Stellaris

登録日:2020/08/21 Fri 15:30:00
更新日:2025/04/21 Mon 22:00:28
所要時間:約 55 分で読めます






Stellaris(ステラリス)とは、スウェーデンが誇るゲーム会社Paradox Interactive社が開発したSFストラテジー。


未来の宇宙を舞台に、色んな国が銀河を巡ってワイワイするとっても楽しいゲームである。
DLCを始めユーザーのMOD開発を想定&サポートしてもいるためサンドボックスの要素も強い。
対応機種はPC/PS4






◇概要


時は西暦2200年。宇宙へ進出した文明は、さらなる新天地を求め恒星系の外側へと進出していく。

プレイヤーは様々な星系を調査し、内政や外交に戦争、超古代の文明との邂逅、そして大宇宙の謎に迫りながら自らの帝国を発展させていくことになる。
どの帝国や種族を選ぶ(あるいは創る)か、どのような特徴を持たせるか、そしてどういった戦略や外交や開発を行うかは全てプレイヤー次第だ。


基本的に歴史戦略シミュレーションが多い同社のゲーム(所謂パラドゲー)としては珍しいSF系戦略ゲームとなっている。
大雑把な言い方をすれば方向性は『宇宙版HOI4』といった感じ。もちろんゲーム内容自体はかなり違うが…

数々の廃人を生み出したパラドゲーなので当然中毒性が非常に高く、気が付いたら数百時間は余裕で吹っ飛んでいく時間泥棒ゲー。
下手に一般受けしやすい(パラド社比)のがよけいにタチが悪い。
今日もプレイヤーは寝る間も惜しんで銀河中を駆けずり回る……。

バージョンアップでシステムの根幹が大きく変わっているのも特徴の一つ。
プレイヤーだけでなくライバルAIもそれについていけず植民惑星をまともに運営できていなかったり等もよくあった。

Steamでは他のパラドゲー共々頻繁にセールを実施しており、期間限定の無料プレイキャンペーンも行われている。
攻略wikiではその度に「や す い」「た だ」とでかでかと書かれた画像が表示される。




◇基本的なゲームの流れ


平面上の銀河マップに存在する様々な恒星系を調査用の宇宙船で探索しつつ、建設船で拠点を作り、支配領域を広げていく。
手に入れた星系の惑星や恒星から資源を採掘したり、生物が住める惑星に入植して人口を増やしたり、各種資源の収支や国内の情勢に気を配りながら内政を行ったり、未知の文明と接触したり、軍拡したり外交したり戦争したりイベントを起こしたりしながら国力を上げていき、自らの目的を遂行しつづける。←大抵は明確な終わりがない(ここ重要)

一応、勝利条件として開始300年後、即ち西暦2500年(設定で変更可能)に軍事や内政を含めて総合的な国力が最も高い国が勝者となる。
勝敗が決まった後もゲームは続けられる……というか自分で理想の銀河勢力図を作るまで続けたり、自身の帝国滅亡後も銀河の行く末を見届けられるので、ゲームシステム上のクリアそっちのけで満足するまで遊び続けられることを強いられる

DLCやMODを入れないバニラの時点でも自由度は高く、元となる史実など当然存在しないので、各自好きなように拡張や外交を行っていくと良いだろう。






◇特徴


こういうのが好きという人には是非おすすめ。

まず本作は戦略ストラテジーなので、同ジャンルが好きな人なら高確率で沼にハマれる。
宇宙系SFのネタがふんだんに盛り込まれているため、同ジャンルが好きなならやはり沼にハマれる。
深宇宙の神秘の探索、古代文明の遺産の発掘、自分で設計した宇宙戦艦で艦隊戦、異文明との外交や同盟、全宇宙が恐怖する銀河の危機etc.といったワードにピンと来るなら是非。

ストラテジー要素専門の内容ではなく、RP(ロールプレイ)に適した下地があるのも特徴で、勝利を目指す以外にも様々な楽しみ方ができる。
例えば選択可能な種族とビジュアルは一般的なヒューマノイドに加えてエイリアン型や鳥人、昆虫、キノコ、果ては岩石生命体など数多く、同種の存在でも大量に用意されている。
新しい性癖の扉を開けるチャンスかも知れない
エルフやドワーフもいるぞ!

国や種族ごとに得意分野や特性があり、戦争へのスタンスや統治思考などもかなり多岐に渡る。
プリセットもあるが、それぞれ開始前に細部を変更したり、まるっと新規で帝国を作ることも可能だ。
そう、君だけのオリジナル帝国を作れるぞ!

グラフィックは高水準で、惑星や恒星、施設や兵器などもズームアップしても問題ないようにしっかり作り込まれている。
あまりにもよく出来ているのでブラックホールや恒星、一部のオブジェクトなどは拡大すると人によってはちょっとコズミックホラー的な怖さを感じるかもしれない。
発売当時はSLGとしてはやや高めのスペックを要求されたが、2024年現在は発売からそれなりに経過していることもあり、よっぽど古いPCや低スペックでもない限り問題なく動作すると思われる。(もちろんあらかじめ調べておくのが望ましい)

研究開発で得られる技術や知識は一般的なSFに準じており、初期の核分裂エンジンから核融合炉、対消滅炉やゼロポイントエンジンまで開発していける。
他にもクローニングやロボットへの自我の付与などSF要素が盛り沢山。

古代遺跡の発掘時や帝国の解説など、フレーバーテキストが非常に凝っている(PC版は日本語MODの適用必要あり アップデートで公式日本語対応がなされた)。
ちなみに、オリジナルの帝国を作った際にはその帝国の起源などのフレーバーを自分で作成できる。
指導者や人材の名前も決められるし、立ち絵も豊富。なんならMODで立ち絵を更に追加できるのでロールプレイにはうってつけ。

マルチプレイにも対応しているので、大宇宙で協力するなり足を引っ張り合うなり自由に遊ぼう。

逆に向いてないのはむしろ従来のパラドゲーのような本格的な史実シミュレーター要素を好む人。
2200年スタートという未来でランダム生成された銀河でランダム生成された帝国とやり取りするので当然と言えば当然だが…。
バランスやらゲームの不安定さに定評のあるパラドゲーの中でも特にアバウトなので本作のシミュレーション要素はあくまでフレーバーとして割り切るのが良いかもしれない。

なおパラドゲーの中でも更新頻度が高くDLCも膨大な為、DLCの有無やバージョンで完全に別ゲーと化す。
そのため少し前の攻略法が1年後には役に立たなかったりもザラである(無論、本記事の内容も例外ではない)。




◇難易度設定


民間人、士官候補生、少尉、大佐、准将、大将、元帥の7段階。デフォルト難易度は士官候補生。
民間人、士官候補生はプレイヤー側にバフが付き、少尉は敵にも味方にも補正がかからない。
それ以上は難易度を上げるごとにAI帝国(と野良勢力)にバフの補正がかかっていく。
まずは民間人か士官候補生でやってみよう。民間人でも強いと思うならMODにさらなる初心者向けの設定もある。
ただAI帝国が弱い=同盟国も弱いため、低難易度だと仲間が使い物にならない上に後述の中立勢力の強さは相対的に上昇する。




◇帝国


本作におけるプレイヤー国家・勢力のこと。
基本的に帝政ではなくても帝国と呼ぶ。
帝国の種類は多岐に渡り、1回のプレイで登場する帝国は、プリセットされた帝国やランダム生成の帝国から選出される。
自分のオリジナルの帝国を作ることも可能で、その帝国でプレイするだけでなく、他帝国プレイ時にAI帝国として登場させたりも可能。

帝国の性格は

  • 統治する種族
  • その帝国がどのようにして生まれたかの起源
  • 軍国主義、平和主義、受容主義などの志向
  • 民主制、君主制、企業、集合意識といった統治形態
  • 志向や統治形態に応じて選択できる国是

を組み合わせてそれぞれに個性付けされる。

とりあえず初プレイはプリセット帝国の国際地球連合(United Nations of Earth)を使った防衛&連邦形成による同盟プレイが安牌。
多種族に受容的で融和的なので他国からの印象が良くなり味方を作りやすく、且つこちらからの戦争には制限がないので初心者にもとっつきやすい。

