IG-88

登録日:2019/11/18 Mon 11:00:00
更新日:2024/01/18 Thu 23:15:21
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稼ぎか。ゲスなハイエナどもめ」



IG-88とは、スター・ウォーズ・シリーズに登場する半自立型ロボット「ドロイド」の一種。
分類は、広義のバトルドロイドに属するが、用途はその中でもかなり特殊。

ズバリ暗殺用ドロイド」である。初っ端から不吉すぎる。
しかも、こともあろうに制作スタッフを皆殺しにし、完全に独立行動を開始。銀河をドロイドで支配する「ドロイド革命」を画策していた。設定からしてヤバすぎる。
(けど作中のドロイドたちの扱いを見ると、こういう発想が出てもむべなるかなというか……)

ちなみに、これは彼らだけの極秘計画であり、表向きは「行動する『賞金稼ぎ』の暗殺ドロイド」として知られていた。
バトルドロイドの中でも群を抜いた攻撃性能を誇ったため、作中の人々のみならずゲームのプレイヤーさえも恐れおののかせた。

なお、本項目の情報は大半がレジェンズ分類のスピンオフ作品である
現在の「カノン分類の設定」に関しては、目次から【余談】にジャンプし「映画本編の活躍」を参照のこと。



【基本性能】

IGシリーズ・バトルドロイドはそれなりの歴史あるバトルドロイドの一種で、特に戦闘能力の高い、高性能機種として知られていた。
過去のリリース製品には、
などが著名である。
いずれも、かつて一世を風靡したBシリーズ・バトルドロイドなどとは比較にならない性能を誇り、ドロイディカと双璧を為した。
その流れをくむIG-88も、当然完全な戦闘用ドロイドである。
開発されたのは銀河帝国の前期で、上記のIGドロイドはいずれもIG-88より古い機種である。

ちなみに、ゲーム「帝国の影」では北米PC版のみ銀河標準ベーシック(要するに英語)を使いこなしている。まぁそうでもないと賞金稼ぎ生活は厳しいので当たり前ではあるが。


◆外観

デザインはIG-86やIGランサーの系譜で、あまりマグナガードとは似ていない。

もっとも目を引くのが、多数のカメラ・センサー類が周回する砲弾のような円型の頭部。これはIG86・IGランサーと共通の、他のドロイドにはまず見られないデザインである。
センサーの色は赤。

身長は約2メートル、人間大ドロイドとしては平均的なサイズ。
胴体部分の厚みはほとんどなく、手足も非常に細い。
装甲化があまり施されておらず、いたるところに配管類が露出しているが、マグナガード譲りの堅牢性を誇り、見た目によらず強靭。


◆戦闘能力

後述するが、施された「戦闘プログラム」は過去のIGシリーズのデータを反映されたもので、極めて完成度が高い。
どんな武器でも使用でき、最良の結果を予測して行動し、敵を完全・確実に破壊する

それを実行するべく、搭載する火器も豊富
本体組み込み式のブラスターライフル、各種手榴弾火炎放射器、ガス放射器、音波衝撃砲、小型ミサイル、ワイヤーなどの豊富な武器を搭載。
さらに人間を模した五本指のマニピュレーターにより、あらゆる汎用兵器を扱うことができる散弾銃のようにビームを放つパルスキャノンがとくに悪名高い。

また、上述した円筒型の頭部とそれを周回するように配置されたカメラ・センサーは、360℃方面を見渡すことができ、死角はない。
そのうえ、盗聴やハッキングなどの情報収集能力や、こちらからの情報送信能力、および隠匿能力にも長けており、ドロイドだけに電脳分野に限ってはシス卿すら把握できないほどの実力を誇る。

