半妖(犬夜叉)

登録日:2020/11/22 Sun 14:33:05
更新日:2022/12/09 Fri 10:09:21
所要時間:約 7 分で読めます





妖怪でもない。人間でもない。どっちにも行けねえ。

だから…自分の居場所は力ずくでぶん取るしかねえと思った。





この項目では、『犬夜叉』及び『半妖の夜叉姫』に登場する半妖について解説する。

【概要】

『犬夜叉』及び『半妖の夜叉姫』に登場する、人間にも妖怪にも属さない不完全な存在の総称。基本的には妖怪と人間の合の子であることが多い。
不完全だが弱いというわけではなく、中には親妖怪よりも優れた能力を持つ者もいるが、流石に大妖怪クラスが相手になると厳しいほか、妖力を失い普通の人間になる期間を持ち、人間と妖怪のいいとこ取りということはほとんど無い。

外見は「人間がベースだが一部が異形」であることが多い。
ただし、犬耳と父親譲りの銀髪という、通常の人間とは異なる特徴を持つ犬夜叉が、
地念児の母に「(半妖にしては)きれいな顔をしている」と言われているので、本来は地念児のようなタイプの半妖の方が多いのかもしれない。

半妖の「半」は混血の意味と同時に、どちらにもなりきれない中途半端な者という侮蔑の意味合いでも使われる。
その出自上、親以外の人間・妖怪双方から忌み嫌われており、迫害を受けている者がほとんどである。
そのため、理解者にあまり恵まれず、ある程度の年齢を経た半妖はいずれもどこかひねくれているか、強い孤独を感じていた。
ここら辺の設定はおそらく、日本一有名な半妖の影響もあると思われる。

特に妖怪は、犬夜叉をして「親兄弟であっても絶対に半妖を仲間として認めない」と断言される程の強い差別意識を持っており、
幼子である七宝ですら最初は半妖を見下していた。

むしろ、かごめ達のように理解してくれる者達の方が珍しいともいえる。

【種類】


■他種族との混血

上記の通り、妖怪と人間の合の子。
本シリーズの妖怪は基本的に人間を道具か食料程度にしか見ていないため、当然人間との性行為など微塵も必要としていない。
故に、下記の面々はいずれもしっかりとした愛情のもとに生まれた子供たちである。
また人間と交尾しなければいけないという都合上、親となる妖怪は人に化ける力が必要であり、
化けられるほどの力を持つ妖怪の子なので、そのへんの純妖怪より強い力を持っている事が多い。

また、妖怪と一口に言っても種族が全く異なるだけに、同じ半妖と言う括りの中でも特性も似るとは限らず、妖怪としての血が薄まる程に人間としての性質も強まって来る。
作者であり監修を担当した高橋留美子氏曰く、例えば後述の半妖の日暮とわやせつな姉妹と四半妖のもろはとの間では、
出会った時点でこそ力量や加齢と言った成長速度は大差無いが、年輪を重ねる程に種族としての差異が大きく現れてくるという。


CV:山口勝平
ご存知主人公。大妖怪・犬の大将と人間の母親・十六夜との間に生まれる。
詳細は項目参照。

CV:江川央生
犬夜叉以外で初めて登場した半妖*1。父親が妖怪(精霊の類)で母親が人間。しかし母親は犬夜叉とかごめ、アニメではりんから山姥と勘違いされてしまった。
父親は美男*2だったが、地念児当人はのような顔立ちに巨人と見まがう背丈という異形である。
見かけに反して穏やかで心優しく、そして気弱な性格の持ち主で、周囲からの迫害に反抗することはなかったらしい。
それどころか犬夜叉を前にして身体をプルプル奮わせて唸り声を上げて襲い掛かる···と思いきや、泣き出し母親に助けを求めるという情けない姿も見せた。
しかし実際は見た目通りの剛力で、母親以外で初めての理解者となったかごめを助けるために、村を襲った虫妖怪と戦った。
アニメでは、その後もかごめやりんと交流があるようである。

