ライオウ(DQⅤ)

登録日:2011/12/21 Wed 12:43:06
更新日:2025/07/23 Wed 16:44:32NEW!
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DQⅤにおける仲間モンスター。
ライオネックを仲間にすると1匹目はこの名前になる。

生息場所はエビルマウンテン及び隠しダンジョンの浅い階層のみ。
その内のエビルマウンテンではどんなモンスターも絶対に仲間にならない為、仲間に出来るのはクリア後である。
加入率はグレイトドラゴン等と同じ64分の1で、仲間にする為には多少粘る必要性が出てくる。

ステータスは身の守りや素早さが200を超え、更に耐性も吹雪無効に炎・イオなどを大幅軽減し状態異常もあまり効かないと非常に優秀。
最初からバギクロスを覚え、レベル20で使い手の少ないギガデインを使えるようになるため、はぐりんジュエルのような魔法主体の要塞タイプである。
彼らと比較すると耐性で多少劣る面もあるがHPもMPもそれらよりかなり高くなり、防具も中々に優秀なモノが揃う為、まさしく「鉄壁」と言える堅牢さを誇る優秀な仲間モンスターと言える。隠しダンジョンでも問題なく、主力として戦えるだろう。
装備を整え不沈艦となったライオウがギガデインを繰り出せば、大概の敵はあっさり一掃できるだろう。
まさに「魔界のエリート」の二つ名にふさわしい仲間モンスターと言える。




追記・修正はエリートな方にお願いします。























   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+(ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *


…いや、確かに全体的に高めに設定されたステータス、火力の高いギガデインを習得する点、優秀な耐性に高いみのまもりと良質なものが揃った防具による優れた耐久力から、本来ならば上記の様な活躍を想定してステータスを設定されたであろう事は事実であり、上記の活躍も真実となるハズだったのだ。

ハズだったのだ。

しかし、5はクリア後のやりこみの環境は歴代でもかなりの打撃偏重ゲー。言うまでもなく、主に「たたかいのドラム」のせいで*1
確かに防御面と魔法は優秀だが、肝心の力が140と明らかに低いにも関わらず、打撃偏重が極まるクリア後にしか仲間に出来ないと言う噛み合わなさによって、大きく評価を落としてしまう事になったのだ。
またコイツの所属する装備グループは防具は優秀なモノの装備可能な武器の最高攻撃力は奇跡の剣の100止まり。その為、残念ながら打撃には余り期待が出来ない。

ならば特技はどうかと言われると、一見豪華に見えるバギクロスやデイン系の特技もクリア後の環境では総じて出番が減ってしまう。
まずバギクロス・デイン系両方に通じる点として、この時期に戦う敵には戦闘開始時にマホカンタ状態になっている事のあるガメゴンロードやメカバーン等がいる為、迂闊に呪文で攻めると手痛い反射ダメージを背負う事になる。それでもライオウ自身もバギに完全耐性を持つ為バギクロスは反射されても問題無いが、デイン系は反射されるとまともにダメージを受ける。
また、この時期の雑魚はバギ系に無耐性の敵を探す方が難しく、デイン系についても強耐性を持つセルゲイナスやれんごくちょう等デイン系の呪文を有効に使えない敵も増えてしまっているのだ。
そしてクリア後の大きな目標となるエスターク戦闘開始時にマホカンタ状態となっており、例えそれを解除してもデイン系に完全耐性を持つ為ギガデインが一切通用せず、バギ系にも強耐性を持つ為有効打を与えられない
上記の様にただでさえ雑魚・ボス問わず攻め手に終始悩まされるのに、SFC版のみの魔法使いタイプの切り札、山彦の帽子も装備出来ない装備グループに属している為攻撃性能は余りに物足りない。

