レイダー制式仕様

登録日:2021/05/03 (月) 00:36:43
更新日:2024/08/15 Thu 12:28:18
所要時間:約 8 分で読めます








いやっほぉ!大気圏外からのダイブ、最高だったぜ!





レイダー制式仕様とは『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)。
『SEED MSV』で初登場し、以降シリーズ内で複数の作品に登場する。
なお、本項目では基本的にGAT-333を「制式仕様」、『SEED』本編に登場したGAT-X370を「レイダー」と表記する。


目次





レイダー制式仕様
RAIDER FULL SPEC

基礎データ


型式番号:GAT-333
所属:地球連合軍
全高:17.94m
重量:不明
動力:バッテリー
装甲材質:トランスフェイズ(TP)装甲

武装:M2M3 76mm機関砲×2
AIM-957Fキングコブラ赤外線誘導短距離AAM×2
M20 20mmクロー部機関砲×2
GAU-8M2 52mm機関砲ポッド×2
短距離プラズマ砲「アフラマズダ」×2(後期型)
MX703Gビームライフル×2(後期型)

特殊装備:サブアーム(大型クロー)×2

オプション装備:副翼
再突入ポッド

パイロット:エドワード・ハレルソン
ソキウス



機体解説


C.E.71の大戦後期に地球連合軍大西洋連邦が開発した機体。
同軍で開発されていた試作MS群「GAT-Xシリーズ」の流れを汲み、X303 イージス同様X300系フレームを採用した可変MSとして設計されている。


大戦中、連合は大気圏内用航空戦力としてスピアヘッドなどを有していたが、ザフトが投入したディンなどに対しては火力や運動性能で水をあけられており、
後にエールストライクスカイグラスパーといった空戦にある程度対応出来る機体が登場したものの、やはり本格的な制空権確保は難しい状態だった。
そこで連合も独自に空戦用量産MSを開発することとなり、単独での飛行能力を持つこの「レイダー」が生み出された。

ところが完成前にオーブ解放作戦の実施と、そこにブーステッドマン用MSの一機としてレイダーの投入が決定。
このタイミングでは一部の装備類の実装が間に合わない見込みとなってしまい、
開発中の機体に急遽改装を加えて対応することになり、本来の開発計画とは異なる仕様の一機が先行してロールアウト。
この先行生産機、『SEED』本編に登場したクロト・ブエル機にGAT-X370 レイダーの名称が与えられ、
後発となった本来の仕様であるこちらは「GAT-333 レイダー(制式仕様)」という名が付けられる運びとなった。
設定資料上の正式名称では、GAT-X370 レイダーがレイダーガンダムであるのと同じ様に、GAT-333 レイダーはレイダー制式仕様と記載される。

つまり、この制式仕様がレイダー本来のコンセプトである強襲MSとして開発されたもので、
『SEED』本編等に登場するレイダーの方はこの制式仕様をベースにした特別仕様機ということになる。
ただし、制式仕様の本生産にあたってレイダーの実戦データもフィードバックされているため、先行を譲っただけの恩恵は受けている。



装甲は水色メインで明るい印象だが基本構造はレイダーとほぼ同じであり、
頭部には二対四本のブレードアンテナ、背面左右には一対二枚の大型可動翼がある。
脚部の大型スラスターが無いものの、メインに高出力なターボジェットエンジンを搭載しており空中機動性に関しては遜色ない。
先述の通り可変機構によりMS形態からハーピーを思わせる高速飛行用のMA形態へと移行出来、
「空中から高速強襲戦闘」という基本運用スタイルも共通している。

一方で、より空戦機としての運用が重視されており、背面翼の前縁にフラップ、翼端にはウイングレットが備え付けられている。
武装面でもツォーンをはじめとしたビーム兵器類を持たず実弾火器を基本に搭載し、
機銃やミサイル類などを用いた面制圧能力に優れている。当然トゲ付きハンマーなどというクセの強すぎる代物は不採用。
そのため、戦闘時もMA形態を基本にした地上標的に対する空中からの遠・中距離攻撃を得意とする。
無論各武装と運動性を活かした対空中戦闘も充分に可能。
後に対MS戦能力を重視して一部の武装をビーム兵器に換装したタイプも製造されており、これらは「レイダー制式仕様後期型」と呼ばれている。