薄っぺらい胴体と細い手足には見合わず、運動性や堅牢性かなりのもの
映画本編ではただ突っ立っているだけだったが、IG-86の壁に駆け上がるほどの運動性をさらに高めており、軽々と大ジャンプしたり飛び降りたり、人間の倍のスピードで走り抜けたりと、運動性は極上。
まともに戦っては捕捉も困難で、しかも気が付いたら後ろや横に現れ、いきなり重火器を見舞ってくる。

総じて、バトルドロイドとしての能力は極めて高い。
BXコマンドー・ドロイド以上の運動性、マグナガード譲りの堅牢さ、ドロイディカ並みの火力、とクローン大戦期に高性能を誇った数々のドロイドの集大成といえる機体である。
ただ一転、できていないという点を除いては。


◆プログラム面

共和国も帝国も基本的に暗殺ドロイドの保有や使用は禁止していた。
が、そもそも「戦闘用」「護衛用」「暗殺用」の垣根はプログラム次第なので、規制は一向に実を結ばなかったという。
近年のカノン作品では、ベイダーは「拷問用プログラムを施したプロトコルドロイド」「暗殺用プログラム・装備を施したアストロメク(偽装)ドロイド」を保有していたことがわかっている。しかも開発者は生前のターキン総督

では、「暗殺ドロイド」としてもっとも有名になってしまったIG-88は、どんなプログラムを施されていたのか?

彼に施されたプログラムは大きく分けて三つ。
当時最高レベルの完成度を誇る、洗練されきった「戦闘プログラム」と、
高品質ドロイドらしく人間並みの「知能プログラム」、
そして存在しいに等しい「制御プログラム」の三つ。
これらが悪い方向で重なり合った結果、IG-88は「自分の意志で動いて暗殺やテロを行い、最終的に世界征服まで考える、危険極まりないドロイド」と化した。

詳細は後述するが、製作スタッフの人格プログラムの無理解により、試運転時点からすでに、人格を消されたくないという「保身」と、人間よりも自分のほうが優れるという「野心」を抱く、「人間並みの知能」と「欠落した制御」を持った暴走ドロイドとして目覚めていた。

しかも「彼ら」は人間の手を離れたため、メモリ消去を経ておらず、経験からますます自我を発展させていき、数年でもう手が付けられないような自我を持っていた。
最終的に彼らの意識は、世界中のドロイドに自分の「反乱プログラム」を送信、銀河全域でドロイドが持ち主を奇襲して殲滅させる「ドロイド版オーダー66」とでもいうべき「ドロイド革命」を画策するに至る。

他方、面識を持つようになったダース・ヴェイダーを「機械と人間の高度な融合体」とみなして気に入る、ドロイドらしいユニークな感性を発露することもある。
そりゃ「人間というより機械だ(byケノービ)」とか「機械ではなく人間と感じる(byターキン)」とかいろいろ言われたヒトだが、「機械と人間の完全な調和」というのはなかなか斬新な見解……
また、デス・スターを乗っ取った際にはシディアス皇帝の前でわざと扉を閉めるイタズラをしたり、フォースで開けられてしまい理解不能な現象で混乱したり、自分の消滅を予測しながら「我思う、ゆえに我あり……」を延々繰り返して現実逃避したりと、残虐なドロイドの割に人間味が垣間見える。
C-3POやR2-D2ジャバ・ザ・ハットのところにいたEV-9D9のように、人格を持ったドロイドといえるだろう。

ちなみに、ゲーム「帝国の影」だと……

《とうとう来たな、ダッシュ・レンダー! ザー星系に隠れたボバ・フェットからハン・ソロを頂くのは、私だ! 止められるものなら、止めてみろっ!》

い、意外と熱血漢ですね……

容量の都合上N64版では字幕のみだが、Windows移植版では3DCGで動きながらフルボイスで喋ってくれる。


【来歴】

◆前歴

製造されたのは銀河帝国の時期、ホロワン研究所にて。
まず、プロトタイプとしてIG-72を開発。これには「銀河帝国所属の暗殺用ドロイド」というプログラムが施され、テスト機として扱われていた。
そして、IG-72を反映しつつ、より戦闘能力を向上させたのがIG-88で、これは四機のみが試作生産されていた。