CV:水橋かおり
百鬼蝙蝠の父・月夜丸(つくよまる)と、人間の母・紫津(しづ)の間に生まれた半妖。見た目は銀髪の褐色ロリ。
百鬼蝙蝠の頭領の家系であり、血玉珊瑚を介して強大な結界を張ることができるため、村の安全と引き換えに祖父である大獄丸(たいごくまる)のもとに差し出された。
しかし、月夜丸が人間の女性と恋に落ちたことに失望した大獄丸によって殺されたと知って反旗を翻し、犬夜叉一行の活躍により百鬼蝙蝠は全滅。
騒動の後、犬夜叉たちが結界を破るために強力な結界の術者を斬る必要があると聞いて、自分の持っていた血玉珊瑚を斬るように促す。
多少トラブルはあったものの晴れて自由の身となり、犬夜叉は結界破りの赤い鉄砕牙が使えるようになった。が、その後あまり活躍する機会がなかったのを気にしてはいけない。
『半妖の夜叉姫』でも成長した姿で登場し、とある山中に半妖の子供達を匿う隠れ里を作り、能力で張った結界で守りながら共同生活をしていた。せつなも一時期滞在している(その過程で弥勒とも再会している)。
ちなみに母は犬夜叉一行と別れた後、そう長くない時間でこの世を去った。
彼女が妖力を失う日は蝕(日食)の時であることが明かされた。

水橋氏は後に、別の作品でも人間と人外のハーフを演じているが、こちらは特に混血を理由にした差別は受けていない。

  • 牛王(ぎゅうおう)
CV:松本大
アニメオリジナルキャラクター。
人間の父親と牛妖怪の女性の間に生まれた半妖。
普段は「出雲」を名乗っているが、これは本当は父親の名前。
昼間は人間の美青年だが夜間はミノタウロスのような獣人になってしまうという珍しいタイプ。
当人は半妖としての自分を「醜い」と感じており、完全な人間になることを望んでいた。
そのために新しい四魂の玉を作り出し願いを叶えようとしたが、犠牲を省みない姿勢から犬夜叉との戦いに敗れ死亡した。

CV:松本沙蘿
CV:小松未可子
『半妖の夜叉姫』主人公の二人。
殺生丸と彼女双子の娘であり、とわが父親譲りの銀髪を持つぐらいで、どちらも人間と大差無い見た目の持ち主。
幼少期の森の火事で離れ離れになった際にとわは現代にタイムスリップしてかごめの弟の日暮草太の養子、せつなは琥珀率いる妖怪退治屋の一員と、半妖にしてはかなり理解者に恵まれている。
特にとわは現代育ちということもあり、半妖らしからぬ真っ直ぐさとお人好しな面を併せ持つ。

とわは現代では朔の日はなかったが元いた戦国時代では朔の日が発生し、髪が少し伸び黒くなる。
せつなは夢の胡蝶の影響か朔の日が発生しないが、逆に妖怪の力が強くなればかなり好戦的になるため、その力を弥勒に封印されている。

CV:田所あずさ
『半妖の夜叉姫』主人公の一人。犬夜叉とかごめの娘。そのため妖力だけでなく霊力も併せ持つ。
半妖と人間の子供のため、正確には半妖というより妖怪と人間のクォーターであり作中では「四半妖」と呼ばれることもあるが、先述の通り本作では数字の正確さに意味はない。
性格も父親の豪快さと母親の順応性の高さのいいとこ取り。
おまけに外見は人間と大差無く、挙げ句父は妖怪としての力に四苦八苦してたのにもろはは暴走こそするが任意に発動可能と完全にサラブレッドの域。
その上、人間の血を強く引いているせいか半妖特有の妖力を失う日が存在しない。
また冥加曰く、隔世遺伝なのか妖怪の力を発揮した時のもろはの血は、祖父である犬の大将のそれに近いらしい。
普段は妖怪相手の賞金稼ぎを生業としており、その関係で妖怪関連の知識は非常に豊富。

■他種族との融合

妖怪が妖怪以外の何者かを取り込んだタイプ。元になった妖怪の影響か、ろくでもない性格の者が多い。
何の因果か、人間の恋慕の情を利用した、もしくは利用された者が大半を占める。

  • 翠子と敵対していた妖怪
平安時代に巫女・翠子(みどりこ)を疎ましく思っていた妖怪たち。翠子を慕う男性をつなぎにして合体し、翠子に襲いかかった。
この戦いが、四魂の玉が誕生するきっかけとなった。

