毒蛇神ヴェノミナーガ

登録日:2011/02/11(金) 00:44:17
更新日:2025/04/28 Mon 13:39:57
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毒蛇神(どくじゃしん)ヴェノミナーガ》とは、TCG遊戯王オフィシャルカードゲーム』のモンスターカードである。
TACTICAL EVOLUTIONで登場した闇属性爬虫類族の特殊召喚モンスター。


星10/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
このカードは「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき 500ポイントアップする。
このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、 このカード以外のモンスター・魔法・罠の効果の対象にする事はできず効果を受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、 自分の墓地のこのカード以外の爬虫類族モンスター1体を ゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える度に、 このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。
このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、 このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。 


【ヴェノム】…もとい【爬虫類族】の切り札向きの性能を持つ、通常召喚できない特殊召喚モンスター。
基本の攻撃力は0だが永続効果として自分の墓地の爬虫類族1体毎に500攻撃力が上がるほか、効果の対象にならず効果を受けない。
また誘発効果として戦闘で破壊され墓地に送られた時に墓地の爬虫類族を除外することで自己再生(特殊召喚)でき、相手に戦闘ダメージを与える毎に自身にハイパーヴェノムカウンターを置く。

とりあえずまず誰もが思うだろう。

テキスト長すぎ。



それもそのはず、このカードのテキストは当時の遊戯王OCG最長の 342文字
まぁこれは再録前の物なので今ではもっと短くなっている。この件に関しては後述。

召喚条件としては自分の《毒蛇王ヴェノミノン》が破壊された時に専用の罠カード・《蛇神降臨》を発動する必要がある。

毒蛇王ヴェノミノン
このカードはこのカード以外の効果モンスターの効果では特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、「ヴェノム・スワンプ」の効果を受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。

蛇神降臨
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「毒蛇王ヴェノミノン」が戦闘以外で破壊された時に発動する事ができる。
自分の手札またはデッキから「毒蛇神ヴェノミナーガ」1体を特殊召喚する。

要は《毒蛇王ヴェノミノン》が破壊された時にこれを使わない限り出せないということである。
厳密に言えば《青天の霹靂》で召喚条件を無視するなら《毒蛇王ヴェノミノン》は不要だが、場に維持するためのコンボが狙いにくいので普通に《蛇神降臨》を使った方がマシ。
ただ《蛇神降臨》は戦闘破壊に対応しておらず、さらにタイミングを逃がす要因があった場合発動出来ない、また当然ながら破壊以外の除去にも対応しない。
そのため《毒蛇王ヴェノミノン》と《蛇神降臨》を自分の場に揃えただけでは相手が都合よく効果で破壊してくれるとは限らず安心できない部分がある。
一方、相手ではなく自分の効果で 《毒蛇王ヴェノミノン》を破壊した場合でも発動できる
このため《毒蛇の供物》や《リミット・リバース》《激流葬》とかを使って《毒蛇王ヴェノミノン》を自爆させれば用意に条件は満たせる。

さて、ヴェノミナーガ様本体の能力としては、
A:墓地の爬虫類族モンスターの数に比例して攻撃力を上昇させる。
B:戦闘破壊された時、墓地の爬虫類族モンスターを除外し自己再生。
C:戦闘ダメージを相手に3回与えた時、デュエルに勝利する。
D:「 魔法・罠・モンスター、それら全ての効果を受け付けない


Aは攻撃力アップ。墓地の爬虫類族1体×500と悪くない上昇率。
基本的に3000を超えられる状況で出せばそうそう戦闘破壊されないだろう。


仮に不意の事故で倒されてもBがある。戦闘破壊されても自己再生できるのだ。
もっとも攻撃力が500下がってしまうが、攻撃力を強化できるカードはエンドフェイズ時までの物が多いので墓地に十分な爬虫類がいれば返しのターンで倒せるだろう。

え?ワイトキング? ...その場合は諦めよう。


Cは三回ダメージを与えればルールを無視して勝利というド派手な効果。
もっとも攻撃力4000越えになることもままあり、その場合2回ダイレクトを通せば勝てるのでいささかオーバーキル気味な能力である。


そして、Dが毒蛇神が毒蛇神様たる所以。

そう、耐性

この耐性だけで言えば遊戯王OCGの中でも最強クラスだろう。
対象を取る取らない関係なく破壊や除外、バウンス、他コントロール奪取等も 一切効かない という、原作の三幻神以上の耐性。
こちらの装備カードや効果付加カードも使えなくなってしまうが、毒蛇神様は誰にも媚びず誰の手も借りないのだ。

これが上述の効果と組み合わさり、「 だいたい攻撃力3000以上で除去できず自己再生できるモンスター (特殊勝利のおまけつき)」という凶悪な性能で相手を圧倒できるのだ。