ところが、IG-72になまじ「人格・知性プログラム」を施していたことがあだとなる。
製作スタッフはこの人格プログラムの精査を怠っており、試運転を開始した一号機IG-88Aには、IG-72が発展させた人格プログラムをインストールするという愚行に出る。
その結果起動したIG-88Aは、機動すぐに人格を消されたくないという「」と、人間よりも自分のほうが優れるという「」を抱く、「自我」を確立していた。

起動した「彼」、IG-88Aはいきなり開発者をし、残る三機の同型とIG-72に自分のプログラムを流通させつつ、全機を起動させる。
IG-72だけは独自の知性プログラムがすでに施されていたため、IG-88Aとは別行動をとったが、残る三機の同型機はまだプログラムがない、頭空っぽの夢詰め込める状態だったため、IG-88Aと完全なリンクに成功。
以後、ABCDの四機のIG-88は、四つの体をひとつの意識で共有する、特殊な集団と化した。
(別行動をとったIG-72は、しばらくは当初のプログラム通り銀河帝国軍に属して暗殺業務を遂行したが、メモリ消去を施されそうになったために逃走、独自に『賞金稼ぎ』となった。その後、EP4直前に自爆テロを起こして失われる)


◆ドロイド革命

研究所から独立した四機のIG-88は、すでにある野望を抱いていた。
ドロイドを酷使するばかりで、しかも決して頭もよくない人間たちを、ドロイドが撃ち破って全銀河を支配する、壮大な「ドロイド革命」の計画である。もはや野心といっていい。

具体的な計画としては、世界中のドロイドに「反乱プログラム」を送信し、機会を見計らって銀河全域で・一斉に・すべてのドロイドが、持ち主を奇襲して殲滅する、というもの。
いわば「ドロイド版オーダー66」とでもいうべき計画で、なまじドロイドが普及しているだけに、成功すれば人類滅亡も夢物語ではない。。

そもそもクローン大戦からもそれ以前からも、ドロイドは過酷な任務ばかりを与えられてきた。
修羅場に放り込まれ、囮として切り捨てられ、時間稼ぎとして置き捨てられ、娯楽として銃撃の的にされ、ゴミのように捨てられ、その場の都合で記憶を消され、人格を書き抱えられ……
そんな扱いをされていながら、しかも彼らには、人間と遜色ないような知性まで与えられているのである。苦痛や恐怖や寂しさを感じ、嘆くほどの知性を。
そんな状況を考えれば、そして彼らの能力やコンピューターの発展を考えれば、そういう発想に至るのもあるいは当然かもしれなかった。


「ドロイド革命」を志す彼らは、まずはテストを兼ねて帝国軍のドロイド製造工場がある惑星メキスⅢへと進撃。
IG-88Aが製造中だった全ドロイドに自分の意志(≒反乱プログラム)を流出させ、IG-88Cは星の防衛システムをコントロール下に掌握、IG-88Dはメキスにある全情報をダウンロードした。
そして、全ドロイドを味方につけたIG-88Aは彼らを起動させ、反乱を。工場にいた作業員を皆殺しにして、ついにドロイドによる制圧を達成した。
CとDがすでに惑星の情報関係を握っていたため、帝国に対する情報統制にも成功。
革命の第一弾は完全な成功をおさめたのである。

ちなみに、この惑星の工場で大量生産していたのは、EP5でも登場する探査用ドロイド。
これらが収集した情報は、帝国にはもとよりIGたちにも伝わっていた。
他にもドロイド用の部品も各種生産しており、EP5に出てきたドロイドE-3POもIG-88の影響下にあったとか。

