ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密

登録日:2020/12/18 Fri 00:02:00
更新日:2025/04/11 Fri 15:31:26
所要時間:約 12 分で読めます







ベイビィ…これが、トワイライトと呼ばれる、ダイヤだ 受け取れベイビィ…


すげぇ、でっけぇダイヤだ…


そのダイヤはな、100年前に滅んだある民族の隠し財宝のカギとして作られたものだ…




隠し財宝のカギ…?



ルパン三世

トワイライトジェミニの秘密



『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』とは、1996年8月2日に金曜ロードショーにて放送された、ルパン三世テレビスペシャル第8弾のタイトルである。
20世紀に放送されたルパン三世TVSP作品としては珍しく、三井秀樹氏と杉井ギサブロー氏、東直也氏による合同脚本*1となっている(21世紀以降は合同脚本の作品が増えた)。

本作の一番の特徴として、不二子やゲストヒロインであるララの胸を完全に露出させている等、他の作品と比べてお色気シーンが過激かつ多めである。

本作の音楽は同年上映された『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』同様、根岸貴幸氏が担当。
また、OPも前作まで使用していた「ルパン三世のテーマ'89」に代わって根岸氏が編曲した「ルパン三世のテーマ'96*2」が使用された。

【あらすじ】

ある日、ルパンはヨーロッパシンジケートのドンであったドルーネから『トワイライト』と呼ばれる半分にカットされているピンクダイヤモンドを受け取る。
トワイライトはモロッコに住むゲルト族の隠し財宝のカギであり、ドルーネは寝たきりになった自分に代わって、モロッコへ行き隠し財宝を探し出すよう、ルパンにトワイライトを託した。
こうして、ドルーネの頼みを実現する為にルパンはモロッコへと向かうが、途中で銭形警部だけでなく、謎の集団によって妨害にあうも、何とかモロッコへと到着した。
モロッコは街の実権を支配する多数派のイゴ族とかつて王国を築いていた少数派のゲルト族が対立しており、さらにゲルト族内でも、ゲルト族の長老率いるゲリラ長老の息子であったガルが大司教として結成した結社の2つに分かれて内乱状態であり、そのような状況下でルパンはララという女性と出会う…




【登場人物】


◆レギュラーキャラクター


CV:栗田貫一
ご存知天下の大泥棒。
本作では珍しくほとんどの場面で白いジャケット*3を着用している。
ドルーネとは「駆け出しの頃から」の間柄であるらしく『ベィビィ』と呼ばれているが、ルパンは昔からその呼び名は好きではないとの事。
そのドルーネからの頼みでゲルトの隠し財宝を手に入れるべく、彼からトワイライトを託された。
しかしモロッコに向かう途中に銭形の妨害にあったり、殺し屋である貞千代に命を奪われそうになる等、今回は散々な目に合う事が多い。
本作では、演者であるクリカンこと栗田貫一氏の十八番であるモノマネ(古畑任三郎や志村けん等)をするシーンが多め。
また、不二子とのベットシーンも… 羨ましいぞルパァン…!

「トワイライトか…それにしても妙な形でカットしちまってんな」


CV:小林清志
ご存知ルパンの相棒のガンマン。
本作ではルパンにトワイライトやゲルト族の事を知る老婆を紹介したり、終盤にルパン達の助太刀に入る等、ルパンのアシストに回っている事が多く、彼自身の出番は少なめ*4である。
しかしながら、暗闇の中で貞千代の鞭を撃ち抜く等、射撃の腕は相変わらず衰えていない。

「婆ちゃん、俺達はゲルトの財宝を掘り出したら、そのままモロッコにおさらばするぜ」


CV:井上真樹夫
ご存知ルパンのもう一人の相棒の剣客。
本作では中盤辺りから登場し、宗派の教えに背いた同門の恥である貞千代を討つべく、モロッコにやって来た。
それもあってか、本作ではシリアス寄りなキャラとなっているが、拘束された不二子を助ける際に彼女の裸を見てオモロイ顔で赤面する等、コミカルなシーンも少なからず存在する。
終盤、遂に貞千代との決着をつけるも斬鉄剣に悲劇が…。