他にも航続距離の延長とウェポンプラットホームの機能を併せ持つ大型副翼や、
大気圏外からの直接強襲を可能にする再突入ポッドなどのオプション類も豊富で、無改造で宇宙空間での戦闘も行える。
そのためレイダーと比較すると単純な攻撃能力面では劣るものの、幅広い作戦行動を想定した量産機らしい機体になっている。


本機は同じ『SEED MSV』出身のソードカラミティフォビドゥンブルーとセットで扱われることが多いが、
それらと違い当初から量産機として開発されたためそれなりの数が生産された。
飛行用のジェットストライカーが普及したC.E.73においても運用が継続されているあたり、
航空戦力としての役割はきっちりと果たせていたようである。



武装・装備


  • M2M3 76mm機関砲
MA形態の肩から展開される実弾武器。レイダーと同じ物。
砲門は正面方向に固定されており飛行中の正面目標対する攻撃に用いる。

  • サブアーム(大型クロー)
腰部アーマーに装着された先端に大型クローを持つアーム。
MS形態では背面に折り畳まれ、MA形態では機体下部に鳥の脚のように展開する。
これも基本的にレイダーと同じものだが、本機では主に副翼の懸架アームとして使用されている。

  • M20 20mmクロー部機関砲
大型クローの付け根に内蔵された実弾武器。対地攻撃用と思われる。
基本的にMA形態で使用されるがMS形態でも発砲出来、背面への攻撃に使用可能。

  • 短距離プラズマ砲「アフラマズダ」
後期型に装備。
レイダーに搭載された物と同型で、上記のクロー部機関砲と置き換える形で装備された。
短距離用のプラズマ砲で連射性に富み、砲門周辺に短いビーム刃を形成し接触時に目標を切り裂くことも可能。

  • AIM-957Fキングコブラ赤外線誘導短距離AAM
MA時に折り畳まれている肩アーマー部分に装着される大型ミサイル。一応副翼にも装備可能。
高威力で画像追尾による誘導も可能。
なお、装着位置の関係で肩に装備したままではMA形態からMS形態になれない。

  • GAU-8M2 52mm機関砲ポッド
ダガーなどが装備しているのと同型の実弾ライフル。
MA形態では副翼のパイロンに設置したまま発砲出来、MS形態では両手に携行して使用する。

  • MX703Gビームライフル
後期型に装備。
これもダガーが装備しているのと同型。GAU-8M2と置き換える形で装備されるが、外装が共通化されているためビームを発射する以外見た目は同じ。

  • 副翼
本機の専用オプションの一つ。
見た目は航空機の翼部分だけを分離させたような物で、その全幅は翼を展開した状態の本体をも超える。
MA形態でこれをサブアームのクローで掴んで装備すると、本体と合わせ上下二段の翼を持った複葉機のようなシルエットになる。
この装備によって揚力が増し航続距離が延長され、単独での長距離強襲任務を行える。
一部の機体では副翼自体に補助エンジンを搭載し、MS形態となった本体が上部に乗って無線誘導し飛行する簡易的なサブフライトシステムとして用いている。
また、翼面上には四基のパイロンが設けられ、上記の機関砲ポッドやミサイルなどの武装を装着し選択火器を拡充出来る。
MA形態でキングコブラを装備し、各パイロンに武装を装着した副翼を取り付けられた状態の制式仕様は便宜上「フル装備」とも呼ばれる。

頑丈であるため大気圏突入時の耐熱装甲代わりになり、戦闘時にはブレードとしても機能した。
中には副翼自体をMSサイズの超巨大ブーメランとして投擲するケースまであった。
ただし相応のコストがかかる装備であるため、半ば使い捨てとなるブーメランとしての使用はあまり推奨されていない。

  • 再突入ポッド
大気圏突入用のポッド。
フル装備状態の制式仕様一機を丸ごと格納可能で、
地上のマスドライバーから衛星軌道まで上がり、そこから再突入し地上目標地点への高高度攻撃を行う。
再突入後は本体の飛行へと移行する。

このポッドを用いることで超長距離を移動、そのうえで迎撃の難しい高高度から目標にミサイルなどによる先制打撃を与え一撃離脱、
若しくは後続部隊と合流し制空権確保を行うなど、戦術の幅が大きく広がっている。