なおスペースナチスこと人類起源独立国(Commonwealth of Man)を始めとする排他国家プレイは使いこなせば覇権プレイこそできるが、それを成すには上級者向けなので間違っても最初に選ばないように。





種族

前述した通り、本作には様々な種族が登場する。
我らが人間をはじめとして、おなじみドワーフやエルフ、獣人といった人気どころから、
鳥類、魚類、甲殻生物、ケイ素生命体、機械生命体、果ては菌類や寄生生物までよりどりみどり。
非常にバラエティ豊富なので好きな外見で楽しもう。

種族は特性を持っており、これによってどういう種族であるかが個性付けされる。また同様に決めた母星により居住適性が決まる。
もちろんオリジナル帝国作成時にどのような肉付けをするか自在に設定できる。
特性は遺伝子的に由来するもので、単純に知性や肉体的なものから、社会性や生活習慣に近いものまでさまざまなものがある。
デメリット特性もあり、あえてこれを付けることで利用できるポイントを増やすこともできる。
どういった特性を付けるかはポイントの許す範囲で自由。今回は「愚鈍」だが「繁殖力が強い」種族にしよう…といった具合に、ロールプレイ重視か効率重視かは貴方次第。
ゲーム中も、遺伝子学系技術の研究によって多少ではあるが新しい特性を付与したり、デメリット特性を消したりできる。イベントによって増える事も。

種族の見た目による能力の差は基本的に存在しないが、植物種族と菌類種族は専用の特性を使用することができ、岩石種族は固有の種族特性が強制される。
機械種族は成長(繁殖)が不可能で製造でしかPOPを増やせないなど、多くの要素が専用のものに置き換わる。
種族によっては特殊な起源や国是でプレイすることも可能。

ゲーム中に別の種族に会えば当然別の特性や居住適性を持つため、他種族を活かして共存して行くのはもちろん、奴隷として酷使したり遺伝子改造で強力な兵士に仕立て上げたりと種族一つとってもプレイの幅は広い。
さらに特殊なアセンションパークを取得することで、異種族交配からのハーフを産み出すことも可能。


起源

その帝国がどういった形で生まれたかを設定するもの。
我らが太陽系出身で惑星を統一して宇宙に進出から、ご先祖様が--検閲--してくれやがった所から始まるポスト・アポカリプスなどなど。
機械知性であればその起源が何なのかを設定する。
単純に序盤の立ち上がりが有利になるもの、種族そのものの在り方を変えるもの、特殊イベントを持つものなど幅広い。
中には一定期間が経つと母星が爆発してしまうなんてものもある。


志向

帝国の性格、スタンスといったところ。同じ種族でも志向が変わればプレイスタイルががらりと変わるため非常に重要な項目。
通常の志向とよりその志向を推し進めた狂信的な志向がある。
帝国作成時は志向ポイント3ポイントを通常1ポイント、狂信的2ポイント消費で割り振る。3ポイント消費が必須なので「狂信的1つ通常1つ」か「通常3つ」で割り振ることになる。
ただし志向に軍国主義と平和主義、精神主義と物質主義のように対立する志向があり、これらは同時に選べない。
特殊な志向としてDLC追加の「ゲシュタルト意識」があり、これは3ポイント消費するため他の志向は選べない。

大きな特徴としては、POP(国民)もそれぞれ異なる志向を持っており、帝国の志向と一致していれば満足して幸福度が上がるが、そうでない場合は不幸になる。
戦争で奪った星のPOPは大抵志向が異なるので、たとえ完全市民権を与えられていようが幸福度が低くなりがちで、適切に管理しないと反乱を起こす場合もある。

軍国主義
対立志向は平和主義。
The・戦争向き志向であり、序盤ではなかなか上げる手段の少ない艦隊連射レート(≒ダメージ出力)を向上させることで早期から火力面で優位に立てる。
請求コスト削減も相俟ってガンガン攻めていきたい人におすすめの志向。
軍事傾倒から嫌われがちと思いきや意外にも他国からの外交態度にマイナス補正がない
流石に平和主義からは嫌われるものの、狂信軍国でも他国と仲良くするプレイが可能なため意外と幅広いプレイに対応している。

平和主義
対立志向は軍国主義。
軍国主義とは真逆の強力な内政向けのボーナスを持っているが、こちらから領土を直接奪う戦争が仕掛けられなくなるという大きなデメリットがある志向。
なので平和的なプレイに向いている……かと思いきや、イメージとは裏腹に他者との協調を望む平和ではなく、自国が平和に繁栄したい(儲けたい)が近いので注意が必要。そのためか外交面でのボーナスもあまり大きくない。
また、狂信平和でなければイデオロギーの強要で攻め込むことも可能。戦争に請求権を付けなくていいので他国に喧嘩売りまくる狂犬プレイも出来る
しかし狂信平和になると一切の宣戦布告が不可能になるため相当特殊なプレイを強いられることに。
いずれにせよ軍国主義以上に戦争にどう向き合うかが重要になる。

排他主義
対立志向は受容主義。
他国との外交評価と引き換えに大きな拡張能力と成長能力を得る志向。
国力は伸ばしやすいが周囲が敵だらけになりやすいデメリットをどう見るか。他種族に市民権を与えられないので第一種族の強さは重要になる。
また同じ排他主義でも2つの全く異なる性格を持っているのが特徴。
一つは他種族に対して無慈悲な対応を行える侵略的・攻撃的な排他主義
基本的に排他主義と言えばこちらを指すことが多い。
他種族を奴隷化可能で、奴隷の種類として「家畜」を選択できたり、「浄化」でPOPそのものを消し去ることが出来る。
浄化方法もバリエーション豊かで「駆除」「強制労働」「去勢」等から細かく選択できる。当然他国からの外交感情は大きく悪化するのでご利用は計画的に。
亜種にこちらからの外交のみ可能な「横柄な純粋主義者」といったものもある。
さらに先鋭化して狂信排他+軍国or精神で他種族絶対滅ぼすマンになれる「狂信的な浄化主義」も存在する。
もう一つは平和主義との組み合わせによる平和的な排他主義
ひたすら他国に興味がなく、外交を断固拒否して引きこもって永遠に内政する「内向きの成熟」の国是が特徴。
何かと難点が多いため熟練者向けになってしまうが、ある意味では奇妙な内政・外交マネジメントが楽しめる。戦争に飽きた内政狂は一度は試して欲しい。
不可侵条約や連邦の準加盟まではペナルティがないため、銀河の行く末を見届けるのにいいかもしれない。

受容主義
対立志向は排他主義。
無条件の外交評価ボーナスや外交に使える使節が増加するなど、分かりやすく他国と仲良くする志向で、それを活かすために外交を重視したプレイになることが多い。
相手が狂信排他とか浄化とかでもない限り出会って即国境閉鎖のような事態が減るため、平和主義よりよっぽど平和にプレイできる
適当に仲良くお付き合いしているだけで拍子抜けするほど簡単に連邦が成立するほど。
またバージョンにもよるが、外交がしやすいという事は、資源売買、研究協定などで他国を利用して弱点補強する戦略が使えるということ。
直接的に国力を増やす手段にはやや欠けるが、流入魅力を上げまくって他国からバンバン移民させてPOPを伸ばすことが出来るので内政も悪くはない。
また平和主義と違って戦争に制限がかからないので、その意味でも初心者によくオススメされる。
イデオロギーを強要して受容主義大連邦を作り上げたりもできる。
…というかAIも受容主義を掲げて他国に戦争ふっかけている姿はごくごくありふれた光景である。
交易価値増加の効果もあるため、企業帝国も基本的にこれになる。

平等主義
対立志向は権威主義。民主制を好み、種族の権利を尊重する(例外有)。
昔のバージョンでは民主制が使いづらい統治形態だったがアプデで使い勝手がかなり増したので選びやすくなった。
専制的な統治形態が選べない代わりに専門家の出力増が強いのが特徴。
民主制という性質から、派閥の影響が大きい志向であり、良くも悪くも派閥の管理が重要になる。
外交面では、物質-精神と同様、権威主義と互いに態度のマイナス補正がかかり、平等主義同士だとボーナスが付く。
ちなみに平等とはあくまで市民権のある種族に対してであるため、排他主義と同時に採用すると、
「異種族を奴隷や家畜として酷使する平等主義国家」も作れてしまう。