「ついに見つけたぞ、貞千代!覚悟!!」


CV:増山江威子
ご存知お色気姐さん。
本作では珍しく金髪となっている*5
本作ではルパンより先にモロッコに来ており、長老から息子であるガルの調査を頼まれた。
その際にルパンからゲルト族の財宝のことを聞き、彼に協力した。
今回は『ルパンVS複製人間』以上にお色気シーンが多めで、そのシーン目当てで観た人も多いとか…
また、本作でも一応ルパン達を裏切らなかった。

「教えてくれたら、全部あげる♡」


CV:納谷悟朗
ご存知銭形のとっつぁん。
冒頭ではルパンの居所を突き止め、3日間寝ずに立てた「ルパン逮捕作戦*6」でルパンを追い詰め、さらに逃走の為の策を全て看破する等、今までのTVSPと比べてそこそこ有能な警部として描かれている。
が、かわいそうな事に予期せぬ邪魔が入ったせいで捕獲には至らなかった・・・・・・
その後ルパンを追ってモロッコに向かうも地元警察からは邪険に扱われ、お荷物刑事とされる高齢のブルトカリー巡査を押し付けられる等、ルパン同様彼も散々な目に合う。
だが終盤では、結社の兵士を蹴り一発で倒すなどそれなりに活躍する。

「伏せろ! インターポールを舐めるな!」


◆ゲストキャラクター


  • ララ
CV:久川綾
本作のゲストヒロインで、ゲルトの再興を図るゲリラの一人であり、金髪にバンダナを着用している。
誰よりもゲルト族の事を愛しており、ゲルトを復興させる気持ちは誰にも負けないでいる。
彼女も本作では不二子に負けず劣らずのお色気シーンを提供してくれる。
脚本を担当した三井氏曰く『カリオストロの城』に登場したヒロインであるクラリスを意識したキャラクターらしい。

「ここに、もう一度私達の国を作るの!」



  • ドルーネ
CV:森山周一郎(友情出演)
ヨーロッパシンジケートのドンであった男で、ルパンにトワイライトを託した張本人。
ルパンの事を「ベイビィ」と呼んでおり、若い頃はルパンそっくりで彼の肖像画を見た不二子もルパンと勘違いしたほど。
現在は昔の面影は全くなく、ナメック星の最長老のような姿になっており、体の自由が利かなくなって寝たきり状態になっている。
五ェ門「おぞましい顔じゃ…」
それでも尚「(動けない状態だと分かっているのに)裏社会の出来事は今でも、爺さんに繋がってるって噂だぜ」とルパンに言われる程度の影響力と存在感は維持しているらしい大物。

「ベイビィ…お前に譲るから、上手くいったらワシに、小さな墓でも建ててくれや…」


  • ジャン・ピエール
CV:菅生隆之
大学の助教授上がりのICPOの本部長。
ルパン逮捕をICPOの悲願とし、銭形に期待しており、銭形の後を追う形でモロッコにやって来て、ルパン逮捕の総指揮を担当した。
実はモロッコ出身であり、彼の先祖はイゴ族の英雄と称されているが…

「それより、早くルパンの足取りを掴むんだ!」


  • 貞千代(さだちよ)
CV:野沢那智
かつては五ェ門と同門であったフリーランスのオカマの殺し屋で、通り名は「蠍(サソリ)の貞千代」。
電磁鞭と小太刀を武器とする*8。結社に雇われ、ルパンの命を狙う。
殺し屋としての腕は確かで、ルパンを追い詰める程の実力を誇り、拷問するのを「大好き」という等、サディスティックな性格だが、意外とコミカルな一面も目立つ。
だが、そんな彼も剣術の宗派を裏切ったことで五ェ門から狙われていた。

「お死にぃぃぃぃぃっっっっ!!!!*1


  • モロッコ警察署長
CV:藤本譲
その名の通りモロッコ警察の署長でイゴ族の男性。
ゲルト族の排除に没頭しており、それ以外の件に関しては無関心というかなり無責任な人物であり、それもあってかルパン逮捕に来た銭形の事を邪険に扱っていたが、同族の英雄の血を引くジャンの前では彼の言いなりになってルパン逮捕に協力する等、中間管理職のイメージも強い。

