ウォーフォーサイバトロントリロジー(トランスフォーマー)

登録日:2021/04/20 Tue 20:07:00
更新日:2023/11/08 Wed 17:47:22
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ウォーフォーサイバトロントリロジー(War for Cybertron Trilogy)とは、トランスフォーマーシリーズの玩具シリーズの1つである。

概要

G1キャラクターを中心にリメイクするハイエイジ向け展開、「ジェネレーションズ」のラインで、2019年展開の『トランスフォーマーシージ』、2020年展開の『トランスフォーマーアースライズ』、2021年展開の『トランスフォーマーキングダム』の3シリーズからなるトリロジー(3部作)である。

「シージ」の前年にあたる『パワーオブザプライム*1(以下POTP)』以降、日本独自の展開は一部を除いて終了しており、今回も海外の商品がそのまま日本でも発売される。
「POTP」では、一部に塗装ではなくシール(それも貼り方が雑なこともある)を使っているなど、若干不満点が残る仕様もあったが、今回は塗装のみに戻っていることなどもあってか、全体的に高評価を受けている商品が多い。

ちなみに、塗装に関しては一部商品でウェザリングによる汚し塗装が施されているものがある。
これは「シージ」の背景ストーリーがセイバートロン星で繰り広げられる泥沼の末期戦である事に基づいたもので、舞台を地球に移した「アースライズ」以降激減しており、事実上「シージ」と後述のNetflixシリーズ限定の仕様になってなくもない。

玩具のクラス*2にもテコ入れが入っている。1つはクラスのあり方の見直しである。
これまではサイズごとで決めることが大半であったが、「シージ」以降「TF自体のサイズより一回り大きいクラスに分類し、その分パーツなどを増やす」という手法が出てきた。
例として、「アースライズ」のオプティマスプライムは、オプティマス本体はボイジャークラス相当のサイズながら、基地遊びができるコンテナが追加され、一回り大きいリーダークラスで発売されている。
もう1つ、純粋にクラスの新設が行われた。1つはリーダークラス以上の大型商品、「コマンダークラス*3」である。そしてマイクロンに近い小型の「バトルマスター」「マイクロマスター」が追加されている。これに関しては後述。
さらに「キングダム」でデラックスより少し小さい「コアクラス」も追加された。基地遊び用に制作されたクラスで、すでに別クラスで出たTFの小型版がほとんどだが、ラットルなどの小型TFもこのクラスに分類されることがある。

3部作通じて、組み替え遊びに特化しているのが特徴。TF自身に5㎜ジョイントが多くあり、さらに「バトルマスター」「マイクロマスター」「ウェポナイザー」「フォッシライザー」などのTFが組み替え遊びの幅を広げる。
「バトルマスター」はターゲットマスターなどのリメイクで、単体で武器に変形するのが特徴。また、同シリーズの他武器にも取り付け可能なエフェクトが付属する。
「マイクロマスター」は80年代末期にあった同名シリーズ*4のリメイクで、2体の小型TFがセットになっており、単体でビークルからロボットへの変形ができるうえに、2体を合体させて武器になるという内容である。
「ウェポナイザー」は組み替え変形である代わりにバラバラになったパーツは他のTFに取り付け可能という代物である。今のところ全商品がデラックスクラスである。
「フォッシライザー」は「キングダム」で初登場した恐竜の化石から変形するTFで、デラックスクラスのものはウェポナイザー同様のバラバラになるつくりである。コアクラスのものは普通の変形TFである。

サブラインとして、「Netflixシリーズ」というシリーズもある。後述するアニメに登場するTFの再現を目指したシリーズで、三部作からのリデコやリカラーによる商品展開が行われる。
同名キャラのリペイント版の場合、汚し塗装もかなり強く施されているため、好みが分かれるかもしれない。

日本では前述のとおり国内独自のアレンジは施されておらず、海外版と同一な内容である。
「アースライズ」以降、売り上げ低下が祟ってかタカラトミーモール*5限定品が大幅に増えており、アイアンハイドやプロールなど、著名なキャラクターですら限定販売となっている。
「キングダム」ではビースト戦士がすべて一般販売されるなど、ある程度は改善されたが、ほとんどのコアクラスやフォッシライザーがモール限定だったりする。