これら以外にもプロペラントタンクなどいくつかのオプションが用意されていたという。



劇中の活躍


C.E.71(『SEED MSV』)

大戦後期にレイダーに遅れる形で完成。
エドワード・ハレルソンらがテストパイロットを務め、
八・八作戦では先の第三次ビクトリア攻防戦で奪還されたマスドライバーを使い、カーペンタリア基地への強襲任務を実行した。


C.E.71(『X ASTRAY』)

第三次ビクトリア攻防戦後、ソードカラミティ三号機、フォビドゥンブルーなどと共に制式仕様の一機が、
オーブのロンド・ギナ・サハクに譲渡されており、サハク家の管理するアメノミハシラに配備されていた。


C.E.71~73(『DESTINY ASTRAY』)

南アメリカ独立戦争の際、南米へ侵攻した連合所属の制式仕様三機が登場。
エドのソードカラミティ二号機と交戦するが、機体のクセを知り尽くしていたエドに歯が立たず二機が撃墜され、残った一機も撤退した。
その後、ジェーンがもたらした情報にあった南米大陸へのミサイル攻撃を阻止するため、今度はエドが搭乗した制式仕様がパナマ宇宙港から衛星軌道に上がるが、
そもそもミサイル攻撃の情報自体が罠であり、衛星軌道で待ち構えていたモーガン・シュバリエの105ダガー(ガンバレルストライカー装備)と交戦。
基地攻撃用のミサイル装備だったため苦戦しポッドや副翼も喪失し、最後にはガンバレルストライカーのワイヤーに引き摺られ大気圏に落とされてしまう
しかし、本体のTP装甲と偶然近くに落下してきたデブリによって機体を保護し、左腕やクローが脱落したもののなんとか大気圏突入に成功し帰還した。


ブレイク・ザ・ワールドの直前にはアメノミハシラ所属の制式仕様がロンド・ミナ・サハクの護衛としてジェネシスαを訪れ、
襲撃してきたジンハイマニューバ2型を迎撃・撃墜した。
この時は宇宙空間戦用装備だったのか両脚にスラスターが装着されていた。

また、新装版の書き下ろしの前日譚でもアメノミハシラ所属機が登場するが、
ソードカラミティ三号機と共にダンテとエルザが乗る105ダガー(ソードストライカー装備)に攻撃され中破させられている。


C.E.73(『SEED DESTINY』)

『スペシャルエディションⅢ』に登場。
ヘブンズベース基地の守備にあたっており、MA形態の一機がウィンダム(ジェットストライカー装備)らと共にレジェンドに挑むが、
空中で交錯した瞬間にビームライフルの一射が直撃し、ウィンダムたちと同時に撃破された。



関連機体


レイダーガンダム

制式仕様をベースに先行生産された、生体CPU(ブーステッドマン)用の特別仕様機。
基本構造は制式仕様と同じだが、「ミョルニル」等の独特な武装を持つ。


ゲルプレイダー

「アクタイオン・プロジェクト」で製作された改造機。
コンセプト上はレイダーを踏襲した設計だが、予算の関係で実機製造では制式仕様のほうがベースとして使われた。



ゲーム作品


『機動戦士ガンダムSEED 終わらない明日へ』

MSV編のアニメOP冒頭で八・八作戦の様子が描かれエドと共に大気圏突入からの強襲戦闘シーンが描かれる。
ゲーム本編ではブーステッドマン三人のレベル合計が20以上になると入手可能になる。


その後はMSV系ということもあって『スパロボ』、『ガンダムVS.シリーズ』などのクロスオーバー作品どころか、
『SEED』系単体作品の『GENERATION of C.E.』、『BATTLE DESTINY』でも登場出来ず。
『SEED』系の多くを網羅した『Gジェネクロスレイズ』でも登場できなかった。
地球連合軍が敵として出てきた際の良いアクセントになると思うんだけどなぁ…。



立体化


ガンプラ

2021年現在まで正式な商品化の機会は無い。
一応レイダーとの本体の差異は少ないため改造は可能だが、副翼などは一から作らねばならない。



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最終更新:2024年08月15日 12:28