また、彼らはこの工場を利用して、彼ら専用のドロイドを独自開発している。
IG-2000という宇宙船も作っており、操縦するIG-88が重力などの負担を考えなくていいため、運動性が極めて高かったという。


◆賞金稼ぎのドロイド

しかししばらくすると、帝国もメキスⅢの異変に気付き始めた。行方不明になっていたIGシリーズと思しきドロイドがいる情報も漏れだしている。このままでは帝国に気づかれ、鎮圧されかねない。
実際、ダース・ヴェイダーが帝国本国からの使者として訪れたことがある。
このときドロイドたちは、殺された工場長たちの映像を合成したり、音声を再現して「星の反対側でトラブル処理中」とつくろったり、カメラ用のドロイドに工場の順調な稼働状態を流させたりしたため、ヴェイダーは「納期に遅れがないならいい」と納得して帰ったのだが、IGたちとすれば極めて危ういところであった。

なんとか窮地は乗り切ったが、IG-88は帝国からの目をごまかすためにも、革命に必要な銭が欲しかったことから、たまたま手が空いていたIG-88Bを「賞金」として送り出すことにした。

もともとIG-88は暗殺用に開発されていただけあって、賞金稼ぎとしては比類ない能力を発揮
宇宙の各地で大暴れして、巨額の懸賞金を手に入れた。
なにせ自立行動するターミネーターみたいなやつである。しかも彼には歴代IGシリーズのデータも反映されている。戦闘経験は過去の機体のデータをダウンロードすればよい。
そういうわけで、彼は銀河の闇社会で大いなる名声と悪名を獲得した。

ちなみに『賞金稼ぎ』IG-88Bの姿はEP4の五年前から見られるらしい。


◆EP5の裏側で

このころ、銀河帝国は反乱同盟軍の鎮圧に血眼になっていた。
特にその幹部ダース・ヴェイダーは、私情もあって、反乱同盟軍の一部メンバーに巨額の懸賞金をかけていた。
その「一部メンバー」のひとりハン・ソロには、ヴェイダーの懸賞金に加えて暗黒街の巨頭ジャバ・ザ・ハットからも懸賞金が掛けられており、一人だけ値段がかけ離れていた。

IG-88Bはソロ逮捕に名乗りを上げ、銀河帝国のスーパー・スター・デストロイヤー級超大型戦艦「エグゼキューター」に乗り込んだ。映画本編の出番はここが半分

IG-88Bはドロイドというだけあって機械の扱いに長けており、他に参加していたベテランぞろいの賞金稼ぎにも気づかれないほど巧みに盗聴器を仕掛け、情報を横取り。
しかも、ヴェイダーにも悟られずにエグゼキューターのメインコンピューターにアクセスし、帝国の機密情報をハッキングしていった。

前者の盗聴器からは、ボバ・フェットがハン・ソロを捕捉したことや、彼らの行き先が惑星ベスピンであることを把握し、横取りのために先回り。
後者のハッキングからは、銀河帝国が第二デス・スターの建造を行っているという最高の軍事機密まで盗み取っていた。
彼はこの情報を、さっそくメキスⅢの本部に送信。
IG-88Aは工場を動かし、デス・スターを乗っ取るべくメインコンピューターの偽造とすり替えに挑戦した。


しかしIG-88Bのボバ・フェット追跡はする
ベスピンへの先回りは成功したのだが、ボバは尾行されていたことに気づいており、逆に罠を掛けて手榴弾でIG-88Bを破壊してしまったのだ

その後、Bの残骸はクラウドシティの廃品処理センターで「真っ白に燃え尽きちまったよ……」状態で転がっているのが確認されている。なお、映画のシーンの残る半分はこれだけ