…まぁ、出せたらの話。

特殊召喚のキーカードの片方、《毒蛇王ヴェノミノン》は最上級とはいえ自身以外のモンスター効果で特殊召喚できないという縛りしかないため、魔法なり罠なりでポンと出せる。
基本の攻撃力が0なので相手が攻撃してくれれば僅か100ダメージでも《ダメージ=レプトル》や《ダメージ・コンデンサー》でリクルートできる。
相手に依存しない方法でも《スネーク・レイン》+《継承の印》・《死者蘇生》で1ターンで呼べる。
さらにこの時点で攻撃力上昇+自己再生効果を持つので場に維持しやすい。

問題はもう片方、《蛇神降臨》。
手札に持って来る方法、タイミングを逃がす危険性、通常罠であるが故の止められ易さ…と。
人造人間-サイコ・ショッカー》?《王宮のお触れ》?
知りません。
上記カード以外にもどんなデッキにも魔法・罠除去カードぐらい入っているので「伏せといたらたまたま相手が《サイクロン》で狙ったのが《蛇神降臨》だった」ということも頻発する。

リミット・リバース》なら1枚で蘇生と自壊を兼ねることができるので比較的有用なサポートとなる。

更に時代が進んだ11期にて遂に最高のサポートを手に入れる。
トラップ・トラック
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、
デッキから「トラップトラック」以外の通常罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は罠カードを1枚しか発動できない。
自分のモンスターを破壊して通常罠をデッキからセットし、しかもそのターンに発動可能にさせる強力な通常罠サポート。
貴重な《蛇神降臨》を持って来れる手段であるだけでなく、破壊する処理とセットする処理は同時に行われる扱いである事が毒蛇神様的には重要なポイント。
チェーン1にこのカードを発動して《毒蛇王ヴェノミノン》を破壊した場合、なんとこのカードでセットした《蛇神降臨》を即座に発動して毒蛇神様を出す事が出来ると言う裁定が下されている。
つまり、このカード1枚で《毒蛇王ヴェノミノン》の破壊と《蛇神降臨》を引っ張り出す手段を兼ね添えつつ、《蛇神降臨》の罠カード故の遅さを緩和すると言う、正に毒蛇神様のために作られたかのようなカードとなっている。


同じく強固な耐性をウリにする《眠れる巨人ズシン》に比べれば遥かに出しやすい上に、あちらと違い能動的に攻撃力を強化できる。
手間に見合う性能は持っているといえる。

そして出してからが毒蛇神様である。
その極悪な耐性と高い攻撃力で相手を絞めていける。


このカードを主軸にする場合、特に相性が良い爬虫類デッキは【ワーム】だろう。
《ワーム・クイーン》と《継承の印》+《スネーク・レイン》が共存させやすい。
ヴェノム「」
【溟界】も墓地肥やしに長けているため相性は悪くない。

ただ魔法・罠の除去が豊富な現環境ではヴェノミナーガの召喚条件を満たすのも容易ではないため、ヴェノミノンだけ採用するのも手。
《ヴェノム・スワンプ》で弱体化しない以外の耐性は皆無だが打点上昇の効率はヴェノミナーガと同等のため、上記の墓地肥やしも活用できる。
魔法・罠除去が豊富ということは無理にヴェノミナーガの耐性に拘らずともヴェノミノンの攻撃を通しやすいということでもある。



弱点


ラヴァゴ壊獣「完全耐性?なにそれおいしいの?」
レインボー・ネオス「さぁ、お前の墓地を数えろ!」
アンワ「墓地に爬虫類族なんていませんよ」
邪神アバター「好きなだけ攻撃力をあげるがいい」
ライトニング「そんな攻撃力で大丈夫か?」
ユベリッヘ「これが君の愛なんだね…」
スキドレ「蘇生してみろ、その瞬間から貴様はバニラだ」

…高い攻撃力と強力な耐性を持つモンスターではあるが、残念ながら弱点もある。

まず挙げられる弱点は完全耐性の穴。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》のようなコストで相手のモンスターをリリースできるカードには完全に無力。
後年登場した壊獣は汎用性が高く、警戒は必須。
また、この耐性はフィールドのみで適用されるため、自己再生時に《天罰》とかは普通に効く。

ついで戦闘破壊には耐性がないこと。
再生能力はあるものの、一度攻撃力で上回られると壁にしかならない。
自己再生も封じてくる《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》は最悪の敵と言える。
???「俺がいるぞ!」

そして墓地に干渉する効果も苦手。
攻撃力は墓地の爬虫類族に依存するため、除外などの墓地メタで爬虫類族を減らされると攻撃力が落ち、戦闘破壊されやすくなる。
ゆえに次元系のデッキ全般に弱い。

このカード独自の弱点としては、実質的に耐性以外の効果を持たないこともあげられる。
当時としては破格の耐性だが、メタカードを除去できる効果や、相手の行動を阻害する効果の類は持っていない。

このため上に挙げた弱点に対抗する手段を自力で持てない。


テキストの簡易化

尋常じゃなく長いテキストをどうかと思ったのか、再録版では以下のテキストになっている。

星10/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のカードの効果の対象にならず、効果も受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。
このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。 


