ライト・バニッシュ(遊戯王OCG)

登録日:2021/08/15 (日曜日) 19:46:45
更新日:2025/01/25 Sat 18:45:10
所要時間:約 6 分で読めます




ライト・バニッシュ

カウンター罠
自分フィールド上の「ライトロード」と名のついたモンスター1体をリリースして発動できる。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。

《ライト・バニッシュ》とは、遊戯王OCGに存在するカードである。

初出は海外の「Light of Destruction」で海外先行カードとなっている。
日本では「EXTRA PACK Volume 2」で初収録。

2008年から登場し、今に至るまで根強い人気を誇るデッキ【ライトロード】。
そしてこちらのカードは、そのライトロードの強さを支える重要な一枚になっている。

効果は「モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚」を阻止するという単純ながらきわめて強力なもの。
昨今ではモンスターの特殊召喚を乱発した大量展開が(たまーにある例外を除いて)当たり前に行われており、
それはつまり特殊召喚を阻止する効果が以前にもまして重要性が高くなっていることを意味する。

大量展開のカギになるカードをピンポイントで妨害して相手の計算を大幅に狂わせることは、現代遊戯王における制圧の必須事項である。

ここまで書けば、その特殊召喚を阻止する《ライト・バニッシュ》がどれほど強力なカウンター効果を持っているかがお分かりいただけただろう。

発動に際しては、フィールド上のライトロードを一枚墓地に送らないといけないため、
一見すると《ライト・バニッシュ》+「コストにするライトロード」の二枚で相手のカード一枚を破壊する
「2:1交換」になってしまい、こちらが不利になっているようにも見える。
しかしこのカードが属するライトロードは積極的な墓地活用をテーマにしているため、ライトロードの墓地送りはメリットでしかない。
例えば相手の特殊召喚を《ライト・バニッシュ》で阻止しつつ、ライトロードをコストにすることで《裁きの龍》の召喚条件を満たす、など
コストすらも利にしたテクニカルな動きをも可能にして見せる、それが《ライト・バニッシュ》である。



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その正体はライトロードはおろか、遊戯王OCGのカードの中でぶっちぎりのクズカードと称される代物である。


役立たずのカードなんて他にもいくらでもあるだろうに、どうしてそこまで罵られているのか?
その答えがこちらである。


カウンター罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。

この《昇天の角笛》も《ライト・バニッシュ》と同様に場のモンスター1枚をコストにした召喚妨害効果を持っている。
妨害できる範囲は《ライト・バニッシュ》と同一であり、コストにするモンスターには何ら条件が無い
そのため、以下の様にコストを有効活用できるデッキにて活躍が期待できる。


……おわかりいただけただろうか。
《ライト・バニッシュ》は「ライトロードモンスター」を指定してしまったためにこれらのコンボにつなげる事ができず、
逆に《昇天の角笛》は一切の条件が無いため、何ならライトロードデッキに入れて使用することも可能。
冒頭で話した《裁きの龍》の茶番も、《昇天の角笛》で一切問題なく再現できてしまう。

とどめに《ライト・バニッシュ》は「ライトロードと名の付くカード」ではないため、ライトロードをサポートするカードの恩恵も受けられない。
専用になっただけの下位互換(もしくはそれ以下)であっても、サーチ等ができるという理由だけで評価が変わることはままあるのだが。

「《昇天の角笛》にできて《ライト・バニッシュ》にできない」ことは色々あれど
「《ライト・バニッシュ》にできて《昇天の角笛》にできない」ことは一切存在しない、という
俗にいう「完全下位互換」の関係が成立してしまっている。
ただイラストアドだけは非常に高い。《ライトロード・エンジェル ケルビム》のふつくしい姿が見れるのは《ライト・バニッシュ》だけである!




…まあこれだけで終わるならさして珍しい話ではない。
後発のカードがインフレの恩恵を受けて、以前のカードを追い抜くだなんてよくある話…




  • 《ライト・バニッシュ》収録「EXTRA PACK Volume 2」2009年9月19日
  • 《昇天の角笛》収録「Vol.6」1999年11月18日


……あれ?

《ライト・バニッシュ》が他のクズカードと一線を画すポイントはここであり、
なんと10年前に誕生したカードの「完全下位互換」になってしまったというお粗末な事態であった。

長い歴史を持つ遊戯王だが、さすがに前発のカードに負けるだなんて事例は殆どない。
あるとしても、それは元カードが「禁止・制限に指定されたカード」だったり、入手機会を絞った特別なカードだったりといった事例である。

なぜこんな事態が起きたかは不明だが、カードプール精査に見落としがあったのではなかろうか?