強引にこの時期でのギガデインの用途を挙げるなら、
と言うのが主な場面になる。一応与ダメージは通常打撃よりは高いし。
ただ、それも息子で事足りる。ギガデインの燃費は悪いが、5ではMPを完全に回復出来るエルフの飲み薬が比較的簡単に手に入るし、何よりこの為にライオウを勧誘して1から育てる位なら、普通にストーリーに連れまわす中で自然にギガデインを覚えるか、或いは習得目前まで成長しているであろう息子を上記の用途で起用した方が、今後の戦力としても期待出来ると言う事実が立ちはだかる。

他の仲間モンスターと比較しての相対的実力も酷く、更に成長の傾向もクリア後からの育成を考えると厳しい所。
リメイクでははぐりんのHPの大幅強化(何と300を超える数値に)に加え、ライオウより更に強いアクデンまで登場してしまう始末
運やかしこさが高いが、これらは死にステであり特にリメイク版以降では全く意味がない。
何より本格的にステータスが伸び始めるのはレベル14~20付近に入ってから。最大レベルに到達する為には80万程度の経験値が必要と聞けばそれ程でもないかも知れないが、ライデインを覚える迄には合計30万程度、ギガデインを覚えて本格化するまでには合計62万程度の経験値が必要と、ステータスが本格化するまでにもそれなりに時間が掛かってしまう。

そして、身も蓋も無い事を言ってしまうがライオウを勧誘出来る=全てのモンスターを勧誘出来る*2と言う点。
SFC版やDS版等ではモンスター爺さんのモンスター預かり数にも上限がある*3ので、クリア後に戦力増強の目的で仲間モンスターを更に勧誘する場合、まずコイツに声が掛かる事は無い。

これらの短所が積み重なり、魔界モンスターの中では断トツの最弱候補とされる*4
クリア後の環境も踏まえると、ドーピングを重ねた上で気合ため+吹雪の剣でエスターク最短撃破を狙えるブルートアンクル、ラリホーマでエスタークを無力化でき、さらにエスタークに有効なメラゾーマを習得するサーラ等、帝王戦で独自の動きが出来る準一戦級の仲間モンスターと比べても立場が怪しい。

更に余り仲間モンスターの考察が進んでいなかった時代に攻略サイトでは「強い」「オススメ」と、一般プレイヤーにとっては首を傾げる記述が掲載されてしまった事も相まった為*5、考察が進んだ後に付けられた称号は余りにも不名誉な「自称魔界のエリート」。*6

「もう少し仲間になる時期が早ければ」と言う呟きを見かけるが、仮にクリア前に加入したならば優良な仲間モンスターとして高い評価を得られていた事は間違いないだろう。
例え晩成型の成長傾向であっても、その時期の仲間の実力も踏まえれば少し育てるだけでスタメンに定着出来るだけのステータスにはなり、ゲマミルドラースにもギガデインで攻め手としてダメージを通せる為火力役を兼ねたタンクと言う立ち位置となれていたハズである。戦い方を見極めれば、高い耐久力を活かして単独撃破も可能。

クリア前で経験値を稼げていれば、最終的なスタメン落ち・モンスター爺さん送りを踏まえても繋ぎの戦力としてある程度重宝される時期も確実にあっただろう。


上記の有様の中、それでも使い道を挙げるとすれば、

・すごろく要員
すごろくの敵はこちらのレベルに依存する為低レベルならそれ程強い魔物は登場しない。耐久力も高めな為、戦闘は全逃げでスルーしても消耗を抑えられる為、力の盾等を持たせて挑めば有利。
・メタル狩り
デーモンスピア+やいばのよろい+はめつのたての組み合わせで多大な反射ダメージやデーモンスピアの即死効果を活かし、メタル狩り要員として起用する。
・エスターク低レベル撃破
運任せになる部分もかなり強いが、高い耐性と優秀な効果を持つ道具を上手く活用して立ち回る事で撃破が狙える。PS2版でライオネック初期レベル2体でエスタークに勝利している報告が挙がっている。
・戦闘での道具役
何度でも繰り返し使える有用な道具が多い為、星降る腕輪を装備したライオウにそれらを渡して支援役として起用する。