権威主義
対立志向は平等主義。厳格な階級社会を是とする。
独裁制や君主制と密接な関係にあり、奴隷制やエリートなどの特権階級を好む。
性質としては民主な統治形態が選べないが、影響力の増加が便利。影響力は上げる手段が少ないのでこれ目当てで権威主義採用も十分アリ。
奴隷が使えるのもポイントで、志向補正も相俟って労働者の出力を高めやすい。
同じ奴隷利用可の排他主義よりは外交ペナルティが軽く、他種族の権利を完全市民権から奴隷まで柔軟に選ぶことができるのも優れた点。
もちろん必ずしも奴隷制を採用しなければならない訳ではないし、プレイヤーの工夫次第でマイルドにもできる。
これらの代償として、他国からの態度にマイナスがかかりやすいのが難点。
特に一緒についてくる派閥はかなり高圧的なエリート主義じみた性格であり、他国の従属化を好み、自国の弱体化を厭う。
その意味で軍国主義と非常に近しい関係にあり、彼らの要求をなんでも呑むと平等主義や平和主義、果ては受容主義帝国からも嫌われやすくなる。
また平等主義と違って権威主義同士は特に外交ボーナスがない。嫌われないだけマシか。

物質主義
対立志向は精神主義。機械とデジタルを是とし、精神的で科学で説明できない変なものは信じない。
研究力!研究力!ロボット!な志向。
ゲーム的な性質は研究補正がほぼ全て。しかし研究はゲーム中ずっとやり続けるのでどんな状況でもメリットを享受できる。
また派閥的にロボット利用やサイバネティクスや機械化を好むため、これらを活用する国家に向く。
というか、ロボットを使わないと派閥からブーブー不満が上がってくるので、ロボットの活用は欠かせない。
ついでに他国と一緒に研究してえ!もっともっと!…等と要求してくるので戦争から平和プレイまで幅広く噛み合う。
なお物質-精神は同じ志向同士で外交ボーナス・対立志向で外交ペナルティという最も標準的な対立志向である。
つまり銀河に精神主義が多いと敵も増えてしまいやすく、逆の場合は味方が増えやすい。

精神主義
対立志向は物質主義。超自然的な力を信仰する宗教が主軸となる。
Stellarisでは信仰を通じて高次元との接触を図ったり、超能力や霊体との関係が深く、機械的な肉体改造や人工知能を嫌う生身主義的なもの。
ゲーム的には統合力!統合力!ロボットは死ね!な志向。
固有建築物の聖堂は精神主義の魅力を高める効果があり、国民を洗脳……もとい精神主義に染め上げて内政が安定しやすく、統合力稼ぎにおいては群を抜く。
例によって物質とは強烈に嫌い合っているのでサイバネティクスや機械化は難しいが、代わりに超能力に強い適性を持つ。
精神主義の派閥はより先鋭化した要求を行い、ロボットを使うと評価が下がるものの、逆に言えば地雷さえ踏まなければ安定して要求を満たしやすい。
AIの精神主義は超絶的に温厚で平和的になるか、他種族滅ぶべし又は物質主義根絶させるマンという極端に走りがちである。

ゲシュタルト意識
「個」が存在しない、種族全体が一つで統一された特殊な志向・帝国。
統治形態が「集合意識」(生体系)・「機械知性」(機械系)で固定され通常帝国とは全く異なるルールが適用される。
統治者が不死、大きい影響力バフ、幸福度管理が不要等の多数のメリットを持つためぶっちゃけ強いが、通常帝国とはあまりにもルールが違いすぎるので内政には慣れがいる。
通常帝国と外交自体は可能だが、種族としては相容れることが出来ず移民は不可、惑星制圧等で通常帝国に集合意識POPがいる場合は強制的に浄化対象となる。


統治形態

志向と共に帝国の性格を決定づける要素。
統治者の選出形式を決めるもので、基本的には選挙・世襲・企業統治に分かれる。
志向で権威主義、平等主義、ゲシュタルト意識を選んだ場合を除き、自由に決めることができる。

  • 民主制
統治者の任期は10年。選挙は全てのリーダーが立候補する。
統治者の在任期間が10年と短く選挙の回数が多い。派閥へのボーナスが大きいのが特徴。
過去Verではどの候補者が当選するかが運ゲーと化していたため人気が低かったが、アップデートで狙った統治者を当選させやすくなったので大幅に使いやすくなった。

  • 寡頭制
統治者の任期は20年。選挙は前任の統治者含む4名が立候補する。
評議会へのボーナスが大きいため強いリーダーを複数育てるような国家で強い。
何かと統合力を喰うのがネックだが、選挙時に任意の立候補者を確定で当選させることが出来るので民主制に比べて安定感は高く、
緊急選挙を使うことで任期中でも統治者を挿げ替えることが出来るので独裁制よりも柔軟に動ける。

  • 独裁制
統治者の任期は終身。統治者が死亡すると選挙が行われる。選挙方式は寡頭制と同じだが緊急選挙はできない。
他統治形態に比べ布告資金のボーナスが多い。
統治者の寿命が来るまで選挙のことを考えなくていいため比較的扱いやすい統治形態。

  • 君主制
統治者が死亡すると後継者が統治者となる。選挙は無く、後継者は統治者と同じ種族でランダム生成される
選挙が無いため後継者の情報だけ見ていればいい…のは昔の話、Ver3.8.4現在は後継者がランダムなリーダーとして生成され、一般リーダーと同じように活動できるようになったため後継者育成の要素が生まれている。
ロールプレイ要素は高まった一方、ランダム生成の後継者に貴重なリーダー枠を1枠埋められてしまう問題が発生し、実利面では少々癖がある統治形態となった。
中には後継者が死んでもすぐに別の後継者が再生成されることを利用して、わざと後継者を戦死させる後継者ガチャするプレイヤーも。

  • 企業
統治形態は寡頭制に準ずるが、通常帝国とは異なる国是や建築物などが採用できるようになる形態。
支社システムなど外交面も大きく変化するためゲシュタルトほどではないが変わったプレイが行える。

  • 集合意識・機械知性
ゲシュタルト意識の志向を選んだ場合に選択できる統治形態。というかこれしか選べない。
種族ポートレートが機械系の場合は機械知性、それ以外の場合は集合意識となる。
統治者が不死であるため選挙は存在しない。
帝国としては企業以上に独自の要素が多く、ほぼ全ての要素がゲシュタルト系専用のものに置き換わる。


国是

帝国の性格を決定づける最後の要素。
国是の多くは特定の志向や統治形態を要求するので、志向と統治形態によって形作られた帝国の方向性をより補強するものと思ってもらえばいい。
帝国全体にさらなる特徴や様々なボーナスを与える。
イメージとしては「この帝国では○○なことが行われている」「△△な文化がある」といったものを選ぶ感じ。
ゲーム的にもフレーバー的にもその内容は多岐に渡り、「機能的建築様式」「採掘ギルド」のような何も考えずに採用していいものから「奴隷ギルド」のようにプレイスタイルを変える必要のあるもの、「狂信的な浄化主義」等の取った瞬間別ゲーと化すものまで様々。




◇銀河


ゲームの舞台となる銀河。最初は謎だらけだが、探索を進めていくことで様々なものが見つかっていくだろう。
設定で銀河の形状、星系の数、ハイパーレーンの疎密などを設定できる。

星系、惑星

一つの恒星系が領土の最小単位となる。つまり太陽系全体で1領土単位。
星系内には居住可能惑星が存在することもあり、環境が種族に合っていれば入植することが出来る。
惑星には湿潤、乾燥、寒冷の3種類の気候が存在し、さらに細かく3つに区分される。
湿潤気候なら大陸型、熱帯型、海洋型の3種類で、我らが地球は大陸型惑星。
入植に適しているのはその種族が誕生した星と同じ気候の惑星で、適性の低い惑星に入植することも一応は可能なものの、資源消費量の増加やPOP成長率の鈍化など、様々なペナルティが課される。