キングダム終了後は完全新規シリーズ「トランスフォーマー レガシー」が展開されるが、一部がキングダムの再販だったり、リデコ・リカラーだったりする。


各シリーズについて

トランスフォーマー シージ

2019年展開のシリーズ第一部。三部作の序章となるサイバトロン星(セイバートロン星)における内戦がテーマ。変形モードはお馴染み初代アニメを彷彿とさせながらもSFチックであり、各所には戦闘での激しいダメージを意識した汚し塗装が施されている。
このシリーズに限り、デラックスクラス以上の全商品に腰回転・足首の可動が備わっている。
新たな試みとして C.O.M.B.A.T (Cybertronian Omnifunctional Modular Battlefield Assault Tech System) システムが登場。要は5㎜ジョイントとエフェクトパーツを組み合わせた遊びのことであり、トランスフォーマーの各所に存在するジョイントに武器や爆発を追加することで、自分自身だけの強化形態やジオラマを作ることができる。
そのシステムを主軸としたキャラクターとして「ウェポナイザー」が存在し、差し替え変形と分離合体機構によって他のキャラクターの武器や装甲として利用することが可能。

SF感もありながらG1コンボイに限りなく近づけたオプティマスプライム、カウンタックっぽいビークルから適度な難易度で変形するサイドスワイプ(ランボル)、タイタンクラス*6で発売された再現度の高いオメガスプリーム、珍しくユニクロン三部作出典のギャラクシーコンボイ*7など、三部作の第1弾から魅力的なラインナップが販売されている。

余談だが、前述のとおり2019年展開のシリーズなのだが、日本展開に限ると2021年発売商品もある*8

トランスフォーマー アースライズ

2020年展開のシリーズ第二部。サイバトロン星脱出から地球への逃避行を描く。それに伴い、キャラクターのディテールや変形モチーフも地球上の車両がベースとなり、更に初代アニメに近いものとなる。
前シリーズの C.O.M.B.A.T システムに代わって A.I.R.Lock (Adaptable Interconnection Retrofitter Lock System)システムが新たにピックアップされた。ジョイント接続が可能な板状パーツ*9が登場し、各所にシールドとして装着可能なほか、「ウェポナイザー」に代わる基地型トランスフォーマー「モジュレーター」同士を接続するタラップとしても機能する。
「バトルマスター」にもシールドやA.I.R. Lockシステム用の床に変形できるTFが追加されている。

完全にG1調デザイン+コンテナのついたオプティマスプライム、ヘケヘケ版をブラッシュアップし、久々にF-15(風)に変形するスタースクリーム、タイタンクラスのスコルポノック(メガザラック)、ようやく立体化されたクインテッサ星人などが発売されている。
特筆すべきは限定セット品の「センチュリオンドローン」で、ウェポナイザー1体とG1アニメをイメージした16種類のアイテムが付属し*10、武装遊びにうってつけである。
更には第三勢力としてオートボット・ディセプティコンのどちらにも属さない傭兵集団「マーシナリーズ」が登場。メンバーとして「ダブルディーラー」や「スナップドラゴン」が登場…することが予告されていたものの、発売時には通常通りオートボット・ディセプティコンのエンブレムが使用され、正式なお披露目は限定品である「ジェネレーションセレクト」を待つこととなる。

一方で、「シージ」からのリデコの都合や、ロボットモードとビークルモードのスタイル両立のためとはいえ、変形の過程で車両の一部を一度取り外したり、丸々余剰になるパーツがあったりなど無茶な変形をさせる商品も露骨に増えており、この辺りは賛否両論。
中でもアーシーは、フューチャーカーから細身の女性型に変形するという難しさがあるとはいえ、体の変形は申し訳程度に足を折りたたむだけで、ビークルモード時に表に出るパーツがゼロと言う潔いまでのガワ変形であり、そのうえガワの後ろ半分強を丸々取り外して*11ホバーボードと言い張るという壮絶な変形をして見せた事で界隈に衝撃を与えた。
しかもそのホバーボードも側面のパネルを申し訳程度に開いただけでフューチャーカーの運転席を隠そうともしないというやっつけデザインであり、おまけに裏面のモールドは無駄にしっかり造形されているのにコロ走行用のタイヤはダミーすらついていない*12等、どう考えても力の入れどころがおかしい。
その上、問題点ほぼそのままでリデコされエリータ1になったり、「キングダム」で再販*13されたりと妙に使いまわされている。ほかに再販するやつあるだろ。

トランスフォーマー キングダム

2021年展開の三部作完結編。太古の地球で復活したトランスフォーマー達による一大決戦となる本シリーズには初代ビーストウォーズの面々がゲストとして登場。
タイムトラベルパラレルワールドの要素も含んでおり、デラックスクラス以上の商品には鍵となるキャラクターの未来を描く「ゴールデンディスクカード」が付属。各ウェーブごと4種類ずつ存在し、イラストの描かれたホイルシールを剥がした下にはキャラクターの辿る未来が異なるイラストとサイバトロン文字で記される。

前述のとおり、デラックスクラスより小型のコアクラスが追加。コンボイやメガトロンで基地遊びが楽しめる。

新システムは F.O.S.S.I.L. テクノロジー(Fossilized Osteo-Skeletal Shield Integration Loadout Technology)。 C.O.M.B.A.T. システム同様差し替え変形による強化パーツとなる。
化石型トランスフォーマー「フォッシライザー」はリメイクにしては珍しく全員新戦士である。