…と言った運用で使う事になるだろうか。
尤もメタル狩りは魔神の金槌+星降る腕輪装備者4人による会心連打には及ばず、すごろく要員は最大レベル7かつ力255+破壊の鉄球で雑魚散らしが出来るギガンテスがいると、他のモンスターでも代役が出来てしまう。
エスタークに関しても、対エスターク戦で良く話題に挙がるのは最速撃破だし、魔界のトロフィーも獲得に関わる条件がターン数なので低レベル撃破が余り話題にならないのが悲しい所。
道具役に関しても、結局の所自前での特技ではそもそも仲間のサポートすら出来ず道具頼りとなる為効率だけを考えるならば自身もアタッカーとなれ、耐性もある程度備わっているグレイトドラゴンやスライムナイト等にやらせた方が戦術面でも幅が出る

ガップル同様特殊な状況では強さを発揮するが、加入時期で大きく損をし、その時期での汎用性に欠ける為悲惨な評価を受けてしまったモンスターの筆頭格。
本当にどうしようもない状況に置かれているマウスドロンおばドルプチマジよりは遥かにマシ…とは言えるが、特筆された強みを想定して設定されたであろうステータスや耐性、特技、クリア後のご褒美的なモンスターと言うネームバリューを持ちながらこういった面々を挙げた上でそれらよりマシと言われても、何の慰めにもなっていないと言うのが実情であろうし、何より仲間モンスターの詳細な考察がなされていなかった時期にされてしまった過大評価が、後の酷評の加速の引き金となってしまった事がライオウの最大の不幸と言えるだろう。

公式の場でも散々な扱いを受けており、星のドラゴンクエストのとあるイベントでのビアンカのツッコミ*7、不名誉の象徴である「自称魔界のエリート」が広まった為か近年でもモンスター解説で「エリート」を執拗に弄られる等から、ある意味Ⅴ最大の悲運の仲間モンスターと言えるだろう。

一方、かつてVジャンプで連載されていた『スライム冒険記』(作者はかねこ統)では、かつて勇者、スラきちと共に魔王を倒した魔物「ライぞう」が登場。
終盤では出番はなくなってしまったが、唯一聖なる魔法であるライデインを使えるため大きく活躍していた。
……もっとも、こちらでも大体が噛ませになっていたが。


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最終更新:2025年07月23日 16:44

*1 戦闘中に使用すると「戦闘メンバー全員にバイキルトの効果が付与される」「何度でも使用出来る」というとんでもない代物。クリア後に行ける様になる隠しダンジョンで入手可能だが、歴代のドラクエシリーズの中でも屈指の壊れアイテムとして名高い

*2 一応、謎の洞窟の3F以降は勧誘に必要な主人公のレベルが43に設定されており、ヘルバトラーのみそこで勧誘を行う場合は例外となる。但しライオネックと同じフロアでヘルバトラーも登場し、其方ではヘルバトラーも同じくレベル41で勧誘可能な為便宜上はこうなる

*3 PS2版は全ての勧誘可能なモンスターを3体まで預けられる程度に余裕があるので、片っ端からモンスターを仲間にしても問題はないがSFC版やDS版は仲間モンスターをコンプリートする場合各種1体ずつ程度しか余裕がない

*4 「ホークブリザード」の方が弱い、と言う声もあるがそもそもあちらは最速での出現は魔界ではない為、厳密には魔界モンスターとは言い難い

*5 能力や特技は強く設定されているのは間違いないし、加入時期によっては非常に強力な存在になりえていた可能性はあったのも事実

*6 「ドラゴンクエストVのあるきかた」の本でライオウの評価に「魔界のエリートは呪文戦士」の記載があった為、それを揶揄したものと思われる

*7 ミルドラースの右腕と言う立ち位置で登場しモガマルからも「強そう」と評されるが、ライオネック自身の実力はそれ程でも無い。倒した後に魔王の左腕であるヘルバトラーの居場所を伝えるが、ビアンカからは「右腕ってそんな意味だっけ?」、デボラからは「右足とか左足もいたりするわけ!?」と呆れられる等、完全にかませ犬ポジションとなっている