テラフォーミングの技術があれば、かなりの資金と時間を消費するものの、惑星を別種の惑星に変化させ、住みやすくすることもできる。
完了時にイベントが発生することもあり、「火星をテラフォーミングしたら未発見だった地底文明が沸いてきた」といった珍事の発生も。
また、ガイア型惑星というあらゆる生物に適性のある最良の惑星も存在する。
更に遺物惑星というかつての文明が残した古代都市に覆われた惑星は、高度なテクノロジーと大量の資源を投じてその機能を復活させることで…

ちなみにの惑星という特殊な居住可能惑星も存在する。
惑星全体が放射線と死の灰で埋め尽くされ当然ながら例外を除いて移住できても凄まじいペナルティがある。
なお無数の爆発の跡がある…あっ…(察し)ふーん…

他にも、不毛の惑星、有毒惑星、氷結惑星、溶融惑星、巨大ガス惑星等があるが、これらは特殊な起源を持つなど一部の例外を除いて住むことが出来ず、テラフォーミングも通常の惑星より困難だったり不可能だったりする。

もちろん我らが太陽系もバッチリ実装されている。
なんとほぼ全ての惑星が固有グラフィックをもらえている上に、火星(特殊な条件で金星も)が将来的にテラフォーミング可能、状態というお得な星系となっている。
なお冥王星はそのへんの石ころ小惑星扱い。

余談だが太陽系スタート以外の帝国でプレイした場合、銀河のどこかにソルという名前で太陽系が出現することがあり、探索すると前FTL文明のいるソル3(地球)が見つかる。
通常は大陸型惑星で文明レベルは中世だったりWW2だったり近未来だったりするが、中には死の惑星と化した地上を準知性生命体である「ゴキブリ」(という名前の種族)が闊歩しているパターンも。おお…もう…。
死の惑星の場合は一応このままでもなんとか住めるが、素直にテラフォーミングしたほうが良い。
ただしそのままテラフォーミングすると、全ての居住可能惑星で一定の適性があるという驚異的な順応性を持つゴキブリが死んでしまうので
よほどゴキブリが嫌いでない限り彼らを知性化してからテラフォーミングするのが無難。
大陸型惑星状態ならテラフォーミングなしでも住みやすいので人類の進化を眺めるなりそのまま侵略するなり自由にできる。
ちなみにWW2の地球を侵略すると何故か専用の実績が解除されたり、コロッサスで地球を消し飛ばすとワームホールが出現したりといったネタもある。*1

アノマリー

銀河を探索する中で、ちょいちょい見つかる不思議な存在。古代の遺跡や神秘的な現象、奇妙な生物の発見まで様々。
調べることで新たな技術が発見できたり、資源やエネルギーが獲得できたりする。
アノマリーには調査難易度があり、高度な知見を持った科学者であるほど調査時間が短くなる。

……ただし、宇宙は危険がいっぱい。失敗して大惨事になることも稀によくある。全ての問いに価値ある答えが見つかるとは限らない。

考古学地点

DLCで追加される要素で、惑星調査中などで見つかることが興味深いエリア。
ざっくり言うならすごいアノマリーといったところだが、発掘調査は連続イベントとなっておりフレーバーが非常に凝っている。
完全発掘まではかなり長い時間がかかるが、その分「出土品」という固有の報酬が得られる。さらに貴重な遺産の入手やレアイベントが起きることも。

スペシャルプロジェクト

一部のイベントやアノマリー調査の結果などから発生するもの。
進め方は様々でプロジェクト地点に科学者を派遣したり、一定期間の研究を進めたり、軍艦で敵対勢力を排除したり等バリエーション豊富。
先駆者イベントなど大型イベントの一部であることも多く、こういった場合は各地に散らばる複数のスペシャルプロジェクトを発見し、こなすことでイベントが進んでいく。
クソ面倒くさい癖に報酬がしょぼいのも割とある

FTL

Faster Than Light(超光速)航法の略称。これのおかげで何光年も離れた他星系へと短時間で移動することができる。
SF作品では様々な形式のFTLがあるが、本作では「ハイパーレーン」と呼ばれる方法が主流。
探査船を使って超空間内部に星系同士をつなぐ安全なルートを探し、それを通って他星系へと移動する。

この他にも、
ハイパーレーンを無視して特定範囲内の星系に直接移動できる「ジャンプドライブ」
天然のワームホールを固定、安定化して使用する「ワームホール」
任意の2点間を接続する超次元ゲートを設置する「ゲートウェイ」
銀河の任意の地点へ艦隊丸ごとブン投げる「量子カタパルト」
などが存在する。

以前は「ワープ」「ハイパーレーン」「ワームホール」の三種の中から自文明の使うFTLを選択できたが、現在ではハイパーレーンベースに統一されている。

イベント

宇宙を探検することで様々なイベントが発生する。多くは状況レポートに記載され、アノマリーやスペシャルプロジェクトをこなしていくことで進行する。
選択肢が用意されているようなイベントも多い。




◇内政


入植した植民地の管理を始めとした内政要素。
POPの管理や建物の管理、布告やリーダーの管理など様々なものがある。

POP

Stellarisにおける国民の単位。
1POPが人口の最低単位で、惑星にいるPOPはいずれかの職業に従事し対応した資源を生み出す。
本作では施設を建造しても職業の「枠」しか提供されず、POPがそこに割り当てられて初めて資源が得られるため、POPの多さはそのまま国力に繋がる。
入植した惑星ではPOPが自然成長し、成長期間を終えると1POPが生まれる。特に考えなくても増える一方でPOPを瞬間的に生み出す方法は殆どない。
市場に奴隷として出品されているPOPを買って増やすことも出来るが高額な上に常にいるとは限らない。
自然成長以外に「POP製造」というものがあり、自然成長とは別枠でPOPを生み出すことが出来る。主にロボットPOPが該当するが人工進化ルートのクローンカプセルや集合意識の繁殖プールなど生体POPを製造するものある。
こちらも自然成長とは別枠なだけでPOPを生み出すまでには時間がかかる。

POPはそれぞれ志向を持ち、職場の階級や種族の権利やら生活水準やらなんやらから幸福度が産出され、これが惑星の安定度や犯罪率に影響する。
1POPごとにかなり細かく制御されているので、POPが増える終盤にゲームが重くなる最大の要因と言われているのでPOPごとを入植地をぶっ潰して軽量化を狙うプレイヤーが後を絶たない

建設

資源を生み出す施設や区域を惑星に建設する。
前述の通り本作では施設は職業枠だけを用意するもののため、そこで働くPOPとセットで初めて資源が生み出される。
空の施設でも維持費はかかるのでPOPの成長を考えて建てたり、資源バランスを見ながらPOPの職業割り当てを調整したりするのが内政のコツ。
また惑星の開発構想で特定の職業に資源産出ボーナスを与えられるため、惑星ごとに何かに特化させて運用するのがお勧め。
細かく調整すればするだけ出力を上げていけるため「Stellarisはマイクロマネジメント」と言われることも多い。職業制限のかかる奴隷を運用するならなおさらである。
面倒くさいなら効率は良くないが建設自動化も出来る。

資源

本作における経済力の基盤となる資源。惑星に建設した施設で生産できる他、入植できない惑星や小惑星に採掘基地を建設することでも生産できる。
特徴的なのは「エネルギー通貨」で、エネルギーによって保障された通貨、いわばエネルギー本位制の貨幣とも言うべき設定となっており、取引に使用されるお金でありながら発電区域での生産や恒星からの採掘で入手できる。
また、実体のない資源として「影響力」「統合力」「研究力」が存在する。
影響力は星系基地の建設や条約の維持、請求権の行使などあらゆる場面で必要となり、イベントで得られる機会はそれなりにあるものの、基本的には月ごとに一定量しか入手できず、無制限の拡張を抑制するキャップとしても機能している。
統合力は政治家や官僚、文化人などの高度な職業によって生産され、リーダーの雇用や維持、伝統の取得などで使用する。
研究力は研究者などの職業や惑星に建設する研究ステーションによって生産され、その名の通り研究を進めるために使用される。
基本的に支配圏やPOPが増加するほど資源の消費量も増えていくので、戦争で大勝したはいいものの、獲得した星系とPOPにより消費が激増して財政破綻、などという間抜けな状況を引き起こさないように注意が必要となる。