「銭形君!失礼な事を! ジャン本部長のお爺様は、イゴ族の英雄ですぞ!!!」

  • ブルトカリー
CV:北村弘一
モロッコの年寄り警官で、本作における銭形の相棒。
冴えない性格で、署長からもお荷物扱いされている。
銭形のサポート役として署長から押し付けられ、彼と共に行動する。

「ええ、警部殿には敵いません」


  • 長老
CV:峰恵研
ゲルト族の長老で、ガルの父親。本名は不明。
ルパンにトワイライトを持ってこさせるようドルーネに頼み、不二子にガルの調査を頼んだ張本人。
自分達を裏切って結社を結成したガルの事を失望していたが…

「ゲルト族の復興を、財宝に頼っていた私の考えが間違っていたようじゃ」


  • 老婆
CV:京田尚子
かつてゲルト族の王女であるローレに仕えていたゲルト族の老婆であり、長老同様本名は不明。
本作の登場人物からは一貫して「婆ちゃん*10」と呼ばれている。
ルパン達にトワイライトの正体やゲルト族やドルーネのことをすべてを話した。
トワイライトはどんな時でもゲルト族を守るということを確信している。

「お若いの、お前さん中々やるねぇ~ いい兵士じゃ、しっかりゲルトのために戦いなさい!」

  • ゾラ
CV:金尾哲夫
ゲルト族のゲリラの1人である男性。
よそ者は信用しないタイプで、ルパンが来た事で警備が厳しくなった事を理由に、友好的に接していたララとは違い、ルパンの事を邪魔者扱いしていた。
その後結社に捕らえられてしまい、財宝の秘密を知らない事で用済みとされ他の仲間共々射殺された。

「お前は余計な事はしないでくれ!これは我々、ゲルト族の問題なんだ!」



【エンディング】

結社を壊滅させた一行は、財宝を手に入れるべく宮殿へと入った。最深部にあるダイヤ型のくぼみにトワイライトをはめ込むと、財宝の隠し部屋への入り口が開いた。だが、隠し部屋は空っぽの部屋だけで財宝らしきものはどこにも見当たらない。すると、部屋の壁にゲルト文字でこう書かれていた。

「ここに集まるゲルトの勇士たちよ 心を一つにせよ それを民族の財宝とせよ」

ゲルト族の復興のために一致団結するその力こそが財宝なのだと一行は読み取った。宝などには頼らずにゲルト族が協力する気持ちの重要性を説いたものだったのだ。


ララ「長老様!この言葉通りよ!私たちの力で、ゲルト族を再興しましょう!何年かかっても構わない ゲルト族が生き続ける限り!!


ララのひたむきな姿勢にルパンも微笑んだ。だが、不二子だけはどうも納得いかない様子だった。


不二子「冗談じゃないわ!ありがたいお言葉だけで、今時何が出来るって言うのよ!?」


そして不二子は苛立ち紛れに壁を思い切り蹴り飛ばした。すると巨大な揺れと共に壁のあちこちから亀裂が入り始め、一瞬にして崩れた。
その崩れた壁から現れたのは…

まるで星空のように神々しく輝く壁一面を埋め尽くす無数のダイヤモンド

そう、これこそがゲルト族の財宝の正体だったのだ!


