズの頃は特にそれが顕著)であった事に納谷悟朗氏が懸念を抱いたが故に差別化を図る意図があったのに加え、彼自身が舞台では喜劇メインの役者だったこともあってそのような発案に至ったとのことである。

*8 ただし、解任後は死の商人ジョン・クローズが率いる武器密売組織「ショットシェル」の壊滅捜査にそのまま着任させられているため、ICPO側も能力は評価している模様。この解任に関して銭形本人も「無理もない……ウン十年もお前達を逮捕出来なかったからな。」と酒が入った状態ながら、解任は妥当の判断とかなりメタフィクションな発言と共に認めている。

*9 その後は冷静になった後で「ルパンが銭形を殺すはずがない。」と思い直し、真相究明のために協力するが。

*10 現地の警察に「押し付けられた」昼行灯風な老警官だと最後まで銭形の味方で居てくれる場合も多いのだが……。