研究

この手の戦略ストラテジーおなじみの研究要素。
SFらしく物理学・社会学・工学の3分野があり、それぞれからランダムで提示された研究候補から1つを選んで研究を進め、一定の研究力を貯めると研究が完了する。
研究力は惑星に建てた研究所でPOPを働かせたり、研究力を得られる惑星に研究ステーションを建てたりする等で産出量を増やせる。またイベントなどでまとまった量の研究力が得られることもある。
研究候補には稀にしか上がってこない「希少」なテクノロジーや「危険」なテクノロジーもあるのでどれを進めるかの取捨選択には悩まされるだろう。
なお選ばれなかった研究候補はしばらくするとまた候補に挙がってくるため、最終的にはすべてのテクノロジーを研究できる。

伝統

その国の国家運営に当たってどの分野に力を入れるかを選んでバフを与えることが出来るもの。
カテゴリごとにツリーになっており、一定の統合力を貯めることでツリーの開放かツリーの項目を進めることが出来る。ツリー内項目を進める時だけでなくツリー解放時とコンプリート時にもボーナスがある。
現在のバージョンでは最大7ツリー取得可能。全てのツリーを取得することはできないのでプレイスタイルや帝国の特性に合わせて慎重に選ぼう。
効果は割と格差があり、何も考えずに採用して良いものから、特殊なプレイをしたい時でもなければまず声がかからないものまで様々。
一つのツリーをコンプリートするごとにアセンションパークという追加バフも選択できる。
こちらも効果は様々だが、中盤以降のものは後述のアセンションパスなどゲームチェンジャーに成り得るほどに強力・ユニークなものが多い。

アセンションパス

DLCで追加される一種しか採用できない特殊な伝統。前提技術と専用のアセンションパークを取得することで開放され、進めていくことで帝国に暮らす種族を強化・変化させる。
どれも極めて強力な効果を持つが、志向や国是による相性があり、外交関係に影響を及ぼすこともあるので、他の伝統以上に慎重に選びたい。

  • サイバネティックルート
種族をサイボーグ化するルート。志向の物質主義と相性が良く、精神主義との相性は悪い。
サイボーク化した種族は居住適正の向上と寿命延長の効果が得られ、さらにサイボーグ専用の特性を利用できるようになる。
この特性は通常種族の特性と併用可能なので、特定の能力を二重に強化した種族を作り出すこともできる。
サイボーグ用の特性が増えるほどエネルギーの消費量が増加するため、産出が少ない時は財政破綻に注意。

  • 人工生命ルート
機械で肉体を強化するサイバネティックに対し、こちらは完全に生身の肉体を捨てて機械生命体に進化するルート。
種族は機械知性とほぼ同様の特性を獲得し、どのような惑星にも(放射能まみれの死の惑星だろうと)最高の適性で居住が可能になり、寿命も無くなって事故以外では死亡しなくなる。
また種族ポートレートも機械種族のそれになる。
外交面でも機械知性とほぼ同等の扱いとなり各種機械種族との外交が改善する。特に有機生命体絶許マシーンの「断固たる殺戮機械」と外交が出来るようになるのは他にはないメリット。

しかし前提となる技術が他のルートよりも後半にならなければ採用できず、機械化の際に要求される研究力は膨大で、
起源やイベントで入手した有用な特性も失い、新たに特性を付与するのにも研究力を消費と、採用のハードルが少々高い。
精神主義との相性の悪さもサイバネティック以上で、機械化した途端に外交関係が大きく悪化する。
特に問題なのは精神主義の没落帝国も反応してくることで、いくつかの条件が揃うと特に敵対もしていないのに屈服か戦争かを要求してくる。
これらの特徴により、他に比べて採用されることが少ないちょっと不遇なルート。
他国からの移民だろうが単純労働用のロボットだろうが、あらゆる種族を同化して単一種族国家になれるので、管理が非常に楽というメリットはある。

と長らく微妙な評価だったが、2024年5月のDLC、「マシン・エイジ」にて大幅な拡充が行われ、種族が機械の場合限定だが、モジュール式ルート、ナノテクルート、仮想現実ルートの3つに分岐するようになった。
機械以外でもリーダーへの特性追加など以前より強化されており、ようやく不遇を脱したと言える。

    • モジュール式ルート
強力な専用特性が使用可能となり、特性ポイント自体も増加する、いわば人工生命版の遺伝子ルート。
目玉は維持費として希少資源であるダークマターが必要になるのと引き換えに、あらゆる資源算出に40%もの補正がかかるダークマターエンジン。
通常特性が特定の資源のみに10%~20%の補正であることを考えればどれだけ破格であるかが分かるだろう。
他の特性も粒揃いで安定して強力なルートである。

    • ナノテクルート
これまで入手方法が極めて限定されていた希少資源であるナノマシンの入手が容易となり、それを活用して様々な恩恵が得られるルート。
専用の建造物や布告が利用できるようになり、さらにナノマシンを消費して建造する専用の艦艇も運用できる。
本作には宇宙軍許容量という艦艇の保有上限が設定されており、この数値を超えて艦艇を保有すると維持費が跳ね上がるのだが、
ナノテクルートの専用艦艇であるナノマシン・スウォーマーは維持費がゼロのため、許容量を実質無視できる。
……のだが、非常に脆いのでこれだけで艦隊を編成するのは現実的でなく、それ以外は独自の強みに乏しいので、現状では少々不遇気味。

    • 仮想現実ルート
POPが仮想世界で生きるようになるルート。
このルートを採用すると、植民地の職業枠に合わせて自動的にPOPが配置されるようになる。
POPが国力とほぼ同義で、あらゆる手段でPOPを増やすことが重視される本作において、実質無制限にPOPが手に入るというのはゲームシステムの根底を揺るがしかねない効果である。
その代わり植民地数が増えれば増えるほど資源の産出に劇的なマイナス補正がかかるので、デバフと釣り合う植民地数は5~6程度が限界となり、いかに惑星一つあたりの生産性を高められるかが至上命題となる。小国プレイにはうってつけ。
普通に遊ぶ分には非常に強力だが、高倍率の危機の打倒を目指す場合など特殊なプレイの際には、片っ端から入植して生産力の暴力で押し切るという方法が使えないので、一転して最も貧弱なルートになってしまう。


  • 遺伝子ルート
種族の遺伝子を操作するルート。
通常帝国でも行える遺伝子改変の自由度が大きく拡張され、プラス効果、マイナス効果問わず殆どの特性をポイントの許す限り自由に付け外しできるようになる。
第一種族には統治者、研究者向けの特性を付与し、リーダーを輩出できない奴隷にはリーダー弱体化特性で使えるポイントを稼いで単純労働に特化させるなど、役割に応じて種族を最適化できるのが持ち味。
さらに専用建築物のクローンカプセルは、大量の食糧消費と引き換えに人口増加を大きく加速させ、総合的な国力を増大させてくれる。
相性の悪い志向もなく、どのような帝国でも採用の余地があり、それでいて強力な安定したルート。
強いて欠点を挙げるなら、遺伝子改変は種族ごとに研究力を消費して行うため、多種族国家ではその分手間と時間がかかることか。

  • 超能力ルート
種族が超能力に覚醒するルート。精神主義と極めて相性が良く、物質主義とは相性が悪い。
専用特性は「超能力者」のみで他ルートより効果も控えめだが、比較的早期に採用可能なのと、このルートのみの独自要素が非常に多いのが大きな魅力。

このルートでのみ進入できる「シュラウド」は、精神世界とも別次元ともつかない特殊な空間で、そこから様々な恩恵を獲得することができる。
ハマれば非常に強力だが、平時なのに戦争関係の恩恵ばかり選択肢に出てきたり、運が悪いと失敗して呪いをかけられたりと、ランダム要素が強く使いづらい。
とはいえ固有の技術や部隊が得られることもあるので挑戦の価値はある。さらに選択肢によってはリーダーの一人が絶大な力を持った不死の超能力者になり、「神」として永遠に帝国を統治することもある。

さらにシュラウドで上位の存在と接触することで、帝国全体に恩恵をもたらす契約を結ぶこともできる。ただし恩恵には代償が付きものということで、何らかのデメリットも必ずセットになっていることには注意が必要だ。
通常契約できる上位存在は多大な恩恵といくらかの代償がセットになっているが、低確率で契約できる「円環の終わり」は、契約から50年の間は何の代償もなく極めて絶大な恩恵を享受できるが、50年後に属国含めたすべての惑星が滅びるというとんでもない代償を運び込んでくる。

