ライト・バニッシュ(遊戯王OCG)

登録日:2021/08/15 (日曜日) 19:46:45
更新日:2023/08/06 Sun 11:12:11
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ライト・バニッシュ

カウンター罠
自分フィールド上の「ライトロード」と名のついたモンスター1体をリリースして発動できる。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。

ライト・バニッシュとは、遊戯王OCGに存在するカードである。

初出は海外の「Light of Destruction」で海外先行カードとなっている。
日本では「EXTRA PACK Volume 2」で初収録。

2008年から登場し、今に至るまで根強い人気を誇るデッキ「ライトロード」。
そしてこちらのカードは、そのライトロードの強さを支える重要な一枚になっている。

効果は「モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚」を阻止するという単純ながらきわめて強力なもの。
昨今ではモンスターの特殊召喚を乱発した大量展開が(たまーにある例外を除いて)当たり前に行われており、
それはつまり特殊召喚を阻止する効果が以前にもまして重要性が高くなっていることを意味する。

大量展開のカギになるカードをピンポイントで妨害して相手の計算を大幅に狂わせることは、現代遊戯王における制圧の必須事項である。

ここまで書けば、その特殊召喚を阻止する「ライト・バニッシュ」がどれほど強力なカウンター効果を持っているかがお分かりいただけただろう。

発動に際しては、フィールド上のライトロードを一枚墓地に送らないといけないため、
一見すると「ライト・バニッシュ」+「コストにするライトロード」の二枚で相手のカード一枚を破壊する
「2:1交換」になってしまい、こちらが不利になっているようにも見える。
しかしこのカードが属するライトロードは積極的な墓地活用をテーマにしているため、ライトロードの墓地送りはメリットでしかない。
例えば相手の特殊召喚を「ライト・バニッシュ」で阻止しつつ、ライトロードをコストにすることで裁きの龍の召喚条件を満たす、など
コストすらも利にしたテクニカルな動きをも可能にして見せる、それがライト・バニッシュである。



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その正体はライトロードはおろか、遊戯王OCGのカードの中でぶっちぎりのクズカードと称される代物である。


役立たずのカードなんて他にもいくらでもあるだろうに、どうしてそこまで罵られているのか?
その答えがこちらである。


カウンター罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。

この「昇天の角笛」もライト・バニッシュと同様に場のモンスター一枚をコストにした召喚妨害効果を持っている。
妨害できる範囲はライト・バニッシュと同一であり、コストにするモンスターには何ら条件が無い
そのため、以下の様にコストを有効活用できるデッキにて活躍が期待できる。


……おわかりいただけただろうか。
ライト・バニッシュは「ライトロードモンスター」を指定してしまったためにこれらのコンボにつなげる事ができず、
逆に昇天の角笛は一切の条件が無いため、何ならライトロードデッキに入れて使用することも可能。
冒頭で話した「裁きの龍」の茶番も、昇天の角笛で一切問題なく再現できてしまう。

とどめにライト・バニッシュは「ライトロードと名の付くカード」ではないため、ライトロードをサポートするカードの恩恵も受けられない。
専用になっただけの下位互換(もしくはそれ以下)であっても、サーチ等ができるという理由だけで評価が変わることはままあるのだが。

「昇天の角笛にできてライト・バニッシュにできない」ことは色々あれど
「ライト・バニッシュにできて昇天の角笛にできない」ことは一切存在しない、という
俗にいう「完全下位互換」の関係が成立してしまっている。
ただイラストアドだけは非常に高い。《ライトロード・エンジェル ケルビム》のふつくしい姿が見れるのはライト・バニッシュだけである!




…まあこれだけで終わるならさして珍しい話ではない。
後発のカードがインフレの恩恵を受けて、以前のカードを追い抜くだなんてよくある話…




  • ライト・バニッシュ収録「EXTRA PACK Volume 2」2009年9月19日
  • 昇天の角笛収録「Vol.6」1999年11月18日


……あれ?

