リミット・リバース(遊戯王OCG)

登録日:2020/08/15 Sat 18:12:53
更新日:2025/02/14 Fri 21:32:47
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《リミット・リバース》
永続罠
自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。



《リミット・リバース》とは遊戯王OCGの1枚。初出はLIGHT OF DESTRUCTION
攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で蘇生させる効果を持っている。
しかし、このカードの効果を知っている人ならばすぐに以下のカードを思い浮かべることだろう。



《リビングデッドの呼び声》
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。



そして思う事だろう。「こっちでよくね?」と……。
効果だけを見れば、

  • 蘇生可能なモンスターの対応範囲が圧倒的に広い。
  • 自壊する条件が無駄に1つ増えている。

であり、《リミット・リバース》は明らかな下位互換カードである。
(KONAMIもその点を意識して「リミット・リバース(=制限付き蘇生)」といった名前にしたのだろう。)

というのもこのカード、《リビングデッドの呼び声》には多くの調整版カードが存在し、このカードもまた《リビングデッドの呼び声》が制限カードの頃に登場、さらに発売直後には禁止カードに指定されたため、「代わりにこいつを使え」と言わんばかりの形で世に出ることとなったのだ。


それゆえ、発売直後は非常に値段が高騰したのだが、1年ほどで《リビングデッドの呼び声》は制限に復帰し、その後どんどん規制が緩和されることでこのカードの価格も加速度的に下がっていった。しかも現在では(対象の差異はあるものの)完全蘇生ができる罠カードである《強化蘇生》《戦線復帰》などが存在するため、このカードをわざわざ蘇生用カードとして採用する意義は殆どない。





追記・修正はより効率的に蘇生させられる罠カードを見つけた上でお願いします。


















   *   *
 *   + うそではないです
   n ∧_∧ n
 + (ヨ(*´∀`) E)
    Y   Y  *





上で書いた事は間違っていない。ただしそれは「蘇生用カード」として見た場合の話である。このカードにはそれ以外にもう一つ、制作側も意図しなかったであろう意外な使い道があるのだ。

それは「自壊用カード」としての使い道である。




注目すべきポイントはここ。




《リミット・リバース》

永続罠
自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、
表側攻撃表示で特殊召喚する。
そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。



一見すると、ただ「蘇生させた低打点のモンスターを壁として使わせないため」に設けたデメリット効果に見える。「《リビングデッドの呼び声》の調整版カード」という観点からすれば制作時もこの様な意図で設けられた効果なのは想像に難くない。
しかしこれは逆に言えば「守備表示にするだけで、他にカードを消費することなく蘇生させたモンスターを自壊させられる」という事でもあるのだ。
相手ターンにこのカードでモンスターを蘇生し、次の自分のターンに蘇生させたモンスターを守備表示にすればすぐに破壊できる。

要するに「破壊される」「フィールドから離れる」「フィールドから墓地に送られる」といった効果の発動トリガーを持つ、攻撃力1000以下のモンスターの効果を使う上では《リビングデッドの呼び声》よりも《リミット・リバース》の方が能動的に効果を発動しやすく、カード消費も少なくなるため効率がいい。

攻撃力1000以下と言う条件が多少足を引っ張るものの、条件に合うカードやカテゴリは数多く存在する。代表的な例をいくつか挙げると……。




蘇生後すぐに自壊させることで第二形態へと繋げられる。《ユベル》自身は闇属性なので、《終末の騎士》などで墓地へ送れるのでこのカードの発動も狙いやすい。




《ガスタ・ガルド》《ガスタ・ファルコ》《ガスタ・スクイレル》など、《リミット・リバース》に適した対象のモンスターが多く存在するので非常に便利。
特に後者2体は効果破壊のみをトリガーとしているのも大きい。




このカード自身を蘇生制限を満たした上で墓地へ送りさえすれば、《リミット・リバース》による蘇生で素材のない状態で自身を蘇生。かつ自壊をさせることで《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》を容易に呼び出せる。



爬虫類族のエースモンスターであると同時に、をも凌駕する最強の爬虫類族《毒蛇神ヴェノミナーガ》の召喚トリガーでもある。
《毒蛇神ヴェノミナーガ》を召喚するためには「《毒蛇王ヴェノミノン》が効果で破壊されたときに《蛇神降臨》を発動する」という手のかかるステップを踏まねばならないのだが、素直にやろうとすると「《毒蛇王ヴェノミノン》」「《蛇神降臨》」「《毒蛇王ヴェノミノン》を場に用意するカード」「《毒蛇王ヴェノミノン》を効果破壊するカード」の4種が必要になる。
だが、この《リミット・リバース》は「《毒蛇王ヴェノミノン》を場に用意する」「《毒蛇王ヴェノミノン》を効果破壊する」の2ステップを一挙にこなしてしまえるのだ。


他にも条件に合うカードやカテゴリは多く存在し、自壊効果がいかに応用のきくものである事が分かるだろう。
また上記のモンスターがフィールドから離れた場合に発動する他のカードの発動トリガーとしても使用可能である点も見逃せない。
「デメリット効果が差別化を可能にする」とはKONAMIもよもや考えなかった事だろう。


自壊する点以外は《リビングデッドの呼び声》とほぼ同じで、
  • 蘇生させたモンスターが破壊以外の方法でフィールドから離れると自身は無意味にフィールドに残り続ける。
  • 蘇生が出来るのはこのカードを発動したタイミングのみ。
  • 対象をとって発動するのでこのカード発動後の同一チェーン上で《D.D.クロウ》や《墓穴の指名者》を使われて蘇生対象を取り除かれると蘇生できずにこのカードだけが無意味に残り続ける。
などの点も共通している。
また無意味に残ったこのカードを手札バウンスして使い回しができる点も同じである。

そのため、基本自壊用のカードとして使い、状況によっては蘇生用カードとしての運用がこのカードの有効な活用法になるだろう。


余談


  • アニメではGXの主人公、遊城十代のカードとして登場している。しかし使用された場面はアニメ4期のペアデュエルによるタッグ戦で天上院明日香と組んだ際に、十代が伏せたこのカードを彼女が使用しており、「主人公の所持カードだが、使用したのは主人公でない」という少し変な立ち位置のカードである。




  • 明らかに蘇生カードである事を意識した日本語のカード名であるにも拘らず、英語版のカード名はLimit Rebirthではなく、なぜかLimit Reverseとなっている。


  • タッグフォースにおいてはイリアステルの三皇帝&アポリアがデッキに投入。主に各種コアとのコンボで、コアを壁にして攻撃をしのぐ→エンド時に《リミット・リバース》で蘇生→自分のターンで守備表示にして自壊→機皇帝を展開、というコンボを使ってくる。


追記・修正はデメリットに活用法を見出してからお願いします。

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最終更新:2025年02月14日 21:32