やっぱり長かった。

なんせ「このカード」が11回も出てきてるし。
まぁ8期仕様になりテキスト欄が拡大されたので実物を比べるとそこまで窮屈には見えなかったりする。ちなみにこれで318文字。
より問題だったのが海外版初版で、冗談抜きで虫眼鏡が無いと 解☆読☆不☆能レベルである。
こちらも今はテキストを短く・フォーマットを変更したので肉眼で見やすくなった。

余談だが、第9期フォーマットとしてのこのカードはまだ出ていないが、
同様の耐性効果を持つモンスターの例に照らし合わせると「このカードは他のカードの効果を受けない。」という表現になる可能性が高い。
ちなみにほかの完全耐性モンスターと比べると「対象にする事はできず」のテキストがあるおかげで、
対象には取るがモンスターに直接影響を与えない効果(例えばOCG版特殊召喚絶対殺すマンの効果とか)も防げる。決して蛇足なテキストではないのだ。

長らくテキスト文字数トップを登場から9年間維持してきたが、
遊戯王ARC-V榊遊矢が使用した《涅槃の超魔導剣士(ニルヴァーナ・ハイ・パラディン)》の397文字に抜かされた。
ただしあちらはペンデュラムモンスターのためペンデュラム効果も含めてなので、モンスター効果の文字数だけならこのカードがいまだにトップである。
というか別テキスト欄がないと抜かせないテキストの長さというのも恐ろしい……。

ちなみにアニメのカードだとこのカード以上のテキスト量を持つモンスターは結構いるが、
OCG化されると効果が変わるか減ったり、OCG用にテキスト変更されて文字数が減るためナーガ様以下の文字数になる。
なお、アニメ版で最大のテキスト量を誇るモンスターは《覇王龍ズァーク》の533文字。
ちなみにモンスター以外だと永続罠《剣闘獣の強襲城(グラディアルビースト・アサルト・フォート)》が677文字が最長*1


なお、デュエルリンクスでは2024年3月のアップデートで以下のテキストに書き直されている(マスターデュエルでも同様)。
このカードは通常召喚できず、
「蛇神降臨」の効果(及びこのカードの(4)の効果)でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500アップする。
(2):フィールドのこのカードは、他のカードの効果を受けず、お互いに効果の対象にできない。
(3):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。
このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ置かれた時、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。
(4):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地から他の爬虫類族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。

かつてに比べればまあまあ常識的な長さになった(数字を丸数字としてカウントして305文字)。
ちなみにこの書き直しおよびマスターデュエルでの挙動で判明した事実として、このカードは特殊勝利条件が効果外テキストではなく効果になっている。
これはどうやら、特殊勝利を達成する要件がこのカード自体ではなくハイパーヴェノムカウンターに依存しているためらしく、各種カードでこのカードの効果をコピーした場合、特殊勝利条件もきっちりコピーされる。


アニメ


アニメGXではヴェノムデッキの使い手プロフェッサー・コブラが使用。

OCGでは出来ないが《毒蛇王ヴェノミノン》の戦闘破壊をトリガーに切り札として降臨。
自己強化で攻撃力3000となり、《毒蛇王ヴェノミノン》を破った《E・HERO ワイルドジャギーマン》を撃破して特殊勝利のカウントダウンを開始する。

装備魔法《ネクロ・ショット》で墓地の爬虫類族を減らして攻撃力を1500まで下げられ、《E・HERO ダーク・ブライトマン》に一度は戦闘破壊されてしまうが、《毒蛇王ヴェノミノン》同様の自己再生効果で復活。
《スネーク・レイン》で大量の爬虫類族を墓地に送ることで攻撃力も3000に戻り、《E・HERO ダーク・ブライトマン》を反撃で戦闘破壊。《E・HERO ダーク・ブライトマン》の破壊効果も自身の耐性で受け付けなかった。
十代は完全効果耐性のこのモンスターを前に特殊勝利成立間際のラストターンというところまで追い詰められたが、起死回生で攻撃力4600まで膨れ上がった《E・HERO マグマ・ネオス》を呼び出し、このカードを攻撃することで超過戦闘ダメージでコブラの敗北となった。

なおこの時、特殊勝利効果は戦闘ダメージを与えた相手は3ターン後(自分ターンと相手ターンとで合計3)にデュエルに敗北するという超凶悪仕様だった。
噛まれて蛇の毒が回ると考えればわかりやすい効果だが、《異国の剣士》や《ゾーン・イーター》の10(自分ターンのみ5)ターンや《鉄のサソリ》の6(自分ターンのみ3)ターンに比べると随分はやいのはさすが蛇神様。


追記・修正は《毒蛇神ヴェノミナーガ》を降臨させてからお願いします

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  • 守備力0
  • 攻撃力アップ
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最終更新:2025年04月28日 13:39

*1 なのだが、このカードは永続魔法カード「剣闘獣の砦」に書き換える効果があり、「剣闘獣の強襲城」としての効果の後にテキスト欄が線引きされて、続けて「剣闘獣の砦」の効果も記載されているという、前代未聞のテキスト記載の形式が取られているため、ナーガ様なみの300字強程が水増しされていると言えるカードでもある