ここからは死体蹴りになるが、そもそも比較対象の《昇天の角笛》が、決して手放して強いカードではない。
というのも、確かに相手の特殊召喚を阻止する効果はとても優秀だが、それが「2:1交換」になってしまうと事情が変わってしまい、
LP軽視の風潮も相まって、カードではなくライフコストで発動できる《神の宣告》等に大きく水をあけられることとなっている。

「コストを有効活用できるデッキで、《昇天の角笛》が活躍できる」のではなく
「コストを有効活用できるデッキだったら、他を差し置いてワンチャン《昇天の角笛》がデッキに入るかも」という程度の評価に過ぎない。

当然ながら下位互換である《ライト・バニッシュ》の評価は更に低いものになる。


もう一つ追い打ちをかけるとすると、《昇天の角笛》だとか《神の宣告》が無くても、《ライト・バニッシュ》をライトロードで活かすのは難しかったであろう。

ライトロードは墓地に多くのライトロードモンスターを置くことが肝心になってくるが、その手段として
「デッキの上から無作為に墓地に送る効果」でぱぱーっと送ってしまう手口を採用している。
そのため、通常無作為に墓地に送られても意味がないカードである魔法・罠カードは、
《光の援軍》《ソーラー・エクスチェンジ》等の単純に超強いカード、
ブレイクスルー・スキル》のような墓地発動効果を持つカードでないと採用しづらいデッキになっている。
そんなところに単純に弱いカードを入れる余地など全くないのである。


環境の異なるゲームに目を向けてみても、遊戯王マスターデュエルではレアリティがRという割りと低いので生成しやすい。
…とおもいきや《昇天の角笛》も同じくレアリティRである
一応《ライト・バニッシュ》はライトロードパックで出やすいとは言え、Rは生成難易度も低いのでここでも差別化は難しい。救いはないのか…。


ここでせめてこのカードを入れる意義をひねり出しておくと、OCGの長い歴史でもよほどの特殊ケースであるが相手がこちらのカードを奪える時に使用されにくいという利点はある。
そして、ライトロードにおいては相互互換に近いため、4枚目以降の《昇天の角笛》という言い方は可能である。
「そもそも1枚目も要らない」は禁句


カテゴリ専用でありながらカテゴリの基本戦法とかみ合わないという欠陥を抱えているが、
カテゴリカードである以上、もしかしたら、このカードも対象に含めたサポートが登場し、このカードが環境を制するかもしれない…。
近年ではカード名だけでなくテキスト中に特定の名称が入っていればサポートすることができるカードが増えているため、「「ライトロード」のカード名が記されたカードを手札に加える」の様なテキストを持つカードが出てくる可能性もある。
召喚・特殊召喚を止めるという行為自体は強いため、簡単にサーチやサルベージが可能になり妨害として構えやすくなれば使い勝手が向上し採用にワンチャンが巡ってくるかもしれない。
尤もそれはifの話であり現在では使い道が少なすぎるのもまた事実。


そして2023年。「CYBERSTORM ACCESS」にて遂にサポートカードが登場した。

死天使ハーヴェスト
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/天使族/攻1800/守1000
【Pスケール:青8/赤8】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを破壊し、デッキから「昇天の黒角笛」1枚を手札に加える。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・P召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「昇天の角笛」1枚を手札に加える。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。
このカードを自分のPゾーンに置く。

…そう、《昇天の角笛》のサポートカードである。

召喚・P召喚時に《昇天の角笛》をサーチ
→自身をリリースコストに《昇天の角笛》を発動して妨害、自身はPゾーンへ置かれる
→返しのターンにP効果で自身を破壊して《昇天の黒角笛》をサーチ、自身はEXデッキへ置かれる
→P召喚でEXデッキから出し、再び《昇天の角笛》をサーチ
→…

と言う流れで《昇天の角笛》が3ターン連続で使える様になる。序でにサーチしている《昇天の黒角笛》がモンスター1体の特殊召喚をノーコストで無効にできるため、追加で妨害も構えられると言う設計。

…そして先述した通りに 《ライト・バニッシュ》はライトロードのサポートを受けられず、このカードの登場時点では名指しサポートが存在しない。
まさか後年になってサポートカードの有無と言う格差を追加されるとは誰も予想できなかっただろう…最早死体蹴り同然である。

一方2024年にはライトロードの新規が登場し、《裁きの龍》や《戒めの龍》をサーチするカードなど、既存のカードとも連携が取れる様な強化が為された…のだが、《ライト・バニッシュ》はスルーされた。
元々本家ライトロードの居場所はないも同然だったが、上位互換のカードにサポートカードが追加されて立場が怪しくなったこのタイミングでスルーされてしまう辺り《ライト・バニッシュ》が本格的に見放されつつある。このままでは無縁仏に…
《ライト・バニッシュ》の明日はどっちだ!


なお、初出である海外の「Light of Destruction」では何を思ってかスーパーレアでの収録だったが、こんな散々な評価からか「EXTRA PACK Volume 2」ではレア枠を勝ち取れずノーマルで収録された。
しかし、収録カードが全てウルトラ仕様となっているデッキセット「デュエリストセット Ver.ライトロード・ジャッジメント」では他のライトロードを押しのけてまで再録されている。
このカードのウルトラでの再録は正に誰得と言えるだろう。

タッグフォースシリーズにおいては【ライトロード】使いの大庭ナオミがタッグフォース5にてお気に入りカードに指定している。
お気に入りカードはパートナーのデッキが編集可能になった際にデッキから抜くことができないカードなので、CPUに扱わせると難があるコストを払うタイプのカウンター罠なので暴発しやすく嫌がらせでしかない。



追記修正は、《ライト・バニッシュ》で華麗に勝利を決めてからお願いします。

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最終更新:2025年01月25日 18:45