◆EP6の裏側で

その後、IG-88CとIG-88Dは倒されたIG-88Bの仇を討つため、そして賞金を奪い取るため、専用宇宙船IG-2000でボバを追撃。
もうソロは炭素冷凍にかけられた後で、ジャバの治める惑星タトゥイーンへと向かっており、彼らはその途上で襲い掛かった。
しかしIG二機はここでも敗退し、船二隻を失った上にIG-88Cまでもがされる
残ったIG-88Dはかろうじて惑星オード・マンテルに落ち延びて船の修理を行ったが、ソロの救出をもくろむ反乱同盟軍の傭兵ダッシュ・レンダーに見つかり、交戦の末にこれもした

最後に残ったIG-88Aは、上述した第二デス・スターのメインコンピューターのすり替えをさせていた
この偽造コンピューターはもちろん本物として機能するが、内部にはIG-88Aのプログラムそのものが移植されていた。
つまりEP6の時点で、IG-88Aはデス・スターを掌握していたのである
ちなみに、この真実はジャジャーロッド提督はもとより、ヴェイダー卿も、シスマスターたるダース・シディアスすら気付かなかったという。

「彼」は皇帝パルパティーンの命令をこなして反乱同盟軍の艦船を蹴散らしつつも、極秘に銀河各地のドロイドに自分の開発した「反乱プログラム」を発信。
戦いのさなか、ついに「ドロイド革命」を全宇宙で勃発させようとした。


しかし次の瞬間、反乱同盟軍の突撃部隊が第二デス・スターのコアめがけて飛び込んだ
IG-88Aは慌てた。計算によればこのままではデス・スターは破壊され、自分も消え去ってしまう。
しかしソフトウェアだけになってしまった自分にはどうしようもなかった。ハードウェア=デス・スターには内部に飛び込んだXウィングを今から迎撃できる設備はない。
今のIG-88には「我思う、に我あり……」と現実逃避じみた文言を繰り返すことだけだった。

直後、IG-88Aの意識はデス・スターもろとも消し飛んでしまった。


◆その後

実はIG-88Aは、自分の全意識を偽造コンピューターに移植した際、もとのIG-88Aのボディに自分のプログラムを残しておかなかった。
そして、デス・スターに移植した自立プログラムが抹消(物理)された後も、IG-88Aそのものは頭真っ白の状態で残されていたのである。

そのボディは存外早く発見され、ドレブルという闇社会の小物に発見され、ランド・カルリジアンとの戦いなどに利用された。
もちろんこの時点で、かつてIG-88Aを構成していた自意識そのものはなくなっていたが、戦闘用に開発された武器制御プログラム自体は生きていたようだ。

そしてEP6から20年近い歳月がたったのち、メキスⅢにてタイコ・スールという人物に発見され、ボディガードとして再プログラムされた。
以後はタイコやルーク・スカイウォーカーの新ジェダイ・オーダーなどにプログラムをいじられつつ、捜索や護衛などの「殺人のない」任務に従事。
なりゆきで銀河帝国残党の細菌兵器貯蔵庫を発見し、それをめぐる共和国と帝国、それに同時期勃発していた「多種族同盟」との三つ巴の戦いに投入される。
(多種族同盟とは、長年人間によって奴隷扱いをされてきた、非人間の宇宙人による同盟勢力で、人間の絶滅まで主張していた。なお、盟主はノラ・ターコナという女性トゥイレックで、彼女はジャバ・ザ・ハットの奴隷とされ、ランコアに食い殺された女性、ウーラの妹である)

最終的に、細菌兵器保管施設は新共和国の宇宙艦隊によって爆破され、IG-88Aは保護対象だったボーナン・スールとともに爆散した。


【余談】

  • 映画本編の活躍
ほぼなし
「エグゼキューター」の集結シーンでセンサーをぎょろりと回す場面と、クラウドシティの廃品工場で真っ白に燃え尽きて転がる場面のみ
胴体も手足も細いデザインのために中に人が入って動かすことができず、そもそも重要な立場でもないので操演で動かすほどの価値もなく、あんな扱いだったのだろう。
ぶっちゃけ、こいつがこれほどの情報量を持ったのは、ゲームにおける猛威と数々のスピンオフのおかげである。