なお、創設種族が超能力を持っている場合、一部のイベントで追加の選択肢が登場したり、会話が通じない相手と意思疎通が可能になったりする。一部の危機とも交信が可能。
あくまで話が聞けるだけで和平は不可能なのだが、危機のバックボーンなどを把握できるのも超能力ルートの独自要素である。



巨大建造物(メガストラクチャー)

でかあああああああい!!説明不要!!
DLCで追加された男のロマン。でっかいことはいいことです。

膨大な量の資源と数十年単位の建造期間を要する天体サイズの巨大施設であり、技術研究の到達点の一つ。
資源供給が安定するゲーム終盤の基準でも尚絶大な資源や研究力を生み出し、帝国の国力を更に増強してくれること間違いなし。
たまに戦闘や経年劣化などで機能停止している先史文明の超巨大設備群を発見できることもある。こちらも相応の技術と莫大な資材があれば修復が可能。

宇宙空間に人を住まわせることができるスペースコロニー「軌道上居住地」に始まり、
完全にオーバースペックな巨大科学研究施設「サイエンスネクサス」、
最高効率の住居を提供する恒星を囲う超巨大人工天体「リングワールド」、
宇宙を一望できる超広域センサーユニット「セントリーアレイ」、
更にはSFファンにはお馴染み「ダイソンスフィア」も作れてしまう。
作ればエネルギーに困ることはなくなって大金持ちのウッハウハである。
また、ダイソンスフィア建造を進めると恒星の光が無くなった同星系の惑星は凍結し、他の国から「おい星座が変わったじゃねーか」とクレームが入るイベントもあったりする。
その他いろいろ目白押し。

是非テクノロジーを取得して作ってみるべし。




◇リーダー


帝国の様々な分野で活躍する人材。統治者もリーダーの1種として扱われる。
艦隊、探査船、植民地など担当する部門に配属することで様々なバフを与えたり特殊な活動が行えるようになる。
リーダーは経験を積むことで成長し、レベルアップで様々な特性を得て強くなっていく。
特性は強力な効果を持ち、これ活かせば効果的に活躍させられるが、マイナス特性を取得してしまうこともある。
更に寿命が来れば死ぬし、戦闘や事故、イベントで死んでしまう場合もある。
かつては探索と研究にモロに関わる科学者以外はとりあえず適当に雇って割り当てておくか、ぐらいのイマイチ影が薄い存在だったが
アプデでリーダー雇用上限と引き換えに性能と育成要素が恐ろしく強化され、Ver3.8.4現在は評議会要素も相俟って強リーダーを育成することで確かな見返りを得られるようになった。
ユニーク名と能力を持つ高名なリーダーや伝説のリーダーも存在する。

  • 提督
艦隊を指揮するリーダー。
割り当てた艦隊にバフを与えるという分かりやすいリーダーながらその強化幅は大きい。戦闘しないとあまり成長しないが戦闘に敗北するととたまに死亡するので育成は面倒な部類。
性質上、大戦争の起こる中~終盤では出番が急増するがそうでないときはただの金食い虫という若干困ったやつでもある。
なお、戦闘艦は基本的に未探索の星系に進入できないのだが、リーダーが強化されて以降は提督の指揮する艦隊であれば進入が可能になったので、限定的ながら科学者の代替もできるようになった。

  • 科学者
探査船に搭乗し、星系の探索や各種研究を行うリーダー。
科学者で探索→探索済み星系に前哨地を立てて領有という形で領土拡大を進める序盤では特に重要な存在。
領土拡大が一通り終われば今度はアノマリーの探索や発掘などで銀河中を駆け巡り、戦争が起こればデブリの回収、それも終われば研究の支援と、やることが非常に多い。よく過労死しないな…
やることが多いので経験値を得やすく成長はしやすいが、未知の星系に進入したら宇宙生物に襲われたり、ファーストコンタクト中の帝国が敵対的な勢力で生体解剖されたり、考古学の発掘中に事故死したりと、勝ち戦なら死なない提督・将軍以上に殉職率が高い激務である。
研究主任という形で研究バフを与えることも出来るので序盤から研究型の科学者を育成しておくメリットも大きい。

  • 役人
惑星に配置することでその惑星に様々なバフを与えるリーダー。長らく「総督」という名称だったが、銀河共同体にも派遣できるようになって変更された。
何も考えなくても置いておくだけで内政が強くなってリーダーは成長していくため手がかからない。
そのためとりあえず雇って置いておけポジションで多数の総督が活躍していたが、リーダー雇用上限の影響をモロに受け、とりあえず科学者と提督優先、余ったら総督みたいな感じになってしまったため出番が減ることに。将軍は最初から数えられてない
役人に生まれ変わった後は生産バフを始めとする強力な特性を引っ提げて帰ってきたため無事に復権している。

  • 将軍
惑星上で戦闘する地上軍や防衛軍を強化するリーダー。
地上軍自体が優勢を確定させてから押し込むもの、地上防衛戦はそもそも艦隊戦で負けた時点で防衛地上軍が死ぬまで宇宙から軌道爆撃されるので「将軍がいたからなんとかなった」ということがまるでなく使節以外のリーダーでは断トツで影が薄い。
それゆえリーダー雇用上限追加時も多くのプレイヤーから何の躊躇いもなく切り捨てられた悲しき存在。
君主制の後継者が将軍だった場合は雇用枠を無駄に埋めないために抹殺される場合すらあるなど最早お邪魔虫扱いである。
流石に開発もこの現状を見かねたのか、将軍に諜報関連を強化できるという特性が追加されている。
諜報関連は強化手段が極めて限られるため諜報を重視するならなんとか採用が見込めるようになった。本来の地上軍強化は相変わらずアテにされていない
一応、地上軍を確実に強化してはくれるので、リーダー枠に余裕があれば一人は確保しておきたい。裏を返せば二人以上は要らないということでもあるが……。
と思っていたら2023年11月のアップデートにより、提督と統合される形での消滅が決定した。冥福を祈る。
しかし提督との統合後も将軍向けのリーダー特性は死滅しておらず、たまに提督として育てたいリーダーに発現してプレイヤーを悩ませ続けている。成仏してくれ。

  • 使節
主に外交で活躍するリーダー。外交以外には諜報やファーストコンタクトの解析なども担当する。
他のリーダーと異なり育成要素が無く、何らかの理由で死亡しても即座に補充され、リーダー雇用上限の数にも含まれない。
使節は同時に1つ任務しかこなせないので、同時に運用できる使節の人数が一番重要となる。
名目上はリーダーだが、実質的にはその帝国の持つ外交力・諜報力といったパラメータに近い存在と言える。

評議会

帝国の中でも統治者など選ばれたリーダーが所属する組織。
Ver3.8で追加されて早々リーダーの地位を劇的に向上させ、大リーダー時代を発生させた。
評議会には役職があり、それぞれ役職に応じた帝国バフと就任できるリーダーの種類が決まっており、就任したリーダーのレベルが高いほど役職から得られるバフが大きくなる。
評議会にいるリーダーは通常の任務とは別枠で経験値を得られ、更にリーダーの持つ評議会特性が有効となる。
この評議会特性は帝国全体に作用する強力なものが多く、評議会特化リーダーを育成することで得られるメリットが非常に大きい。
また方針というシステムがあり、こちらは様々なバフを帝国に与えることが出来る。




◇戦争


既に書いた通り、本作には戦争要素が存在する。
相手国に因縁をふっかけたりふっかけられたりで星間戦争のスタートだ。

2023年時点のバージョンには「請求権」というシステムが存在し、あらかじめ「この星系は俺たちのものだ!」と敵国に宣言しておかなければ、戦争に勝利しても星系を奪えない。請求権を行使するためには入手手段が限られる「影響力」が必要で、自国から離れた星ほど必要な影響力も増えていくので、小国でもなければ一度の戦争で帝国が滅ぶことは稀である。
戦争が始まった後に請求権を追加することもできるが、戦争をふっかけた側は余分な影響力が必要となるので、開戦前に行使しておくのが基本だ。
また請求権を付けたことは相手側にも通知が行く。AI帝国がこちらの領土に請求権を付けてきたのならばそれは戦争の合図ということである。