ライト・バニッシュが他のクズカードと一線を画すポイントはここであり、
なんと10年前に誕生したカードの「完全下位互換」になってしまったというお粗末な事態であった。

長い歴史を持つ遊戯王だが、さすがに前発のカードに負けるだなんて事例は殆どない。
あるとしても、それは元カードが「禁止・制限に指定されたカード」だったり、入手機会を絞った特別なカードだったりといった事例である。

なぜこんな事態が起きたかは不明だが、カードプール精査に見落としがあったのではなかろうか?


ここからは死体蹴りになるが、そもそも比較対象の「昇天の角笛」が、決して手放して強いカードではない。
というのも、確かに相手の特殊召喚を阻止する効果はとても優秀だが、それが「2:1交換」になってしまうと事情が変わってしまい、
LP軽視の風潮も相まって、カードではなくライフコストで発動できる神の宣告等に大きく水をあけられることとなっている。

「コストを有効活用できるデッキで、昇天の角笛が活躍できる」のではなく
「コストを有効活用できるデッキだったら、他を差し置いてワンチャン昇天の角笛がデッキに入るかも」という程度の評価に過ぎない。

当然ながら下位互換であるライト・バニッシュの評価は更に低いものになる。


もう一つ追い打ちをかけるとすると、昇天の角笛だとか神の宣告が無くても、ライト・バニッシュをライトロードで活かすのは難しかったであろう。

ライトロードは墓地に多くのライトロードモンスターを置くことが肝心になってくるが、その手段として
「デッキの上から無作為に墓地に送る効果」でぱぱーっと送ってしまう手口を採用している。
そのため、通常無作為に墓地に送られても意味がないカードである魔法・罠カードは、
「光の援軍」「ソーラー・エクスチェンジ」等の単純に超強いカード、
ブレイクスルー・スキル」のような墓地発動効果を持つカードでないと採用しづらいデッキになっている。
そんなところに単純に弱いカードを入れる余地など全くないのである。


環境の異なるゲームに目を向けてみても、遊戯王マスターデュエルではレアリティがRという割りと低いので生成しやすい。
…とおもいきや昇天の角笛も同じくレアリティRである
一応ライト・バニッシュはライトロードパックで出やすいとは言え、Rは生成難易度も低いのでここでも差別化は難しい。救いはないのか…。


ここでせめてこのカードを入れる意義をひねり出しておくと、OCGの長い歴史でもよほどの特殊ケースであるが相手がこちらのカードを奪える時に使用されにくいという利点はある。
そして、ライトロードにおいては相互互換に近いため、4枚目以降の昇天の角笛という言い方は可能である。
「そもそも1枚目も要らない」は禁句


カテゴリ専用でありながらカテゴリの基本戦法とかみ合わないという欠陥を抱えているが、
カテゴリカードである以上、もしかしたら、このカードも対象に含めたサポートが登場し、このカードが環境を制するかもしれない…。
近年ではカード名だけでなくテキスト中に特定の名称が入っていればサポートすることができるカードが増えているため、「「ライトロード」のカード名が記されたカードを手札に加える」の様なテキストを持つカードが出てくる可能性もある。
召喚・特殊召喚を止めるという行為自体は強いため、簡単にサーチやサルベージが可能になり妨害として構えやすくなれば使い勝手が向上し採用にワンチャンが巡ってくるかもしれない。
尤もそれはifの話であり現在では使い道が少なすぎるのもまた事実。ライト・バニッシュの明日はどっちだ!


なお、初出である海外の「Light of Destruction」では何を思ってかスーパーレアでの収録だったが、こんな散々な評価からか「EXTRA PACK Volume 2」ではレア枠を勝ち取れずノーマルで収録された。
しかし、収録カードが全てウルトラ仕様となっているデッキセット「デュエリストセット Ver.ライトロード・ジャッジメント」では他のライトロードを押しのけてまで再録されている。
このカードのウルトラでの再録は正に誰得と言えるだろう。

タッグフォースシリーズにおいては【ライトロード】使いの大庭ナオミがタッグフォース5にてお気に入りカードに指定している。
お気に入りカードはパートナーのデッキが編集可能になった際にデッキから抜くことができないカードなので、CPUに扱わせると難があるコストを払うタイプのカウンター罠なので暴発しやすく嫌がらせでしかない。



追記修正は、ライト・バニッシュで華麗に勝利を決めてからお願いします。

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最終更新:2023年08月06日 11:12