CV:家中広→森川智之
ご存知逃亡系ラスボス桔梗に対して想いを抱いていた野盗・鬼蜘蛛をつなぎにして数多の妖怪が融合することで誕生した。
詳しくは項目参照。
森川氏は後に、別の作品逃亡系ラスボス敵対することになる。

  • 神久夜(かぐや)
CV:原田美枝子
映画『鏡の中の夢幻城』に登場。
人間ではなく天女を食らうことで誕生した半妖。そのため外見は絶世の美女で、強力な術を使い実質不死身の肉体を持つ。
かつては弥勒の祖父・弥萢(みやつ)法師、奈落と三つ巴の実力だった。

  • 沙蘿姫(さらひめ)
CV:折笠富美子
アニメオリジナルキャラクター。
元々はとある小国の姫で、笛を吹くのが趣味。かなりの美人だが邪見から「化粧だ」と言われてしまった
ひょんなことから殺生丸に一目惚れするも、彼女の父親は殺生丸を恐れて乱心。自分の城を燃やしてしまう。
落ち延びた彼女はとある尼寺に拾われるが、その後病で衰弱死しそうになるが、殺生丸への未練を捨てきれなかったため死の間際に現れた妖怪たちにその身を差し出し半妖となった。
その後、沙蘿姫は殺生丸の望みを叶えるべく鉄砕牙の奪取のために行動を開始するも、
彼女の前に現れた妖怪たちは殺生丸の打倒が目的であり、沙蘿姫は体を乗っ取られてしまう。
最終的には「闘鬼神では倒せない」と判断した殺生丸が、なんと鉄砕牙を振るって風の傷を使用*3
更に犬夜叉とかごめの尽力によって、沙蘿姫は妖怪たちから解放される形で死亡。残った笛は殺生丸によって、亡骸のあった場所に突き立てられた。

■自然に誕生

作者・高橋留美子先生によると、妖怪同士、人間同士が両親でも半妖が生まれてくるケースがあるらしい。
先祖の中にそうした血脈の者がいたということだろうか。
該当するキャラクターは未登場。

■未分類

出自不明の半妖。

  • 浅葱(あさぎ)
CV:折笠富美子
  • (ろく)
CV:木内レイコ
  • (だい)
  • 萌黄(もえぎ)
CV:増田ゆき
  • 紫苑(しおん)
  • (あい)
CV:本井えみ
映画『紅蓮の蓬莱島』に登場した半妖の子供たち。いずれも体のどこか一部が異形となっている。
蓬莱島ではかつて人間と妖怪が平和に暮らしていたとのことだが、両親については詳細不明。
四闘神によって苦しめられていたが、犬夜叉一行の活躍により全員助け出された。

  • 風太(ふうた)
CV:渕上舞
  • 雷太(らいた)
CV:富樫美鈴
『半妖の夜叉姫』にて、紫織が作った半妖の隠れ里で暮らす半妖の子供たち。他にも複数の半妖が登場したが、名前はこの二人しか判明しなかった。
その名の通り風と雷を発生させる力を持ち、里の防衛を担っている。
しかし親(紫織)離れはできておらず、彼女から「いつか里を出ていかなければならない」と言われて涙目で嫌がり、紫織を呆れさせた。

  • 逆叉(さかさ)
CV:白石兼斗
『半妖の夜叉姫』に登場。りおんを殺害した張本人。
麒麟丸が攻め滅ぼした集団の一員で、あっさり首を切り落とされたと思いきやまだ生きており、りおんを串刺しにして殺害。その後麒麟丸に完全に止めを刺されて絶命した。
ほんの数秒の出番だったため詳細は不明だが、集団に属していたあたり理解者には恵まれていたと思われる。
終盤、希林先生の眼鏡残留思念が見せた幻というかたちでまさかの再登場。りおんに襲いかかるも戦うことを選んだ彼女に斬り捨てられた。





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最終更新:2022年12月09日 10:09

*1 地念児が登場した時点では、まだ奈落が半妖だと判明していなかった

*2 とはいえ母親の台詞から仮の姿だとも考えられる。

*3 もちろん結界に阻まれたが、短時間とはいえ、強引に鉄砕牙を使用したため、手のひらが火傷のように爛れていた。『天下覇道の剣』でも同様の状態になっている。