戦いの流れとしては艦隊戦を制して領土を制圧して取り合っていくことになる。艦隊戦で勝利して制宙権を手に入れたら、敵の惑星に地上軍を降下させて制圧していくという流れ。敵の抵抗が激しい場合は戦闘艦から惑星を攻撃する「軌道爆撃」で防衛軍を削ることもできる。
上記の通り請求権による縛りがあるため、本作の戦争では相手国を最後まで屈服させる必要は無く、お互いの戦争疲弊度に応じて上手いこと手打ちにするのが肝となる。
しかし一度大負けすると悲惨で、他の国から漁夫の利で戦争を仕掛けられて滅亡するなんてことも珍しくない。

ぶん殴って領土取りまくって戦勝点を稼ぎ、本格的な反撃を食らう前に和平して領土ゲットというクソ外道な方法も可能。
AI相手にしか通用しないが。

お互いの国是や宣戦布告の内容如何では請求権なしで星系をぶん取れる「総力戦」になることもある。影響力なしで勢力拡大を狙えるが、敵国にも同じことが言えるので、通常の戦争以上に入念な準備が必要だ。
さらに特殊な条件下では途中での和平が不可能な総力戦になることもあり、最後の星一つまで相手を滅ぼすまで終わらない殲滅戦が繰り広げられる。

戦闘艦

本作の最重要要素の一つでもある宇宙での艦隊戦。
その戦いを彩る戦闘艦達を紹介しよう。
戦闘艦は開発した兵装やエンジンを積んで好みのカスタマイズにすることもできる。艦の外観は国ごとに様々だが性能に違いはない。
艦船設計は少々複雑なので、慣れないうちは自動設定にして物量で攻めても構わない。戦いは数だよ兄貴!
兵装は大きく分けてレーザー、実体弾、ミサイル、艦載機の4種類。防御機構はシールドと装甲の2種類を自由に搭載できる。
艦はいくつかのセクションに分かれており、セクションごとに形状を設定できる。この形状ごとに積める兵装スロットが決まっているので同じ艦種でもこれを変えることで小型砲ハリネズミ、大艦巨砲主義、バランス型、空母化等々のバリエーションを持たせることが出来る。
敵対勢力の戦闘艦を破壊して残骸から相手技術を解析、こちらの技術に応用する、なんてこともできる。

艦船は有志のMOD等で更にバリエーションを増やすことが可能。単純なセクション・武装拡張タイプから銀英伝やガンダム系、ヤマト等の再現タイプまで色々と充実している。







◇外交


銀河で他の帝国と出会えば外交を行うことが出来る。
資源を貿易したり不可侵のような条約を結んだり、はたまた宣戦を布告したりと様々なアクションを行うことが出来る。

AIパーソナリティ

帝国の方針に該当する性格を充てられるAI帝国固有のもの。
政治と志向、一部の種族特性に該当する性格があてられる。
要は外交姿勢で、だいたいは特定の性質を持つ他国を好んだり嫌ったりする補正がつく。

慣れてくると「この帝国とは仲良くできそう~」とか「この帝国とはまず敵対しちゃうな」とかなんとなく分かるようになる。
なお実際の友好度はマスクデータではなくゲーム中の外交画面で(要因も含めて)表示されるので初見プレイでも安心。
DLC固有も含めると沢山ありすぎるのでここでは意識しておくと便利ないくつかの性格を紹介。



銀河共同体

銀河のおおよそ半分程度の国が出揃うと設立される星間組織。
設立されると狂信浄化などの外交不可帝国を除きほぼすべての帝国が参加する、いわば銀河版国連といった組織。
銀河共同体では様々な銀河法を投票によって決議し、施行された法は参加しているすべての帝国が影響を受ける。
殆どの法は5段階あり、段階が進むほどメリットも制約も大きくなっていく。
1帝国1票というわけではなく、軍事力や経済力などによって決まる外交発言力というステータスにより表の重みが変わため、強大な帝国ほど発言力も大きくなる。

一部の法は反する行動をとると「銀河法違反」となり制裁を受けるものもある。この制裁内容も銀河法により決まる。
他にも他国から得た好意を利用して決議の表を操作する、特定の国家を危機として宣言し共同体から追放する、
緊急決議や拒否権の行使が可能な理事会、更に上の権限を持つ銀河の守護者、銀河帝国の設立などといった要素もあり、1対1の外交とはまた異なった外交戦が繰り広げられる。

とまぁ色々と聞こえはいいのだが、実際のところ1つの法や決議を通すために閉会2年、決議期間4年もかかるため動きはかなり鈍く、
AI帝国が危機宣言などを通すことも滅多にないので意識して介入し続けない限り大きな動きを見せることはあまり無い。

  • 銀河市場
銀河共同体で決議されることで設立される銀河規模で資源の取引を行う市場。
大抵は銀河共同体の成立後比較的早期に創設の議案が持ち込まれ、賛成多数となると招致合戦を経たうえで設立される。
資源取引のレート自体は銀河市場設立前に利用できる国内市場と変わらないが、売買で変動した物資のレートが適正価格に戻りやすいという特徴がある。

また、奴隷市場も開設され、奴隷制を採用している帝国なら国内の奴隷POPやロボットを市場に出品できる。
出品されたPOPは他の帝国が金を出して購入でき、能動的にPOPを増減させる数少ない手段となっている。
奴隷制を採用していない国家も購入だけなら可能だが、価格は通常より高額になってしまう。
金さえあればお手軽にPOPを増やして国力を増強させることができるので、奴隷売買禁止の決議を全力で潰しにかかるプレイヤーが後を絶たない。

連邦

伝統の外交ツリーを進めると設立できる組織。一部の起源は最初から連邦を設立した状態で始まる。
こちらは友好国同士が組む同盟で防衛協定などよりも強い結びつきを持つ。
参加国は一心同体とでも言うべき状態となり、戦争には全加盟国が参加することとなる。
連邦設立後に後追いで参加することも可能だが、準加盟→正式加盟という手順が必要で加盟には参加国の承認が必要となる。
連邦は「銀河連邦」「研究共同体」「軍事同盟」といった種別と連邦レベルがあり、レベルが上がると種別に応じたバフを得ることが出来る。
参加国の志向一致不一致や派遣している使節の多さから判定される団結度というものが高いほどレベルが上がりやすい。
銀河共同体と同じく連邦にも法があるが、バフデバフがメインの銀河法に比べると決議のルールを決めるものが多い。
連邦レベルが上がると中央集権度を高められるので自国の外交発言力を高めて連邦の動きを牛耳る、なんてことも可能。

中立勢力

ゲームの主役であるプレイヤー帝国とAI帝国のような一般の帝国とは異なる特殊な勢力。
彼らと上手く付き合うのも本作の楽しみの一つである。




◇危機(クライシス)


ゲーム終盤、大体趨勢が決して来てダレる頃に唐突にやってくる全ての勢力に襲いかかる強力な敵性存在。
実質的にこのゲームにおけるラスボスである。

  1. 銀河外縁部からやってくる殺戮宇宙生物「プレスリンの災厄」
  2. 高次元から餌を求めて予兆も無くやってくるエネルギー生命体「異次元からの侵略者」
  3. 技術レベルが特異点に達した文明を根絶する狂ったAI「コンティンジェンシー」
  4. 人々から苦しみを取り除く為に人々の自我を消し去ろうとするナノマシンと大艦隊を従えるロボットの女王「人工生命体の女王セタナ」

以上の4種類の中からランダムで選出され、対処方法もそれぞれ異なる。

没落帝国に匹敵、あるいはそれすら上回る圧倒的な戦力と予測不能な出現でプレイヤーとAI帝国を苦しめる、まさにラスボスである。
だが、バージョンによって強さにバラつきがあるため、場合によってはちょっとうざいお邪魔虫程度で終わってしまう事も。
運が悪いと自分の帝国領内に突然現れて大暴れするため、腐ってもラスボスであるが、それでもデフォルトで銀河全体を席巻する事はむしろ珍しい。
さすがに弱すぎると判断されたのか、アップデートでゲーム設定で危機レベルを1倍~25倍で設定できるようになり、更に別のアプデで3種の危機を連続して登場させられるようになった。2・3番目に選ばれた危機は危機レベルが上乗せされるため手応えのあるラスボス戦を楽しめる。

2021年4月発売のDLC「ネメシス」にてついにプレイヤーも銀河の危機勢力となれるようになった。
さらに2024年5月のDLC「マシン・エイジ」では別の方法で危機勢力となることも可能になっている。
シュラウドへの到達と引き換えに銀河の恒星すべてを爆発四散させるエーテル位相機関、ケタ外れの研究力算出と引き換えにPOPを生きた部品として使い捨てにするシナプス旋盤など素敵な巨大構造物が造れるが、当然ながら外交関係は激烈に悪化し、没落さんも激おこである。
君もクライシスになって銀河を滅ぼそう!