帰ってきたイボンコ…もといオプティマスプライマル(ビーストコンボイ)、なんと恐竜の外皮が丸々軟質素材の千葉トロンビーストメガトロンをはじめとして多くのビースト戦士がリニューアルされる。
G1キャラだと、ワーパスやごっつんこー!じゃない方のインフェルノなどが登場している。


NETFLIXシリーズ

NETFLIXで配信されたアニメ、「ウォー・フォー・サイバトロン」シリーズの商品化を行うシリーズ。
トリロジーではないが事実上トリロジーと同じ第4のシリーズといえる。

前述のとおりトリロジーの色替えや汚し塗装の大幅追加(ないものもある)、リデコで展開されるシリーズだが、クリフのリデコでフォルクスワーゲンビートルに変形するバンブルビー、アーシーのリデコでエリータ1など、(リデコとはいえ)このシリーズ独自の商品化もある。

特筆すべきはサウンドウェーブで、「シージ」でサイバトロン星の宇宙船として商品化されたのをリデコして、G1同様のラジカセに変形できるようにしている。

また、ミラージュ(リジェ)は本来オートボットのキャラであるが、なんとNETFLIX版はディセプティコンになっている。
一見リジェはもう俺たちの仲間ではないんだ!と思うかもしれないが、実はアニメだと作戦のために色を変えてディセプティコンに変装したに過ぎない。というと、裏切り者じゃなかったのか!
すぐバレたうえに、この姿の出番自体も少ないが。

また、同じような内容でも値段が若干安いが。汚し塗装に抵抗がなければ、こちらを買うのもあり。
というか一部商品は本体価格が元商品と同じなのにおまけで小型TFが二体もついてくるという非情にお得な商品も多い。
コンテナが省かれたアースライズ版オプティマスや、型が作り替えられたサウンドウェーブは小型TF二体分の元をそこで取っているのかもしれない。
しかし、メガトロンはシージ版そのままを全身にメタリック塗装を施し、エフェクト込みのバトルマスター二体付属して定価がシージ版と同じである。
一体どうなっているんだ…。


アニメ

NETFLIX独占で配信されたCGアニメ。第一章「シージ」が2020年7月30日に、第二章「アースライズ」が同年12月30日に配信されている。

サイバトロン星でのオートボットとディセプティコンの終わりのない戦いを描いた本作ではデザインは玩具に非常に忠実に描かれている。
どれくらい忠実かというと武器を取り付けるための5㎜ジョイントがそのまま空いているレベルである。

なお、ビーストウォーズ以降のアニメにしては珍しく吹き替えもドシリアス。アドリブのおふざけは一切ない。
ビーストウォーズの要素が追加された3作目「キングダム」でも、シリアス度は健在である。
ビースト勢の両リーダーの声はビーストウォーズと同じ子安武人氏、珍しくアドリブをほとんどしない千葉繁氏が担当している。
残念ながら他のキャストは変更されているがラットトラップ(ラットル)は山口勝平氏の演技にかなり近づけており、山口勝平氏が担当していると勘違いしていた人もいる程。
それに伴い性格も言語版ではなく吹き替え版準拠になっている。
残念ながらチータスは出番自体はそこそこあるが台詞が少なく、他の戦士達との絡みも少ない。

余談だが吹き替え版キャストの中にはかつてライオコンボイを演じた郷田ほづみ氏(ラチェット役)や、元バンダイ社員のボルケーノ太田氏(ホイルジャック役)もいたり。


追記・修正は体の5㎜穴に武器を装備し、基地に変形し、化石を身にまとってからお願いします。

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最終更新:2023年11月08日 17:47

*1 そちらも海外展開のみだが、「コンバイナーウォーズ」、「タイタンズリターン」と合わせて3部作扱いである。

*2 トランスフォーマーの玩具をサイズやコストごとに分類したもの。

*3 2010年代前半の簡易変形ライン、「サイバーバース」の同名クラスとは別物。

*4 日本では「マイクロトランスフォーマー」になっている。

*5 プレミアムバンダイのようなネット通販サイト。

*6 もっとも大型のクラス

*7 設定上はオプティマスの強化形態だが。

*8 海外では2019年に発売されている。

*9 「シージ」のオメガスプリームなどにも存在していた。

*10 オプティマスのローラーはこのセットに入っている。

*11 一応外さなくても背負うガワが巨大化するだけで変形自体は可能。

*12 ビークルモード時のタイヤはよりにもよって変形時に開く側面パネルに取り付けられているためホバーボード状態では使えない。

*13 日本ではされていない。