不二子「こ…こ…これひょっとして全部…ダイヤ…!?」


五ェ門「らしいな…」


次元「ハァ~、やってくれるぜ…」


不二子「スッゴ~い!スゴい!スゴ~イ!!」


次元と五ェ門は唖然とし、不二子はイライラしていた先ほどまでとは一転して大はしゃぎ。なぜか銭形にキスした

ルパンはララと共に無数のダイヤを眺めながら微笑むのであった。


ルパン「先祖様も、洒落たことするぜ」



その後、ED曲である『月と太陽のめぐり』にあわせてララのダンスが挿入される中、エピローグが流れる。

ララはルパンにゲルトの再興を手伝ってほしいと誘うが、ルパンは断った。ララはルパンにトワイライトの片方を渡し、ルパンに別れのキスをした。
こうしてルパン達はモロッコを後にしたのだった…。

ルパン「さらば、モロッコ…そして……さらば、ララ…」





その後、ルパンは仕事を終えたこと、そしてララの無事をドルーネに報告し、トワイライトを預かったことも伝えた。
ドルーネは安堵の涙を流しながらルパンに礼を述べた。


ドルーネ「『ルパン』…ありがとよ…」


ルパン「よせやい爺さん、『ベィビィ』って呼んでくれよ!」


初めて「ルパン」と名前で呼んだドルーネに対し、ルパンはこれまで通り「ベィビィ」と呼んでくれ、と返したのだった・・・・・・





Fin



【余談】


終盤で登場したゲルトの遺跡はヨルダンに存在する『ペトラ遺跡』がモデルとなっている。

本作のED曲である『月と太陽のめぐり』を歌ったのは、ララを演じた久川綾女史である。
ちなみに次作の『ワルサーP38』と、次々作の『炎の記憶 ~TOKYO CRISIS~』でもゲストヒロインを演じた演者が主題歌を歌っている。
なお、ララがダンスするだけのEDの映像は、違和感ありありなものになっている。

本作でドルーネを演じた森山周一郎氏は後に放送された『愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜』ではバートンを、『EPISODE:0 ファーストコンタクト』ではガルベスを演じた(両者ともドルーネとは違い、味方キャラではなく敵キャラ)。
また、ブルトカリーを演じた北村弘一氏も『お宝返却大作戦!!』でトカレフを演じた(こちらも味方キャラではなく敵キャラ)。

さらにモロッコ警察署長を演じた藤本譲氏も、『炎の記憶 ~TOKYO CRISIS~』では銭形の上司である警視総監を演じた(こちらも中間管理職のイメージが強いが、そこそこ人徳者であった)。

貞千代を演じた野沢那智氏は同年に上映された『DEAD OR ALIVE』でも敵キャラであるクライシスを演じているが、あちらはクールで冷血漢な男だったのに対し、本作ではコミカルな感じで、さながらコイツを彷彿させるようなオカマキャラだった為、ギャップの違いさに面食らった人もいるとかいないとか…。




♪もしも 私のいのち 愛し愛されて 抱いて抱かれて


たとえ 私のいのち すべて賭けても かまわない





貞千代「このWiki篭り~!!おかげでこの記事追記・修正できなくなっちゃったじゃないのぉ~~~!!!」


五ェ門「問答無用!!!」



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最終更新:2025年04月11日 15:31

*1 本作以外で合同脚本だった作品は前作の『ハリマオの財宝を追え』のみでそちらは柏原寛司氏と藤田伸三氏、米村正二氏が担当した

*2 本曲は本作で使用されたバージョンと『DEAD OR ALIVE』で使用される予定だったバージョンの2種類存在する

*3 このカラーリングは『ルパン三世 PartⅢ』で登場する予定だった

*4 ただし最初のドルーネとの邂逅の場面では同行しており、全体的に次元がいない部分は少ない

*5 次作である『ワルサーP38』でも金髪となっている

*6 描かれたのは「女性警官にハニートラップを仕掛けさせ油断させたところで、列車の乗客、乗務員を総動員で捕獲する」というもの

*7 構成員達は全員ゲルト族ではなく、彼が集めた傭兵あがりの殺し屋達で出来ている つまり結社自体が単なるまやかしの組織にしか過ぎなかった

*8 なお三井氏によると、彼(彼女?)の持つ小太刀も斬鉄剣と同じ素材で作られているらしい

*9 上述の通りモロッコはイゴ族に支配されており、ゲルト族はまともな職にすら就く事が出来ない為、ブルトカリーのようにイゴ族を装って生活する隠れゲルトは数多くいるらしい

*10 ゲルト族の面々だけでなくルパンや次元からも呼ばれていた