勢力それぞれ対処法が異なり、ゲーム中で傭兵中立機構から有効なコンポーネントを聞き出すことが可能なので活用していこう。
セタナに限っては他の危機と異なり仕様が特殊で、彼女のご機嫌を伺いながら反撃の準備を整えることになる。



ところで、バージョンによって強さが変わると先述したが、
実はVer2.0以前のバージョンでは銀河がやつらの手に落ちるのはほぼデフォであった。
その強さは洒落にならないレベルで、例えばプレスリンは単純な戦力が高かったのはもちろん、現在のようなハイパーレーン方式ではないため防衛線が張りにくく、しかも艦隊一つですらとんでもない戦力値なのに多数重なって行動と、通った後は文字通りペンペン草も生えないという有り様。
覚醒した没落帝国すらあっさり一蹴されるので「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(笑)」とまで言われたり…。
そこでVer2.0以降から難易度が大きく緩和され、この辺りからデフォルトの危機レベルx1で銀河が滅ぶ事は稀になってくる。
まあせっかく守護者として覚醒した帝国が役立たずなのは哀しいしね…。

だがVer3.0以降になって再びシステムの根幹が変わると、今度はやり過ぎレベルで弱体化してしまう。
一応、既存の帝国の星系基地を撃破した瞬間にやつらの基地に置き換わるようになったため侵略速度は大幅に早くなっているのだが、肝心の戦力が軒並みゴミ化してしまっているため覚醒没落はおろか普通の銀河帝国にさえあっさり抑え込まれてしまうようになった。


原因は他にもあり、たとえば慣れてきたプレイヤーは必然的に基本難易度を上げるのだが、これはCivのように「ライバル帝国」に強化ボーナス補正をかけるものである。
そして危機勢力はライバルではないので基本難易度をいくら上げて強さは変わらない。
結果、難易度ボーナスを得たライバル帝国が危機勢力を出てきた瞬間ボコボコにしてしまうという結果になり、
運次第で銀河の2割も占領できないまま潰されてしまうこともしばしば起こっていた。
ついでに近年はアップデートでライバル帝国のAIが改善され非常に手強くなっているため相対的に更なる弱体化を食らっている。

なので大抵は危機勢力の難易度設定にあたる危機レベルも引き上げる事になるのだが、この頃は0.25刻みで指定できる割には3倍にしても余裕ができやすく、
5倍でも高難易度だとライバル帝国がかなり奮戦してしまうため危機らしさは薄い。
10倍にするとようやく本格的な銀河の危機となり、さすがにここまでくると慣れたプレイヤーでもなければ太刀打ちできなくなる。
もっともこれでもかつての脅威には程遠いというのだから恐ろしい…

さらにアップデートを経ると、かつての勢いを取り戻すように戦力が増強されており、今度は危機レベルx3でも十分に強化されている。
とにかくバージョンによって強さに天と地ほどの差があるので、現在どれほどの強さかはまったく想定ができない。決してナメてかからないように。



…ちなみに現在の最高設定は25倍で、Stellarisを極めた上級者はこれを選ぶという。
こうなると大半のプレイヤーはなすすべなく瞬殺されるだろう。
ちなみに上級者を超えた異常者は危機25倍で危機発生年を大幅に早めたり、MODを入れてさらに何倍も超強化するとか…。
最速25倍危機ともなれば開始直後からゲーム終了まで徹底した内政マイクロマネジメント、時間停止を駆使した秒単位の艦隊操作、相手の動きを読む戦略眼、そしていくばくかの運が揃ってやっと勝てるとかなんとか。


マルチプレイ


前述の通りマルチプレイが実装済み。
最大30人という大規模マルチも可能だが、流石に不安定化が著しいらしい。
内容はガチガチの対人戦を行うようなものもあればみんなで協力して危機に立ち向かうといったものものも企画されたりと多種多様なマルチプレイが行われている。
対人戦はベテランプレイヤーの集う結構な魔境。特に外交システムはリアルの外交になるので排他主義のデメリットが実質無くなったりリアル言いくるめ能力を要求されたりする。
ちょっと変わったところでは1つの帝国を複数のプレイヤーでプレイするという機能が用意されており、内政・戦争・探索を分担して遊ぶいったことも可能。
公式としてはこの機能は「ベテランが初心者をサポートしながらプレイする」、要は二人羽織プレイを想定しているとのこと。


実績


この手のゲームではお馴染みの実績システムも存在する。
DLCが発売される都度、対応した実績が追加されるのが恒例で、2024年時点での実績数は200に迫っている。
普通にプレイしていれば達成できるものから、意図的に狙わなければ達成困難なもの、特定の起源や国是限定のものまで内容は様々。
中には運が要素が大きく絡み、どうやって達成するんだと言いたくなるような条件の実績もある。
なお、実績の達成で解放される要素は特になく、得られるものはプレイヤーの達成感のみである。


MOD


公式がMODの導入を想定しているだけあって莫大な量のコンテンツが存在する。そしてアップデートごとにその対応でMOD作者と使用者が阿鼻叫喚するのが恒例行事
建造物や兵装の種類を増やすようなシンプルな要素追加MODに始まり、スターウォーズからスタートレックといった超大型改変MODはもちろん、銀河英雄伝説を始めとする艦隊から宇宙人の見た目を場違い感全開なアニメに変えるスキン変更MOD、メガストラクチャーを超えたギガストラクチャー追加MOD、果ては星系10000万やら危機やら没落帝国やらを全部起こすこともできる生成変更MODと多種様々。

例によって英語やその他の外国語が多いが、中には日本の有志によって翻訳されているものも。
各自調べて使って、自分だけの銀河を作り上げよう。

バグ


複雑なゲームシステムのためか大小問わずバグが多い。パラドゲー自体バグは多いがそれを鑑みても特に多い。
しかもゲームバランスやシステムが大幅に変化するアプデやDLCを割と頻繁に出すため、そのたびに何かしらのバグが起きる。新要素のせいで昔の要素が変な挙動したりするのは日常茶飯事。
大規模アプデ→割とヤバめのバグが見つかる→それを含めたバグ修正が大量に書かれたパッチノートが出る、というのは最早Stellarisの風物詩となっている。
あまりにも要素が多いのでバグっぽいけどバグなのか仕様なのかユーザ目線では分からないという挙動もしばしば起きる。
裏を返せばそれだけ新しい要素を意欲的に追加しているということでもあるのだが。

余談


ゲーム内には様々なSFネタがちりばめられており、知っていればニヤッとできるようなものも多い。
こと星系や惑星名に関しては1000近い名前を用意しないといけなかったこともあってか、古今東西ありとあらゆるSFやらなんやらから引っ張ってきており、
果てはスタッフの名前まで使っていたあたり相当苦心していた様子。
日本絡みのネタとしては、星系の名前にアムリッツァランテマリオヒガシク・アタオリマーがあったり、とある惑星で『ンミクピ』なる生物を発見するイベントが登場する。


追記修正は無限機械君とプローグと友達になりたい方がお願いします。


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最終更新:2025年04月21日 22:00

*1 元ネタはイギリスのSF小説、銀河ヒッチハイク・ガイド

*2 ゲームシステム上、「同盟同士で組んだ一つのより大きな同盟」になったり、「同盟の仲を取り持つ要素」がないため普通に友好度が普通へ減っていて仲が悪くなりやすい。

*3 ちなみに作ろうとすると大抵は《覇権を狙う帝国主義》になる

*4 一応種族名と種族の外見がこちらと全く同一で尚且つこちらも狂信的な浄化主義の国是を持ってれば同族と見做され外交が可能になる。