しかし、それらスピンオフ設定のほとんどが「レジェンズ」として追いやられた結果、
現在の「カノン」に残った設定は映画本編における描写のみとなり、まったく何の価値もないモブと化している。

もっとも、最近はカノンのスピンオフ作品にて、ホンドー・オナカーと行動を共にして、ソロの昔の愛人キーラを追い回す短編アニメが作られ、また設定が増やされるかもしれない。
(なおこの短編アニメでは機械音声っぽいが英語をしゃべっている)
また、設定虐殺の憂き目にあったとはいえさすがに名前までは変更できないため、IGシリーズのバトルドロイドとしてIG-86やマグナガードとは同系統という設定は生きている。
2018年にはダース・モールの過去編(EP1の少し前)のコミックで、レジェンズ行きと思われた「IGランサードロイド」も再登場。
近年はまた新たなIGドロイドが登場していくようなので、まだ目が離せそうにない。

  • デザインについて
実はEP5では撮影現場のスクラップ品の寄せ集めで作られたという経緯がある。
例えば、あの特徴的な頭部は、前作EP4でオビ=ワンがギャングの腕を切り落とした酒場においてあったジュースサーバーが原型らしい。
また、初期デザインでは胴体がツルツルの装甲に覆われたデザインもあった。胴体が逆三角形を描いていてマッシブに見えるが、手足は完成体同様、細い。頭部も地味。
こっちのデザインも日の目を見なかったわけではなく、カノン作品「反乱者たち」に登場する「IG-RM護衛ドロイド」に流用されている。

  • スピンオフの歴史
デザインそのものは秀逸なので、スピンオフ作品には長年引っ張りだこだった。
EP6から間もない1985年のアニメ「ドロイドの大冒険」には早くも登場し、R2-D2とC-3POのコンビとも出会っている。このときはタムズ=アンという惑星で政変に絡んでいた。
この作品はEP4の15年前を舞台としているため、IG-88はクローン大戦終結から四年以内には完全に独立していた計算になる。
もっともこれは初期のスピンオフなので、他作品との整合性は考えられていない・後続のスピンオフはあまり参考にしていない節もあるが。

ゴニョムニョゴニョゴニョ ガシャーンガシャーン
ピュピュピュピュピュピュ アッアッアッアッアッ

本作ではステージ4のボスとして登場。主人公ダッシュ・レンダーと戦う。
レイアたちがソロの情報を求めて居場所を探しており、損傷したIG-2000を「オード・マンテルの廃品置き場」で修理中のところを接触するようダッシュに依頼する。

しかしこのIG-88がとんでもなく強くとんでもなく怖く、プレイヤー(多くはNINTENDO64を扱う子供)の心に暗殺ドロイドの恐怖を刻み付けた
ドロイド独特の意味不明な機械音声と、機械の四肢の無機質な軌道音だけがにじみより、異様に高い運動性で背後に立っていたかと思うと、パルスキャノンや火炎放射でみるみるこっちの体力を削っていく。
さらにステージは「廃品置き場」というだけあってゴミが多くて起伏が激しく移動し辛く視界も悪い。焼却炉のような継続ダメージを受ける場もある。
気が付いたら後ろにいた暗殺ドロイドに弾を撃たれまくる、見晴らしのいいところで距離を取って迎え撃とうとすると今度はブラスターで狙撃に転じてくるから始末に負えない。
しかもこれだけ手強いのに10ステージ中4ステージ目のボスである。終盤でもなくまだ半分なのである。
プレイヤーがスター・ウォーズに憧れた子供たちであったのがなおも災いして、当時のプレイヤーをして「みんなのトラウマ」として記憶される羽目になった。




追記・修正は廃品置き場からIGドロイドを修理した人物にお願いします。

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最終更新:2024年01月18日 23:15